第一條 昭和二十一年一月四日附聯合國最高司令官覺書公務從事ニ適セザル者ノ公職ヨリノ除去ニ關スル件ニ揭グル條項ニ該當スル者トシテ內閣總理大臣ノ指定スル者(以下覺書該當者ト稱ス)ニシテ通常勅任待遇以上ノ者ノ占ムル官職ニ在ルモノハ退官又ハ退職セシメラレ爾後官職ニ就クコトヲ得ズ
前項ノ規定ニ該當スル者ニ付餘人ヲ以テ代フルコト困難ナル事情アルトキハ同項ノ規定ニ拘ラズ內閣總理大臣ノ定ムル所ニ依リ其ノ者ヲ官職ニ留任又ハ再任セシムルコトヲ得
覺書該當者ハ第一項ノ規定ニ該當セザル者ト雖モ官職ニ就カシメザルコトアルベシ
第二條 前條ニ於テ官職トハ官廳ノ特別ノ支配ニ屬スル會社、協會其ノ他ノ團體トシテ內閣總理大臣ノ指定スル團體ノ職員ノ職ヲ含ムモノトシ通常勅任待遇以上ノ者ノ占ムル官職トハ此等ノ團體ニ付テハ其ノ幹部タル職員ノ職ニシテ內閣總理大臣ノ指定スルモノヲ謂フ
第三條 第一條第一項ノ覺書ニ基キ退官又ハ退職シタル者ハ內閣總理大臣ノ特ニ定ムル場合ヲ除クノ外公私ノ恩給、年金其ノ他ノ手當又ハ利益ヲ受クルコトヲ得ズ
第四條 覺書該當者ハ帝國議會ノ議員又ハ市長ト爲ルコトヲ得ズ其ノ現ニ帝國議會ノ議員タル者ハ其ノ職ヲ失フモノトス
第五條 地方長官貴族院多額納稅者議員互選規則第四條及第三十九條ノ互選人名簿ヲ調製セントスル場合ニ於テハ互選人タルベキ者ヲシテ其ノ者ガ覺書該當者ニ非ザル者ナルコトヲ證スルニ足ル書面ヲ提出セシムベシ
地方長官前項ノ書面ヲ受取リタルトキハ直ニ內務大臣ヲ經テ內閣總理大臣ニ之ヲ送付スベシ
前二項ノ規定ハ貴族院伯子男爵議員又ハ貴族院帝國學士院會員議員ノ選擧ヲ行フ場合ニ之ヲ準用ス但シ地方長官トアルハ貴族院伯子男爵議員ニ付テハ宗秩寮總裁、貴族院帝國學士院會員議員ニ付テハ選擧管理者トシ書面ノ送付ニ付テハ內務大臣ヲ經ルコトヲ要セザルモノトス
第六條 覺書該當者ハ衆議院議員候補者タルコトヲ得ズ
衆議院議員選擧法第六十七條第一項乃至第三項ノ規定ニ依ル議員候補者ノ屆出又ハ推薦屆出(以下屆出又ハ推薦屆出ト稱ス)ヲ爲サントスル者ハ選擧長ニ對シ議員候補者タルベキ者ガ覺書該當者ニ非ザル者ナルコトヲ證スルニ足ル書類ヲ併セ提出スベシ
選擧長議員候補者タルベキ者ガ覺書該當者ナルコトヲ確認シタルトキハ其ノ者ニ係ル屆出又ハ推薦屆出ヲ受理スルコトヲ得ズ
選擧長第二項ノ書面ヲ受取リタルトキハ直ニ內務大臣ヲ經テ內閣總理大臣ニ之ヲ送付スベシ
議員候補者ニ付第一條第一項ノ指定アリタルトキハ當該議員候補者ハ議員候補者タルコトヲ辭シタルモノト看做ス
第七條 各廳ハ內閣總理大臣ノ定ムル所ニ依リ第一條ノ規定ノ適用ニ關シ必要ナル調查表ヲ徵スベシ
第八條 第五條第一項(同條第三項ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)若ハ第六條第二項ノ書面又ハ前條ノ調查表ニ虛僞ノ記載ヲ爲シ又ハ事實ヲ隱蔽シタル記載ヲ爲シタル者及同條ノ調查表ヲ徵セラレ之ヲ提出セザル者ハ一年以下ノ懲役若ハ禁錮又ハ三千圓以下ノ罰金ニ處ス各廳ガ第一條第一項ノ覺書ニ基キ報吿書ヲ聯合國最高司令官ニ提出スル場合ニ於テ其ノ報吿書ニ虛僞ノ記載ヲ爲シ又ハ事實ヲ隱蔽シタル記載ヲ爲シタル者ニ付亦同ジ