(就職促進手当の支給)
第十六条 国は、手帳の発給を受けた者に対して、その生活の安定を図り、求職活動を容易にさせるため、就職促進手当(以下この節において「手当」という。)を支給する。
2 手当は、手帳の発給の申請の日から起算して八日目に当たる日から手帳がその効力を失うまでの間、当該手帳の発給を受けた者が第十四条の規定により就職指導を受けるために公共職業安定所に出頭した場合に、当該出頭日の直前の出頭すべき日の翌日(当該出頭日が最初の出頭すべき日であるときは、手帳の発給の申請の日から起算して八日目に当たる日)から当該出頭日までの期間につき、支給する。
3 第十四条ただし書の規定に該当するときは、前項の規定の適用については、当該出頭すべき日に同条の規定により就職指導を受けるために公共職業安定所に出頭したものとみなす。
(手当の日額)
第十七条 手当の日額は、手帳の発給を受けた者に係る第八条第一項第一号の離職の日前の賃金日額に応じて定めるものとし、当該賃金日額に百分の六十を乗じて得た額が四百五十円以上である者については、四百五十円、当該賃金日額に百分の六十を乗じて得た額が四百五十円に満たない者については、当該賃金日額に百分の六十を乗じて得た額を基準として労働大臣が定める日額表におけるその者の賃金日額が属する賃金等級に応じて定められた金額とする。
2 前項の賃金日額は、手帳の発給を受けた者が第八条第一項第一号の離職の日の属する月前十二月(月の末日において離職したときは、その月及びその前十一月)において賃金の支払の基礎となつた日数が十一日以上である各月(その月数が六をこえるときは、最後の六月)に支払を受けた賃金の総額を、三十にその月数を乗じて得た数で除して得た額とする。
3 前項の賃金日額については、失業保険法(昭和二十二年法律第百四十六号)第十七条の二第二項の規定を準用する。
4 前二項の規定によつて賃金日額を算定することが困難であるとき、又は前二項の規定によつて算定した賃金日額が著しく不当であるときは、労働大臣が定めるところにより算定する額を賃金日額とする。
(調整)
第十八条 手帳の発給を受けた者が失業保険法の規定による失業保険金の受給資格者である場合には、その者が当該資格に基づく所定給付日数(同法第二十条第一項、第二十条の二第一項から第三項まで若しくは第二十条の三第一項の規定により又は同法第二十条の四第一項の規定による措置に基づき失業保険金の支給を受けることができる日数をいう。以下この項において同じ。)分の失業保険金の支給を受け終わるか、又は受けることができなくなるまでの間は、手当を支給しない。その者が同法第二十条の五第一項又は第二十三条第一項の規定による給付の制限を受けたため失業保険金の支給を受けることができなくなつた場合においては、失業保険金の支給を受けることができなくなつた日の前日における失業保険金の支給残日数(当該失業保険金の受給資格に基づく所定給付日数からすでに失業保険金の支給を受けた日数を差し引いた日数(その日数が、失業保険金が支給されないこととなつた日から当該受給資格に係る受給期間が満了する日までの日数をこえるときは、その日から当該受給資格に係る受給期間が満了する日までの日数)をいう。)が経過するまでの間も、同様とする。
2 手帳の発給を受けた者が失業保険法第三十八条の六の規定に該当する場合には、その者が同法第三十八条の九の規定による失業保険金の支給を受け終わるか、又は受けることができなくなるまでの間は、手当を支給しない。その者が同法第三十八条の十第二項の規定による給付の制限を受けたため失業保険金の支給を受けることができなくなつた場合においては、同条同項に規定する期間が経過するまでの間も、同様とする。
3 第一項前段及び前項前段の場合において、当該失業保険金の日額が前条の規定による手当の日額に満たないときは、第一項前段及び前項前段の規定にかかわらず、当該手当の日額から当該失業保険金の日額を控除した残りの額を、その者に支給する。
4 手帳の発給を受けた者が職業訓練を受ける場合において、その者が第二十三条第一項第二号に規定する職業訓練手当の支給を受けることとなつたときは、当該職業訓練を受ける間は、手当を支給しない。ただし、職業訓練手当の日額が前条の規定による手当の日額に満たないときは、当該手当の日額から当該職業訓練手当の日額を控除した残りの額を、その者に支給する。
5 手帳の発給を受けた者が第一項前段又は第二項前段及び前項本文の規定に該当する場合には、第三項及び前項ただし書の規定にかかわらず、失業保険金の日額と職業訓練手当の日額との合計額が前条の規定による手当の日額に満たない場合において、当該手当の日額から当該失業保険金の日額と当該職業訓練手当の日額との合計額を控除した残りの額を、その者に支給する。
6 手当の支給を受けることができる者が自己の労働によつて収入を得た場合において、その収入の一日分に相当する額から十円を控除した残りの額とその者に支給される手当の日額との合計額が前条第一項の賃金日額の百分の八十に相当する額をこえないときは、手当の日額の全額を支給し、その合計額が当該賃金日額の百分の八十に相当する額をこえるときは、その超過額を手当の日額から控除した残りの額を支給し、その超過額が手当の日額をこえるときは、手当を支給しない。
(手当の支払)
第十九条 手当は、公共職業安定所において、二週間に一回、支払うものとする。ただし、労働大臣は、必要があると認めるときは、手当の支払について別段の定めをすることができる。
(支給の制限)
第二十条 手当の支給を受けることができる者が次の各号のいずれかに該当するときは、当該事実のあつた日から起算して一月間は、手当を支給しない。
一 公共職業安定所の紹介する職業につくことを拒んだとき。ただし、次のいずれかに該当するときを除く。
イ 紹介された職業がその者の能力からみて不適当であるとき。
ロ 就職するために現在の住所又は居所を変更することを要する場合において、その変更が困難であるとき。
ハ 就職先の賃金が同一地域において同一職種に従事する労働者に通常支払われる賃金に比べて不当に低いとき。
二 第十三条第二項の規定による公共職業安定所長の指示に従わなかつたとき。
2 手当の支給を受けることができる者が、疾病又は負傷により就職指導を受けるために公共職業安定所に出頭することができない場合において、その期間が継続して十四日をこえるときは、当該十四日をこえる期間は、手当を支給しない。
3 前二項の場合においては、公共職業安定所長は、その旨を本人に通知するものとする。
(返還)
第二十一条 偽りその他不正の行為によつて手当の支給を受けた者がある場合には、労働大臣は、その支給を受けた者に対して、支給した手当の全部又は一部を返還すべきことを命ずることができ、また、その手当の支給がその者を雇用していた事業主の虚偽の報告又は証明によるものであるときは、その事業主に対して、支給を受けた者と連帯して手当の全部又は一部を返還すべきことを命ずることができる。
2 失業保険法第三十五条の規定は、前項の規定により返還を命ぜられた金額の納付を怠つた場合に準用する。
(省令への委任)
第二十二条 この節に定めるもののほか、手当の支給の手続その他手当に関して必要な事項は、労働省令で定める。