第六十四条(預金者に対する貸付け) 郵政大臣は、預金者の生活上の必要をみたすため、積立郵便貯金、定額郵便貯金又は定期郵便貯金の預金者に対し、当該郵便貯金を担保として貸付けをすることができる。
第六十五条(貸付金の金額の制限) 前条の規定による貸付金の金額は、貸付けを受けようとする預金者が担保とする積立郵便貯金、定額郵便貯金又は定期郵便貯金の当該貸付けの申込みの日における現在高に十分の九を乗じて得た額に相当する金額を超えてはならず、その総額は、一の預金者ごとに十万円を超えてはならない。
前条の規定による貸付金の総額が前項に規定する制限額を超えたときは、郵政省は、その旨を当該貸付けを受けた預金者に通知する。
前項の規定による通知があつたときは、預金者は、当該貸付金の総額が第一項に規定する制限額以内の金額となるように当該貸付金の一部を返還しなければならない。
第二項の規定により通知を発した日から一箇月以内に当該預金者が前項の規定による返還をしないときは、郵政省は、貸付金のうちその貸付けにより貸付金の総額が第一項に規定する制限額を超えることとなつたもの及びその利子に係る債務の弁済の期限を繰り上げ、当該貸付金の担保とされた郵便貯金を当該債務の弁済に充当するものとする。この場合において、当該郵便貯金に関する契約は、消滅する。
第六十六条(貸付期間及び利率) 第六十四条の規定による貸付金の貸付期間及び利率は、政令で定める。
郵政大臣は、前項の政令の制定又は改正の立案をしようとするときは、郵政審議会に諮問しなければならない。
第六十七条(法定弁済) 第六十四条の規定による貸付金の貸付期間内に当該貸付けの担保とされた郵便貯金の払いもどしの請求があつたときは、当該払いもどし金の金額は当該郵便貯金のその時における現在高からその時における当該貸付金及びその利子の合計額に相当する金額を控除した金額とし、当該貸付金及びその利子に係る債務の弁済の期限はその時となるものとし、その控除された金額はその債務の弁済に充当される。
第六十四条の規定による貸付金の貸付期間が経過した場合において、その時までに貸付金及びその利子に係る債務の弁済がないときは、当該貸付けの担保とされた郵便貯金は、当該貸付金及びその利子に係る債務の弁済に充当される。この場合において、当該郵便貯金に関する契約は、消滅する。
第六十八条(省令への委任) 第六十四条から前条までに定めるもののほか、第六十四条の規定による貸付けの条件及び手続に関し必要な事項は、省令で定める。