第一條 政府を当事者とする契約で勅令で定めるもの(以下特定契約という。)で、政府の支拂金額の確定していないものについて、命令の定める期限内に、政府が適正と認める支拂金額を指定したときは、その指定金額を以て確定支拂金額とする。支拂金額の一部が確定していない場合において、その確定していない部分についても、また同樣とする。
前項の規定による支拂金額の指定は、相手方に対する通知を以てこれをなす。
特定契約の相手方は、特定契約に係る政府の支拂金額に関しては、第一項に規定する期限内は、通常裁判所に出訴することができない。前項の規定による指定金額の通知があつた場合においては、第二條第三項の規定による通知を受けるまでも、また同樣とする。
第二條 前條の規定による指定金額に不服のある相手方は、命令の定めるところにより、政府に対して指定金額の改定を申請することができる。
前項の規定により申請のあつたときは、政府は、特定契約委員会に諮問して、これを決定する。
前項の決定をしたときは、政府は、直ちに、相手方に対してこれを通知する。
特定契約委員会に関する規程は、勅令でこれを定める。
第三條 第二條第二項の規定による政府の決定に不服のある相手方は、同條第三項の通知を受けた日から三箇月以内に、通常裁判所に出訴することができる。
第四條 特定契約の相手方は、命令の定めるところにより、特別の帳簿書類を備え、これに特定契約の履行に関する金銭、物品の出納その他必要な事項を記載して置かなければならない。
第五條 政府は、特定契約について、調査のため必要があるときは、当該官吏をして、特定契約の相手方若しくは下請人その他特定契約に関連して特定契約の相手方と取引をした者(下請人の下請人その他これに準ずる者を含む。)に対して質問し、報告を徴し、これらの者の営業所、作業場若しくはその他の場所に臨檢し、帳簿書類その他の物件を檢査し、又は参考人について質問させることができる。
政府は、必要があるときは、命令の定めるところにより、都道府縣の吏員をして、前項の事務に從事させることができる。
第六條 左の場合においては、特定契約の相手方又は下請人その他特定契約の相手方と取引をした者(下請人の下請人その他これに準ずる者を含む。)は、これを一年以下の懲役又は一万円以下の罰金に処する。
一 前條の規定による質問に対し、答弁をしないとき又は虚僞の答弁をしたとき
二 前條の規定による報告を怠り又は虚僞の報告をしたとき
三 前條の規定による檢査を拒み、妨げ又は忌避したとき
四 前條の帳簿書類で虚僞の記載をしたものを呈示したとき
第七條 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の從業者が、その法人又は人の業務に関して前條第一号、第二号又は第四号の違反行爲をしたときは、行爲者を罰する外、その法人又は人に対しても、同條の罰金刑を科する。