雇用審議会設置法
法令番号: 法律第61号
公布年月日: 昭和32年4月15日
法令の形式: 法律

改正対象法令

提案理由 (AIによる要約)

経済規模の拡大で雇用状態は改善されているが、労働人口の就業内容や日雇労働市場には課題が残り、生産年齢人口の増加も踏まえると、雇用問題の解決は困難な課題である。政府は完全雇用の達成を目標に掲げているが、雇用問題は関連する分野が多岐にわたり、総合的な検討が必要である。そのため、政府が雇用問題を的確に把握し、完全雇用達成に向けて施策を運営するには、各方面の有識者の意見を聴取することが不可欠である。このような状況を踏まえ、雇用・失業に関する重要事項を審議する諮問機関として、従来の失業対策審議会を改組強化し、雇用審議会を設置することとした。

参照した発言:
第26回国会 衆議院 内閣委員会 第8号

審議経過

第26回国会

衆議院
(昭和32年2月20日)
参議院
(昭和32年3月5日)
(昭和32年3月12日)
(昭和32年3月19日)
(昭和32年3月22日)
(昭和32年3月25日)
(昭和32年3月31日)
衆議院
(昭和32年4月9日)
(昭和32年4月9日)
参議院
(昭和32年4月10日)
衆議院
(昭和32年5月19日)
雇用審議会設置法をここに公布する。
御名御璽
昭和三十二年四月十五日
内閣総理大臣 岸信介
法律第六十一号
雇用審議会設置法
(目的及び設置)
第一条 完全雇用の達成を目標として政府の諸施策を運営することに資するため、総理府に、附属機関として、雇用審議会(以下「審議会」という。)を置く。
(所掌事務)
第二条 審議会は、次の各号に掲げる事項について、調査審議する。
一 雇用構造その他雇用及び失業の状態に関する事項
二 雇用状態の改善のための施策に関する事項
三 失業対策に関する事項
四 その他雇用及び失業に関する重要な事項
2 審議会は、前項各号に掲げる事項に関し、内閣総理大臣又は関係各大臣の諮問に答申し、かつ、必要に応じ、内閣総理大臣又は関係各大臣に対し意見を述べ、又は報告をすることができる。
(組織)
第三条 審議会は、委員三十人以内で組織する。
2 委員は、学識経験のある者のうちから、内閣総理大臣が任命する。
3 委員は、非常勤とする。
(委員の任期)
第四条 委員の任期は、二年とする。ただし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。
2 委員は、再任されることができる。
(会長及び副会長)
第五条 審議会に、会長及び副会長各一人を置き、委員の互選によつてこれを定める。
2 会長は、会務を総理する。
3 副会長は、会長を補佐し、会長に事故があるときは、その職務を代理する。
(専門委員)
第六条 審議会に、専門の事項を調査審議させるため、専門委員三十人以内を置くことができる。
2 専門委員は、学識経験のある者のうちから、内閣総理大臣が任命する。
3 専門委員は、当該専門の事項に関する調査審議が終了したときは、解任されるものとする。
4 専門委員は、非常勤とする。
(幹事)
第七条 審議会に、幹事二十人以内を置く。
2 幹事は、関係各行政機関の職員のうちから、内閣総理大臣が任命する。
3 幹事は、審議会の所掌事務について、委員及び専門委員を補佐する。
4 幹事は、非常勤とする。
(部会)
第八条 審議会に、必要に応じ、部会を置くことができる。
2 部会所属の委員、専門委員及び幹事は、会長が指名する。
3 部会に部会長を置き、部会に属する委員の互選によつてこれを定める。
(資料の提出等の要求)
第九条 審議会は、その所掌事務を遂行するため必要があると認めるときは、関係各行政機関の長に対し、資料の提出、意見の開陳、説明その他必要な協力を求めることができる。
(庶務)
第十条 審議会の庶務は、内閣総理大臣官房において処理する。
(委任規定)
第十一条 この法律に定めるもののほか、審議会に関し必要な事項は、政令で定める。
附 則
1 この法律は、公布の日から施行する。
2 総理府設置法(昭和二十四年法律第百二十七号)の一部を次のとおり改正する。
第十五条第一項の表中
失業対策審議会
失業及び雇用問題に関する総合的施策についての重要事項を調査審議すること。
雇用審議会
雇用審議会設置法(昭和三十二年法律第六十一号)の規定によりその権限に属せしめられた事項を行うこと。
に改める。
内閣総理大臣 岸信介