あへん特別会計法
法令番号: 法律第31号
公布年月日: 昭和30年6月30日
法令の形式: 法律

提案理由 (AIによる要約)

アヘン法に基づく政府のアヘンの収納、輸入、売り渡し事業に関する経分して行うため、新たにあへん特別会計を設けることとした。この会計では、一般会計から引き継がれるアヘンの金額と繰入金を資本とし、アヘンの売払代金、一般会計からの繰入金、ケシ栽培許可手数料等を歳入とする。歳出は、アヘンの収納・輸入代金、事務取扱費、災害補償金、都道府県への交付金、一時借入金利子等とし、予算・決算の作成・提出手続等、特別会計に必要な事項を規定する。

参照した発言:
第22回国会 衆議院 大蔵委員会 第5号

審議経過

第22回国会

衆議院
(昭和30年5月10日)
参議院
(昭和30年5月10日)
衆議院
(昭和30年5月12日)
(昭和30年5月14日)
(昭和30年5月17日)
(昭和30年5月19日)
(昭和30年5月20日)
(昭和30年6月25日)
(昭和30年6月25日)
参議院
(昭和30年6月27日)
(昭和30年6月29日)
(昭和30年7月30日)
衆議院
(昭和30年7月25日)
あへん特別会計法をここに公布する。
御名御璽
昭和三十年六月三十日
内閣総理大臣 鳩山一郎
法律第三十一号
あへん特別会計法
(設置)
第一条 政府があへん法(昭和二十九年法律第七十一号)の規定により行うあへんの収納、輸入又は売渡の事業に関する経理を一般会計と区分して行うため、特別会計を設置する。
(管理)
第二条 この会計は、厚生大臣が法令の定めるところに従い、管理する。
(資本)
第三条 この会計においては、昭和三十年七月一日において一般会計からこの会計に引き継いだあへんの金額及び次条第一項に規定する一般会計からの繰入金に相当する金額をもつて資本とする。
(歳入及び歳出)
第四条 この会計においては、あへんの売渡代金、一般会計からの繰入金、あへん法第四十六条の規定による手数料及び附属雑収入をもつてその歳入とし、あへんの収納又は輸入の代金、事務取扱費、同法第三十三条の規定による災害補償金、同法第四十七条の規定による交付金、一時借入金の利子その他の諸費をもつてその歳出とする。
2 前項に規定する一般会計からの繰入金は、この会計の資本に充てるため、予算の定めるところにより、この会計に繰り入れるものとする。
(歳入歳出予定計算書の作成及び送付)
第五条 厚生大臣は、毎会計年度、この会計の歳入歳出予定計算書を作成し、大蔵大臣に送付しなければならない。
2 前項の歳入歳出予定計算書には、次の書類を添附しなければならない。
一 前前年度の貸借対照表及び損益計算書
二 前年度及び当該年度の予定貸借対照表及び予定損益計算書
(歳入歳出予算の区分)
第六条 この会計の歳入歳出予算は、歳入にあつては、その性質に従つて款及び項に、歳出にあつては、その目的に従つて項に区分する。
(予算の作成及び提出)
第七条 内閣は、毎会計年度、この会計の予算を作成し、一般会計の予算とともに、国会に提出しなければならない。
2 前項の予算には、第五条第一項に規定する歳入歳出予定計算書及び同条第二項各号に掲げる書類を添附しなければならない。
(損益の処理)
第八条 この会計において、毎会計年度の損益計算上利益を生じたときは、これを積立金に組み入れて整理するものとする。
2 この会計において、毎会計年度の損益計算上損失を生じたときは、その損失については、積立金を減額して整理するものとする。ただし、その損失の額が積立金の額を超過するときはその超過額を、積立金がないときはその損失の額を、それぞれ損失の繰越として整理するものとする。
(剰余金の繰入)
第九条 この会計において、毎会計年度の歳入歳出の決算上剰余金を生じたときは、これを翌年度の歳入に繰り入れるものとする。
(歳入歳出決定計算書の作成及び送付)
第十条 厚生大臣は、毎会計年度、歳入歳出予定計算書と同一の区分により、この会計の歳入歳出決定計算書を作成し、大蔵大臣に送付しなければならない。
2 前項の歳入歳出決定計算書には、当該年度の貸借対照表及び損益計算書を添附しなければならない。
(歳入歳出決算の作成及び提出)
第十一条 内閣は、毎会計年度、この会計の歳入歳出決算を作成し、一般会計の歳入歳出決算とともに、国会に提出しなければならない。
2 前項の歳入歳出決算には、前条第一項に規定する歳入歳出決定計算書並びに同条第二項に規定する当該年度の貸借対照表及び損益計算書を添附しなければならない。
(余裕金の預託)
第十二条 この会計において、支払上現金に余裕があるときは、資金運用部に預託することができる。
(一時借入金)
第十三条 この会計において、支払上現金に不足があるときは、この会計の負担において、一時借入金をすることができる。
2 前項の規定による一時借入金は、当該年度の歳入をもつて償還しなければならない。
3 第一項の規定による一時借入金の限度額については、予算をもつて国会の議決を経なければならない。
(一時借入金の借入及び償還事務)
第十四条 前条に規定する一時借入金の借入及び償還に関する事務は、大蔵大臣が行う。
(国債整理基金特別会計への繰入)
第十五条 この会計の負担に属する一時借入金の利子に相当する金額は、毎会計年度、国債整理基金特別会計に繰り入れなければならない。
(実施規定)
第十六条 この法律の実施のための手続その他その執行について必要な事項は、政令で定める。
附 則
1 この法律は、昭和三十年七月一日から施行する。
2 この法律の施行の際、一般会計に所属するあへんは、この会計に引き継がれるものとする。
3 厚生省設置法(昭和二十四年法律第百五十一号)の一部を次のように改正する。
第十一条中第十二号を第十三号とし、同条第十一号の次に次の一号を加える。
十二 あへん特別会計の経理を行うこと。
4 退職職員に支給する退職手当支給の財源に充てるための特別会計等からする一般会計への繰入及び納付に関する法律(昭和二十五年法律第六十二号)の一部を次のように改正する。
第一条中「国立病院特別会計、」の下に「あへん特別会計、」を加える。
大蔵大臣 一万田尚登
厚生大臣 川崎秀二
内閣総理大臣 鳩山一郎