郵便貯金法に基いて保管する証券の整理に関する法律
法令番号: 法律第94号
公布年月日: 昭和24年5月20日
法令の形式: 法律

改正対象法令

提案理由 (AIによる要約)

郵便貯金の預金者のために保管している証券について、その経費が年額約2億円かかり、保管証券1枚当たり平均額面18円に対して年額約2円の費用を要している。官営事業の独立採算制確立が求められる中、採算の取れない状態での運営は国の財政に悪影響を及ぼすため、逓信大臣が保管証券を一括して売却し、その代金を貯金として積み立てる方法で整理を行うことが妥当と判断。預金者の利益を考慮しつつ、保管証券の換価を希望する預金者の利便性向上と、経費節減による郵便貯金事業の経営合理化を図るため、本法案を提出するものである。

参照した発言:
第5回国会 衆議院 逓信委員会 第10号

審議経過

第5回国会

衆議院
(昭和24年5月6日)
参議院
(昭和24年5月7日)
(昭和24年5月9日)
(昭和24年5月12日)
衆議院
(昭和24年5月13日)
(昭和24年5月14日)
(昭和24年5月31日)
参議院
(昭和24年6月1日)
郵便貯金法に基いて保管する証券の整理に関する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和二十四年五月二十日
内閣総理大臣 吉田茂
法律第九十四号
郵便貯金法に基いて保管する証券の整理に関する法律
(整理の内容)
第一條 郵便貯金法(昭和二十二年法律第百四十四号)の定めるところにより郵便貯金の預金者のために保管する証券であつて昭和二十三年三月三十一日以前に発行されたもの(以下「整理証券」という。)は、郵政省が、預金者に代りこれを大藏省預金部等に賣却し、その代金を当該証券の証券保管証又は証券保管通帳に記入されている記号番号の郵便貯金通帳に係る通常郵便貯金又はすえ置郵便貯金に組み入れる。但し、預金者が昭和二十四年八月三十一日までにその返付又は賣却の請求をした整理証券については、この限りでない。
2 前項の規定により組み入れられた貯金(以下「証券整理貯金」という。)は、昭和二十四年九月一日から当該通常郵便貯金又はすえ置郵便貯金となつたものとみなす。
3 第一項本文の規定による賣却については、預金者は、料金を納めることを要しない。
(賣却の價格)
第二條 前條第一項本文の規定により賣却する整理証券の價格は、政令で定める。
(郵便貯金通帳に対する記入)
第三條 地方貯金局は、預金者の請求に因り、証券整理貯金の金額を当該証券整理貯金が組み入れられた通常郵便貯金又はすえ置郵便貯金の郵便貯金通帳に記入する。
2 前項の規定による記入の請求は、郵便局に、同項の郵便貯金通帳及び当該整理証券の証券保管証又は証券保管通帳(証券保管証又は証券保管通帳を亡失したときはその事由書)を提出してするものとする。
(証券整理貯金の拂もどし)
第四條 証券整理貯金については、その金額が前條第一項の規定により郵便貯金通帳に記入された後でなければ、その拂もどしをすることができない。但し、通常郵便貯金となつた証券整理貯金については、その全部拂もどしをする場合に限り、その金額が郵便貯金通帳に記入されなくても、その拂もどしをすることができる。
2 前項但書の規定による拂もどしの請求は、郵便局に、当該証券整理貯金が組み入れられた通常郵便貯金の郵便貯金通帳を提示し、且つ、当該整理証券の証券保管証又は証券保管通帳(証券保管証又は証券保管通帳を亡失したときはその事由書)を提出してするものとする。
3 第一項但書の規定による拂もどし金の拂渡は、郵便局において、地方貯金局の発行する拂もどし証書と引換にする。
(権利の消滅)
第五條 昭和三十四年八月三十一日までに第三條第一項の規定による記入の請求又は前條第一項但書の規定による拂もどしの請求がないときは、証券整理貯金についての預金者の権利は、その時において消滅する。
(郵便貯金法の適用)
第六條 第三條第一項の規定による記入の請求は、郵便貯金法第二十九條第一項の規定の適用については、貯金の預入とみなす。
附 則
1 この法律は、昭和二十四年六月一日から施行する。
2 郵便貯金法の一部を次のように改正する。
第九條中「その他の証券」を削る。
第六十五條を次のように改める。
第六十五條(保管証券) 第九條に規定する取扱をする國債証券は、昭和二十三年四月一日以後の発行に係る國債証券で額面金額千円以上のものに限る。
第六十八條第一項中但書を削る。
大藏大臣 池田勇人
逓信大臣 小澤佐重喜
内閣総理大臣 吉田茂
郵便貯金法に基いて保管する証券の整理に関する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和二十四年五月二十日
内閣総理大臣 吉田茂
法律第九十四号
郵便貯金法に基いて保管する証券の整理に関する法律
(整理の内容)
第一条 郵便貯金法(昭和二十二年法律第百四十四号)の定めるところにより郵便貯金の預金者のために保管する証券であつて昭和二十三年三月三十一日以前に発行されたもの(以下「整理証券」という。)は、郵政省が、預金者に代りこれを大蔵省預金部等に売却し、その代金を当該証券の証券保管証又は証券保管通帳に記入されている記号番号の郵便貯金通帳に係る通常郵便貯金又はすえ置郵便貯金に組み入れる。但し、預金者が昭和二十四年八月三十一日までにその返付又は売却の請求をした整理証券については、この限りでない。
2 前項の規定により組み入れられた貯金(以下「証券整理貯金」という。)は、昭和二十四年九月一日から当該通常郵便貯金又はすえ置郵便貯金となつたものとみなす。
3 第一項本文の規定による売却については、預金者は、料金を納めることを要しない。
(売却の価格)
第二条 前条第一項本文の規定により売却する整理証券の価格は、政令で定める。
(郵便貯金通帳に対する記入)
第三条 地方貯金局は、預金者の請求に因り、証券整理貯金の金額を当該証券整理貯金が組み入れられた通常郵便貯金又はすえ置郵便貯金の郵便貯金通帳に記入する。
2 前項の規定による記入の請求は、郵便局に、同項の郵便貯金通帳及び当該整理証券の証券保管証又は証券保管通帳(証券保管証又は証券保管通帳を亡失したときはその事由書)を提出してするものとする。
(証券整理貯金の払もどし)
第四条 証券整理貯金については、その金額が前条第一項の規定により郵便貯金通帳に記入された後でなければ、その払もどしをすることができない。但し、通常郵便貯金となつた証券整理貯金については、その全部払もどしをする場合に限り、その金額が郵便貯金通帳に記入されなくても、その払もどしをすることができる。
2 前項但書の規定による払もどしの請求は、郵便局に、当該証券整理貯金が組み入れられた通常郵便貯金の郵便貯金通帳を提示し、且つ、当該整理証券の証券保管証又は証券保管通帳(証券保管証又は証券保管通帳を亡失したときはその事由書)を提出してするものとする。
3 第一項但書の規定による払もどし金の払渡は、郵便局において、地方貯金局の発行する払もどし証書と引換にする。
(権利の消滅)
第五条 昭和三十四年八月三十一日までに第三条第一項の規定による記入の請求又は前条第一項但書の規定による払もどしの請求がないときは、証券整理貯金についての預金者の権利は、その時において消滅する。
(郵便貯金法の適用)
第六条 第三条第一項の規定による記入の請求は、郵便貯金法第二十九条第一項の規定の適用については、貯金の預入とみなす。
附 則
1 この法律は、昭和二十四年六月一日から施行する。
2 郵便貯金法の一部を次のように改正する。
第九条中「その他の証券」を削る。
第六十五条を次のように改める。
第六十五条(保管証券) 第九条に規定する取扱をする国債証券は、昭和二十三年四月一日以後の発行に係る国債証券で額面金額千円以上のものに限る。
第六十八条第一項中但書を削る。
大蔵大臣 池田勇人
逓信大臣 小沢佐重喜
内閣総理大臣 吉田茂