特殊財産資金特別会計法
法令番号: 法律第八十六號
公布年月日: 昭和18年3月27日
法令の形式: 法律
朕帝國議會ノ協贊ヲ經タル特殊財產資金特別會計法ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十八年三月二十六日
內閣總理大臣兼陸軍大臣 東條英機
海軍大臣 嶋田繁太郞
大藏大臣 賀屋興宣
大東亞大臣 靑木一男
法律第八十六號
特殊財產資金特別會計法
第一條 特殊財產資金ヲ置キ其ノ歲入歲出ハ一般ノ會計ト區分シ特別會計ヲ設置ス
第二條 本會計ニ於テハ別ニ法律ヲ以テ定ムル時期迄ノ每期間ヲ以テ一會計年度トス
第三條 政府ハ勅令ノ定ムル金額ヲ限リ漸次一般會計ヨリ本資金ニ繰入ルルモノトス
第四條 本資金ニ不足ヲ生ジタルトキハ借入金ヲ爲シ之ヲ補足スルコトヲ得
前項ノ規定ニ依ル借入金ニ代ヘ國庫餘裕金ヲ繰替使用スルコトヲ得
第五條 沒收シタル敵產ハ戰利品及捕獲審檢令第二十八條ノ規定ニ依リ國ノ所得ト爲リタル物件ニシテ陸軍大臣又ハ海軍大臣ニ於テ軍事上必要アリト認ムルモノヲ除クノ外之ヲ本資金ニ組入ルベシ
第六條 本資金ハ之ヲ帝國ノ管理スル敵產(敵產管理法ニ依ル敵產管理人ノ管理スル敵產ヲ含ム以下同ジ)又ハ勅令ノ定ムルモノニ運用スルコトヲ得
第七條 本資金ハ特ニ必要アル場合ニ限リ豫算ノ定ムル所ニ依リ之ヲ使用スルコトヲ得但シ第三條ノ規定ニ依リ一般會計ヨリ繰入レタル金額及第四條ノ規定ニ依リ借入金ヲ以テ補足シタル金額ノ合計額ニ相當スル分ニ付テハ此ノ限ニ在ラズ
前項ノ規定ニ依リ本資金ヲ使用セントスルトキハ其ノ金額ヲ一般會計ノ歲入ニ繰入レ同會計ノ歲出トシテ拂出スベシ
第八條 本會計ニ於テハ運用上ノ諸收入金及附屬雜收入ヲ以テ其ノ歲入トシ前條ノ規定ニ依ル一般會計ヘノ繰入金、管理費、一時借入金ノ利子、附屬諸費及運用上ノ損失金ヲ以テ其ノ歲出トス
第九條 本資金ニ屬スル財產ニシテ滅失シ又ハ價格ノ減損ヲ生ジタルモノアルトキハ本會計ノ決算上生ジタル剩餘又ハ資金ヲ以テ之ヲ償却スベシ
第十條 本會計ニ於テ決算上剩餘ヲ生ジタルトキハ前條ノ償却ニ充テ殘餘アルトキハ之ヲ資金ニ繰入ルベシ
本會計ニ於テ決算上不足ヲ生ジタルトキハ資金ヨリ之ヲ補足スベシ
第十一條 本會計ニ於テ支拂上現金ニ餘裕アルトキハ之ヲ大藏省預金部ニ預入ルベシ
第十二條 本會計ニ於テ支拂上現金ニ不足アルトキハ本會計ノ負擔ニ於テ一時借入金ヲ爲シ又ハ國庫餘裕金ヲ繰替使用スルコトヲ得
前項ノ規定ニ依ル一時借入金又ハ繰替金ハ當該年度內ニ之ヲ返還スベシ
第十三條 本會計ノ收入支出ニ關スル規程ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第十四條 資金ノ運用トシテ帝國ノ管理スル敵產ヲ買入レタル場合ノ代金タル現金及帝國ノ管理スル敵產タル現金ハ政府ニ於テ之ヲ保管スルコトヲ得
前項ノ保管金ノ運用ニ關スル歲入歲出ハ本會計ニ所屬セシム
保管金規則第一條ノ規定ハ第一項ノ保管金ニ付テハ之ヲ適用セズ
第十五條 國有財產法ハ本資金ニ屬スル財產ニ付テハ之ヲ適用セズ本資金ニ屬スル財產ノ取扱ニ關シテハ勅令ノ定ムル所ニ依ル
第十六條 本資金ニ屬スル財產ハ勅令ノ定ムル所ニ依リ之ヲ讓與スルコトヲ得
第九條ノ規定ハ前項ノ規定ニ依リ讓與ヲ爲シタル場合ニ之ヲ準用ス
附 則
本法ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
臨時特殊財產取扱令ニ依リ一般會計ノ所屬ト爲リタル財產ニシテ本法施行ノ際現ニ存スルモノハ之ヲ本資金ニ組入ルベシ
朕帝国議会ノ協賛ヲ経タル特殊財産資金特別会計法ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十八年三月二十六日
内閣総理大臣兼陸軍大臣 東条英機
海軍大臣 嶋田繁太郎
大蔵大臣 賀屋興宣
大東亜大臣 青木一男
法律第八十六号
特殊財産資金特別会計法
第一条 特殊財産資金ヲ置キ其ノ歳入歳出ハ一般ノ会計ト区分シ特別会計ヲ設置ス
第二条 本会計ニ於テハ別ニ法律ヲ以テ定ムル時期迄ノ毎期間ヲ以テ一会計年度トス
第三条 政府ハ勅令ノ定ムル金額ヲ限リ漸次一般会計ヨリ本資金ニ繰入ルルモノトス
第四条 本資金ニ不足ヲ生ジタルトキハ借入金ヲ為シ之ヲ補足スルコトヲ得
前項ノ規定ニ依ル借入金ニ代ヘ国庫余裕金ヲ繰替使用スルコトヲ得
第五条 没収シタル敵産ハ戦利品及捕獲審検令第二十八条ノ規定ニ依リ国ノ所得ト為リタル物件ニシテ陸軍大臣又ハ海軍大臣ニ於テ軍事上必要アリト認ムルモノヲ除クノ外之ヲ本資金ニ組入ルベシ
第六条 本資金ハ之ヲ帝国ノ管理スル敵産(敵産管理法ニ依ル敵産管理人ノ管理スル敵産ヲ含ム以下同ジ)又ハ勅令ノ定ムルモノニ運用スルコトヲ得
第七条 本資金ハ特ニ必要アル場合ニ限リ予算ノ定ムル所ニ依リ之ヲ使用スルコトヲ得但シ第三条ノ規定ニ依リ一般会計ヨリ繰入レタル金額及第四条ノ規定ニ依リ借入金ヲ以テ補足シタル金額ノ合計額ニ相当スル分ニ付テハ此ノ限ニ在ラズ
前項ノ規定ニ依リ本資金ヲ使用セントスルトキハ其ノ金額ヲ一般会計ノ歳入ニ繰入レ同会計ノ歳出トシテ払出スベシ
第八条 本会計ニ於テハ運用上ノ諸収入金及附属雑収入ヲ以テ其ノ歳入トシ前条ノ規定ニ依ル一般会計ヘノ繰入金、管理費、一時借入金ノ利子、附属諸費及運用上ノ損失金ヲ以テ其ノ歳出トス
第九条 本資金ニ属スル財産ニシテ滅失シ又ハ価格ノ減損ヲ生ジタルモノアルトキハ本会計ノ決算上生ジタル剰余又ハ資金ヲ以テ之ヲ償却スベシ
第十条 本会計ニ於テ決算上剰余ヲ生ジタルトキハ前条ノ償却ニ充テ残余アルトキハ之ヲ資金ニ繰入ルベシ
本会計ニ於テ決算上不足ヲ生ジタルトキハ資金ヨリ之ヲ補足スベシ
第十一条 本会計ニ於テ支払上現金ニ余裕アルトキハ之ヲ大蔵省預金部ニ預入ルベシ
第十二条 本会計ニ於テ支払上現金ニ不足アルトキハ本会計ノ負担ニ於テ一時借入金ヲ為シ又ハ国庫余裕金ヲ繰替使用スルコトヲ得
前項ノ規定ニ依ル一時借入金又ハ繰替金ハ当該年度内ニ之ヲ返還スベシ
第十三条 本会計ノ収入支出ニ関スル規程ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第十四条 資金ノ運用トシテ帝国ノ管理スル敵産ヲ買入レタル場合ノ代金タル現金及帝国ノ管理スル敵産タル現金ハ政府ニ於テ之ヲ保管スルコトヲ得
前項ノ保管金ノ運用ニ関スル歳入歳出ハ本会計ニ所属セシム
保管金規則第一条ノ規定ハ第一項ノ保管金ニ付テハ之ヲ適用セズ
第十五条 国有財産法ハ本資金ニ属スル財産ニ付テハ之ヲ適用セズ本資金ニ属スル財産ノ取扱ニ関シテハ勅令ノ定ムル所ニ依ル
第十六条 本資金ニ属スル財産ハ勅令ノ定ムル所ニ依リ之ヲ譲与スルコトヲ得
第九条ノ規定ハ前項ノ規定ニ依リ譲与ヲ為シタル場合ニ之ヲ準用ス
附 則
本法ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
臨時特殊財産取扱令ニ依リ一般会計ノ所属ト為リタル財産ニシテ本法施行ノ際現ニ存スルモノハ之ヲ本資金ニ組入ルベシ