特殊財産資金特別会計規則
法令番号: 勅令第二百一號
公布年月日: 昭和18年3月27日
法令の形式: 勅令
朕特殊財產資金特別會計規則ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十八年三月二十六日
內閣總理大臣兼陸軍大臣 東條英機
海軍大臣 嶋田繁太郞
大藏大臣 賀屋興宣
大東亞大臣 靑木一男
勅令第二百一號
特殊財產資金特別會計規則
第一條 特殊財產資金特別會計法第三條ノ規定ニ依リ一般會計ヨリ特殊財產資金ニ繰入ルル金額ハ五億圓トス
第二條 特殊財產資金ニ不足ヲ生ジタルトキハ所管大臣ハ大藏大臣ニ對シ借入又ハ國庫餘裕金ノ繰替使用ニ依リ之ヲ補足センコトヲ請求スベシ
第三條 特殊財產資金特別會計法第五條ノ規定ニ依リ特殊財產資金ニ組入ルル物件ノ價格ハ同法第六條ノ規定ニ依リ同資金ヲ帝國ノ管理スル敵產ニ運用スル場合ニ於ケル價格ニ準據シテ之ヲ定ムベシ
第四條 本會計ニ於テハ當該年度ノ收入濟歲入額及特殊財產資金特別會計法第十二條ニ規定スル一時借入金ヲ以テ支拂元受高トシ歲出ヲ支出スルハ此ノ支拂元受高ヲ超過スルコトヲ得ズ
第五條 本會計ニ於テ支拂上現金ニ不足ヲ生ジタルトキハ所管大臣ハ大藏大臣ノ承認ヲ經テ資金ニ屬スル現金ヲ前條ノ支拂元受高ニ繰替使用スルコトヲ得
前項ノ場合ニ於テ尙不足アルトキハ所管大臣ハ大藏大臣ニ對シ一時借入金ニ代ヘ國庫餘裕金ノ繰替使用ヲ請求スルコトヲ得
前二項ノ規定ニ依リ繰替使用シタル金額ハ當該年度內ニ之ヲ返還スベシ
第六條 特殊財產資金ニ屬スル運用資產ノ保有價格ハ每年度末ニ於テ時價ニ準據シテ之ヲ改定スベシ但シ時價ヲ超エザルモノニ付テハ此ノ限ニ在ラズ
第七條 特殊財產資金ニ屬スル運用資產ニシテ滅失シ、價格ノ減損ヲ生ジ又ハ讓與セラレタルモノアルトキハ本會計ノ歲入ノ收入濟額ヨリ歲出ノ支出濟額ヲ控除シタル剩餘額ヲ以テ之ヲ償却シ尙不足アルトキハ資金ヨリ之ヲ償却スベシ
第八條 每年度ニ於ケル歲入ノ收入濟額ヨリ歲出ノ支出濟額ヲ控除シ剩餘アルトキハ前條ノ償却ニ充テ殘餘アルトキハ之ヲ資金ニ繰入ルベシ
每年度ニ於テ歲入ノ收入濟額ガ歲出ノ支出濟額ニ對シ不足アルトキハ資金ヨリ之ヲ補足スベシ
第九條 大藏省ハ日記簿、原簿及補助簿ヲ備ヘ特殊財產資金ノ受拂及運用竝ニ本會計ニ關スル一切ノ計算ヲ登記スベシ
第十條 所管大臣ハ每年度末ニ於ケル收支計算表、貸借對照表及運用資產明細表ヲ調製スベシ
收支計算表、貸借對照表及運用資產明細表ノ樣式ハ所管大臣大藏大臣ト協議シテ之ヲ定ム
第十一條 支出官ハ支出簿ノ外支拂元受高差引簿ヲ備ヘ支拂元受高、支出濟額及殘額ヲ登記スベシ
第十二條 大藏省ハ歲出簿ノ外支拂元受高差引簿ヲ備ヘ支拂元受高、支出濟額及殘額ヲ登記スベシ
第十三條 本會計ニ於ケル出納ノ完結ニ關スル規定及本令ニ規定スルモノノ外歲入歲出ノ決算ニ關スル規定ハ別ニ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第十四條 前條ノ規定ニ依リ別ニ定ムルモノヲ除クノ外本令ニ規定セザルモノニ付テハ會計規則ヲ準用ス
附 則
本令ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
特殊財產資金特別會計法附則第二項ノ規定ニ依リ特殊財產資金ニ組入ルル財產ノ價格ハ一般會計ニ於ケル保有價格ニ依ル
朕特殊財産資金特別会計規則ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十八年三月二十六日
内閣総理大臣兼陸軍大臣 東条英機
海軍大臣 嶋田繁太郎
大蔵大臣 賀屋興宣
大東亜大臣 青木一男
勅令第二百一号
特殊財産資金特別会計規則
第一条 特殊財産資金特別会計法第三条ノ規定ニ依リ一般会計ヨリ特殊財産資金ニ繰入ルル金額ハ五億円トス
第二条 特殊財産資金ニ不足ヲ生ジタルトキハ所管大臣ハ大蔵大臣ニ対シ借入又ハ国庫余裕金ノ繰替使用ニ依リ之ヲ補足センコトヲ請求スベシ
第三条 特殊財産資金特別会計法第五条ノ規定ニ依リ特殊財産資金ニ組入ルル物件ノ価格ハ同法第六条ノ規定ニ依リ同資金ヲ帝国ノ管理スル敵産ニ運用スル場合ニ於ケル価格ニ準拠シテ之ヲ定ムベシ
第四条 本会計ニ於テハ当該年度ノ収入済歳入額及特殊財産資金特別会計法第十二条ニ規定スル一時借入金ヲ以テ支払元受高トシ歳出ヲ支出スルハ此ノ支払元受高ヲ超過スルコトヲ得ズ
第五条 本会計ニ於テ支払上現金ニ不足ヲ生ジタルトキハ所管大臣ハ大蔵大臣ノ承認ヲ経テ資金ニ属スル現金ヲ前条ノ支払元受高ニ繰替使用スルコトヲ得
前項ノ場合ニ於テ尚不足アルトキハ所管大臣ハ大蔵大臣ニ対シ一時借入金ニ代ヘ国庫余裕金ノ繰替使用ヲ請求スルコトヲ得
前二項ノ規定ニ依リ繰替使用シタル金額ハ当該年度内ニ之ヲ返還スベシ
第六条 特殊財産資金ニ属スル運用資産ノ保有価格ハ毎年度末ニ於テ時価ニ準拠シテ之ヲ改定スベシ但シ時価ヲ超エザルモノニ付テハ此ノ限ニ在ラズ
第七条 特殊財産資金ニ属スル運用資産ニシテ滅失シ、価格ノ減損ヲ生ジ又ハ譲与セラレタルモノアルトキハ本会計ノ歳入ノ収入済額ヨリ歳出ノ支出済額ヲ控除シタル剰余額ヲ以テ之ヲ償却シ尚不足アルトキハ資金ヨリ之ヲ償却スベシ
第八条 毎年度ニ於ケル歳入ノ収入済額ヨリ歳出ノ支出済額ヲ控除シ剰余アルトキハ前条ノ償却ニ充テ残余アルトキハ之ヲ資金ニ繰入ルベシ
毎年度ニ於テ歳入ノ収入済額ガ歳出ノ支出済額ニ対シ不足アルトキハ資金ヨリ之ヲ補足スベシ
第九条 大蔵省ハ日記簿、原簿及補助簿ヲ備ヘ特殊財産資金ノ受払及運用並ニ本会計ニ関スル一切ノ計算ヲ登記スベシ
第十条 所管大臣ハ毎年度末ニ於ケル収支計算表、貸借対照表及運用資産明細表ヲ調製スベシ
収支計算表、貸借対照表及運用資産明細表ノ様式ハ所管大臣大蔵大臣ト協議シテ之ヲ定ム
第十一条 支出官ハ支出簿ノ外支払元受高差引簿ヲ備ヘ支払元受高、支出済額及残額ヲ登記スベシ
第十二条 大蔵省ハ歳出簿ノ外支払元受高差引簿ヲ備ヘ支払元受高、支出済額及残額ヲ登記スベシ
第十三条 本会計ニ於ケル出納ノ完結ニ関スル規定及本令ニ規定スルモノノ外歳入歳出ノ決算ニ関スル規定ハ別ニ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第十四条 前条ノ規定ニ依リ別ニ定ムルモノヲ除クノ外本令ニ規定セザルモノニ付テハ会計規則ヲ準用ス
附 則
本令ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
特殊財産資金特別会計法附則第二項ノ規定ニ依リ特殊財産資金ニ組入ルル財産ノ価格ハ一般会計ニ於ケル保有価格ニ依ル