(この法律の趣旨)
第一条 この法律は、軍事郵便貯金、軍事郵便為替、外地郵便貯金、外地郵便為替、外地郵便振替貯金等の特別処理に関し、必要な事項を定めるものとする。
(定義)
第二条 この法律において、左の各号に掲げる用語は、当該各号に定める定義に従うものとする。
一 「軍事郵便貯金」とは、旧野戦郵便局又は旧海軍軍用郵便所で預入された郵便貯金をいう。
二 「軍事郵便為替」とは、旧野戦郵便局又は旧海軍軍用郵便所に振出の請求があつた郵便為替をいう。
三 「外地郵便貯金」とは、旧外地等にあつた郵便局で預入された郵便貯金をいう。
四 「外地郵便為替」とは、旧外地等にあつた郵便局に振出の請求があつた郵便為替をいう。
五 「外地郵便振替貯金」とは、旧外地等にあつた郵便局で払い込まれた郵便振替貯金の払込金(口座に受け入れられたものを含む。)をいう。
六 「旧外地等」とは、朝鮮、台湾、関東州、樺太、千島列島、南洋群島、小笠原諸島、硫黄列島、硫黄鳥島、伊平屋島及び北緯二十七度以南の南西諸島(大東諸島を含む。)をいう。
(軍事郵便貯金の換算)
第三条 昭和二十年八月十六日以後預入された軍事郵便貯金の現在高(この法律の施行前に本邦にある郵便局で払いもどしがあつた軍事郵便貯金については、その払いもどし前の現在高)の金額は、左に掲げる換算率により換算した金額の合計額とする。
一 表示金額千五百円までの部分につき 別表甲欄に掲げる換算率
二 表示金額千五百円をこえる部分のうち、別表乙欄に掲げる換算率により換算した
金額が三千五百円となるまでの部分につき 別表乙欄に掲げる換算率
三 表示金額千五百円をこえる部分のうち、別表乙欄に掲げる換算率により換算した
金額が三千五百円をこえることとなる部分につき 別表丙欄に掲げる換算率
(軍事郵便為替の換算)
第四条 昭和二十年八月十六日以後振出の請求があつた軍事郵便為替の金額(この法律の施行前に本邦にある郵便局で払渡があつた軍事郵便為替については、その払渡前の金額)は、左に掲げる換算率により換算した金額の合計額とする。
一 表示金額千円までの部分につき 別表甲欄に掲げる換算率
二 表示金額千円をこえる部分につき 別表乙欄に掲げる換算率
(外地郵便貯金の換算)
第五条 昭和二十年十月一日以後預入された外地郵便貯金の現在高の金額は、左に掲げる換算率により換算した金額の合計額とする。
一 表示金額を別表乙欄に掲げる換算率により換算した金額が五千円となるまでの部
二 表示金額を別表乙欄に掲げる換算率により換算した金額が五千円をこえることと
(外地郵便為替の換算)
第六条 昭和二十年十月一日以後振出の請求があつた外地郵便為替の金額は、左に掲げる換算率により換算した金額の合計額とする。
一 表示金額千円までの部分につき 別表甲欄に掲げる換算率
二 表示金額千円をこえる部分につき 別表乙欄に掲げる換算率
(外地郵便振替貯金の換算)
第七条 昭和二十年十月一日以後払い込まれた外地郵便振替貯金(口座に受け入れられたものは、その現在高)の金額は、左に掲げる換算率により換算した金額の合計額とする。
一 表示金額を別表乙欄に掲げる換算率により換算した金額が五千円となるまでの部
二 表示金額を別表乙欄に掲げる換算率により換算した金額が五千円をこえることと
(軍事郵便貯金及び外地郵便貯金の取扱の制限)
第八条 郵政省は、預金者の請求により、軍事郵便貯金又は外地郵便貯金の貯金通帳と引き換えに新たに通常郵便貯金の貯金通帳を交付する。
2 前項の規定による請求があつた場合において、預金者が他に通常郵便貯金の貯金通帳をもつて貯金の預入をしているときは、郵政省は、同項の規定にかかわらず、その貯金に軍事郵便貯金又は外地郵便貯金を組み入れる。
3 郵政省は、第一項の規定による貯金通帳の引換交付前の軍事郵便貯金又は外地郵便貯金の貯金通帳によつては、払いもどし証書による全部払いもどしの取扱を除いて、貯金の預入及び払いもどしの取扱をしない。
4 郵政省は、外地郵便貯金である定額郵便貯金の貯金証書によつては、払いもどし証書による払いもどしの取扱を除いて、貯金の払いもどしの取扱をしない。
(払いもどし証書等の有効期間に関する特例)
第九条 軍事郵便貯金又は外地郵便貯金の払いもどし証書、軍事郵便為替又は外地郵便為替の為替証書及び旧外地等にあつた郵便振替貯金の口座所管庁の発行した払出証書で昭和十七年四月十七日以後この法律の施行前に発行されたものは、有効期間の計算については、この法律の施行の日に発行されたものとみなす。