第一條 文官、待遇官吏其ノ他ノ各廳職員(以下各廳職員ト稱ス)左ノ各號ノ一ニ該當スル場合ニ於テハ其ノ際特ニ之ヲ定員外トシテ其ノ者ノ有スル資格ニ係ル文官(親任式ヲ以テ任ズル官ヲ除ク)ニ任用スルコトヲ得
一 功績顯著ナル者危篤ニ陷リタルトキ又ハ功績顯著ナル者退官若ハ退職スルトキ
二 公務ニ因ル傷痍疾病ノ爲危篤ニ陷リタルトキ又ハ公務ニ因ル傷痍疾病ノ爲其ノ職ニ堪ヘザルニ因リ退官若ハ退職スルトキ
前項ノ規定ハ判事、檢事其ノ他之ニ準ズル者ノ補職ニ之ヲ準用ス
第二條 各廳職員左ノ各號ノ一ニ該當スル場合ニ於テハ勅令ニ定ムル任用ノ資格ヲ有セザルモ其ノ實歷ヲ斟酌シ其ノ際特ニ之ヲ其ノ從事シタル業務ト同種ノ業務ヲ掌ル文官ニ任用スルコトヲ得
二 功績顯著ナル者公務ニ因ル傷痍疾病ノ爲危篤ニ陷リタルトキ又ハ功績顯著ナル者公務ニ因ル傷痍疾病ノ爲其ノ職ニ堪ヘザルニ因リ退官若ハ退職スルトキ
前項ノ規定ニ依ル任用ニ付テハ勅任文官(文官任用令第七條ニ揭グル官竝ニ外交官及領事官ヲ除ク)ニ在リテハ勅任文官銓衡委員會、其ノ他ノ高等文官ニ在リテハ高等試驗委員、判任文官ニ在リテハ普通試驗委員ノ銓衡ヲ經ルコトヲ要ス
前條ノ規定ハ第一項ノ規定ニ依ル任用ノ場合ニ之ヲ準用ス
第三條 高等文官前條第一項各號ノ一ニ該當スル場合ニ於テハ高等官官等俸給令第五條第一項又ハ第九條ノ二第一項、第十七條第五項若ハ第二十條第一項(此等ニ該當スル他ノ勅令ノ規定ヲ含ム)中在職年數ニ關スル規定ニ拘ラズ其ノ際特ニ官等一等ヲ陞敍スルコトヲ得
第四條 各廳職員第二條第一項各號ノ一ニ該當スル場合ニ於テハ優遇ノ爲ニスル待遇付與ニ付テノ在職年數又ハ員數ニ關スル勅令ノ規定ニ拘ラズ其ノ際特ニ之ヲ勅任官、奏任官又ハ判任官ノ待遇ト爲スコトヲ得
第五條 判任文官第一條第一項各號ノ一ニ該當スル場合ニ於テハ判任官俸給令第三條ノ規定又ハ明治四十三年勅令第二百十七號第二條中在職年數ニ關スル規定ニ拘ラズ其ノ際特ニ增給ヲ爲スコトヲ得
文官第二條第一項各號ノ一ニ該當スル場合ニ於テハ當該官ニ付定メラレタル本俸及年功加俸(年功ニ依ル加給ヲ含ム)ノ各最高額ノ合計額又ハ當該官ニ付定メラレタル年功ニ依ル增額(高等官官等俸給令第十七條第八項若ハ第九項又ハ判任官俸給令第四條ノ規定ニ依ルモノヲ謂フ)ノ最高額ニ相當スル額迄ヲ俸給トシテ其ノ際特ニ給スルコトヲ得
第六條 各廳職員ニシテ在職中功績顯著ナリシモノ死亡シタル場合又ハ各廳職員公務ニ因ル傷痍疾病ノ爲死亡シタル場合ニ於テハ特ニ其ノ危篤ニ陷リタル時ニ遡リ之ガ任用若ハ補職、官等陞敍又ハ增俸(判任文官ノ增給ヲ含ム以下同ジ)ヲ爲スコトヲ得
前項ノ規定ハ各廳職員ヲ優遇ノ爲勅任官、奏任官又ハ判任官ノ待遇ト爲ス場合ニ之ヲ準用ス
第七條 本令中文官ノ任用、官等陞敍又ハ增俸ニ關スル規定ハ各待遇官吏ノ任用、待遇相當官等ノ陞敍又ハ增俸ニ之ヲ準用ス
第八條 本令ニ規定スル公務ニ因ル傷痍疾病ノ範圍、判任文官ニシテ第五條第二項ノ規定ニ依ル俸給ヲ受クルモノノ等級其ノ他本令施行ニ關シ必要ナル事項ハ內閣總理大臣之ヲ定ム