(企業再建整備法等の一部を改正する法律)
法令番号: 法律第68号
公布年月日: 昭和22年4月17日
法令の形式: 法律

改正対象法令

提案理由 (AIによる要約)

企業再建整備法の実施にあたり、中央企業再建整備委員会で資産評価基準等の要綱が決定され、具体的実行段階に入ったが、その後の情勢変化に応じて法改正が必要となった。主な改正点は、特別経理株式会社の特別損失を指定時の資本金が負担すること、第二会社の範囲拡大、在外負債等の旧債権の柔軟な取扱い、特別経理株式会社の事業年度延長、非特別経理会社への整備計画認可申請の道を開くことなどである。これにより企業の再建整備を円滑に進めることを目的としている。

参照した発言:
第92回帝国議会 衆議院 本会議 第22号

審議経過

第92回帝国議会

衆議院
(昭和22年3月20日)
(昭和22年3月28日)
貴族院
(昭和22年3月29日)
(昭和22年3月30日)
朕は、帝國議会の協賛を経た企業再建整備法等の一部を改正する法律を裁可し、ここにこれを公布せしめる。
御名御璽
昭和二十二年四月十六日
内閣総理大臣 吉田茂
司法大臣 木村篤太郎
厚生大臣 河合良成
大藏大臣 石橋湛山
運輸大臣 増田甲子七
商工大臣 石井光次郎
農林大臣 木村小左衞門
法律第六十八号
第一條 企業再建整備法の一部を次のように改正する。
第五條第一項中「資本金」を「指定時現在の資本金(以下資本金という。)」に改める。
第六條第七号中「又はその資產」を「若しくはその資產」に改め、同号中「設立する場合」の下に「又はその資產の全部若しくは一部の出資若しくは讓渡を受けるため資本を倍額以上に増加する會社にその資產を出資若しくは讓渡する場合」を加える。
第七條第二号中「舊債權のうち」の下に「命令で定めるものを除くの外」を加え、同條に左の一項を加える。
前項第一號又は第三號の規定により計算した負擔額の各株式についての株主の負擔額については、命令の定めるところによる。
第八條第一項及び第二項中「命令を以て定める」を削る。
第十八條の二 第十條の規定により決定整備計畫に定められた債務の承繼に關し異議のある當該債務の債權者は、第十五條第一項又は第二項の規定による認可の日から一箇月以内に、特別經理株式會社にその旨を述べることができる。
商法第百條第二項及び第三項の規定は、前項の場合に、これを準用する。
前二項の規定は、決定整備計畫に定める合併又は資本の減少に關し異議のある債權者に、これを準用する。この場合においては、商法第百條第一項(同法第三百七十六條第二項において準用する場合を含む。)の規定は、これを適用しない。
特別經理株式會社は、第一項の期間滿了後でなければ、資產の出資、合併又は資本の減少をすることができない。
第十九條第一項中「會社經理應急措置法第十四條第一項の舊債權は、」の下に「命令の定めるところにより、」を加える。
第二十條第二項中「乃至第十八條」を「乃至第十八條の二」に改める。
第二十一條第二項中「及び前條」を「、第十八條の二及び前條」に改める。
第二十二條中「(第二十條第二項及び前條第二項」を「(第二十條第二項、前條第二項及び第五十四條の二第二項」に改める。
第三十一條中「特別經理株式會社が、決定整備計畫に定めるところにより、第二會社を設立する場合」を「第六條第七號の規定により決定整備計畫に定めるところにより行ふ第二會社の設立又は資本の増加の場合」に改め、「及び第百八十五條乃至第百八十七條の規定」を「、第百八十五條乃至第百八十七條、第三百五十三條、第三百五十四條第二項及び第三項竝びに第三百五十五條の規定」に改める。
第三十四條第三項中「第二項」を削り、同條第二項を次のように改める。
清算若しくは破算手續中の特別經理株式會社、決定整備計畫に定めるところにより解散する特別經理株式會社又は株金全額の拂込のある特別經理株式會社であつて特別損失のないもの若しくは決定整備計畫に定めるところにより特別損失の額の全部を繰越缺損として處理するものを除くの外、特別經理株式會社は、命令で定める額を下らない額の資本を減少しなければならない。
第三十九條 第八條の規定による評價換により營業用の固定財產に附せられた價額は、當該財產については、これを商法第二百八十五條に定める取得價額又は製作價額とみなす。
會社の資產の讓渡に因る益金で命令で定めるもの、第八條の規定による資產の評價換に因る益金、債務の消滅に因る益金及び資本の減少に因る益金については、命令の定めるところにより、他の法令の規定にかかはらず、法人税法による各事業年度の普通所得、營業税法による各事業年度の純益又は特別法人税法による各事業年度の剩餘金の計算上、これを益金に算入しない。
第四十條の二 特別經理株式會社については、指定時を以て終了する事業年度に續く事業年度は、他の法令又は定款の規定にかかはらず、舊勘定及び新勘定の併合の日(第三十六條第一項第一號但書の規定に該當する場合においては、第十五條第一項又は第二項の規定による認可の日)を以て終了するものとする。
前項の規定による事業年度に續く事業年度は、當該會社についての法令又は定款の規定により同項の日後最初に到來する事業年度の末日(その末日が、同項の日後三箇月以内に到來する場合には、次に到來する事業年度の末日)を以て終了するものとする。
第五十四條の二 特別經理株式會社及び第五十二條の規定の適用を受けるものを除くの外、戰時補償特別税を課せられた會社又は在外資產を有する會社であつて整備を必要とするものは、命令の定めるところにより、整備計畫を立案し、主務大臣に認可を申請することができる。
第五條第二項、第六條(第一號、第四號、第八號、第十號、第十一號、第十三號及び第十五號乃至第十七號を除く。)、第十條第二項、第十三條乃至第十五條、第十八條、第十八條の二、第二十條、第二十一條第三項、第二十二條、第二十三條、第二十七條、第二十八條第三項及び第四項、第二十九條、第三十一條、第四十一條、第四十三條竝びに第四十九條の規定は、前項の場合に、これを準用する。この場合において、これらの規定中「特別管理人」とあるのは「取締役」と、第六條第七號中「第十條」とあるのは「第五十四條の三」と讀み替へる。
第五十四條の三 前條第一項の規定により整備計畫の認可を申請する會社が資產の全部又は一部を出資する場合には、その出資を受ける者は、命令の定めるところにより、當該會社の債務の全部又は一部を承繼する。
第五十六條第四号中「第四十三條」の下に「(第五十四條の二第二項において準用する場合を含む。)」を加える。
第五十七條中「第四十一條第二項」及び「第四十九條第二項」の下に「(第五十四條の二第二項において準用する場合を含む。)」を加える。
第六十條中「及び第二十一條第二項」を「、第二十一條第二項及び第五十四條の二第二項」に改め、「第四十一條第一項」及び「第四十九條第一項」の下に「(第五十四條の二第二項において準用する場合を含む。)」を加え、「第三十九條第二項の規定に基いて發する命令又は」を削る。
附則第一項の次に左の一項を加える。
第四十條の二の規定にかかはらず、法人税法の適用については、定款に定める事業年度の終了の日において事業年度が終了したものとみなす。
第二條 会社経理應急措置法の一部を次のように改正する。
第七條第七項中「會社財產」を「財產」に、同項中「當該會社財產」を「當該財產」に改める。
第十五條に左の一項を加える。
特別經理會社の解散、合併及び組織變更については、この法律及び他の法令にかかはらず、命令を以て別段の定をなすことができる。指定時後合併する會社の一方又は雙方が特別經理會社である場合において、合併後存續する會社であつて特別經理會社でないもの又は合併に因り設立する會社についても、同樣とする。
附 則
この法律は、公布の日から、これを施行する。但し、企業再建整備法第四十條の二の規定は、同法施行の日から、これを適用する。
朕は、帝国議会の協賛を経た企業再建整備法等の一部を改正する法律を裁可し、ここにこれを公布せしめる。
御名御璽
昭和二十二年四月十六日
内閣総理大臣 吉田茂
司法大臣 木村篤太郎
厚生大臣 河合良成
大蔵大臣 石橋湛山
運輸大臣 増田甲子七
商工大臣 石井光次郎
農林大臣 木村小左衛門
法律第六十八号
第一条 企業再建整備法の一部を次のように改正する。
第五条第一項中「資本金」を「指定時現在の資本金(以下資本金という。)」に改める。
第六条第七号中「又はその資産」を「若しくはその資産」に改め、同号中「設立する場合」の下に「又はその資産の全部若しくは一部の出資若しくは譲渡を受けるため資本を倍額以上に増加する会社にその資産を出資若しくは譲渡する場合」を加える。
第七条第二号中「旧債権のうち」の下に「命令で定めるものを除くの外」を加え、同条に左の一項を加える。
前項第一号又は第三号の規定により計算した負担額の各株式についての株主の負担額については、命令の定めるところによる。
第八条第一項及び第二項中「命令を以て定める」を削る。
第十八条の二 第十条の規定により決定整備計画に定められた債務の承継に関し異議のある当該債務の債権者は、第十五条第一項又は第二項の規定による認可の日から一箇月以内に、特別経理株式会社にその旨を述べることができる。
商法第百条第二項及び第三項の規定は、前項の場合に、これを準用する。
前二項の規定は、決定整備計画に定める合併又は資本の減少に関し異議のある債権者に、これを準用する。この場合においては、商法第百条第一項(同法第三百七十六条第二項において準用する場合を含む。)の規定は、これを適用しない。
特別経理株式会社は、第一項の期間満了後でなければ、資産の出資、合併又は資本の減少をすることができない。
第十九条第一項中「会社経理応急措置法第十四条第一項の旧債権は、」の下に「命令の定めるところにより、」を加える。
第二十条第二項中「乃至第十八条」を「乃至第十八条の二」に改める。
第二十一条第二項中「及び前条」を「、第十八条の二及び前条」に改める。
第二十二条中「(第二十条第二項及び前条第二項」を「(第二十条第二項、前条第二項及び第五十四条の二第二項」に改める。
第三十一条中「特別経理株式会社が、決定整備計画に定めるところにより、第二会社を設立する場合」を「第六条第七号の規定により決定整備計画に定めるところにより行ふ第二会社の設立又は資本の増加の場合」に改め、「及び第百八十五条乃至第百八十七条の規定」を「、第百八十五条乃至第百八十七条、第三百五十三条、第三百五十四条第二項及び第三項並びに第三百五十五条の規定」に改める。
第三十四条第三項中「第二項」を削り、同条第二項を次のように改める。
清算若しくは破算手続中の特別経理株式会社、決定整備計画に定めるところにより解散する特別経理株式会社又は株金全額の払込のある特別経理株式会社であつて特別損失のないもの若しくは決定整備計画に定めるところにより特別損失の額の全部を繰越欠損として処理するものを除くの外、特別経理株式会社は、命令で定める額を下らない額の資本を減少しなければならない。
第三十九条 第八条の規定による評価換により営業用の固定財産に附せられた価額は、当該財産については、これを商法第二百八十五条に定める取得価額又は製作価額とみなす。
会社の資産の譲渡に因る益金で命令で定めるもの、第八条の規定による資産の評価換に因る益金、債務の消滅に因る益金及び資本の減少に因る益金については、命令の定めるところにより、他の法令の規定にかかはらず、法人税法による各事業年度の普通所得、営業税法による各事業年度の純益又は特別法人税法による各事業年度の剰余金の計算上、これを益金に算入しない。
第四十条の二 特別経理株式会社については、指定時を以て終了する事業年度に続く事業年度は、他の法令又は定款の規定にかかはらず、旧勘定及び新勘定の併合の日(第三十六条第一項第一号但書の規定に該当する場合においては、第十五条第一項又は第二項の規定による認可の日)を以て終了するものとする。
前項の規定による事業年度に続く事業年度は、当該会社についての法令又は定款の規定により同項の日後最初に到来する事業年度の末日(その末日が、同項の日後三箇月以内に到来する場合には、次に到来する事業年度の末日)を以て終了するものとする。
第五十四条の二 特別経理株式会社及び第五十二条の規定の適用を受けるものを除くの外、戦時補償特別税を課せられた会社又は在外資産を有する会社であつて整備を必要とするものは、命令の定めるところにより、整備計画を立案し、主務大臣に認可を申請することができる。
第五条第二項、第六条(第一号、第四号、第八号、第十号、第十一号、第十三号及び第十五号乃至第十七号を除く。)、第十条第二項、第十三条乃至第十五条、第十八条、第十八条の二、第二十条、第二十一条第三項、第二十二条、第二十三条、第二十七条、第二十八条第三項及び第四項、第二十九条、第三十一条、第四十一条、第四十三条並びに第四十九条の規定は、前項の場合に、これを準用する。この場合において、これらの規定中「特別管理人」とあるのは「取締役」と、第六条第七号中「第十条」とあるのは「第五十四条の三」と読み替へる。
第五十四条の三 前条第一項の規定により整備計画の認可を申請する会社が資産の全部又は一部を出資する場合には、その出資を受ける者は、命令の定めるところにより、当該会社の債務の全部又は一部を承継する。
第五十六条第四号中「第四十三条」の下に「(第五十四条の二第二項において準用する場合を含む。)」を加える。
第五十七条中「第四十一条第二項」及び「第四十九条第二項」の下に「(第五十四条の二第二項において準用する場合を含む。)」を加える。
第六十条中「及び第二十一条第二項」を「、第二十一条第二項及び第五十四条の二第二項」に改め、「第四十一条第一項」及び「第四十九条第一項」の下に「(第五十四条の二第二項において準用する場合を含む。)」を加え、「第三十九条第二項の規定に基いて発する命令又は」を削る。
附則第一項の次に左の一項を加える。
第四十条の二の規定にかかはらず、法人税法の適用については、定款に定める事業年度の終了の日において事業年度が終了したものとみなす。
第二条 会社経理応急措置法の一部を次のように改正する。
第七条第七項中「会社財産」を「財産」に、同項中「当該会社財産」を「当該財産」に改める。
第十五条に左の一項を加える。
特別経理会社の解散、合併及び組織変更については、この法律及び他の法令にかかはらず、命令を以て別段の定をなすことができる。指定時後合併する会社の一方又は双方が特別経理会社である場合において、合併後存続する会社であつて特別経理会社でないもの又は合併に因り設立する会社についても、同様とする。
附 則
この法律は、公布の日から、これを施行する。但し、企業再建整備法第四十条の二の規定は、同法施行の日から、これを適用する。