(設置)
第一条 特定港湾施設整備特別措置法(昭和三十四年法律第六十七号)第二条に規定する特定港湾施設工事(以下「特定港湾施設工事」という。)及びこれに密接な関連のある港湾工事であつて国以外の者がその費用の全額を負担し、国が委託に基き施行するもの(以下「受託工事」という。)に関する経理を一般会計と区分して行うため、特別会計を設置する。
(管理)
第二条 この会計は、運輸大臣が、法令で定めるところに従い、管理する。
(歳入及び歳出)
第三条 この会計においては、第五条の規定による一般会計からの繰入金、港湾法(昭和二十五年法律第二百十八号)第五十二条第二項において準用する同法第四十二条第一項本文若しくは第二項、北海道開発のためにする港湾工事に関する法律(昭和二十六年法律第七十三号)第三条第二項において準用する同法第二条第一項又は特定港湾施設整備特別措置法第四条の規定に基く港湾管理者の負担金(以下「港湾管理者負担金」という。)、地方公共団体の負担金の納付の特例に関する法律(昭和二十八年法律第百十一号)第一項の規定により納付された地方債証券で特定港湾施設工事に関する費用に係るものの償還金及び利子、企業合理化促進法(昭和二十七年法律第五号)第八条第四項後段の規定による負担金、受託工事に係る納付金、第十四条第一項の規定による借入金並びに附属雑収入をもつてその歳入とし、特定港湾施設工事に要する費用及び受託工事に要する費用(これらの工事のうち国が北海道で行うものに係る職員の給与に要する費用その他の工事事務費その他第六条第一項の規定による一般会計への繰入金に相当する費用を除く。)、事務取扱費、第十四条第一項の規定による借入金の償還金及び利子、第六条第一項の規定による一般会計への繰入金並びに附属諸費をもつてその歳出とする。
(歳入及び歳出等の整理)
第四条 この会計においては、歳入及び歳出並びに資産及び負債を政令で定める特定港湾施設工事及び受託工事の別(以下「工事別等の区分」という。)に従つて整理しなければならない。
(一般会計からの繰入)
第五条 特定港湾施設工事に関する費用で国庫が負担するものの額に相当する金額は、第十四条第三項の規定により国庫が負担する費用の財源に充てられるものその他政令で定めるものの額に相当する金額を除き、予算の範囲内において、一般会計からこの会計に繰り入れるものとする。
2 前項の規定により繰り入れる金額は、政令で定めるところにより、工事別等の区分に従つて繰り入れるものとする。
(他会計への繰入)
第六条 受託工事に係る納付金のうち、当該工事について一般会計において支弁した政令で定める経費の額に相当する金額は、当該納付金を収納した後、遅滞なく、この会計から一般会計に繰り入れるものとする。
2 第十四条第一項の規定による借入金の償還金及び利子の額に相当する金額は、工事別等の区分に従つて、この会計から国債整理基金特別会計に繰り入れるものとする。
(歳入歳出予定計算書等の作成及び送付)
第七条 運輸大臣は、毎会計年度、この会計の歳入歳出予定計算書、繰越明許費要求書及び国庫債務負担行為要求書(以下「歳入歳出予定計算書等」という。)を作成し、大蔵大臣に送付しなければならない。
2 前項の歳入歳出予定計算書等には、次に掲げる書類を添附しなければならない。
一 前前年度の事業実績表、借入金の借入及び償還実績表並びに港湾管理者負担金に係る債権の発生及び回収実績表
二 前年度及び当該年度の事業計画表、借入金の借入及び償還計画表並びに港湾管理者負担金に係る債権の発生予定及び回収計画表
三 国庫債務負担行為で翌年度以降にわたるものについての前年度末までの支出額及び支出額の見込、当該年度以降の支出予定額並びに数会計年度にわたる事業に伴うものについてはその全体の計画及びその進行状況等に関する調書
3 前項各号の添附書類は、工事別等の区分に従つて作成するものとする。ただし、同項第二号に掲げる書類で当該年度に係るものについては、この限りでない。
(歳入歳出予算の区分)
第八条 この会計の歳入歳出予算は、歳入にあつては、その性質に従つて款及び項に、歳出にあつては、その目的に従つて項に、それぞれ区分する。
(国庫債務負担行為の区分)
第九条 国庫債務負担行為は、工事別に、その必要の理由を明らかにし、かつ、これをする年度及び債務負担の限度額を明らかにし、また必要に応じてこれに基いて支出すべき年度、年限又は年割額を示さなければならない。
(予算の作成及び提出)
第十条 内閣は、毎会計年度、この会計の予算を作成し、一般会計の予算とともに、国会に提出しなければならない。
2 前項の予算には、第七条第一項に規定する歳入歳出予定計算書等及び同条第二項各号に掲げる書類を添附しなければならない。この場合においては、同条第三項の規定を準用する。
(予算の配賦)
第十一条 この会計の予算でその項又は目が工事別等の区分によつていないものの配賦は、財政法(昭和二十二年法律第三十四号)第三十一条第二項の規定によるほか、工事別等の区分により行うものとする。
(収入金の使途)
第十二条 この会計の工事別等の区分に応ずる収入金は、第十四条第三項に定めるもののほか、当該区分に応ずる費用の財源に充てるものとする。この場合において、その収入金のうち当該費用の財源に充てる必要がない剰余を生じたときにおける当該剰余の処理については、政令で定める。
(予備費の使用)
第十三条 この会計の予備費は、当該年度の工事別等の区分による歳入予算の額をこえる歳入の収納済額に相当する額(当該年度において当該工事別等の区分に応じ既に使用した予備費の額に相当する額を除く。)を限度として、工事別等の区分に従つて使用することができる。
(借入金)
第十四条 この会計において、特定港湾施設工事に関する費用のうち港湾管理者負担金の額に相当するものの財源に充てるため必要があるときは、この会計の負担において、政令で定めるところにより、工事別等の区分に従つて借入金をすることができる。
2 前項の規定による借入金の限度額については、予算をもつて、国会の議決を経なければならない。
3 港湾管理者負担金並びに第三条に規定する地方債証券の償還金及び利子は、第一項の規定による借入金の償還金及び利子の財源に充てるものとし、当該財源に充ててなお残余があるときは、その残余の額は、特定港湾施設工事に関する費用のうち国庫が負担するものの財源に充てなければならない。
(借入限度の繰越)
第十五条 この会計において、借入金の借入について国会の議決を経た金額のうち、当該年度において借入をしなかつた金額があるときは、当該金額を限度として、かつ、歳出予算の繰越額の財源として必要な金額の範囲内で、翌年度において、前条第一項の規定による借入金をすることができる。
(借入金の借入及び償還の事務)
第十六条 第十四条第一項の規定による借入金の借入及び償還に関する事務は、大蔵大臣が行う。
(歳出の支出制限)
第十七条 この会計においては、工事別等の区分による歳出予算の金額を支出するには、当該区分による歳入の収納済額をこえてはならない。
(歳入歳出決定計算書の作成及び送付)
第十八条 運輸大臣は、毎会計年度、歳入歳出予定計算書と同一の区分によるほか、工事別等の区分に従つて、この会計の歳入歳出決定計算書を作成し、大蔵大臣に送付しなければならない。
2 前項の歳入歳出決定計算書には、工事別等の区分に従つて作成した次に掲げる書類を添附しなければならない。
三 港湾管理者負担金に係る債権の発生及び回収実績表
(歳入歳出決算の作成及び提出)
第十九条 内閣は、毎会計年度、この会計の歳入歳出決算を作成し、一般会計の歳入歳出決算とともに、国会に提出しなければならない。
2 前項の歳入歳出決算には、前条第一項に規定する歳入歳出決定計算書及び同条第二項各号に掲げる書類を添附しなければならない。
(剰余金の繰入)
第二十条 この会計において、毎会計年度における歳入歳出の決算上剰余を生じたときは、当該剰余金は、工事別等の区分により、翌年度の歳入に繰り入れるものとする。
(余裕金の預託)
第二十一条 この会計において、工事別等の区分に応ずる支払上現金に余裕があるときは、当該区分に従つて、これを資金運用部に預託することができる。
(実施規定)
第二十二条 この法律の実施のための手続その他その執行について必要な事項は、政令で定める。