(設置)
第一條 米國対日援助の見返の円資金をもつて、米國対日援助見返資金(以下「援助資金」という。)を設置し、その歳入歳出を一般会計と区分して経理する。
(管理)
第二條 この会計は、大藏大臣が、法令の定めるところに從い、管理する。
(資金)
第三條 援助資金は、米國対日援助物資に係る貿易特別会計からの繰入金、運用資産の回收、処分等に因る受入金及び資金運用に因る收益金をもつて充てる。
2 前項に規定する貿易特別会計からの繰入金の額は、米國対日援助物資のアメリカ合衆國通貨による價額を大藏省令で定める換算率により日本國通貨に換算した價額に相当する金額とする。
3 貿易特別会計からの繰入金の繰入の時期は、政令で定める。
(援助資金の運用又は使用等)
第四條 援助資金は、通貨及び財政の安定、輸出の促進その他経済の再建に必要な使途に充てるため、國債に運用し、若しくは國債の償還に関する費途に使用し、又は公私企業に対する資金に運用し、若しくは公企業に対する資金に使用することができる。
2 前項の規定による運用に基く現金の受拂は、財政法(昭和二十二年法律第三十四号)第二條第一項の收入及び支出とみなす。
3 第一項の規定による援助資金をもつて國債の償還に関する費途に使用するときは、当該資金をもつて國債を買い入れ、又はこれに必要な金額を國債整理基金特別会計に繰り入れるものとする。
4 第一項の規定により援助資金の運用として買い入れた國債は、必要により償却することができる。
5 第三項の規定により買い入れた國債及び前項に規定する國債を償却しようとするときは、当該國債を國債整理基金特別会計の所属に移し償却するものとする。
第五條 援助資金をもつて國債を償還又は償却したときは、まず一般会計の負担に属する國債について償還又は償却があつたものとする。
(歳入及び歳出)
第六條 この会計においては、第三條第一項に規定する貿易特別会計からの繰入金、運用資産の回收、処分等に因る受入金及び資金運用に因る收益金をもつてその歳入とし、第四條第一項の規定による運用又は使用のための支出金をもつてその歳出とする。
2 第四條第一項及び第三項に規定する援助資金の運用及び國債の買入並びに第十三條第二項に規定する短期証券の買入及び賣拂に関する事務の取扱手数料は、この会計の負担とする。
(歳入歳出予定計算書の作製)
第七條 大藏大臣は、毎会計年度、この会計の歳入歳出予定計算書を作製しなければならない。
(歳入歳出予算の区分)
第八條 この会計の歳入歳出予算は、歳入の性質及び歳出の目的に從つて款及び項に区分する。
(予算の作成及び提出)
第九條 内閣は、毎会計年度、この会計の予算を作成し、一般会計の予算とともに國会に提出しなければならない。
2 前項の予算には歳入歳出予定計算書を添附しなければならない。
(支出残額の繰越)
第十條 援助資金で毎会計年度において支出されなかつた額は、これをその翌年度に繰り越すものとする。
(歳入歳出決定計算書の作製)
第十一條 大藏大臣は、毎会計年度、歳入歳出予定計算書と同一の区分により、この会計の歳入歳出決定計算書を作製しなければならない。
(歳入歳出決算の作成及び提出)
第十二條 内閣は、毎会計年度、この会計の歳入歳出決算を作成し、一般会計の歳入歳出決算とともに國会に提出しなければならない。
2 前項の歳入歳出決算には、左の書類を添附しなければならない。
(援助資金の経理等)
第十三條 援助資金は、日本銀行に特別の預金勘定を設け、他の預金勘定と区分して経理しなければならない。
2 援助資金に余裕があるときは、当該余裕金を大藏省証券、食糧証券、融通証券その他政府の発行する短期証券をもつて一時保有することができる。
(日本銀行の資金運用等に関する事務の取扱)
第十四條 第四條第一項及び第三項に規定する援助資金の運用及び國債の買入並びに前條第二項に規定する短期証券の買入及び賣拂に関する事務は、日本銀行に取り扱わせることができる。
(所属換國債及び償却國債の額の決算上の明示)
第十五條 國債整理基金特別会計は、毎会計年度、第四條第五項の規定により、この会計から所属換を受けた國債の額及び償却した当該國債の額を國債整理基金特別会計の歳入歳出の決算に附記して明らかにしなければならない。
2 前項の場合における所属換を受けた國債の額及び償却した國債の額は、当該國債の買入價格をもつて計算するものとする。
(施行規定)
第十六條 この法律の施行に関し必要な事項は、政令で定める。