学校特別会計規則
法令番号: 勅令第五百六十三號
公布年月日: 昭和19年9月27日
法令の形式: 勅令
朕學校特別會計規則ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十九年九月二十六日
內閣總理大臣 小磯國昭
大藏大臣 石渡莊太郞
文部大臣 二宮治重
勅令第五百六十三號
學校特別會計規則
第一條 歲入歲出ノ豫定計算書ハ文部大臣之ヲ調製シ前年度九月三十日迄ニ之ヲ大藏大臣ニ送付スベシ
第二條 文部大臣ハ大學ノ學部長、硏究所長若ハ附屬醫院長又ハ文部大臣官房會計課長ヲシテ歲入歲出豫算ノ一部ヲ施行セシムルコトヲ得
第三條 本會計ニ於テハ當該年度ノ收入濟歲入額ヲ以テ支拂元受高トシ歲出ヲ支出スルハ此ノ支拂元受高ヲ超過スルコトヲ得ズ
第四條 大學及學校ニ於テ在外國人、學術家又ハ學術硏究旅行者ニ物品ノ購買若ハ採集、試驗、硏究又ハ調査ヲ委託スル場合ニ於テハ其ノ委託ヲ受ケタル者ヲ受取人トシテ槪算拂ヲ爲スコトヲ得
第五條 每年度內ニ支拂ヲ爲スベキ義務ヲ生ジ翌年度四月三十日迄ニ小切手ヲ振出サザルモノハ支出未濟トシテ遞次翌年度ニ繰越シ時效完成ニ至ル迄ハ支拂ノ請求アル每ニ小切手ヲ振出スベシ但シ支出未濟ノ繰越額ハ支出濟額ト合シテ豫算定額ヲ超過スルコトヲ得ズ
前項ノ規定ニ依リ繰越シタル支出未濟ノ金額ニシテ時效ニ因リ支拂義務消滅シタルモノハ之ヲ資金ニ組入ルベシ
第六條 特ニ用途ヲ指定シタル寄附金ヲ以テ支辨スベキ經費ニシテ每年度內ニ支拂ヲ爲スベキ業務ヲ生ゼズ小切手ヲ振出スニ至ラザリシモノハ之ヲ遞次翌年度ニ繰越シ使用スルコトヲ得
第七條 特ニ用途ヲ指定シタル寄附金ノ支出殘額ニシテ爾後支拂ヲ要セザルモノ(時效ニ因リ支拂義務消滅シタルモノヲ除ク)ハ寄附者ノ同意ヲ得テ之ヲ資金ニ組入ルルコトヲ得
第八條 會計規則第五十四條ノ規定ニ依リ歲入ニ組入ルベキモノハ之ヲ資金ニ組入ルベシ
第九條 每年度ニ於ケル歲入ノ收入濟額ヨリ歲出ノ支出濟額、翌年度繰越額竝ニ第五條第二項及第七條ノ規定ニ依ル資金組入額ヲ控除シタル殘餘ハ之ヲ資金ニ組入ルベシ
第十條 資金ニシテ特ニ用途ヲ指定シタルモノハ之ヲ特別資金トシ其ノ他ノモノハ之ヲ維持資金トス
特別資金ヨリ生ズル利子其ノ他ノ收入ハ之ヲ特定ノ用途ニ充テ其ノ殘餘ハ當該資金ノ增殖ニ充ツルモノトス
維持資金ヨリ生ズル利子其ノ他ノ收入ハ之ヲ夫々帝國大學、官立大學及直轄諸學校一般ノ經費ニ充ツルモノトス但シ學校特別會計法第六條但書、第十六條第二項及第十八條第二項ノ規定ニ依リ區分整理スル資金其ノ他各大學及學校ノ用ニ供スル資金ヨリ生ズル收入ハ當該大學及學校ノ經費ニ充ツルモノトス
第十一條 資金ハ文部大臣之ヲ管理スベシ
第十二條 資金ニ屬スル現金ハ之ヲ大藏省預金部ニ預入ルベシ
第十三條 資金ニ屬スル不動產ヲ離權スル場合ニ於テ當該不動產ガ寄附ニ係ルモノナルトキハ寄附者ノ同意ヲ得ルコトヲ要ス
第十四條 學校特別會計法第七條ノ規定ニ依リ資金ヲ支消スルコトヲ得ルハ左ニ揭グル場合ニ限ル
一 大學及學校ノ創設及整備ニ要スル經費ニ充用スルトキ
二 前號ノ場合ノ外不動產、船舶、機械、器具又ハ圖書ノ取得、修理、改造又ハ移設ニ要スル經費及圖書ノ整理ニ要スル經費ニ充用スルトキ
三 他ノ會計ヨリ無償ニテ所屬換ヲ受ケタル森林原野ヲ當該他ノ會計ノ所屬ニ移ストキ
四 都市計畫其ノ他ノ必要ニ基キ土地ヲ公共用ニ供スルトキ
五 國有財產法施行令第十條ノ規定ニ依リ不動產ヲ讓與スルトキ
第十五條 資金ニ屬スル現金ノ會計ハ別途ノ歲入歲出トシテ之ヲ整理スベシ
第十六條 資金ニ屬スル現金ノ出納ニ關スル手續ハ文部大臣大藏大臣ト協議シテ之ヲ定ムベシ
第十七條 大學ノ歲入徵收官ハ每月徵收報吿書ヲ調製シ參照書類ヲ添ヘ之ヲ當該大學ノ總長又ハ學長ニ送付スベシ
大學ノ總長又ハ學長ハ徵收報吿書ニ依リ每月當該大學ノ徵收集計報吿書ヲ調製シ參照書類ヲ添ヘ之ヲ文部大臣ニ送付スベシ
第十八條 文部大臣ハ徵收集計報吿書及大學ノ歲入徵收官以外ノ歲入徵收官ヨリ送付ニ係ル徵收報吿書ニ依リ每月徵收總報吿書ヲ調製シ參照書類ヲ添ヘ其ノ翌月中ニ之ヲ大藏大臣ニ送付スベシ
第十九條 大學ノ支出官ハ每月支出濟額報吿書ヲ調製シ之ヲ當該大學ノ總長又ハ學長ニ送付スベシ
大學ノ總長又ハ學長ハ支出濟額報吿書ニ依リ每月當該大學ノ支出濟額集計報吿書ヲ調製シ支出濟額報吿書ヲ添ヘ之ヲ文部大臣ニ送付スベシ
第二十條 文部大臣ハ支出濟額集計報吿書及大學ノ支出官以外ノ支出官ヨリ送付ニ係ル支出濟額報吿書ニ依リ每月支出總報吿書ヲ調製シ支出濟額報吿書ヲ添ヘ其ノ翌月中ニ之ヲ大藏大臣ニ送付スベシ
第二十一條 大學ニ於テ歲入徵收官又ハ支出官一人ナル場合ニ於テハ徵收報吿書又ハ支出濟額報吿書ヲ以テ當該大學ノ徵收集計報吿書又ハ支出濟額集計報吿書ニ充ツルコトヲ得
第二十二條 歲入歲出ノ決定計算書ハ文部大臣之ヲ調製シ翌年度七月三十一日迄ニ之ヲ大藏大臣ニ送付スベシ
文部大臣ハ每年度當該年度以前旣往五箇年度間資金增減明細表ヲ調製シ翌年度七月三十一日迄ニ之ヲ大藏大臣ニ送付スベシ
第二十三條 大學ハ徵收集計簿ヲ備ヘ當該大學ノ歲入ノ調定濟額、收入濟額、不納缺損額及收入未濟額ヲ登記スベシ但シ歲入徵收官一人ナル場合ニ於テハ之ヲ省略スルコトヲ得
第二十四條 支出官ハ支出簿ノ外支拂元受高差引簿ヲ備ヘ支拂元受高、支出濟額及殘額ヲ登記スベシ
第二十五條 大學ハ支出集計簿及支拂元受高集計差引簿ヲ備ヘ支出集計簿ニハ當該大學ノ歲出ノ支拂豫算額、支出濟額及支拂豫算殘額ヲ登記シ支拂元受高集計差引簿ニハ當該大學ノ支拂元受高、支出濟額及殘額ヲ登記スベシ但シ支出官一人ナル場合ニ於テハ此等ヲ省略スルコトヲ得
第二十六條 文部省ハ歲出簿ノ外支拂元受高總差引簿ヲ備ヘ本會計ノ支拂元受高、支出濟額及殘額ヲ登記スベシ
第二十七條 文部大臣ハ部內ノ高等官ノ中ヨリ學校會計監理官ヲ命ジ大學及學校ノ會計ヲ監督セシムベシ
第二十八條 本令ニ規定セザルモノニ付テハ會計規則ヲ準用ス
附 則
本令ハ昭和十九年度ヨリ之ヲ適用ス
大學特別會計規則及學校及圖書館特別會計規則ハ之ヲ廢止ス但シ昭和十八年度分ニ付テハ仍其ノ效力ヲ有ス
文部大臣ハ帝國大學、官立大學及學校及圖書館ノ各特別會計ノ昭和十八年度以前旣往五箇年度間資金增減明細表ヲ調製シ昭和十九年九月三十日迄ニ之ヲ大藏大臣ニ送付スベシ
國有財產法施行令中左ノ通改正ス
第二條第二項中「、大學資金又ハ學校及圖書館資金」ヲ「又ハ學校特別會計」ニ改ム
朕学校特別会計規則ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十九年九月二十六日
内閣総理大臣 小磯国昭
大蔵大臣 石渡荘太郎
文部大臣 二宮治重
勅令第五百六十三号
学校特別会計規則
第一条 歳入歳出ノ予定計算書ハ文部大臣之ヲ調製シ前年度九月三十日迄ニ之ヲ大蔵大臣ニ送付スベシ
第二条 文部大臣ハ大学ノ学部長、研究所長若ハ附属医院長又ハ文部大臣官房会計課長ヲシテ歳入歳出予算ノ一部ヲ施行セシムルコトヲ得
第三条 本会計ニ於テハ当該年度ノ収入済歳入額ヲ以テ支払元受高トシ歳出ヲ支出スルハ此ノ支払元受高ヲ超過スルコトヲ得ズ
第四条 大学及学校ニ於テ在外国人、学術家又ハ学術研究旅行者ニ物品ノ購買若ハ採集、試験、研究又ハ調査ヲ委託スル場合ニ於テハ其ノ委託ヲ受ケタル者ヲ受取人トシテ概算払ヲ為スコトヲ得
第五条 毎年度内ニ支払ヲ為スベキ義務ヲ生ジ翌年度四月三十日迄ニ小切手ヲ振出サザルモノハ支出未済トシテ逓次翌年度ニ繰越シ時効完成ニ至ル迄ハ支払ノ請求アル毎ニ小切手ヲ振出スベシ但シ支出未済ノ繰越額ハ支出済額ト合シテ予算定額ヲ超過スルコトヲ得ズ
前項ノ規定ニ依リ繰越シタル支出未済ノ金額ニシテ時効ニ因リ支払義務消滅シタルモノハ之ヲ資金ニ組入ルベシ
第六条 特ニ用途ヲ指定シタル寄附金ヲ以テ支弁スベキ経費ニシテ毎年度内ニ支払ヲ為スベキ業務ヲ生ゼズ小切手ヲ振出スニ至ラザリシモノハ之ヲ逓次翌年度ニ繰越シ使用スルコトヲ得
第七条 特ニ用途ヲ指定シタル寄附金ノ支出残額ニシテ爾後支払ヲ要セザルモノ(時効ニ因リ支払義務消滅シタルモノヲ除ク)ハ寄附者ノ同意ヲ得テ之ヲ資金ニ組入ルルコトヲ得
第八条 会計規則第五十四条ノ規定ニ依リ歳入ニ組入ルベキモノハ之ヲ資金ニ組入ルベシ
第九条 毎年度ニ於ケル歳入ノ収入済額ヨリ歳出ノ支出済額、翌年度繰越額並ニ第五条第二項及第七条ノ規定ニ依ル資金組入額ヲ控除シタル残余ハ之ヲ資金ニ組入ルベシ
第十条 資金ニシテ特ニ用途ヲ指定シタルモノハ之ヲ特別資金トシ其ノ他ノモノハ之ヲ維持資金トス
特別資金ヨリ生ズル利子其ノ他ノ収入ハ之ヲ特定ノ用途ニ充テ其ノ残余ハ当該資金ノ増殖ニ充ツルモノトス
維持資金ヨリ生ズル利子其ノ他ノ収入ハ之ヲ夫々帝国大学、官立大学及直轄諸学校一般ノ経費ニ充ツルモノトス但シ学校特別会計法第六条但書、第十六条第二項及第十八条第二項ノ規定ニ依リ区分整理スル資金其ノ他各大学及学校ノ用ニ供スル資金ヨリ生ズル収入ハ当該大学及学校ノ経費ニ充ツルモノトス
第十一条 資金ハ文部大臣之ヲ管理スベシ
第十二条 資金ニ属スル現金ハ之ヲ大蔵省預金部ニ預入ルベシ
第十三条 資金ニ属スル不動産ヲ離権スル場合ニ於テ当該不動産ガ寄附ニ係ルモノナルトキハ寄附者ノ同意ヲ得ルコトヲ要ス
第十四条 学校特別会計法第七条ノ規定ニ依リ資金ヲ支消スルコトヲ得ルハ左ニ掲グル場合ニ限ル
一 大学及学校ノ創設及整備ニ要スル経費ニ充用スルトキ
二 前号ノ場合ノ外不動産、船舶、機械、器具又ハ図書ノ取得、修理、改造又ハ移設ニ要スル経費及図書ノ整理ニ要スル経費ニ充用スルトキ
三 他ノ会計ヨリ無償ニテ所属換ヲ受ケタル森林原野ヲ当該他ノ会計ノ所属ニ移ストキ
四 都市計画其ノ他ノ必要ニ基キ土地ヲ公共用ニ供スルトキ
五 国有財産法施行令第十条ノ規定ニ依リ不動産ヲ譲与スルトキ
第十五条 資金ニ属スル現金ノ会計ハ別途ノ歳入歳出トシテ之ヲ整理スベシ
第十六条 資金ニ属スル現金ノ出納ニ関スル手続ハ文部大臣大蔵大臣ト協議シテ之ヲ定ムベシ
第十七条 大学ノ歳入徴収官ハ毎月徴収報告書ヲ調製シ参照書類ヲ添ヘ之ヲ当該大学ノ総長又ハ学長ニ送付スベシ
大学ノ総長又ハ学長ハ徴収報告書ニ依リ毎月当該大学ノ徴収集計報告書ヲ調製シ参照書類ヲ添ヘ之ヲ文部大臣ニ送付スベシ
第十八条 文部大臣ハ徴収集計報告書及大学ノ歳入徴収官以外ノ歳入徴収官ヨリ送付ニ係ル徴収報告書ニ依リ毎月徴収総報告書ヲ調製シ参照書類ヲ添ヘ其ノ翌月中ニ之ヲ大蔵大臣ニ送付スベシ
第十九条 大学ノ支出官ハ毎月支出済額報告書ヲ調製シ之ヲ当該大学ノ総長又ハ学長ニ送付スベシ
大学ノ総長又ハ学長ハ支出済額報告書ニ依リ毎月当該大学ノ支出済額集計報告書ヲ調製シ支出済額報告書ヲ添ヘ之ヲ文部大臣ニ送付スベシ
第二十条 文部大臣ハ支出済額集計報告書及大学ノ支出官以外ノ支出官ヨリ送付ニ係ル支出済額報告書ニ依リ毎月支出総報告書ヲ調製シ支出済額報告書ヲ添ヘ其ノ翌月中ニ之ヲ大蔵大臣ニ送付スベシ
第二十一条 大学ニ於テ歳入徴収官又ハ支出官一人ナル場合ニ於テハ徴収報告書又ハ支出済額報告書ヲ以テ当該大学ノ徴収集計報告書又ハ支出済額集計報告書ニ充ツルコトヲ得
第二十二条 歳入歳出ノ決定計算書ハ文部大臣之ヲ調製シ翌年度七月三十一日迄ニ之ヲ大蔵大臣ニ送付スベシ
文部大臣ハ毎年度当該年度以前既往五箇年度間資金増減明細表ヲ調製シ翌年度七月三十一日迄ニ之ヲ大蔵大臣ニ送付スベシ
第二十三条 大学ハ徴収集計簿ヲ備ヘ当該大学ノ歳入ノ調定済額、収入済額、不納欠損額及収入未済額ヲ登記スベシ但シ歳入徴収官一人ナル場合ニ於テハ之ヲ省略スルコトヲ得
第二十四条 支出官ハ支出簿ノ外支払元受高差引簿ヲ備ヘ支払元受高、支出済額及残額ヲ登記スベシ
第二十五条 大学ハ支出集計簿及支払元受高集計差引簿ヲ備ヘ支出集計簿ニハ当該大学ノ歳出ノ支払予算額、支出済額及支払予算残額ヲ登記シ支払元受高集計差引簿ニハ当該大学ノ支払元受高、支出済額及残額ヲ登記スベシ但シ支出官一人ナル場合ニ於テハ此等ヲ省略スルコトヲ得
第二十六条 文部省ハ歳出簿ノ外支払元受高総差引簿ヲ備ヘ本会計ノ支払元受高、支出済額及残額ヲ登記スベシ
第二十七条 文部大臣ハ部内ノ高等官ノ中ヨリ学校会計監理官ヲ命ジ大学及学校ノ会計ヲ監督セシムベシ
第二十八条 本令ニ規定セザルモノニ付テハ会計規則ヲ準用ス
附 則
本令ハ昭和十九年度ヨリ之ヲ適用ス
大学特別会計規則及学校及図書館特別会計規則ハ之ヲ廃止ス但シ昭和十八年度分ニ付テハ仍其ノ効力ヲ有ス
文部大臣ハ帝国大学、官立大学及学校及図書館ノ各特別会計ノ昭和十八年度以前既往五箇年度間資金増減明細表ヲ調製シ昭和十九年九月三十日迄ニ之ヲ大蔵大臣ニ送付スベシ
国有財産法施行令中左ノ通改正ス
第二条第二項中「、大学資金又ハ学校及図書館資金」ヲ「又ハ学校特別会計」ニ改ム