(目的)
第一条 この法律は、加入電話等に係る公衆電気通信役務に対する需要の急激な増加に応じて日本電信電話公社が急速かつ計画的に行なう電話設備の拡充改善のための事業に係る電話交換方式の自動化の実施に伴い、電話取扱局において一時に多数の電話交換要員が過剰となるきわめて特殊な事情に対処して、これらの過剰となる電話交換要員の退職につき特別の給付金の支給に関する臨時措置を定めることにより、その過剰となる電話交換要員の退職の円滑化をはかり、日本電信電話公社の当該事業の遂行の促進に寄与することを目的とする。
(定義)
第二条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
一 電話取扱局 電話に関する現業事務を取り扱う日本電信電話公社(以下「公社」という。)の事業所及び公衆電気通信法(昭和二十八年法律第九十七号)第七条の規定により電話の交換に関する事務を委託されている郵便局をいう。
二 自動化 電話取扱局につき、その電話取扱局に収容されている電話からの市内通話の交換方式を手動交換方式から自動交換方式に変更すること及びその電話による市外通話の全部又は一部の接続(その電話取扱局の市外交換設備に係る部分に限る。)の方式を手動接続方式から自動接続方式に変更することをいう。
三 電話交換要員 公衆電気通信法第二条第五号に規定する公衆電気通信業務のうち、電話の交換に関する事務で政令で定めるもの(以下「電話交換事務」という。)に従事する者をいう。
(特別給付金の支給)
第三条 政府又は公社は、政令で定めるところにより、その自動化の実施に伴い電話交換要員により行なわれる電話交換事務の全部又は一部が廃止される電話取扱局で郵政大臣又は公社の総裁が指定するものにおいて、当該廃止に係る電話交換事務に従事する電話交換要員であつて、郵政省設置法(昭和二十三年法律第二百四十四号)第二十五条第二項に規定する常勤の職員(国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)第六十条第一項の規定により任用されているものを除く。)又は日本電信電話公社法(昭和二十七年法律第二百五十号)第二十八条第一項に規定する公社の職員であるものが、その自動化の実施の日として郵政大臣又は公社の総裁が定める日の三十日前までに退職の申出を行ない、郵政大臣又は公社の総裁の認定を受けてその実施の日から七日以内に退職したときは、次に掲げる場合を除き、その者に対し、特別の給付金を支給する。
一 その者につき配置転換及び職種転換ができないか又は著しく困難であると認められる場合以外の場合
二 その者が、退職した日又はその翌日に郵政省又は公社の常勤の職員(国家公務員法第六十条第一項の規定により任用される者及び公社に常時勤務する二月以内の期間を定めて雇用される者を含む。第五条において同じ。)として採用される場合
三 その者が、その以前においてこの項の規定による特別の給付金の支給を受けた者(その支給を受けた特別の給付金の全部に相当する金額を第五条の規定により返還した者を除く。)である場合
2 前項の認定は、当該自動化の実施により生ずることとなる電話交換要員の過員に相当する人数から当該廃止に係る電話交換事務に従事する電話交換要員のうち配置転換及び職種転換ができないか又は著しく困難であると認められるもの以外のものの人数を差し引いて得た人数の範囲内において、政令で定める基準に従つてするものとする。
3 第一項の規定による特別の給付金の支給は、昭和四十八年三月三十一日までに退職した者につきするものとする。
(特別給付金の額)
第四条 前条第一項の規定よる特別の給付金の額は、退職の日におけるその者の俸給、扶養手当及び暫定手当(公社の職員にあつては、基本給、扶養手当及び勤務地手当)の月額の合計額に、その者の勤続期間により、次の各号に掲げる月数を乗じて得た金額とする。
2 前項の特別の給付金の額の算定の基礎となる勤続期間の計算については、国家公務員等退職手当法(昭和二十八年法律第百八十二号)第七条第一項から第五項までの規定を準用する。この場合において、必要な技術的読替えは、政令で定める。
(特別給付金の返還等)
第五条 第三条第一項の規定による特別の給付金の支給を受けた者(その支給を受けるべき者を含む。)がその支給に係る退職をした日から起算して一年以内(その退職をした日及びその翌日を除く。)に郵政省又は公社の常勤の職員として採用された場合には、その者は、まだその特別の給付金の支給を受けていない場合にあつては、その支給を受ける権利を失うものとし、既にその特別の給付金の支給を受けている場合にあつては、政令で定めるところにより、その支給を受けた特別の給付金に相当する金額を政府又は公社に返還しなければならない。