許可認可等臨時措置令
法令番号: 勅令第三百五十一號
公布年月日: 昭和19年5月20日
法令の形式: 勅令
朕許可認可等臨時措置令ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十九年五月十九日
內閣總理大臣兼軍需大臣 東條英機
厚生大臣 小泉親彥
司法大臣 岩村通世
內務大臣 安藤紀三郞
大東亞大臣 靑木一男
外務大臣 重光葵
文部大臣 子爵 岡部長景
大藏大臣 石渡莊太郞
農商大臣 內田信也
運輸通信大臣 五島慶太
勅令第三百五十一號
許可認可等臨時措置令
第一條 本令ニ於テ現行規定トハ法令ノ規定ニシテ本令施行ノ際現ニ行ハルルモノヲ總稱ス
本令ニ於テ許認可トハ許可、認可、免許、認許、特許及承認ヲ總稱ス
本令ニ於テ官廳トハ官廳ニ非ザル官衙ノ長ヲ含ムモノトス
本令ニ於テ中央行政官廳トハ左ニ揭グルモノヲ謂フ
內閣總理大臣
各省大臣
各省ノ總局長官
情報局總裁
技術院總裁
神祇院總裁
防空總本部長官
專賣局長官
軍事保護院總裁
馬政局長官
食糧管理局長官
企業整備本部長
通信院總裁
本令ニ於テ地方行政官廳トハ左ニ揭グルモノヲ謂フ
地方長官
警視總監
財務局長
地方專賣局長
營林局長
地方鑛山局長
軍需省ノ事務所ノ長
地方燃料局長
鐵道局長
海運局長
遞信局長
本令ニ於テ地方行政協議會長トハ戰時行政職權特例第六條ノ都廳府縣長官ヲ謂フ
第二條 地方行政官廳ガ現行規定ニ依リ受クベキ其ノ上級官廳トシテノ中央行政官廳ノ監督上ノ許認可ハ當分ノ內之ヲ受クルコトヲ要セズ
前項ノ規定ニ拘ラズ主務大臣ハ事項ヲ指定シ同項ニ揭グル其ノ許認可ノ職權ノ全部若ハ一部ヲ地方行政協議會長ヲシテ行ハシムル旨ノ定ヲ爲シ、當該許認可ノ全部若ハ一部ヲ要セズ報吿等ヲ以テ足ル旨ノ定ヲ爲シ又ハ特別ノ必要アルモノニ付テハ當該許認可ノ全部若ハ一部ヲ受クベキ旨ノ定ヲ爲スコトヲ得
第三條 前條ノ規定ハ都道府縣ニ對シ其ノ監督官廳トシテ現行規定ニ依リ中央行政官廳ノ爲ス許認可(東京都制、北海道會法、北海道地方費法、府縣制、地方稅法、地方學事通則、罹災救助基金法、北海道罹災救助基金法又ハ沖繩縣罹災救助基金法ニ基ク許認可ヲ謂フ)ニ之ヲ準用ス
第四條 人又ハ法人ガ現行規定ニ依リ受クベキ中央行政官廳ノ許認可(神社ニ係ル許認可、官廳其ノ他ノ行政廳トシテ受クベキ許認可及都道府縣ニ對スル前條ノ許認可ヲ含マズ公立學校ニ係ル許認可ヲ含ム)ニ付テハ其ノ職權ハ當分ノ內左ノ各號ニ定ムル行政官廳之ヲ行フ
一 許認可ノ申請ニ付現行規定ニ經由官廳ノ定アル場合ニ於テハ左ノ行政官廳
(イ) 地方行政官廳ガ經由官廳ナルトキハ當該地方行政官廳
(ロ) 其ノ他ノ場合ニ於テ地方長官ノ下級官廳ガ經由官廳ナルトキハ當該地方長官、地方長官以外ノ地方行政官廳ノ下級官廳ガ經由官廳ナルトキハ當該地方行政官廳
二 前號ノ場合ヲ除クノ外許認可ヲ要スル事項ノ主タル關係地ヲ管轄スル地方長官但シ當該事項ガ地方長官以外ノ地方行政官廳ノ所管事項ニ該當スルモノナルトキハ主タル關係地ヲ管轄スル當該地方行政官廳、當該事項ガ地方長官及地方長官以外ノ地方行政官廳ノ所管事項ニ該當スルモノナルトキハ主タル關係地ヲ管轄スル地方長官及當該地方行政官廳
三 前二號ノ規定ニ拘ラズ主務大臣特ニ地方行政協議會長其ノ他ノ行政官廳(中央行政官廳ヲ除ク)ヲ指定シタルトキハ當該行政官廳
前項ノ規定ニ拘ラズ主務大臣ハ事項ヲ指定シ同項ニ揭グル許認可ノ全部若ハ一部ヲ要セザル旨ノ定ヲ爲シ、當該許認可ノ全部若ハ一部ヲ要セズ屆出、報吿等ヲ以テ足ル旨ノ定ヲ爲シ又ハ特別ノ必要アルモノニ付テハ當該許認可ノ全部若ハ一部ヲ受クベキ旨ノ定ヲ爲スコトヲ得
第五條 第二條第二項(第三條ニ於テ準用スル場合ヲ含ム以下同ジ)又ハ前條第一項ノ規定ニ依リ中央行政官廳ノ許認可ノ職權ヲ他ノ行政官廳ヲシテ行ハシムル場合ニ於テハ當該許認可ノ職權ニ關聯スル左ニ揭グル職權ニシテ現行規定ニ依リ中央行政官廳ノ職權ト定メラレタルモノハ當該行政官廳之ヲ行フ
一 更正許認可
二 許認可ニ對スル條件又ハ制限ノ附加及許認可ノ有效期間ノ指定竝ニ其ノ變更
三 免許料其ノ他許認可ニ關スル手數料ノ徵收
四 免許狀、許可證ノ類ノ發給、書換其ノ他之ニ關スル手續上ノ措置
五 詐欺又ハ錯誤ニ基ク許認可ノ取消及之ニ伴フ原狀ノ囘復其ノ他ノ措置ニ係ル命令
六 關係各廳トノ協議、吿示、關係人ノ意見書ノ受理其ノ他許認可ノ處分ノ爲又ハ其ノ處分ニ伴ヒ必要ナル手續上ノ措置
七 許認可ノ處分ノ爲又ハ其ノ處分ニ伴ヒ必要ナル臨檢檢査又ハ報吿、資料等ノ徵收
八 前各號ニ揭グルモノノ外主務大臣ノ指定シタル職權
前項ノ規定ニ拘ラズ主務大臣ハ事項ヲ指定シ同項ノ規定ニ依リ中央行政官廳以外ノ行政官廳ヲシテ行ハシムベキ職權ノ全部若ハ一部ニ付中央行政官廳之ヲ行フ旨ノ定ヲ爲シ又ハ當該行政官廳ノ外中央行政官廳モ亦之ヲ行フ旨ノ定ヲ爲スコトヲ得
第六條 第四條第一項又ハ前條第一項ノ規定ニ依リ中央行政官廳ノ職權ヲ他ノ行政官廳ヲシテ行ハシムル場合ニ於テハ中央行政官廳ノ職權ニ係ル命令ノ罰則ノ適用ニ付テハ當該行政官廳ハ之ヲ中央行政官廳ト看做ス
第七條 主務大臣ハ第二條乃至第五條ノ規定ニ依ル許認可ノ廢止又ハ許認可ニ關スル職權ノ委讓ニ伴ヒ特ニ必要アリト認ムルトキハ當該許認可ニ關聯スル他ノ現行規定ニ對シ必要ナル特例ヲ設クルコトヲ得
第八條 本令ハ左ニ揭グル許認可ニ付テハ之ヲ適用セズ
一 陸軍大臣、海軍大臣又ハ司法大臣ノ所管事項(此等ノ大臣ト他ノ大臣トノ共管ニ屬スルモノヲ含ム)ニ係ル許認可(第七號ニ揭グル法人以外ノ法人ニ對スル民法第一編第二章ノ規定ニ基ク許認可ニシテ司法大臣ノ所管ニ屬スルモノヲ除ク)
二 官吏服務紀律ニ依ル許可其ノ他官廳職員ノ服務ニ關スル許認可及官廳職員ノ共濟組合ニ對スル許認可
三 歸化又ハ國籍離脫ノ許可及明治三十一年法律第二十一號ニ依ル許可
四 特許權其ノ他ノ工業所有權、著作權又ハ出版權ニ係ル許認可
五 醫師、齒科醫師、藥劑師又ハ獸醫師ノ免許
六 學位令、中等學校令、靑年學校令、盲學校及聾啞學校令又ハ私立學校令ニ規定スル許認可及大學、高等學校、專門學校又ハ此等ノ學校ニ準ズベキ各種學校ニ係ル大學令、高等學校令、專門學校令又ハ私立學校令ニ基ク許認可
七 特別ノ法令ニ依リ設立セラルル法人(法令ニ設立委員ノ任命其ノ他行政官廳ノ直接ノ處分ニ基ク設立ノ規定アル法人、法令ニ行政官廳ノ命令ニ依ル設立ノ規定アル法人、法令ニ地區又ハ區域ニ關スル規定アル法人及法令ニ全國ヲ通ジテ一箇トスル旨ノ規定アル法人ヲ含ム)ニシテ其ノ目的トスル事業ガ內地(樺太ヲ除キタル場合ヲ含ム)全般ニ亙ルモノ、其ノ目的トスル事業ガ內地以外ノ地域ニ涉ルモノ又ハ其ノ目的トスル事業ガ內地以外ノ地域ノミニ係ルモノニ對スル(其ノ役職員ニ對スル場合ヲ含ム)當該法令ニ基ク許認可及當該法令ニ基キ此等ノ法人ニ對スル地方稅ノ賦課ニ關シ都道府縣市町村其ノ他之ニ準ズベキモノガ受クベキ許認可
八 中央行政官廳ノ直接ノ管理ニ屬スル土地、工作物、物件、權利若ハ施設ノ利用等ニ付又ハ中央行政官廳ノ機密事項其ノ他中央行政官廳ニ於テ公ニセザル事項ノ出版、新聞紙揭載等ニ付其ノ管理者トシテ中央行政官廳ノ爲ス許認可
九 許認可ノ處分ニ付現行規定ニ委員會、審査會其ノ他ノモノ(地方別ニ置カルルモノヲ除ク)ノ意見ヲ徵シ又ハ諮問若ハ議決ヲ經テ之ヲ行フコトヲ要スル旨ノ定アルモノ(事案ノ重要ナルモノニ付意見ヲ徵シ又ハ諮問若ハ議決ヲ經ルコトヲ要スル旨ノ定アルモノニ付テハ事案ノ重要ナラザルモノニ係ル許認可ヲモ含ム)
十 許認可ノ處分ニ付現行規定ニ朝鮮總督、臺灣總督、滿洲國駐箚特命全權大使又ハ南洋廳長官ト協議シテ之ヲ行フコトヲ要スル旨ノ定アルモノ其ノ他內地ト內地以外ノ地域トニ涉ル許認可
前項第七號ノ規定ニ拘ラズ主務大臣ハ同號ニ揭グル許認可ノ一部ニ付本令ヲ適用スルコトヲ得
第九條 本令ニ定ムルモノヲ除クノ外本令施行ニ關シ必要ナル事項ハ主務大臣之ヲ定ム
附 則
本令ハ昭和十九年六月一日ヨリ之ヲ施行ス
本令ハ內地ニ之ヲ施行ス
第四條第一項ノ規定ニ依リ中央行政官廳ノ許認可ノ職權ヲ他ノ行政官廳ヲシテ行ハシムル場合ニ於テ本令施行前中央行政官廳ニ對シ爲シタル當該許認可ノ申請ニシテ中央行政官廳又ハ法令ニ定ムル經由官廳(官廳以外ノ經由機關ヲ含ム)ニ受理セラレタルモノノ處理ニ關スル職權及當該許認可(本令施行前許認可ノ處分アリタルモノヲ含ム)ニ係ル第五條第一項ニ規定スル職權ニ付テハ主務大臣別段ノ定ヲ爲シタル場合ヲ除クノ外仍從前ノ例ニ依ル
地方參事官等臨時設置制中左ノ通改正ス
第一條及第五條中「地方長官ニ屬セシメタル職權」ノ下ニ「竝ニ許可認可等臨時措置令ニ基キ戰時行政職權特例第六條ノ都廳府縣長官トシテノ地方長官ニ屬セシメタル職權」ヲ加フ
朕許可認可等臨時措置令ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十九年五月十九日
内閣総理大臣兼軍需大臣 東条英機
厚生大臣 小泉親彦
司法大臣 岩村通世
内務大臣 安藤紀三郎
大東亜大臣 青木一男
外務大臣 重光葵
文部大臣 子爵 岡部長景
大蔵大臣 石渡荘太郎
農商大臣 内田信也
運輸通信大臣 五島慶太
勅令第三百五十一号
許可認可等臨時措置令
第一条 本令ニ於テ現行規定トハ法令ノ規定ニシテ本令施行ノ際現ニ行ハルルモノヲ総称ス
本令ニ於テ許認可トハ許可、認可、免許、認許、特許及承認ヲ総称ス
本令ニ於テ官庁トハ官庁ニ非ザル官衙ノ長ヲ含ムモノトス
本令ニ於テ中央行政官庁トハ左ニ掲グルモノヲ謂フ
内閣総理大臣
各省大臣
各省ノ総局長官
情報局総裁
技術院総裁
神祇院総裁
防空総本部長官
専売局長官
軍事保護院総裁
馬政局長官
食糧管理局長官
企業整備本部長
通信院総裁
本令ニ於テ地方行政官庁トハ左ニ掲グルモノヲ謂フ
地方長官
警視総監
財務局長
地方専売局長
営林局長
地方鉱山局長
軍需省ノ事務所ノ長
地方燃料局長
鉄道局長
海運局長
逓信局長
本令ニ於テ地方行政協議会長トハ戦時行政職権特例第六条ノ都庁府県長官ヲ謂フ
第二条 地方行政官庁ガ現行規定ニ依リ受クベキ其ノ上級官庁トシテノ中央行政官庁ノ監督上ノ許認可ハ当分ノ内之ヲ受クルコトヲ要セズ
前項ノ規定ニ拘ラズ主務大臣ハ事項ヲ指定シ同項ニ掲グル其ノ許認可ノ職権ノ全部若ハ一部ヲ地方行政協議会長ヲシテ行ハシムル旨ノ定ヲ為シ、当該許認可ノ全部若ハ一部ヲ要セズ報告等ヲ以テ足ル旨ノ定ヲ為シ又ハ特別ノ必要アルモノニ付テハ当該許認可ノ全部若ハ一部ヲ受クベキ旨ノ定ヲ為スコトヲ得
第三条 前条ノ規定ハ都道府県ニ対シ其ノ監督官庁トシテ現行規定ニ依リ中央行政官庁ノ為ス許認可(東京都制、北海道会法、北海道地方費法、府県制、地方税法、地方学事通則、罹災救助基金法、北海道罹災救助基金法又ハ沖縄県罹災救助基金法ニ基ク許認可ヲ謂フ)ニ之ヲ準用ス
第四条 人又ハ法人ガ現行規定ニ依リ受クベキ中央行政官庁ノ許認可(神社ニ係ル許認可、官庁其ノ他ノ行政庁トシテ受クベキ許認可及都道府県ニ対スル前条ノ許認可ヲ含マズ公立学校ニ係ル許認可ヲ含ム)ニ付テハ其ノ職権ハ当分ノ内左ノ各号ニ定ムル行政官庁之ヲ行フ
一 許認可ノ申請ニ付現行規定ニ経由官庁ノ定アル場合ニ於テハ左ノ行政官庁
(イ) 地方行政官庁ガ経由官庁ナルトキハ当該地方行政官庁
(ロ) 其ノ他ノ場合ニ於テ地方長官ノ下級官庁ガ経由官庁ナルトキハ当該地方長官、地方長官以外ノ地方行政官庁ノ下級官庁ガ経由官庁ナルトキハ当該地方行政官庁
二 前号ノ場合ヲ除クノ外許認可ヲ要スル事項ノ主タル関係地ヲ管轄スル地方長官但シ当該事項ガ地方長官以外ノ地方行政官庁ノ所管事項ニ該当スルモノナルトキハ主タル関係地ヲ管轄スル当該地方行政官庁、当該事項ガ地方長官及地方長官以外ノ地方行政官庁ノ所管事項ニ該当スルモノナルトキハ主タル関係地ヲ管轄スル地方長官及当該地方行政官庁
三 前二号ノ規定ニ拘ラズ主務大臣特ニ地方行政協議会長其ノ他ノ行政官庁(中央行政官庁ヲ除ク)ヲ指定シタルトキハ当該行政官庁
前項ノ規定ニ拘ラズ主務大臣ハ事項ヲ指定シ同項ニ掲グル許認可ノ全部若ハ一部ヲ要セザル旨ノ定ヲ為シ、当該許認可ノ全部若ハ一部ヲ要セズ届出、報告等ヲ以テ足ル旨ノ定ヲ為シ又ハ特別ノ必要アルモノニ付テハ当該許認可ノ全部若ハ一部ヲ受クベキ旨ノ定ヲ為スコトヲ得
第五条 第二条第二項(第三条ニ於テ準用スル場合ヲ含ム以下同ジ)又ハ前条第一項ノ規定ニ依リ中央行政官庁ノ許認可ノ職権ヲ他ノ行政官庁ヲシテ行ハシムル場合ニ於テハ当該許認可ノ職権ニ関連スル左ニ掲グル職権ニシテ現行規定ニ依リ中央行政官庁ノ職権ト定メラレタルモノハ当該行政官庁之ヲ行フ
一 更正許認可
二 許認可ニ対スル条件又ハ制限ノ附加及許認可ノ有効期間ノ指定並ニ其ノ変更
三 免許料其ノ他許認可ニ関スル手数料ノ徴収
四 免許状、許可証ノ類ノ発給、書換其ノ他之ニ関スル手続上ノ措置
五 詐欺又ハ錯誤ニ基ク許認可ノ取消及之ニ伴フ原状ノ回復其ノ他ノ措置ニ係ル命令
六 関係各庁トノ協議、告示、関係人ノ意見書ノ受理其ノ他許認可ノ処分ノ為又ハ其ノ処分ニ伴ヒ必要ナル手続上ノ措置
七 許認可ノ処分ノ為又ハ其ノ処分ニ伴ヒ必要ナル臨検検査又ハ報告、資料等ノ徴収
八 前各号ニ掲グルモノノ外主務大臣ノ指定シタル職権
前項ノ規定ニ拘ラズ主務大臣ハ事項ヲ指定シ同項ノ規定ニ依リ中央行政官庁以外ノ行政官庁ヲシテ行ハシムベキ職権ノ全部若ハ一部ニ付中央行政官庁之ヲ行フ旨ノ定ヲ為シ又ハ当該行政官庁ノ外中央行政官庁モ亦之ヲ行フ旨ノ定ヲ為スコトヲ得
第六条 第四条第一項又ハ前条第一項ノ規定ニ依リ中央行政官庁ノ職権ヲ他ノ行政官庁ヲシテ行ハシムル場合ニ於テハ中央行政官庁ノ職権ニ係ル命令ノ罰則ノ適用ニ付テハ当該行政官庁ハ之ヲ中央行政官庁ト看做ス
第七条 主務大臣ハ第二条乃至第五条ノ規定ニ依ル許認可ノ廃止又ハ許認可ニ関スル職権ノ委譲ニ伴ヒ特ニ必要アリト認ムルトキハ当該許認可ニ関連スル他ノ現行規定ニ対シ必要ナル特例ヲ設クルコトヲ得
第八条 本令ハ左ニ掲グル許認可ニ付テハ之ヲ適用セズ
一 陸軍大臣、海軍大臣又ハ司法大臣ノ所管事項(此等ノ大臣ト他ノ大臣トノ共管ニ属スルモノヲ含ム)ニ係ル許認可(第七号ニ掲グル法人以外ノ法人ニ対スル民法第一編第二章ノ規定ニ基ク許認可ニシテ司法大臣ノ所管ニ属スルモノヲ除ク)
二 官吏服務紀律ニ依ル許可其ノ他官庁職員ノ服務ニ関スル許認可及官庁職員ノ共済組合ニ対スル許認可
三 帰化又ハ国籍離脱ノ許可及明治三十一年法律第二十一号ニ依ル許可
四 特許権其ノ他ノ工業所有権、著作権又ハ出版権ニ係ル許認可
五 医師、歯科医師、薬剤師又ハ獣医師ノ免許
六 学位令、中等学校令、青年学校令、盲学校及聾唖学校令又ハ私立学校令ニ規定スル許認可及大学、高等学校、専門学校又ハ此等ノ学校ニ準ズベキ各種学校ニ係ル大学令、高等学校令、専門学校令又ハ私立学校令ニ基ク許認可
七 特別ノ法令ニ依リ設立セラルル法人(法令ニ設立委員ノ任命其ノ他行政官庁ノ直接ノ処分ニ基ク設立ノ規定アル法人、法令ニ行政官庁ノ命令ニ依ル設立ノ規定アル法人、法令ニ地区又ハ区域ニ関スル規定アル法人及法令ニ全国ヲ通ジテ一箇トスル旨ノ規定アル法人ヲ含ム)ニシテ其ノ目的トスル事業ガ内地(樺太ヲ除キタル場合ヲ含ム)全般ニ亘ルモノ、其ノ目的トスル事業ガ内地以外ノ地域ニ渉ルモノ又ハ其ノ目的トスル事業ガ内地以外ノ地域ノミニ係ルモノニ対スル(其ノ役職員ニ対スル場合ヲ含ム)当該法令ニ基ク許認可及当該法令ニ基キ此等ノ法人ニ対スル地方税ノ賦課ニ関シ都道府県市町村其ノ他之ニ準ズベキモノガ受クベキ許認可
八 中央行政官庁ノ直接ノ管理ニ属スル土地、工作物、物件、権利若ハ施設ノ利用等ニ付又ハ中央行政官庁ノ機密事項其ノ他中央行政官庁ニ於テ公ニセザル事項ノ出版、新聞紙掲載等ニ付其ノ管理者トシテ中央行政官庁ノ為ス許認可
九 許認可ノ処分ニ付現行規定ニ委員会、審査会其ノ他ノモノ(地方別ニ置カルルモノヲ除ク)ノ意見ヲ徴シ又ハ諮問若ハ議決ヲ経テ之ヲ行フコトヲ要スル旨ノ定アルモノ(事案ノ重要ナルモノニ付意見ヲ徴シ又ハ諮問若ハ議決ヲ経ルコトヲ要スル旨ノ定アルモノニ付テハ事案ノ重要ナラザルモノニ係ル許認可ヲモ含ム)
十 許認可ノ処分ニ付現行規定ニ朝鮮総督、台湾総督、満洲国駐箚特命全権大使又ハ南洋庁長官ト協議シテ之ヲ行フコトヲ要スル旨ノ定アルモノ其ノ他内地ト内地以外ノ地域トニ渉ル許認可
前項第七号ノ規定ニ拘ラズ主務大臣ハ同号ニ掲グル許認可ノ一部ニ付本令ヲ適用スルコトヲ得
第九条 本令ニ定ムルモノヲ除クノ外本令施行ニ関シ必要ナル事項ハ主務大臣之ヲ定ム
附 則
本令ハ昭和十九年六月一日ヨリ之ヲ施行ス
本令ハ内地ニ之ヲ施行ス
第四条第一項ノ規定ニ依リ中央行政官庁ノ許認可ノ職権ヲ他ノ行政官庁ヲシテ行ハシムル場合ニ於テ本令施行前中央行政官庁ニ対シ為シタル当該許認可ノ申請ニシテ中央行政官庁又ハ法令ニ定ムル経由官庁(官庁以外ノ経由機関ヲ含ム)ニ受理セラレタルモノノ処理ニ関スル職権及当該許認可(本令施行前許認可ノ処分アリタルモノヲ含ム)ニ係ル第五条第一項ニ規定スル職権ニ付テハ主務大臣別段ノ定ヲ為シタル場合ヲ除クノ外仍従前ノ例ニ依ル
地方参事官等臨時設置制中左ノ通改正ス
第一条及第五条中「地方長官ニ属セシメタル職権」ノ下ニ「並ニ許可認可等臨時措置令ニ基キ戦時行政職権特例第六条ノ都庁府県長官トシテノ地方長官ニ属セシメタル職権」ヲ加フ