(趣旨)
第一条 この法律は、沖縄(沖縄県の区域とされていた地域をいう。以下同じ。)の復帰が実現されることとなつたことに伴い、沖縄の法令の規定による弁護士となる資格を有する者(弁護士法(昭和二十四年法律第二百五号)の規定による弁護士となる資格を有する者を除く。以下同じ。)等に対する本邦の弁護士資格等の付与等に関し、必要な措置を定めるものとする。
(資格の付与)
第二条 沖縄の法令の規定による弁護士となる資格を有する者で次の各号の一に該当するものは、司法試験管理委員会が本邦の裁判官、検察官又は弁護士として必要な学識及びその応用能力があるかどうかを判定するために行なう選考(以下「選考」という。)を受けることができる。
一 政令で定める日において、沖縄の法令の規定による裁判官、検査官又は弁護士の職の一又は二以上にあつてその年数(沖縄の法令の規定による弁護士となる資格を得た後の年数に限る。)を通算して三年以上になる者
二 前号に掲げる者のほか、沖縄の法令の規定による司法試験に合格した者で、政令で定める日までに本邦において司法修習生の修習と同一の修習課程を終えたもの
2 沖縄の法令の規定による弁護士となる資格を有する者で前項各号の一に該当しないもの又は沖縄の法令の規定による司法修習生となる資格を有する者で、この法律の施行の日において引き続き一年以上沖縄に住所を有するものは、司法試験管理委員会が裁判、検察及び弁護士事務の実務に関する基礎的素養があるかどうかを判定するために行なう試験(以下「試験」という。)を受けることができる。
3 試験に合格した者は、選考を受けることができる。
4 選考に合格した者は、その選考に合格したときに、裁判所法(昭和二十二年法律第五十九号)第六十七条第一項の規定による司法修習生の修習を終えたものとみなす。
(講習)
第三条 司法試験管理委員会は、前条第一項又は第三項に規定する者で選考を受けようとするもののために、本邦の法令並びに裁判、検察及び弁護士事務の実務に関する講習(以下「講習」という。)を行なうものとする。
(選考の実施等)
第四条 選考、試験及び講習は、沖縄が復帰するまでの間に限り、行なうものとする。
2 選考及び試験の合格者は、司法試験管理委員会が定める。
3 司法試験管理委員会は、不正の手段によつて選考若しくは試験を受け、又は受けようとした者に対して、合格の決定を取り消し、又はその選考若しくは試験を受けることを禁止することができる。
4 前二条及びこの条に規定するもののほか、選考、試験及び講習に関して必要な事項は、政令で定める。
(司法試験管理委員会の所掌事務の臨時特例)
第五条 司法試験管理委員会は、沖縄が復帰するまでの間、司法試験法(昭和二十四年法律第百四十号)第十二条に規定する事項のほか、選考、試験及び講習に関する事項を行なうものとする。
(規則の制定)
第六条 司法試験管理委員会は、この法律及びこれに基づく政令に定めるもののほか、選考、試験及び講習の実施に必要な細則について、司法試験管理委員会規則を制定することができる。
(暫定措置)
第七条 沖縄の復帰の日の前日において沖縄の法令の規定による弁護士である者(弁護士法の規定による弁護士となる資格を有する者を除く。)は、沖縄の復帰の日から起算して五年間に限り、政令で定めるところにより、沖縄において、同法第三条に規定する事務を行なうことができる。