民生委員令
法令番号: 勅令第四百二十六號
公布年月日: 昭和21年9月13日
法令の形式: 勅令
朕は、民生委員令を裁可し、ここにこれを公布せしめる。
御名御璽
昭和二十一年九月十二日
內閣總理大臣 吉田茂
厚生大臣 河合良成
勅令第四百二十六號
民生委員令
第一條 民生委員は、社會の福祉を增進するために、仁愛の精神を以て、保護誘掖のことに從ふ。
第二條 民生委員は、市(東京都の區のある區域においてはその區域とする。以下同じ。)町村の區域にこれを置く。
第三條 民生委員の定數は、地方長官が、關係市町村長(東京都の區のある區域においては區長とする。)の意見を徵して、市町村の區域每にこれを定める。
第四條 民生委員は、地方長官の推薦によつて、厚生大臣がこれを委囑する。
前項の地方長官の推薦は、市町村の設置する民生委員推薦委員會が推薦した者について、都道府縣の設置する民生委員銓衡委員會の意見を徵してこれを行ふ。
前項の民生委員推薦委員會及び民生委員銓衡委員會の組織は、厚生大臣がこれを定める。
第五條 民生委員は名譽職とし、その任期は二年とする。但し、特別の事由があるときは、任期中であつても、これを解任することができる。
第六條 民生委員は、その市町村の區域において、擔當の區域又は事項を分つて、その職務を行ふものとする。
第七條 民生委員の職務は、左の通りである。
一 生活狀態を調査すること。
二 保護を要する者を適切に保護誘掖すること。
三 社會施設と密接に連絡し、その機能を扶けること。
民生委員は、前項の職務を行ふ外、必要に應じて、生活の指導を行ふ。
第八條 民生委員は、その職務に關して、地方長官の指揮監督を承ける。
第九條 民生委員は、地方長官が關係市町村長(東京都の區のある區域においては區長とする。)の意見を徵して定める區域每に、民生委員會を組織しなければならない。
前項の規定による民生委員會を組織する區域を定める場合においては、特別の事情があるときの外、市においてはその區域を數區域に分かつ區域を以て、町村においてはその區域を以て一區域としなければならない。
第十條 地方長官は、必要があると認めたときは、關係市町村長(東京都の區のある區域、京都市、大阪市、橫濱市、神戶市及び名古屋市においては區長とする。以下同じ。)その他適當な者を、民生委員會の組織に加はらしめることができる。
關係市町村長又はその委任を受けた者は、民生委員會に出席し、意見を述べることができる。
第十一條 民生委員會の任務は、左の通りである。
一 民生委員が擔當する區域又は事項を定めること。
二 民生委員の職務に關する連絡及び統制をなすこと。
三 必要な資料又は情報を集めること。
四 民生委員をして、その職務に關して互に勵まし、硏究及び修養をなさせること。
五 その他民生委員が職務を遂行するに必要な事項を處理すること。
民生委員會は、民生委員の職務に關して必要と認める意見を、關係各廳に具申することができる。
第十二條 關係市町村長は、民生委員に對して、その職務に關して必要な指示をなすことができる。
第十三條 民生委員、民生委員推薦委員會、民生委員銓衡委員會及び民生委員會に關する費用は、都道府縣の負擔とする。
第十四條 この勅令中町村に關する規定は、町村制を施行しない地においては町村に準ずるものに、町村長に關する規定は、町村長に準ずるものにこれを適用する。
附 則
この勅令は、生活保護法施行の日から、これを施行する。
方面委員令は、これを廢止する。
この勅令施行の際、現に方面委員の職にある者は、民生委員を委囑されたものとする。但し、その任期は、この勅令施行の日から二箇月とする。
前項の場合においても、第五條但書の規定の適用を妨げない。
少年敎護法施行令の一部を次のやうに改正する。
第九條第一項及び第二項を次のやうに改める。
少年敎護委員ハ民生委員令ニ依ル民生委員ヲ以テ之ニ充ツ
前項ノ規定ニ依ル者ノ外地方長官必要アリト認ムルトキハ別ニ少年敎護委員ヲ選任スルコトヲ得
少年敎護委員ハ名譽職トス
第二項ノ規定ニ依リ選任セラレタル少年敎護委員ノ任期ハ二年トス但シ特別ノ事由アルトキハ任期中ト雖モ之ヲ解任スルコトヲ妨ゲズ
朕は、民生委員令を裁可し、ここにこれを公布せしめる。
御名御璽
昭和二十一年九月十二日
内閣総理大臣 吉田茂
厚生大臣 河合良成
勅令第四百二十六号
民生委員令
第一条 民生委員は、社会の福祉を増進するために、仁愛の精神を以て、保護誘掖のことに従ふ。
第二条 民生委員は、市(東京都の区のある区域においてはその区域とする。以下同じ。)町村の区域にこれを置く。
第三条 民生委員の定数は、地方長官が、関係市町村長(東京都の区のある区域においては区長とする。)の意見を徴して、市町村の区域毎にこれを定める。
第四条 民生委員は、地方長官の推薦によつて、厚生大臣がこれを委嘱する。
前項の地方長官の推薦は、市町村の設置する民生委員推薦委員会が推薦した者について、都道府県の設置する民生委員銓衡委員会の意見を徴してこれを行ふ。
前項の民生委員推薦委員会及び民生委員銓衡委員会の組織は、厚生大臣がこれを定める。
第五条 民生委員は名誉職とし、その任期は二年とする。但し、特別の事由があるときは、任期中であつても、これを解任することができる。
第六条 民生委員は、その市町村の区域において、担当の区域又は事項を分つて、その職務を行ふものとする。
第七条 民生委員の職務は、左の通りである。
一 生活状態を調査すること。
二 保護を要する者を適切に保護誘掖すること。
三 社会施設と密接に連絡し、その機能を扶けること。
民生委員は、前項の職務を行ふ外、必要に応じて、生活の指導を行ふ。
第八条 民生委員は、その職務に関して、地方長官の指揮監督を承ける。
第九条 民生委員は、地方長官が関係市町村長(東京都の区のある区域においては区長とする。)の意見を徴して定める区域毎に、民生委員会を組織しなければならない。
前項の規定による民生委員会を組織する区域を定める場合においては、特別の事情があるときの外、市においてはその区域を数区域に分かつ区域を以て、町村においてはその区域を以て一区域としなければならない。
第十条 地方長官は、必要があると認めたときは、関係市町村長(東京都の区のある区域、京都市、大阪市、横浜市、神戸市及び名古屋市においては区長とする。以下同じ。)その他適当な者を、民生委員会の組織に加はらしめることができる。
関係市町村長又はその委任を受けた者は、民生委員会に出席し、意見を述べることができる。
第十一条 民生委員会の任務は、左の通りである。
一 民生委員が担当する区域又は事項を定めること。
二 民生委員の職務に関する連絡及び統制をなすこと。
三 必要な資料又は情報を集めること。
四 民生委員をして、その職務に関して互に励まし、研究及び修養をなさせること。
五 その他民生委員が職務を遂行するに必要な事項を処理すること。
民生委員会は、民生委員の職務に関して必要と認める意見を、関係各庁に具申することができる。
第十二条 関係市町村長は、民生委員に対して、その職務に関して必要な指示をなすことができる。
第十三条 民生委員、民生委員推薦委員会、民生委員銓衡委員会及び民生委員会に関する費用は、都道府県の負担とする。
第十四条 この勅令中町村に関する規定は、町村制を施行しない地においては町村に準ずるものに、町村長に関する規定は、町村長に準ずるものにこれを適用する。
附 則
この勅令は、生活保護法施行の日から、これを施行する。
方面委員令は、これを廃止する。
この勅令施行の際、現に方面委員の職にある者は、民生委員を委嘱されたものとする。但し、その任期は、この勅令施行の日から二箇月とする。
前項の場合においても、第五条但書の規定の適用を妨げない。
少年教護法施行令の一部を次のやうに改正する。
第九条第一項及び第二項を次のやうに改める。
少年教護委員ハ民生委員令ニ依ル民生委員ヲ以テ之ニ充ツ
前項ノ規定ニ依ル者ノ外地方長官必要アリト認ムルトキハ別ニ少年教護委員ヲ選任スルコトヲ得
少年教護委員ハ名誉職トス
第二項ノ規定ニ依リ選任セラレタル少年教護委員ノ任期ハ二年トス但シ特別ノ事由アルトキハ任期中ト雖モ之ヲ解任スルコトヲ妨ゲズ