金融統制団体令
法令番号: 勅令第四百四十號
公布年月日: 昭和17年4月18日
法令の形式: 勅令
朕金融統制團體令ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十七年四月十七日
內閣總理大臣 東條英機
農林大臣兼拓務大臣 井野碩哉
大藏大臣 賀屋興宣
勅令第四百四十號
金融統制團體令
第一章 總則
第一條 國家總動員法第十八條ノ規定ニ基ク金融事業(有價證券ニ關スル事業ヲ含ム以下同ジ)ノ統制ヲ目的トスル團體ニ付テハ本令ノ定ムル所ニ依ル
第二條 本令ニ依ル團體ハ全國金融統制會、業態別統制會、統制組合及地方金融協議會トス
全國金融統制會ハ全國金融統制會ナル名稱ヲ用フベシ
業態別統制會、統制組合又ハ地方金融協議會ハ其ノ名稱中ニ各統制會、統制組合又ハ金融協議會ナル文字ヲ用フベシ但シ主務大臣ノ認可ヲ受ケタルトキハ此ノ限ニ在ラズ
第二章 全國金融統制會
第三條 全國金融統制會ハ國民經濟ノ總力ヲ最モ有效ニ發揮セシムル爲金融事業ノ機能ノ綜合的發揮ヲ圖ルニ必要ナル指導統制ヲ行ヒ且金融ニ關スル國策ノ立案及遂行ニ協力スルコトヲ目的トス
第四條 全國金融統制會ハ其ノ目的ヲ達スル爲左ニ揭グル事業ヲ行フ
一 金融ニ關スル政府ノ計畫ニ對スル參畫
二 金融事業ヲ營ム者ノ行フ資金ノ吸收及運用ニ關スル指導統制
三 金融事業ノ整備ノ促進
四 金融事業ノ機能ノ增進
五 金融事業ト產業トノ關係ノ緊密化ノ促進
六 金融事業ニ關スル調査及硏究
七 前各號ニ揭グルモノノ外全國金融統制會ノ目的ヲ達スルニ必要ナル事業
全國金融統制會ハ前項ノ事業ノ外命令ノ定ムル所ニ依リ業態別統制會ノ會員ニ非ザル統制組合ニシテ命令ヲ以テ定ムルモノ及地方金融協議會ノ事業ノ指導統制ヲ行フ
第五條 全國金融統制會ノ會員タル資格ヲ有スル者ハ左ニ揭グル者トス
一 日本銀行
二 業態別統制會
三 前二號ニ揭グル者ノ外金融事業ヲ營ム者ニシテ主務大臣ノ指定スルモノ
第六條 主務大臣全國金融統制會ヲ設立セシメントスルトキハ命令ノ定ムル所ニ依リ前條ノ規定ニ依リ會員タル資格ヲ有スル者ニ對シ全國金融統制會ノ設立ヲ命ズベシ
前項ノ規定ニ依ル全國金融統制會ノ設立ノ命令アリタルトキハ命令ノ定ムル所ニ依リ創立總會ヲ開キ之ニ諮リテ定款其ノ他全國金融統制會ノ設立ニ必要ナル事項ヲ定メ主務大臣ノ認可ヲ受クベシ
第七條 全國金融統制會ノ定款ニハ左ニ揭グル事項ヲ記載スベシ
一 目的
二 名稱
三 事務所ノ所在地
四 會員ニ關スル規定
五 事業及其ノ執行ニ關スル規定
六 役員ニ關スル規定
七 會議ニ關スル規定
八 經理ニ關スル規定
第八條 全國金融統制會ハ第六條第二項ノ認可アリタル時又ハ國家總動員法第十八條第三項ノ規定ニ依リ定款ノ作成アリタル時成立ス
前項ノ場合ニ於テハ主務大臣ハ全國金融統制會成立ノ旨及定款ヲ吿示スベシ
第九條 全國金融統制會成立シタルトキハ其ノ會員タル資格ヲ有スル者ハ總テ全國金融統制會ノ會員トス
第十條 全國金融統制會ニハ會長一人竝ニ理事、監事及評議員各若干人ヲ置クベシ
全國金融統制會ニハ前項ノ役員ノ外定款ノ定ムル所ニ依リ副會長二人以內又ハ理事長一人ヲ置クコトヲ得
第十一條 會長ハ全國金融統制會ヲ代表シ金融事業ノ指導統制其ノ他ノ會務ヲ總理ス
副會長ハ會長ヲ輔佐シ豫メ會長ノ定ムル順位ニ依リ會長事故アルトキハ其ノ職務ヲ代理シ會長缺員ノトキハ其ノ職務ヲ行フ
理事長ハ會長及副會長ヲ輔佐シ會務ヲ掌理シ會長及副會長共ニ事故アルトキハ會長ノ職務ヲ代理シ會長及副會長共ニ缺員ノトキハ會長ノ職務ヲ行フ
理事ハ會長、副會長及理事長ヲ輔佐シ會務ヲ掌理シ豫メ會長ノ定ムル順位ニ依リ會長、副會長及理事長共ニ事故アルトキハ會長ノ職務ヲ代理シ會長、副會長及理事長共ニ缺員ノトキハ會長ノ職務ヲ行フ
監事ハ全國金融統制會ノ經理ノ狀況ヲ監査ス
評議員ハ會長ノ諮問ニ對シ答申シ又ハ會長ニ對シ意見ヲ具申ス
第十二條 會長ハ日本銀行總裁ヲ以テ之ニ充ツ
副會長、理事長、理事及監事ハ金融事業ニ關シ經驗アル者及學識アル者ノ中ヨリ主務大臣之ヲ命ズ
評議員ハ金融事業又ハ產業ニ關シ經驗アル者及學識アル者ノ中ヨリ主務大臣之ヲ命ズ
主務大臣第二項ノ規定ニ依リ副會長、理事長又ハ理事ヲ任命シタルトキハ其ノ旨ヲ吿示スベシ
第十三條 副會長、理事長及理事ノ任期ハ三年、監事及評議員ノ任期ハ二年トス
第十四條 副會長、理事長及理事ハ主務大臣ノ認可ヲ受クルニ非ザレバ他ノ職務又ハ商業ニ從事スルコトヲ得ズ但シ日本銀行ノ職員タルコトヲ妨ゲズ
第十五條 全國金融統制會ハ金融事業ニ關スル事項ニ付主務大臣ニ建議スルコトヲ得
全國金融統制會ハ主務大臣ノ諮問ニ對シ答申スベシ
第十六條 全國金融統制會ハ命令ノ定ムル所ニ依リ其ノ會員、業態別統制會ノ會員、業態別統制會ノ會員タル統制組合ノ組合員、第四條第二項ノ命令ヲ以テ定ムル統制組合又ハ地方金融協議會ニ對シ金融事業ニ關スル事項ノ調査ヲ爲ス爲必要ナル資料ノ提出ヲ求ムルコトヲ得
前項ノ規定ニ依リ資料ノ提出ヲ求メラレタル者ハ遲滯ナク之ヲ提出スベシ
第十七條 全國金融統制會ハ定款ノ定ムル所ニ依リ其ノ會員ニ對シ賦課金ヲ課スルコトヲ得
第十八條 全國金融統制會ハ定款ノ定ムル所ニ依リ定款又ハ統制規程ニ違反シタル會員ニ對シ過怠金ヲ課スルコトヲ得
第十九條 賦課金又ハ過怠金ヲ滯納スル者アル場合ニ於テ全國金融統制會ノ請求アルトキハ市町村ハ市町村稅ノ例ニ依リ之ヲ處分ス此ノ場合ニ於テ全國金融統制會ハ其ノ徵收金額ノ百分ノ四ヲ市町村ニ交付スベシ
前項中町村トアルハ町村制ヲ施行セザル地ニ在リテハ之ニ準ズベキモノトス
第一項ノ規定ニ依ル徵收金ノ先取特權ノ順位ハ市町村其ノ他之ニ準ズベキモノノ徵收金ニ次ギ其ノ時效ニ付テハ市町村稅ノ例ニ依ル
第二十條 全國金融統制會ハ其ノ會員ノ事業ニ關スル統制規程ヲ設定スベシ
第二十一條 定款ノ變更竝ニ統制規程ノ設定及變更ハ主務大臣ノ認可ヲ受クルニ非ザレバ其ノ效力ヲ生ゼズ
主務大臣前項ノ認可ヲ爲シタルトキハ其ノ旨ヲ吿示スベシ
第二十二條 全國金融統制會ノ會員ハ全國金融統制會ノ統制規程ニ依ルベシ
第二十三條 全國金融統制會ハ主務大臣ノ命令アリタルトキ又ハ其ノ事業ノ遂行上必要アリト認ムル場合ニ於テ主務大臣ノ認可ヲ受ケタルトキハ其ノ會員、業態別統制會ノ會員又ハ業態別統制會ノ會員タル統制組合ノ組合員ノ業務又ハ財產ノ狀況ヲ檢査スルコトヲ得
全國金融統制會ノ會員、業態別統制會ノ會員又ハ業態別統制會ノ會員タル統制組合ノ組合員ハ前項ノ規定ニ依ル檢査ヲ拒ミ、妨ゲ又ハ忌避スルコトヲ得ズ
全國金融統制會ハ第一項ノ規定ニ依リ檢査ヲ行フ役員又ハ使用人ヲシテ其ノ身分ヲ示ス證票ヲ携帶セシムベシ
第二十四條 全國金融統制會ハ主務大臣ノ命令アリタルトキ又ハ其ノ事業ノ遂行上必要アリト認ムル場合ニ於テ主務大臣ノ認可ヲ受ケタルトキハ業態別統制會ニ對シ其ノ會員若ハ其ノ會員タル統制組合ノ組合員ノ業務若ハ財產ノ狀況ヲ檢査シ又ハ其ノ會員タル統制組合ヲシテ當該統制組合ノ組合員ノ業務若ハ財產ノ狀況ヲ檢査セシメ其ノ結果ヲ報吿スベキコトヲ命ズルコトヲ得
前條第二項及第三項ノ規定ハ業態別統制會又ハ統制組合ガ前項ノ規定ニ依リ檢査ヲ行フ場合ニ之ヲ準用ス
第二十五條 全國金融統制會ハ主務大臣ノ命令アリタルトキ又ハ第四條第二項ノ命令ヲ以テ定ムル統制組合ノ事業ヲ指導統制スル爲必要アリト認ムル場合ニ於テ主務大臣ノ認可ヲ受ケタルトキハ當該統制組合ノ業務若ハ財產ノ狀況ヲ檢査シ又ハ當該統制組合ニ對シ其ノ組合員ノ業務若ハ財產ノ狀況ヲ檢査シ其ノ結果ヲ報吿スベキコトヲ命ズルコトヲ得
第二十三條第二項及第三項ノ規定ハ全國金融統制會又ハ統制組合ガ前項ノ規定ニ依リ檢査ヲ行フ場合ニ之ヲ準用ス
第二十六條 全國金融統制會ハ主務大臣ノ命令アリタルトキ又ハ地方金融協議會ノ事業ヲ指導統制スル爲必要アリト認ムル場合ニ於テ主務大臣ノ認可ヲ受ケタルトキハ地方金融協議會ノ業務又ハ財產ノ狀況ヲ檢査スルコトヲ得
第二十三條第二項及第三項ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス
第二十七條 通常總會ハ每年一囘會長之ヲ招集ス
會長必要アリト認ムルトキハ何時ニテモ臨時總會ヲ招集スルコトヲ得
第二十八條 左ニ揭グル事項ハ總會ニ諮リ會長之ヲ決ス
一 定款ノ變更
二 收支豫算
三 賦課金ノ賦課徵收方法
第二十九條 會長ハ每年總會ニ全國金融統制會ノ事業ノ狀況ヲ報吿シ監事ヲシテ經理ノ狀況ヲ報吿セシムベシ
第三十條 主務大臣必要アリト認ムルトキハ國家總動員法第三十一條ノ規定ニ依リ全國金融統制會ヨリ其ノ事業ニ關シ報吿ヲ徵シ又ハ當該官吏ヲシテ其ノ事務所ニ臨檢シ業務若ハ經理ノ狀況ヲ檢査セシムルコトヲ得
前項ノ規定ニ依リ當該官吏ヲシテ臨檢檢査セシムル場合ニ於テハ其ノ身分ヲ示ス證票ヲ携帶セシムベシ
第三十一條 主務大臣ハ全國金融統制會ニ對シ金融事業ニ關スル事項ノ調査ヲ命ズルコトヲ得
第三十二條 主務大臣金融事業ノ統制上必要アリト認ムルトキハ全國金融統制會ニ對シ必要ナル事業ノ施行ヲ命ジ又ハ定款ノ變更其ノ他必要ナル事項ヲ命ズルコトヲ得
第三十三條 主務大臣ハ全國金融統制會ニ對シ業務又ハ經理ニ關シ監督上必要ナル命令ヲ發シ又ハ處分ヲ爲スコトヲ得
主務大臣必要アリト認ムルトキハ監事ヲシテ監査ノ結果ヲ報吿セシムルコトヲ得
第三十四條 主務大臣ハ副會長、理事長、理事又ハ評議員ノ行爲ガ法令又ハ法令ニ基キテ爲ス處分ニ違反シタルトキ、公益ヲ害シタルトキ其ノ他全國金融統制會ノ事業ノ運營上副會長、理事長、理事又ハ評議員ヲ不適當ナリト認ムルトキハ之ヲ解任スルコトヲ得
主務大臣ハ監事ノ行爲ガ法令若ハ法令ニ基キテ爲ス處分ニ違反シタルトキ又ハ公益ヲ害シタルトキハ之ヲ解任スルコトヲ得
主務大臣第一項ノ規定ニ依リ副會長、理事長又ハ理事ヲ解任シタルトキハ其ノ旨ヲ吿示スベシ
第三十五條 全國金融統制會ハ主務大臣ノ命令ニ因リテ解散ス
主務大臣前項ノ命令ヲ爲シタルトキハ其ノ旨ヲ吿示スベシ
第三章 業態別統制會
第三十六條 業態別統制會ハ國民經濟ノ總力ヲ最モ有效ニ發揮セシムル爲當該金融事業ノ機能ノ一體的發揮ヲ圖ルニ必要ナル指導統制ヲ行ヒ且當該金融事業ニ關スル國策ノ遂行ニ協力スルコトヲ目的トス
第三十七條 業態別統制會ハ金融事業ノ業態別ニ之ヲ設立ス
第三十八條 業態別統制會ハ其ノ目的ヲ達スル爲左ニ揭グル事業ヲ行フ
一 當該金融事業ヲ營ム者ノ行フ資金ノ吸收及運用ニ關スル指導統制
二 當該金融事業ノ整備ノ促進
三 當該金融事業ノ機能ノ增進
四 當該金融事業ト產業トノ關係ノ緊密化ノ促進
五 當該金融事業ニ關スル調査及硏究
六 前各號ニ揭グルモノノ外業態別統制會ノ目的ヲ達スルニ必要ナル事業
第三十九條 業態別統制會ノ會員タル資格ヲ有スル者ハ左ニ揭グル者ニシテ主務大臣ノ指定スルモノトス
一 當該金融事業ヲ營ム者
二 當該金融事業ヲ營ム者ヲ以テ組織スル統制組合
第四十條 業態別統制會ニハ理事長一人竝ニ理事、監事及評議員各若干人ヲ置クベシ
業態別統制會ニハ前項ノ役員ノ外定款ノ定ムル所ニ依リ副理事長一人ヲ置クコトヲ得
第四十一條 理事長ハ命令ヲ以テ定ムル場合ヲ除クノ外銓衡委員ノ推薦シタル者ノ中ヨリ主務大臣之ヲ命ズ
前項ノ銓衡委員ハ當該金融事業ニ關シ經驗アル者及學識アル者ノ中ヨリ主務大臣之ヲ命ズ
副理事長、理事及評議員ハ當該金融事業ニ關シ經驗アル者及學識アル者ノ中ヨリ理事長之ヲ命ズ
監事ハ命令ノ定ムル所ニ依リ評議員之ヲ選任ス
第三項ノ規定ニ依ル副理事長、理事又ハ評議員ノ任命ハ主務大臣ノ認可ヲ受クルニ非ザレバ其ノ效力ヲ生ゼズ
主務大臣第一項ノ規定ニ依ル任命又ハ前項ノ規定ニ依ル副理事長若ハ理事ノ任命ノ認可ヲ爲シタルトキハ其ノ旨ヲ吿示スベシ
第四十二條 理事長、副理事長及理事ノ任期ハ三年、監事及評議員ノ任期ハ二年トス
理事長必要アリト認ムルトキハ任期中ト雖モ副理事長又ハ理事ヲ解任スルコトヲ得
前項ノ解任ハ主務大臣ノ認可ヲ受クルニ非ザレバ其ノ效力ヲ生ゼズ
主務大臣前項ノ認可ヲ爲シタルトキハ其ノ旨ヲ吿示スベシ
第四十三條 第十一條第一項、第二項及第四項乃至第六項ノ規定ハ理事長、副理事長、理事、監事及評議員ニ、第十四條ノ規定ハ理事長、副理事長及理事ニ之ヲ準用ス
第四十四條 業態別統制會ハ命令ノ定ムル所ニ依リ其ノ會員又ハ其ノ會員タル統制組合ノ組合員ニ對シ當該金融事業ニ關スル事項ノ調査ヲ爲ス爲必要ナル資料ノ提出ヲ求ムルコトヲ得
第十六條第二項ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス
第四十五條 主務大臣ハ理事長、副理事長、理事又ハ評議員ノ行爲ガ法令又ハ法令ニ基キテ爲ス處分ニ違反シタルトキ、公益ヲ害シタルトキ其ノ他當該業態別統制會ノ事業ノ運營上理事長、副理事長、理事又ハ評議員ヲ不適當ナリト認ムルトキハ之ヲ解任スルコトヲ得
主務大臣ハ監事ノ行爲ガ法令若ハ法令ニ基キテ爲ス處分ニ違反シタルトキ又ハ公益ヲ害シタルトキハ之ヲ解任スルコトヲ得
主務大臣第一項ノ規定ニ依リ理事長、副理事長又ハ理事ヲ解任シタルトキハ其ノ旨ヲ吿示スベシ
第四十六條 第六條乃至第九條、第十五條、第十七條乃至第二十二條、第二十七條乃至第三十三條及第三十五條ノ規定ハ業態別統制會ニ之ヲ準用ス
第四章 統制組合
第四十七條 統制組合ハ國民經濟ノ總力ヲ最モ有效ニ發揮セシムル爲一定地區內ニ於ケル當該金融事業ノ機能ノ一體的發揮ヲ圖ルニ必要ナル指導統制ヲ行ヒ且當該金融事業ニ關スル國策ノ遂行ニ協力スルコトヲ目的トス
第四十八條 統制組合ハ一定地區ニ於テ金融事業ノ業態別ニ之ヲ設立ス
前項ノ地區ハ主務大臣之ヲ指定ス
第四十九條 統制組合ハ其ノ目的ヲ達スル爲左ニ揭グル事業ヲ行フ
一 當該金融事業ヲ營ム者ガ當該地區內ニ於テ行フ資金ノ吸收及運用ニ關スル指導統制
二 當該地區內ニ於ケル當該金融事業ノ整備ノ促進
三 當該地區內ニ於ケル當該金融事業ノ機能ノ增進
四 當該地區內ニ於ケル當該金融事業ト產業トノ關係ノ緊密化ノ促進
五 當該地區內ニ於ケル當該金融事業ニ關スル調査及硏究
六 前各號ニ揭グルモノノ外統制組合ノ目的ヲ達スルニ必要ナル事業
第五十條 統制組合ノ組合員タル資格ヲ有スル者ハ當該地區內ニ於テ當該金融事業ヲ營ム者ニシテ主務大臣ノ指定スルモノトス
第五十一條 統制組合ノ定款ニハ左ニ揭グル事項ヲ記載スベシ
一 目的
二 名稱
三 地區
四 事務所ノ所在地
五 組合員ニ關スル規定
六 事業及其ノ執行ニ關スル規定
七 役員ニ關スル規定
八 會議ニ關スル規定
九 經理ニ關スル規定
第五十二條 統制組合ニハ理事長一人竝ニ理事、監事及評議員各若干人ヲ置クベシ
理事長ハ當該金融事業ニ關シ經驗アル者及學識アル者ノ中ヨリ當該統制組合ノ所屬スル業態別統制會ノ理事長之ヲ命ズ當該統制組合ノ所屬スル業態別統制會ナキトキハ當該金融事業ニ關シ經驗アル者及學識アル者ノ中ヨリ主務大臣之ヲ命ズ
前項前段ノ規定ニ依ル理事長ノ任命ハ主務大臣ノ認可ヲ受クルニ非ザレバ其ノ效力ヲ生ゼズ
第十一條第一項第四項乃至第六項、第四十二條第一項乃至第三項及第四十五條第一項第二項ノ規定ハ理事長、理事、監事及評議員ニ、第四十一條第三項乃至第五項ノ規定ハ理事、監事及評議員ニ之ヲ準用ス
第五十三條 業態別統制會ノ理事長ハ當該業態別統制會ノ會員タル統制組合ノ理事長ノ行爲ガ法令又ハ法令ニ基キテ爲ス行政官廳ノ處分ニ違反シタルトキ、公益ヲ害シタルトキ其ノ他當該統制組合ノ事業ノ運營上當該理事長ヲ不適當ナリト認ムルトキハ之ヲ解任スルコトヲ得
前項ノ解任ハ主務大臣ノ認可ヲ受クルニ非ザレバ其ノ效力ヲ生ゼズ
第五十四條 統制組合ハ定款ノ定ムル所ニ依リ總會ニ代ルベキ總代會ヲ設クルコトヲ得
第二十七條乃至第二十九條ノ規定ハ前項ノ總代會ニ之ヲ準用ス
第五十五條 第四條第二項ノ命令ヲ以テ定ムル統制組合ハ全國金融統制會ノ行フ統制ニ從フベシ
第五十六條 統制組合ニ付テハ命令ノ定ムル所ニ依リ登記ヲ爲スコトヲ要ス
前項ノ規定ニ依リ登記スベキ事項ハ登記ノ後ニ非ザレバ之ヲ以テ第三者ニ對抗スルコトヲ得ズ
第五十七條 第六條、第八條(定款ノ吿示ニ關スル部分ヲ除ク)、第九條、第十五條、第十七條乃至第二十二條(第二十一條中定款變更ノ認可ノ吿示ニ關スル部分ヲ除ク)、第二十七條乃至第三十三條、第三十五條第一項及第四十四條ノ規定ハ統制組合ニ之ヲ準用ス
第五章 地方金融協議會
第五十八條 地方金融協議會ハ國民經濟ノ總力ヲ最モ有效ニ發揮セシムル爲一定地區內ニ於ケル金融事業相互間ノ連絡調整ヲ圖ルニ必要ナル指導統制ヲ行ヒ且金融事業ニ關スル國策ノ遂行ニ協力スルコトヲ目的トス
第五十九條 地方金融協議會ハ一定地區ニ於テ之ヲ設立ス
前項ノ地區ハ主務大臣之ヲ指定ス
第六十條 地方金融協議會ハ其ノ目的ヲ達スル爲左ニ揭グル事業ヲ行フ
一 金融事業ヲ營ム者ガ當該地區內ニ於テ行フ資金ノ吸收及運用ニ關スル指導統制
二 當該地區內ニ於ケル金融事業ノ整備ノ促進
三 當該地區內ニ於ケル金融事業ノ機能ノ增進
四 前各號ニ揭グルモノノ外地方金融協議會ノ目的ヲ達スルニ必要ナル事業
第六十一條 地方金融協議會ノ會員タル資格ヲ有スル者ハ左ニ揭グル者ニシテ主務大臣ノ指定スルモノトス
一 當該地區內ニ於テ金融事業ヲ營ム者
二 當該地區內ニ於テ金融事業ヲ營ム者ヲ以テ組織スル統制組合
第六十二條 地方金融協議會ニハ理事長一人竝ニ理事、監事及評議員各若干人ヲ置クベシ
理事長ハ金融事業ニ關シ經驗アル者及學識アル者ノ中ヨリ主務大臣之ヲ命ズ
第十一條第一項第四項乃至第六項、第四十二條第一項乃至第三項及第四十五條第一項第二項ノ規定ハ理事長、理事、監事及評議員ニ、第四十一條第三項乃至第五項ノ規定ハ理事、監事及評議員ニ之ヲ準用ス
第六十三條 地方金融協議會ニハ定款ノ定ムル所ニ依リ顧問若干人ヲ置クコトヲ得
第六十四條 第六條、第八條(定款ノ吿示ニ關スル部分ヲ除ク)、第九條、第十五條、第十七條乃至第二十二條(第二十一條中定款變更ノ認可ノ吿示ニ關スル部分ヲ除ク)、第二十七條乃至第三十三條、第三十五條第一項、第四十四條、第五十一條及第五十四條乃至第五十六條ノ規定ハ地方金融協議會ニ之ヲ準用ス
第六章 雜則
第六十五條 主務大臣必要アリト認ムルトキハ命令ノ定ムル所ニ依リ第四章又ハ第五章ニ規定スル職權ノ一部ヲ地方長官ヲシテ行ハシムルコトヲ得
第六十六條 本令中主務大臣トアルハ第二項ニ規定スル場合ヲ除クノ外大藏大臣トス但シ產業組合中央金庫、信用組合聯合會(樺太ニ於テ設立セラレタルモノヲ除ク以下同ジ)又ハ信用組合(臺灣又ハ樺太ニ於テ設立セラレタルモノヲ除ク以下同ジ)ヲ會員又ハ組合員トスル業態別統制會、統制組合又ハ地方金融協議會ニ在リテハ大藏大臣及農林大臣トス
第二條及第五章中主務大臣トアルハ朝鮮、臺灣又ハ樺太ヲ地區トスル地方金融協議會ニ在リテハ各朝鮮總督、臺灣總督又ハ樺太廳長官トス
第十九條(第四十六條、第五十七條及第六十四條ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)中市町村トアルハ朝鮮ニ在リテハ府邑面、臺灣ニ在リテハ市街庄トシ市町村稅トアルハ朝鮮ニ在リテハ國稅、臺灣ニ在リテハ市街庄稅トシ百分ノ四トアルハ朝鮮ニ在リテハ百分ノ五トス
第六十七條 大藏大臣全國金融統制會ニ付左ニ揭グル處分ヲ爲サントスル場合ニ於テ當該處分ガ恩給金庫ニ關スルモノナルトキハ內閣總理大臣、產業組合中央金庫、信用組合聯合會又ハ信用組合ヲ會員又ハ組合員トスル業態別統制會、統制組合又ハ地方金融協議會ニ關スルモノナルトキハ農林大臣、商工組合中央金庫ニ關スルモノナルトキハ商工大臣、朝鮮殖產銀行ニ關スルモノナルトキハ朝鮮總督ニ協議スベシ
一 第五條ノ規定ニ依ル指定
二 第六條第一項、第二十三條第一項、第二十四條第一項、第二十六條第一項、第三十二條及第三十五條第一項ノ規定ニ依ル命令
三 第六條第二項、第二十一條第一項、第二十三條第一項、第二十四條第一項及第二十六條第一項ノ規定ニ依ル認可
四 第三十三條第一項ノ規定ニ依ル命令又ハ處分
朝鮮總督朝鮮ヲ地區トスル地方金融協議會ニ付左ニ揭グル處分ヲ爲サントスル場合ニ於テ當該處分ガ朝鮮銀行又ハ朝鮮ニ於テ金融事業ヲ營ム者ニシテ內地ニ主タル營業所若ハ事務所ヲ有スルモノノ朝鮮ニ於ケル營業所若ハ事務所ニ於ケル金融事業ニ關スルモノナルトキハ大藏大臣ニ協議スベシ臺灣總督又ハ樺太廳長官臺灣又ハ樺太ヲ地區トスル地方金融協議會ニ付左ニ揭グル處分ヲ爲サントスル場合ニ於テ當該處分ガ臺灣若ハ樺太ニ營業所ヲ有スル銀行又ハ臺灣若ハ樺太ニ於テ金融事業ヲ營ム者ニシテ內地ニ主タル營業所若ハ事務所ヲ有スルモノノ臺灣若ハ樺太ニ於ケル營業所若ハ事務所ニ於ケル金融事業ニ關スルモノナルトキ亦同ジ
一 第六十一條ノ規定ニ依ル指定
二 第六十四條ニ於テ準用スル第六條第一項、第三十二條及第三十五條第一項ノ規定ニ依ル命令
三 第六十四條ニ於テ準用スル第六條第二項及第二十一條第一項ノ規定ニ依ル認可
四 第六十四條ニ於テ準用スル第三十三條第一項ノ規定ニ依ル命令又ハ處分
第六十八條 第三章及第四章ノ規定ハ朝鮮、臺灣及樺太ニ在リテハ之ヲ適用セズ但シ臺灣又ハ樺太ニ營業所ヲ有スル銀行ノ當該營業所ニ於ケル金融事業ニ付テハ此ノ限ニ在ラズ
第六十五條ノ規定ハ朝鮮、臺灣及樺太ニ在リテハ之ヲ適用セズ
第六十九條 本令ニ規定スルモノヲ除クノ外全國金融統制會、業態別統制會、統制組合及地方金融協議會ニ關シ必要ナル事項ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
附 則
本令ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス但シ地方金融協議會ニ關スル規定ハ朝鮮、臺灣及樺太ニ在リテハ昭和十七年六月一日ヨリ之ヲ施行ス
朕金融統制団体令ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十七年四月十七日
内閣総理大臣 東条英機
農林大臣兼拓務大臣 井野碩哉
大蔵大臣 賀屋興宣
勅令第四百四十号
金融統制団体令
第一章 総則
第一条 国家総動員法第十八条ノ規定ニ基ク金融事業(有価証券ニ関スル事業ヲ含ム以下同ジ)ノ統制ヲ目的トスル団体ニ付テハ本令ノ定ムル所ニ依ル
第二条 本令ニ依ル団体ハ全国金融統制会、業態別統制会、統制組合及地方金融協議会トス
全国金融統制会ハ全国金融統制会ナル名称ヲ用フベシ
業態別統制会、統制組合又ハ地方金融協議会ハ其ノ名称中ニ各統制会、統制組合又ハ金融協議会ナル文字ヲ用フベシ但シ主務大臣ノ認可ヲ受ケタルトキハ此ノ限ニ在ラズ
第二章 全国金融統制会
第三条 全国金融統制会ハ国民経済ノ総力ヲ最モ有効ニ発揮セシムル為金融事業ノ機能ノ綜合的発揮ヲ図ルニ必要ナル指導統制ヲ行ヒ且金融ニ関スル国策ノ立案及遂行ニ協力スルコトヲ目的トス
第四条 全国金融統制会ハ其ノ目的ヲ達スル為左ニ掲グル事業ヲ行フ
一 金融ニ関スル政府ノ計画ニ対スル参画
二 金融事業ヲ営ム者ノ行フ資金ノ吸収及運用ニ関スル指導統制
三 金融事業ノ整備ノ促進
四 金融事業ノ機能ノ増進
五 金融事業ト産業トノ関係ノ緊密化ノ促進
六 金融事業ニ関スル調査及研究
七 前各号ニ掲グルモノノ外全国金融統制会ノ目的ヲ達スルニ必要ナル事業
全国金融統制会ハ前項ノ事業ノ外命令ノ定ムル所ニ依リ業態別統制会ノ会員ニ非ザル統制組合ニシテ命令ヲ以テ定ムルモノ及地方金融協議会ノ事業ノ指導統制ヲ行フ
第五条 全国金融統制会ノ会員タル資格ヲ有スル者ハ左ニ掲グル者トス
一 日本銀行
二 業態別統制会
三 前二号ニ掲グル者ノ外金融事業ヲ営ム者ニシテ主務大臣ノ指定スルモノ
第六条 主務大臣全国金融統制会ヲ設立セシメントスルトキハ命令ノ定ムル所ニ依リ前条ノ規定ニ依リ会員タル資格ヲ有スル者ニ対シ全国金融統制会ノ設立ヲ命ズベシ
前項ノ規定ニ依ル全国金融統制会ノ設立ノ命令アリタルトキハ命令ノ定ムル所ニ依リ創立総会ヲ開キ之ニ諮リテ定款其ノ他全国金融統制会ノ設立ニ必要ナル事項ヲ定メ主務大臣ノ認可ヲ受クベシ
第七条 全国金融統制会ノ定款ニハ左ニ掲グル事項ヲ記載スベシ
一 目的
二 名称
三 事務所ノ所在地
四 会員ニ関スル規定
五 事業及其ノ執行ニ関スル規定
六 役員ニ関スル規定
七 会議ニ関スル規定
八 経理ニ関スル規定
第八条 全国金融統制会ハ第六条第二項ノ認可アリタル時又ハ国家総動員法第十八条第三項ノ規定ニ依リ定款ノ作成アリタル時成立ス
前項ノ場合ニ於テハ主務大臣ハ全国金融統制会成立ノ旨及定款ヲ告示スベシ
第九条 全国金融統制会成立シタルトキハ其ノ会員タル資格ヲ有スル者ハ総テ全国金融統制会ノ会員トス
第十条 全国金融統制会ニハ会長一人並ニ理事、監事及評議員各若干人ヲ置クベシ
全国金融統制会ニハ前項ノ役員ノ外定款ノ定ムル所ニ依リ副会長二人以内又ハ理事長一人ヲ置クコトヲ得
第十一条 会長ハ全国金融統制会ヲ代表シ金融事業ノ指導統制其ノ他ノ会務ヲ総理ス
副会長ハ会長ヲ輔佐シ予メ会長ノ定ムル順位ニ依リ会長事故アルトキハ其ノ職務ヲ代理シ会長欠員ノトキハ其ノ職務ヲ行フ
理事長ハ会長及副会長ヲ輔佐シ会務ヲ掌理シ会長及副会長共ニ事故アルトキハ会長ノ職務ヲ代理シ会長及副会長共ニ欠員ノトキハ会長ノ職務ヲ行フ
理事ハ会長、副会長及理事長ヲ輔佐シ会務ヲ掌理シ予メ会長ノ定ムル順位ニ依リ会長、副会長及理事長共ニ事故アルトキハ会長ノ職務ヲ代理シ会長、副会長及理事長共ニ欠員ノトキハ会長ノ職務ヲ行フ
監事ハ全国金融統制会ノ経理ノ状況ヲ監査ス
評議員ハ会長ノ諮問ニ対シ答申シ又ハ会長ニ対シ意見ヲ具申ス
第十二条 会長ハ日本銀行総裁ヲ以テ之ニ充ツ
副会長、理事長、理事及監事ハ金融事業ニ関シ経験アル者及学識アル者ノ中ヨリ主務大臣之ヲ命ズ
評議員ハ金融事業又ハ産業ニ関シ経験アル者及学識アル者ノ中ヨリ主務大臣之ヲ命ズ
主務大臣第二項ノ規定ニ依リ副会長、理事長又ハ理事ヲ任命シタルトキハ其ノ旨ヲ告示スベシ
第十三条 副会長、理事長及理事ノ任期ハ三年、監事及評議員ノ任期ハ二年トス
第十四条 副会長、理事長及理事ハ主務大臣ノ認可ヲ受クルニ非ザレバ他ノ職務又ハ商業ニ従事スルコトヲ得ズ但シ日本銀行ノ職員タルコトヲ妨ゲズ
第十五条 全国金融統制会ハ金融事業ニ関スル事項ニ付主務大臣ニ建議スルコトヲ得
全国金融統制会ハ主務大臣ノ諮問ニ対シ答申スベシ
第十六条 全国金融統制会ハ命令ノ定ムル所ニ依リ其ノ会員、業態別統制会ノ会員、業態別統制会ノ会員タル統制組合ノ組合員、第四条第二項ノ命令ヲ以テ定ムル統制組合又ハ地方金融協議会ニ対シ金融事業ニ関スル事項ノ調査ヲ為ス為必要ナル資料ノ提出ヲ求ムルコトヲ得
前項ノ規定ニ依リ資料ノ提出ヲ求メラレタル者ハ遅滞ナク之ヲ提出スベシ
第十七条 全国金融統制会ハ定款ノ定ムル所ニ依リ其ノ会員ニ対シ賦課金ヲ課スルコトヲ得
第十八条 全国金融統制会ハ定款ノ定ムル所ニ依リ定款又ハ統制規程ニ違反シタル会員ニ対シ過怠金ヲ課スルコトヲ得
第十九条 賦課金又ハ過怠金ヲ滞納スル者アル場合ニ於テ全国金融統制会ノ請求アルトキハ市町村ハ市町村税ノ例ニ依リ之ヲ処分ス此ノ場合ニ於テ全国金融統制会ハ其ノ徴収金額ノ百分ノ四ヲ市町村ニ交付スベシ
前項中町村トアルハ町村制ヲ施行セザル地ニ在リテハ之ニ準ズベキモノトス
第一項ノ規定ニ依ル徴収金ノ先取特権ノ順位ハ市町村其ノ他之ニ準ズベキモノノ徴収金ニ次ギ其ノ時効ニ付テハ市町村税ノ例ニ依ル
第二十条 全国金融統制会ハ其ノ会員ノ事業ニ関スル統制規程ヲ設定スベシ
第二十一条 定款ノ変更並ニ統制規程ノ設定及変更ハ主務大臣ノ認可ヲ受クルニ非ザレバ其ノ効力ヲ生ゼズ
主務大臣前項ノ認可ヲ為シタルトキハ其ノ旨ヲ告示スベシ
第二十二条 全国金融統制会ノ会員ハ全国金融統制会ノ統制規程ニ依ルベシ
第二十三条 全国金融統制会ハ主務大臣ノ命令アリタルトキ又ハ其ノ事業ノ遂行上必要アリト認ムル場合ニ於テ主務大臣ノ認可ヲ受ケタルトキハ其ノ会員、業態別統制会ノ会員又ハ業態別統制会ノ会員タル統制組合ノ組合員ノ業務又ハ財産ノ状況ヲ検査スルコトヲ得
全国金融統制会ノ会員、業態別統制会ノ会員又ハ業態別統制会ノ会員タル統制組合ノ組合員ハ前項ノ規定ニ依ル検査ヲ拒ミ、妨ゲ又ハ忌避スルコトヲ得ズ
全国金融統制会ハ第一項ノ規定ニ依リ検査ヲ行フ役員又ハ使用人ヲシテ其ノ身分ヲ示ス証票ヲ携帯セシムベシ
第二十四条 全国金融統制会ハ主務大臣ノ命令アリタルトキ又ハ其ノ事業ノ遂行上必要アリト認ムル場合ニ於テ主務大臣ノ認可ヲ受ケタルトキハ業態別統制会ニ対シ其ノ会員若ハ其ノ会員タル統制組合ノ組合員ノ業務若ハ財産ノ状況ヲ検査シ又ハ其ノ会員タル統制組合ヲシテ当該統制組合ノ組合員ノ業務若ハ財産ノ状況ヲ検査セシメ其ノ結果ヲ報告スベキコトヲ命ズルコトヲ得
前条第二項及第三項ノ規定ハ業態別統制会又ハ統制組合ガ前項ノ規定ニ依リ検査ヲ行フ場合ニ之ヲ準用ス
第二十五条 全国金融統制会ハ主務大臣ノ命令アリタルトキ又ハ第四条第二項ノ命令ヲ以テ定ムル統制組合ノ事業ヲ指導統制スル為必要アリト認ムル場合ニ於テ主務大臣ノ認可ヲ受ケタルトキハ当該統制組合ノ業務若ハ財産ノ状況ヲ検査シ又ハ当該統制組合ニ対シ其ノ組合員ノ業務若ハ財産ノ状況ヲ検査シ其ノ結果ヲ報告スベキコトヲ命ズルコトヲ得
第二十三条第二項及第三項ノ規定ハ全国金融統制会又ハ統制組合ガ前項ノ規定ニ依リ検査ヲ行フ場合ニ之ヲ準用ス
第二十六条 全国金融統制会ハ主務大臣ノ命令アリタルトキ又ハ地方金融協議会ノ事業ヲ指導統制スル為必要アリト認ムル場合ニ於テ主務大臣ノ認可ヲ受ケタルトキハ地方金融協議会ノ業務又ハ財産ノ状況ヲ検査スルコトヲ得
第二十三条第二項及第三項ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス
第二十七条 通常総会ハ毎年一回会長之ヲ招集ス
会長必要アリト認ムルトキハ何時ニテモ臨時総会ヲ招集スルコトヲ得
第二十八条 左ニ掲グル事項ハ総会ニ諮リ会長之ヲ決ス
一 定款ノ変更
二 収支予算
三 賦課金ノ賦課徴収方法
第二十九条 会長ハ毎年総会ニ全国金融統制会ノ事業ノ状況ヲ報告シ監事ヲシテ経理ノ状況ヲ報告セシムベシ
第三十条 主務大臣必要アリト認ムルトキハ国家総動員法第三十一条ノ規定ニ依リ全国金融統制会ヨリ其ノ事業ニ関シ報告ヲ徴シ又ハ当該官吏ヲシテ其ノ事務所ニ臨検シ業務若ハ経理ノ状況ヲ検査セシムルコトヲ得
前項ノ規定ニ依リ当該官吏ヲシテ臨検検査セシムル場合ニ於テハ其ノ身分ヲ示ス証票ヲ携帯セシムベシ
第三十一条 主務大臣ハ全国金融統制会ニ対シ金融事業ニ関スル事項ノ調査ヲ命ズルコトヲ得
第三十二条 主務大臣金融事業ノ統制上必要アリト認ムルトキハ全国金融統制会ニ対シ必要ナル事業ノ施行ヲ命ジ又ハ定款ノ変更其ノ他必要ナル事項ヲ命ズルコトヲ得
第三十三条 主務大臣ハ全国金融統制会ニ対シ業務又ハ経理ニ関シ監督上必要ナル命令ヲ発シ又ハ処分ヲ為スコトヲ得
主務大臣必要アリト認ムルトキハ監事ヲシテ監査ノ結果ヲ報告セシムルコトヲ得
第三十四条 主務大臣ハ副会長、理事長、理事又ハ評議員ノ行為ガ法令又ハ法令ニ基キテ為ス処分ニ違反シタルトキ、公益ヲ害シタルトキ其ノ他全国金融統制会ノ事業ノ運営上副会長、理事長、理事又ハ評議員ヲ不適当ナリト認ムルトキハ之ヲ解任スルコトヲ得
主務大臣ハ監事ノ行為ガ法令若ハ法令ニ基キテ為ス処分ニ違反シタルトキ又ハ公益ヲ害シタルトキハ之ヲ解任スルコトヲ得
主務大臣第一項ノ規定ニ依リ副会長、理事長又ハ理事ヲ解任シタルトキハ其ノ旨ヲ告示スベシ
第三十五条 全国金融統制会ハ主務大臣ノ命令ニ因リテ解散ス
主務大臣前項ノ命令ヲ為シタルトキハ其ノ旨ヲ告示スベシ
第三章 業態別統制会
第三十六条 業態別統制会ハ国民経済ノ総力ヲ最モ有効ニ発揮セシムル為当該金融事業ノ機能ノ一体的発揮ヲ図ルニ必要ナル指導統制ヲ行ヒ且当該金融事業ニ関スル国策ノ遂行ニ協力スルコトヲ目的トス
第三十七条 業態別統制会ハ金融事業ノ業態別ニ之ヲ設立ス
第三十八条 業態別統制会ハ其ノ目的ヲ達スル為左ニ掲グル事業ヲ行フ
一 当該金融事業ヲ営ム者ノ行フ資金ノ吸収及運用ニ関スル指導統制
二 当該金融事業ノ整備ノ促進
三 当該金融事業ノ機能ノ増進
四 当該金融事業ト産業トノ関係ノ緊密化ノ促進
五 当該金融事業ニ関スル調査及研究
六 前各号ニ掲グルモノノ外業態別統制会ノ目的ヲ達スルニ必要ナル事業
第三十九条 業態別統制会ノ会員タル資格ヲ有スル者ハ左ニ掲グル者ニシテ主務大臣ノ指定スルモノトス
一 当該金融事業ヲ営ム者
二 当該金融事業ヲ営ム者ヲ以テ組織スル統制組合
第四十条 業態別統制会ニハ理事長一人並ニ理事、監事及評議員各若干人ヲ置クベシ
業態別統制会ニハ前項ノ役員ノ外定款ノ定ムル所ニ依リ副理事長一人ヲ置クコトヲ得
第四十一条 理事長ハ命令ヲ以テ定ムル場合ヲ除クノ外銓衡委員ノ推薦シタル者ノ中ヨリ主務大臣之ヲ命ズ
前項ノ銓衡委員ハ当該金融事業ニ関シ経験アル者及学識アル者ノ中ヨリ主務大臣之ヲ命ズ
副理事長、理事及評議員ハ当該金融事業ニ関シ経験アル者及学識アル者ノ中ヨリ理事長之ヲ命ズ
監事ハ命令ノ定ムル所ニ依リ評議員之ヲ選任ス
第三項ノ規定ニ依ル副理事長、理事又ハ評議員ノ任命ハ主務大臣ノ認可ヲ受クルニ非ザレバ其ノ効力ヲ生ゼズ
主務大臣第一項ノ規定ニ依ル任命又ハ前項ノ規定ニ依ル副理事長若ハ理事ノ任命ノ認可ヲ為シタルトキハ其ノ旨ヲ告示スベシ
第四十二条 理事長、副理事長及理事ノ任期ハ三年、監事及評議員ノ任期ハ二年トス
理事長必要アリト認ムルトキハ任期中ト雖モ副理事長又ハ理事ヲ解任スルコトヲ得
前項ノ解任ハ主務大臣ノ認可ヲ受クルニ非ザレバ其ノ効力ヲ生ゼズ
主務大臣前項ノ認可ヲ為シタルトキハ其ノ旨ヲ告示スベシ
第四十三条 第十一条第一項、第二項及第四項乃至第六項ノ規定ハ理事長、副理事長、理事、監事及評議員ニ、第十四条ノ規定ハ理事長、副理事長及理事ニ之ヲ準用ス
第四十四条 業態別統制会ハ命令ノ定ムル所ニ依リ其ノ会員又ハ其ノ会員タル統制組合ノ組合員ニ対シ当該金融事業ニ関スル事項ノ調査ヲ為ス為必要ナル資料ノ提出ヲ求ムルコトヲ得
第十六条第二項ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス
第四十五条 主務大臣ハ理事長、副理事長、理事又ハ評議員ノ行為ガ法令又ハ法令ニ基キテ為ス処分ニ違反シタルトキ、公益ヲ害シタルトキ其ノ他当該業態別統制会ノ事業ノ運営上理事長、副理事長、理事又ハ評議員ヲ不適当ナリト認ムルトキハ之ヲ解任スルコトヲ得
主務大臣ハ監事ノ行為ガ法令若ハ法令ニ基キテ為ス処分ニ違反シタルトキ又ハ公益ヲ害シタルトキハ之ヲ解任スルコトヲ得
主務大臣第一項ノ規定ニ依リ理事長、副理事長又ハ理事ヲ解任シタルトキハ其ノ旨ヲ告示スベシ
第四十六条 第六条乃至第九条、第十五条、第十七条乃至第二十二条、第二十七条乃至第三十三条及第三十五条ノ規定ハ業態別統制会ニ之ヲ準用ス
第四章 統制組合
第四十七条 統制組合ハ国民経済ノ総力ヲ最モ有効ニ発揮セシムル為一定地区内ニ於ケル当該金融事業ノ機能ノ一体的発揮ヲ図ルニ必要ナル指導統制ヲ行ヒ且当該金融事業ニ関スル国策ノ遂行ニ協力スルコトヲ目的トス
第四十八条 統制組合ハ一定地区ニ於テ金融事業ノ業態別ニ之ヲ設立ス
前項ノ地区ハ主務大臣之ヲ指定ス
第四十九条 統制組合ハ其ノ目的ヲ達スル為左ニ掲グル事業ヲ行フ
一 当該金融事業ヲ営ム者ガ当該地区内ニ於テ行フ資金ノ吸収及運用ニ関スル指導統制
二 当該地区内ニ於ケル当該金融事業ノ整備ノ促進
三 当該地区内ニ於ケル当該金融事業ノ機能ノ増進
四 当該地区内ニ於ケル当該金融事業ト産業トノ関係ノ緊密化ノ促進
五 当該地区内ニ於ケル当該金融事業ニ関スル調査及研究
六 前各号ニ掲グルモノノ外統制組合ノ目的ヲ達スルニ必要ナル事業
第五十条 統制組合ノ組合員タル資格ヲ有スル者ハ当該地区内ニ於テ当該金融事業ヲ営ム者ニシテ主務大臣ノ指定スルモノトス
第五十一条 統制組合ノ定款ニハ左ニ掲グル事項ヲ記載スベシ
一 目的
二 名称
三 地区
四 事務所ノ所在地
五 組合員ニ関スル規定
六 事業及其ノ執行ニ関スル規定
七 役員ニ関スル規定
八 会議ニ関スル規定
九 経理ニ関スル規定
第五十二条 統制組合ニハ理事長一人並ニ理事、監事及評議員各若干人ヲ置クベシ
理事長ハ当該金融事業ニ関シ経験アル者及学識アル者ノ中ヨリ当該統制組合ノ所属スル業態別統制会ノ理事長之ヲ命ズ当該統制組合ノ所属スル業態別統制会ナキトキハ当該金融事業ニ関シ経験アル者及学識アル者ノ中ヨリ主務大臣之ヲ命ズ
前項前段ノ規定ニ依ル理事長ノ任命ハ主務大臣ノ認可ヲ受クルニ非ザレバ其ノ効力ヲ生ゼズ
第十一条第一項第四項乃至第六項、第四十二条第一項乃至第三項及第四十五条第一項第二項ノ規定ハ理事長、理事、監事及評議員ニ、第四十一条第三項乃至第五項ノ規定ハ理事、監事及評議員ニ之ヲ準用ス
第五十三条 業態別統制会ノ理事長ハ当該業態別統制会ノ会員タル統制組合ノ理事長ノ行為ガ法令又ハ法令ニ基キテ為ス行政官庁ノ処分ニ違反シタルトキ、公益ヲ害シタルトキ其ノ他当該統制組合ノ事業ノ運営上当該理事長ヲ不適当ナリト認ムルトキハ之ヲ解任スルコトヲ得
前項ノ解任ハ主務大臣ノ認可ヲ受クルニ非ザレバ其ノ効力ヲ生ゼズ
第五十四条 統制組合ハ定款ノ定ムル所ニ依リ総会ニ代ルベキ総代会ヲ設クルコトヲ得
第二十七条乃至第二十九条ノ規定ハ前項ノ総代会ニ之ヲ準用ス
第五十五条 第四条第二項ノ命令ヲ以テ定ムル統制組合ハ全国金融統制会ノ行フ統制ニ従フベシ
第五十六条 統制組合ニ付テハ命令ノ定ムル所ニ依リ登記ヲ為スコトヲ要ス
前項ノ規定ニ依リ登記スベキ事項ハ登記ノ後ニ非ザレバ之ヲ以テ第三者ニ対抗スルコトヲ得ズ
第五十七条 第六条、第八条(定款ノ告示ニ関スル部分ヲ除ク)、第九条、第十五条、第十七条乃至第二十二条(第二十一条中定款変更ノ認可ノ告示ニ関スル部分ヲ除ク)、第二十七条乃至第三十三条、第三十五条第一項及第四十四条ノ規定ハ統制組合ニ之ヲ準用ス
第五章 地方金融協議会
第五十八条 地方金融協議会ハ国民経済ノ総力ヲ最モ有効ニ発揮セシムル為一定地区内ニ於ケル金融事業相互間ノ連絡調整ヲ図ルニ必要ナル指導統制ヲ行ヒ且金融事業ニ関スル国策ノ遂行ニ協力スルコトヲ目的トス
第五十九条 地方金融協議会ハ一定地区ニ於テ之ヲ設立ス
前項ノ地区ハ主務大臣之ヲ指定ス
第六十条 地方金融協議会ハ其ノ目的ヲ達スル為左ニ掲グル事業ヲ行フ
一 金融事業ヲ営ム者ガ当該地区内ニ於テ行フ資金ノ吸収及運用ニ関スル指導統制
二 当該地区内ニ於ケル金融事業ノ整備ノ促進
三 当該地区内ニ於ケル金融事業ノ機能ノ増進
四 前各号ニ掲グルモノノ外地方金融協議会ノ目的ヲ達スルニ必要ナル事業
第六十一条 地方金融協議会ノ会員タル資格ヲ有スル者ハ左ニ掲グル者ニシテ主務大臣ノ指定スルモノトス
一 当該地区内ニ於テ金融事業ヲ営ム者
二 当該地区内ニ於テ金融事業ヲ営ム者ヲ以テ組織スル統制組合
第六十二条 地方金融協議会ニハ理事長一人並ニ理事、監事及評議員各若干人ヲ置クベシ
理事長ハ金融事業ニ関シ経験アル者及学識アル者ノ中ヨリ主務大臣之ヲ命ズ
第十一条第一項第四項乃至第六項、第四十二条第一項乃至第三項及第四十五条第一項第二項ノ規定ハ理事長、理事、監事及評議員ニ、第四十一条第三項乃至第五項ノ規定ハ理事、監事及評議員ニ之ヲ準用ス
第六十三条 地方金融協議会ニハ定款ノ定ムル所ニ依リ顧問若干人ヲ置クコトヲ得
第六十四条 第六条、第八条(定款ノ告示ニ関スル部分ヲ除ク)、第九条、第十五条、第十七条乃至第二十二条(第二十一条中定款変更ノ認可ノ告示ニ関スル部分ヲ除ク)、第二十七条乃至第三十三条、第三十五条第一項、第四十四条、第五十一条及第五十四条乃至第五十六条ノ規定ハ地方金融協議会ニ之ヲ準用ス
第六章 雑則
第六十五条 主務大臣必要アリト認ムルトキハ命令ノ定ムル所ニ依リ第四章又ハ第五章ニ規定スル職権ノ一部ヲ地方長官ヲシテ行ハシムルコトヲ得
第六十六条 本令中主務大臣トアルハ第二項ニ規定スル場合ヲ除クノ外大蔵大臣トス但シ産業組合中央金庫、信用組合連合会(樺太ニ於テ設立セラレタルモノヲ除ク以下同ジ)又ハ信用組合(台湾又ハ樺太ニ於テ設立セラレタルモノヲ除ク以下同ジ)ヲ会員又ハ組合員トスル業態別統制会、統制組合又ハ地方金融協議会ニ在リテハ大蔵大臣及農林大臣トス
第二条及第五章中主務大臣トアルハ朝鮮、台湾又ハ樺太ヲ地区トスル地方金融協議会ニ在リテハ各朝鮮総督、台湾総督又ハ樺太庁長官トス
第十九条(第四十六条、第五十七条及第六十四条ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)中市町村トアルハ朝鮮ニ在リテハ府邑面、台湾ニ在リテハ市街庄トシ市町村税トアルハ朝鮮ニ在リテハ国税、台湾ニ在リテハ市街庄税トシ百分ノ四トアルハ朝鮮ニ在リテハ百分ノ五トス
第六十七条 大蔵大臣全国金融統制会ニ付左ニ掲グル処分ヲ為サントスル場合ニ於テ当該処分ガ恩給金庫ニ関スルモノナルトキハ内閣総理大臣、産業組合中央金庫、信用組合連合会又ハ信用組合ヲ会員又ハ組合員トスル業態別統制会、統制組合又ハ地方金融協議会ニ関スルモノナルトキハ農林大臣、商工組合中央金庫ニ関スルモノナルトキハ商工大臣、朝鮮殖産銀行ニ関スルモノナルトキハ朝鮮総督ニ協議スベシ
一 第五条ノ規定ニ依ル指定
二 第六条第一項、第二十三条第一項、第二十四条第一項、第二十六条第一項、第三十二条及第三十五条第一項ノ規定ニ依ル命令
三 第六条第二項、第二十一条第一項、第二十三条第一項、第二十四条第一項及第二十六条第一項ノ規定ニ依ル認可
四 第三十三条第一項ノ規定ニ依ル命令又ハ処分
朝鮮総督朝鮮ヲ地区トスル地方金融協議会ニ付左ニ掲グル処分ヲ為サントスル場合ニ於テ当該処分ガ朝鮮銀行又ハ朝鮮ニ於テ金融事業ヲ営ム者ニシテ内地ニ主タル営業所若ハ事務所ヲ有スルモノノ朝鮮ニ於ケル営業所若ハ事務所ニ於ケル金融事業ニ関スルモノナルトキハ大蔵大臣ニ協議スベシ台湾総督又ハ樺太庁長官台湾又ハ樺太ヲ地区トスル地方金融協議会ニ付左ニ掲グル処分ヲ為サントスル場合ニ於テ当該処分ガ台湾若ハ樺太ニ営業所ヲ有スル銀行又ハ台湾若ハ樺太ニ於テ金融事業ヲ営ム者ニシテ内地ニ主タル営業所若ハ事務所ヲ有スルモノノ台湾若ハ樺太ニ於ケル営業所若ハ事務所ニ於ケル金融事業ニ関スルモノナルトキ亦同ジ
一 第六十一条ノ規定ニ依ル指定
二 第六十四条ニ於テ準用スル第六条第一項、第三十二条及第三十五条第一項ノ規定ニ依ル命令
三 第六十四条ニ於テ準用スル第六条第二項及第二十一条第一項ノ規定ニ依ル認可
四 第六十四条ニ於テ準用スル第三十三条第一項ノ規定ニ依ル命令又ハ処分
第六十八条 第三章及第四章ノ規定ハ朝鮮、台湾及樺太ニ在リテハ之ヲ適用セズ但シ台湾又ハ樺太ニ営業所ヲ有スル銀行ノ当該営業所ニ於ケル金融事業ニ付テハ此ノ限ニ在ラズ
第六十五条ノ規定ハ朝鮮、台湾及樺太ニ在リテハ之ヲ適用セズ
第六十九条 本令ニ規定スルモノヲ除クノ外全国金融統制会、業態別統制会、統制組合及地方金融協議会ニ関シ必要ナル事項ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
附 則
本令ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス但シ地方金融協議会ニ関スル規定ハ朝鮮、台湾及樺太ニ在リテハ昭和十七年六月一日ヨリ之ヲ施行ス