国民健康保険法の一部を改正する法律
法令番号: 法律第九十号
公布年月日: 昭和26年3月31日
法令の形式: 法律
国民健康保險法の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和二十六年三月三十一日
内閣総理大臣 吉田茂
法律第九十号
国民健康保險法の一部を改正する法律
国民健康保險法(昭和十三年法律第六十号)の一部を次のように改正する。
第二條中「市町村(特別区ヲ含ム以下同ジ)」を「市町村若ハ特別区又ハ之等ノ組合(以下市町村ト称ス)」に改める。
第二條ノ二第一項の次に次の一項を加える。
前項ノ規定ハ第八條ノ十五第三項ノ規定ニ依リ市ノ一部ノ区域内ノ世帶主及其ノ世帶ニ属スル者ヲ以テ被保險者トシタル場合ニ当該市ノ当該区域外ニ於テ組合ガ国民健康保險ヲ行フコトヲ妨ゲズ
第四條の次に次の一條を加える。
第四條ノ二 組合ノ事務所又ハ第八條ノ十ノ規定ニ依ル施設ノ用ニ供スル建物又ハ土地ノ権利ノ取得又ハ所有権ノ保存ノ登記ニ付テハ登録税ヲ課セズ
第八條ノ二を第八條ノ三とし、以下第八條ノ二十二までを順次一條ずつ繰り下げ、第一章中第八條の次に次の一條を加える。
第八條ノ二 保險料其ノ他本法ノ規定ニ依ル徴收金ニ関スル書類ノ送達ニ付テハ地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)第十九條及第二十條ノ規定ヲ準用ス
第八條ノ五前段中「療養ノ給付ヲ担当スル者」を「療養ノ給付ヲ担当スル者(以下療養担当者ト称ス)」に改め、同條後段、第八條ノ六第一項、第八條ノ七、第八條ノ八第一項及び第三項、第五十條、第五十一條並びに第五十二條ノ三第二項中「療養ノ給付ヲ担当スル者」を「療養担当者」に改める。
第八條ノ九第一項中「費用ノ一部」を「費用ノ一部(以下一部負担金ト称ス)」に、「徴收スルコトヲ得」を「徴收シ又ハ其ノ者ヲシテ療養担当者ニ支拂ハシムルコトヲ得」に改め、同條に次の一項を加える。
保險者ハ特別ノ事由アル者ニ対シ一部負担金ヲ減免シ又ハ其ノ徴收若ハ支拂ヲ猶予スルコトヲ得
第八條ノ十中「療養若ハ助産」を「療養、助産若ハ葬祭」に改める。
第八條ノ十一第一項中「保險者」を「保險者(地方税法ノ規定ニ依リ国民健康保險税ヲ課スル市町村ヲ除ク)」に改める。
第八條ノ十二を次のように改める。
第八條ノ十二 保險給付ノ種類、範囲、支給期間及び支給額、保險料ノ額、徴收方法及減免、一部負担金ノ負担割合、徴收若ハ支拂方法及減免其ノ他保險給付、保險料及一部負担金ニ関シ必要ナル事項ハ條例、規約又ハ規程ヲ以テ之ヲ定ムベシ
第八條ノ十四第三号を次のように改める。
三 国民健康保險税又ハ保險料及一部負担金ニ関スル事項
第八條ノ十五第二項中「第八條ノ八及第八條ノ十」を「第八條ノ九及第八條ノ十一」に改め、同條に次の一項を加える。
第一項本文ノ規定ニ拘ラズ特別ノ事由アル市ニシテ厚生大臣ノ定ムルモノニ在リテハ其ノ一部ノ区域内ノ世帶主及其ノ世帶ニ属スル者ヲ以テ被保險者トスルコトヲ得
第二十五條ノ三第二号中「又ハ準禁治産者」を削る。
第三十七條ノ四第二項中「第八條ノ八及第八條ノ十」を「第八條ノ九及第八條ノ十一」に改める。
第四十二條中「第八條ノ九」を「第八條ノ十」に改める。
第八章を第九章とし、第九章を第十章とし、第七章の次に次の一章を加える。
第八章 診療報酬請求書ノ審査
第四十七條ノ二 保險者ハ社会保險診療報酬支拂基金又ハ国民健康保險診療報酬審査委員会ニ療養担当者ノ提出セル診療報酬請求書ノ審査ヲ請求スルコトヲ得
前項ノ規定ハ保險者ガ自ラ審査ヲ為シ又ハ都道府県ヲ区域トセル連合会ニ対シ審査ノ委託ヲ為スコトヲ妨ゲズ
前二項ノ審査ハ第八條ノ八第一項ノ規定ニ依ル厚生大臣ノ定ニ照シ当該診療報酬請求ノ適正ナリヤ否ヤニ付行フモノトス
第四十七條ノ三 前條第一項ノ審査ヲ行フ為都道府県知事ノ定ムル所ニ依リ都道府県ニ一又ハ二以上ノ国民健康保險診療報酬審査委員会(以下審査委員会ト称ス)ヲ置クモノトス
第四十七條ノ四 審査委員会ハ療養担当者ヲ代表スル委員、保險者ヲ代表スル委員及公益ヲ代表スル委員各七人以下ノ同数ヲ以テ之ヲ組織シ都道府県知事之ヲ委嘱ス
前項ノ委嘱ハ療養担当者ヲ代表スル委員及保險者ヲ代表スル委員ニ付テハ夫々所属団体ノ推薦ニ依リ之ヲ行フ
第四十七條ノ五 審査委員会審査ノ為必要アリト認ムルトキハ都道府県知事ノ承認ヲ得テ当該療養担当者ニ対シ出頭及説明ヲ求メ報告セシメ又ハ診療録其ノ他帳簿書類ノ提出ヲ求ムルコトヲ得
前項ノ規定ニ依リ審査委員会ノ請求ニ依リ出頭シタル療養担当者ニ対シテハ都道府県知事ハ旅費、日当及宿泊料ヲ支給スベシ但シ其ノ提出セル診療報酬請求書又ハ診療録其ノ他帳簿書類ノ記載ノ不備又ハ不当ノ為出頭ヲ求メラレ出頭シタル者ニ付テハ此ノ限ニ在ラズ
第四十七條ノ六 都道府県ハ審査委員会ノ行フ審査ニ付保險者ヨリ手数料ヲ徴收スルコトヲ得
第四十七條ノ七 本法ニ定ムルモノノ他審査委員会ニ関シ必要ナル事項ハ都道府県知事之ヲ定ム
第四十七條ノ八 保險者ハ第四十七條ノ二第二項ノ審査ヲ為スニ当リテハ療養担当者ヲ代表スル者及公益ヲ代表スル者各七人以下ノ同数ヲ之ニ参加セシムベシ
都道府県ヲ区域トセル連合会ハ第四十七條ノ二第二項ノ審査ヲ行フ為療養担当者ヲ代表スル者、保險者ヲ代表スル者及公益ヲ代表スル者各七人以下ノ同数ヲ以テ組織スル機関ヲ置クモノトス
第五十一條中「第八條ノ六」を「第八條ノ七」に改める。
第五十二條ノ十八を次のように改める。
第五十二條ノ十八 削除
第五十四條中「第八條ノ十二」を「第八條ノ十三」に改め、第二項の次に次の一項を加える。
第八條ノ十五第三項ノ規定ニ依リ市ノ一部ノ区域内ノ世帶主及其ノ世帶ニ属スル者ヲ以テ被保險者トスル條例ニ付其ノ制定ノ認可アリタル場合ニ於テハ前二項ノ規定ノ適用ニ付テハ当該市ノ当該区域ヲ市ノ区域ト看做ス但シ国民健康保險ヲ行フ社団法人ニ付テハ此ノ限ニ在ラズ
第五十六條中第一項を次のように改め、第二項を削り、第三項中「五千円」を「三万円」に改め、「又ハ科料」を削る。
審査委員会ノ委員若ハ国民健康保險審査会ノ委員又ハ之等ノ職ニ在リタル者職務上知得シタル医師若ハ歯科医師ノ業務上ノ秘密又ハ個人ノ秘密ヲ故ナク漏洩シタルトキハ六月以下ノ懲役又ハ三万円以下ノ罰金ニ処ス
附 則
1 この法律は、昭和二十六年四月一日から施行する。
2 この法律施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお、従前の例による。
内閣総理大臣 吉田茂
厚生大臣 黒川武雄
国民健康保険法の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和二十六年三月三十一日
内閣総理大臣 吉田茂
法律第九十号
国民健康保険法の一部を改正する法律
国民健康保険法(昭和十三年法律第六十号)の一部を次のように改正する。
第二条中「市町村(特別区ヲ含ム以下同ジ)」を「市町村若ハ特別区又ハ之等ノ組合(以下市町村ト称ス)」に改める。
第二条ノ二第一項の次に次の一項を加える。
前項ノ規定ハ第八条ノ十五第三項ノ規定ニ依リ市ノ一部ノ区域内ノ世帯主及其ノ世帯ニ属スル者ヲ以テ被保険者トシタル場合ニ当該市ノ当該区域外ニ於テ組合ガ国民健康保険ヲ行フコトヲ妨ゲズ
第四条の次に次の一条を加える。
第四条ノ二 組合ノ事務所又ハ第八条ノ十ノ規定ニ依ル施設ノ用ニ供スル建物又ハ土地ノ権利ノ取得又ハ所有権ノ保存ノ登記ニ付テハ登録税ヲ課セズ
第八条ノ二を第八条ノ三とし、以下第八条ノ二十二までを順次一条ずつ繰り下げ、第一章中第八条の次に次の一条を加える。
第八条ノ二 保険料其ノ他本法ノ規定ニ依ル徴収金ニ関スル書類ノ送達ニ付テハ地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)第十九条及第二十条ノ規定ヲ準用ス
第八条ノ五前段中「療養ノ給付ヲ担当スル者」を「療養ノ給付ヲ担当スル者(以下療養担当者ト称ス)」に改め、同条後段、第八条ノ六第一項、第八条ノ七、第八条ノ八第一項及び第三項、第五十条、第五十一条並びに第五十二条ノ三第二項中「療養ノ給付ヲ担当スル者」を「療養担当者」に改める。
第八条ノ九第一項中「費用ノ一部」を「費用ノ一部(以下一部負担金ト称ス)」に、「徴収スルコトヲ得」を「徴収シ又ハ其ノ者ヲシテ療養担当者ニ支払ハシムルコトヲ得」に改め、同条に次の一項を加える。
保険者ハ特別ノ事由アル者ニ対シ一部負担金ヲ減免シ又ハ其ノ徴収若ハ支払ヲ猶予スルコトヲ得
第八条ノ十中「療養若ハ助産」を「療養、助産若ハ葬祭」に改める。
第八条ノ十一第一項中「保険者」を「保険者(地方税法ノ規定ニ依リ国民健康保険税ヲ課スル市町村ヲ除ク)」に改める。
第八条ノ十二を次のように改める。
第八条ノ十二 保険給付ノ種類、範囲、支給期間及び支給額、保険料ノ額、徴収方法及減免、一部負担金ノ負担割合、徴収若ハ支払方法及減免其ノ他保険給付、保険料及一部負担金ニ関シ必要ナル事項ハ条例、規約又ハ規程ヲ以テ之ヲ定ムベシ
第八条ノ十四第三号を次のように改める。
三 国民健康保険税又ハ保険料及一部負担金ニ関スル事項
第八条ノ十五第二項中「第八条ノ八及第八条ノ十」を「第八条ノ九及第八条ノ十一」に改め、同条に次の一項を加える。
第一項本文ノ規定ニ拘ラズ特別ノ事由アル市ニシテ厚生大臣ノ定ムルモノニ在リテハ其ノ一部ノ区域内ノ世帯主及其ノ世帯ニ属スル者ヲ以テ被保険者トスルコトヲ得
第二十五条ノ三第二号中「又ハ準禁治産者」を削る。
第三十七条ノ四第二項中「第八条ノ八及第八条ノ十」を「第八条ノ九及第八条ノ十一」に改める。
第四十二条中「第八条ノ九」を「第八条ノ十」に改める。
第八章を第九章とし、第九章を第十章とし、第七章の次に次の一章を加える。
第八章 診療報酬請求書ノ審査
第四十七条ノ二 保険者ハ社会保険診療報酬支払基金又ハ国民健康保険診療報酬審査委員会ニ療養担当者ノ提出セル診療報酬請求書ノ審査ヲ請求スルコトヲ得
前項ノ規定ハ保険者ガ自ラ審査ヲ為シ又ハ都道府県ヲ区域トセル連合会ニ対シ審査ノ委託ヲ為スコトヲ妨ゲズ
前二項ノ審査ハ第八条ノ八第一項ノ規定ニ依ル厚生大臣ノ定ニ照シ当該診療報酬請求ノ適正ナリヤ否ヤニ付行フモノトス
第四十七条ノ三 前条第一項ノ審査ヲ行フ為都道府県知事ノ定ムル所ニ依リ都道府県ニ一又ハ二以上ノ国民健康保険診療報酬審査委員会(以下審査委員会ト称ス)ヲ置クモノトス
第四十七条ノ四 審査委員会ハ療養担当者ヲ代表スル委員、保険者ヲ代表スル委員及公益ヲ代表スル委員各七人以下ノ同数ヲ以テ之ヲ組織シ都道府県知事之ヲ委嘱ス
前項ノ委嘱ハ療養担当者ヲ代表スル委員及保険者ヲ代表スル委員ニ付テハ夫々所属団体ノ推薦ニ依リ之ヲ行フ
第四十七条ノ五 審査委員会審査ノ為必要アリト認ムルトキハ都道府県知事ノ承認ヲ得テ当該療養担当者ニ対シ出頭及説明ヲ求メ報告セシメ又ハ診療録其ノ他帳簿書類ノ提出ヲ求ムルコトヲ得
前項ノ規定ニ依リ審査委員会ノ請求ニ依リ出頭シタル療養担当者ニ対シテハ都道府県知事ハ旅費、日当及宿泊料ヲ支給スベシ但シ其ノ提出セル診療報酬請求書又ハ診療録其ノ他帳簿書類ノ記載ノ不備又ハ不当ノ為出頭ヲ求メラレ出頭シタル者ニ付テハ此ノ限ニ在ラズ
第四十七条ノ六 都道府県ハ審査委員会ノ行フ審査ニ付保険者ヨリ手数料ヲ徴収スルコトヲ得
第四十七条ノ七 本法ニ定ムルモノノ他審査委員会ニ関シ必要ナル事項ハ都道府県知事之ヲ定ム
第四十七条ノ八 保険者ハ第四十七条ノ二第二項ノ審査ヲ為スニ当リテハ療養担当者ヲ代表スル者及公益ヲ代表スル者各七人以下ノ同数ヲ之ニ参加セシムベシ
都道府県ヲ区域トセル連合会ハ第四十七条ノ二第二項ノ審査ヲ行フ為療養担当者ヲ代表スル者、保険者ヲ代表スル者及公益ヲ代表スル者各七人以下ノ同数ヲ以テ組織スル機関ヲ置クモノトス
第五十一条中「第八条ノ六」を「第八条ノ七」に改める。
第五十二条ノ十八を次のように改める。
第五十二条ノ十八 削除
第五十四条中「第八条ノ十二」を「第八条ノ十三」に改め、第二項の次に次の一項を加える。
第八条ノ十五第三項ノ規定ニ依リ市ノ一部ノ区域内ノ世帯主及其ノ世帯ニ属スル者ヲ以テ被保険者トスル条例ニ付其ノ制定ノ認可アリタル場合ニ於テハ前二項ノ規定ノ適用ニ付テハ当該市ノ当該区域ヲ市ノ区域ト看做ス但シ国民健康保険ヲ行フ社団法人ニ付テハ此ノ限ニ在ラズ
第五十六条中第一項を次のように改め、第二項を削り、第三項中「五千円」を「三万円」に改め、「又ハ科料」を削る。
審査委員会ノ委員若ハ国民健康保険審査会ノ委員又ハ之等ノ職ニ在リタル者職務上知得シタル医師若ハ歯科医師ノ業務上ノ秘密又ハ個人ノ秘密ヲ故ナク漏洩シタルトキハ六月以下ノ懲役又ハ三万円以下ノ罰金ニ処ス
附 則
1 この法律は、昭和二十六年四月一日から施行する。
2 この法律施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお、従前の例による。
内閣総理大臣 吉田茂
厚生大臣 黒川武雄