日本開発銀行に関する外航船舶建造融資利子補給臨時措置法
法令番号: 法律第96号
公布年月日: 昭和36年5月27日
法令の形式: 法律

提案理由 (AIによる要約)

戦後の商船隊回復において、海運企業は自己資金不足により借入金での船舶建造を余儀なくされ、国際水準と比べて高金利な状況で企業内容が悪化した。昨年、市中金融機関の融資に対する利子補給を実施したが、船舶建造融資の50%以上を占める日本開発銀行の融資についても、金利負担の軽減が必要となった。特に輸出入銀行の輸出船向け低金利との不均衡が顕在化したため、来年度から日本開発銀行融資にも年1.5%の利子補給を5年間実施することとし、契約締結期間を3年間とする本法案を提出するものである。

参照した発言:
第38回国会 衆議院 運輸委員会 第7号

審議経過

第38回国会

参議院
(昭和36年2月23日)
衆議院
(昭和36年2月24日)
参議院
(昭和36年2月28日)
衆議院
(昭和36年3月28日)
(昭和36年4月14日)
(昭和36年4月18日)
(昭和36年4月21日)
(昭和36年4月27日)
参議院
(昭和36年5月11日)
(昭和36年5月16日)
(昭和36年5月18日)
(昭和36年5月19日)
(昭和36年6月8日)
衆議院
(昭和36年6月28日)
日本開発銀行に関する外航船舶建造融資利子補給臨時措置法をここに公布する。
御名御璽
昭和三十六年五月二十七日
内閣総理大臣 池田勇人
法律第九十六号
日本開発銀行に関する外航船舶建造融資利子補給臨時措置法
(利子補給契約)
第一条 政府は、日本船舶を所有することができる会社の申請により、その会社が外航船舶(船舶安全法(昭和八年法律第十一号)にいう遠洋区域を航行区域とする貨物船又は油送船で運輸省令で定める規格に適合するものをいう。)の建造を日本の国籍を有する者又は日本の法令により設立された法人たる造船事業者に請け負わせる場合において、日本開発銀行がその資金を融通するときは、政令で定めるところにより、当該融資につき利子補給金を支給する旨の契約を同銀行と結ぶことができる。
(利子補給金の支給年限)
第二条 前条の規定による利子補給金を支給する旨の契約(以下「利子補給契約」という。)により政府が利子補給金を支給することができる年限は、当該利子補給契約をした会計年度以降七年度以内とする。
(利子補給金の総額)
第三条 政府は、利子補給契約を結ぶ場合には、利子補給金の総額が予算で定める金額をこえることとならないようにしなければならない。
(利子補給金の限度)
第四条 利子補給契約により政府が支給する利子補給金の額は、当該利子補給契約に係る融資が最初になされた日から当該船舶が造船事業者から注文者に引き渡された日後二月までの間になされた融資の融資残高について、当該融資に係る利率と年五分との差の範囲内で運輸大臣が告示で定める利率で計算する額を限度とする。
2 前項の規定により利子補給金の限度額を計算する場合において、当該利子補給契約で定める当該船舶の予定竣工日以後の融資残高が、融資総額を当該融資契約が結ばれた日以後、貨物船に係る融資にあつては元本三年間据置き十年間半年賦均等償還、油送船に係る融資にあつては元本三年間据置き八年間半年賦均等償還の条件で償還するものとした場合における計算上の融資残高をこえるときは、その計算上の融資残高を同項の融資残高とする。
(利子額)
第五条 日本開発銀行は、利子補給契約により政府から利子補給金の支給を受けるときは、当該融資契約により受ける利子額を当該融資の契約上の利子額から利子補給金に相当する額だけ差し引いたものとしなければならない。
(外航船舶建造融資利子補給及び損失補償法の適用等)
第六条 利子補給契約に係る融資を受けた会社については、これを外航船舶建造融資利子補給及び損失補償法(昭和二十八年法律第一号)第二条の規定による利子補給金を支給する旨の契約に係る融資を受けた会社とみなして、同法第十二条から第十八条まで及び第二十三条の規定を適用する。
2 外航船舶建造融資利子補給及び損失補償法第二十二条の規定は、日本開発銀行がこの法律又は利子補給契約に違反した場合について準用する。
附 則
1 この法律は、公布の日から施行する。
2 政府が利子補給契約を結ぶことができるのは、昭和三十九年三月三十一日までとする。
大蔵大臣 水田三喜男
運輸大臣 木暮武太夫
内閣総理大臣 池田勇人