(健康保険法中改正法律)
法令番号: 法律第三十八號
公布年月日: 昭和17年2月21日
法令の形式: 法律
朕帝國議會ノ協贊ヲ經タル健康保險法中改正法律ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十七年二月二十日
內閣總理大臣 東條英機
厚生大臣 小泉親彥
法律第三十八號
健康保險法中左ノ通改正ス
第一條第一項中「療養ノ給付又ハ傷病手當金、埋葬料、分娩費若ハ出產手當金ノ支給」ヲ「保險給付」ニ改メ同條第二項ヲ左ノ如ク改ム
保險者ハ勅令ノ定ムル所ニ依リ被保險者ニ依リ生計ヲ維持スル者(以下被扶養者ト稱ス)ノ疾病、負傷又ハ分娩ニ關シ保險給付ヲ爲スモノトス
第二條第一項中「事業主ヨリ」ヲ削ル
第七條第二項中「補給金ヲ支給スル」ヲ「保險給付ヲ爲ス」ニ、「世帶員」ヲ「被扶養者」ニ改ム
第九條ノ二 行政官廳保險給付ニ關シ必要アリト認ムルトキハ命令ノ定ムル所ニ依リ當該官吏ヲシテ診療錄其ノ他ノ帳簿書類ヲ檢査セシムルコトヲ得
第十二條中「政府」ヲ「國、北海道、府縣、市町村其ノ他之ニ準ズベキモノ」ニ改ム
第十三條 左ノ各號ノ一ニ該當スル事業所ニ使用セラルル者ハ健康保險ノ被保險者トス
一 工場法第一條ノ規定ニ依リ同法ノ適用ヲ受クル工場
二 鑛業法ノ適用ヲ受クル事業場又ハ工場
三 法人又ハ命令ヲ以テ定ムル團體ノ事務所ニシテ常時五人以上ノ從業員ヲ使用スルモノ
四 左ニ揭グル事業ノ事業所ニシテ常時五人以上ノ從業員ヲ使用スルモノ
(イ) 物ノ製造、加工、選別、包裝、修理又ハ解體ノ事業
(ロ) 鑛物ノ採掘又ハ採取ノ事業
(ハ) 電氣又ハ動力ノ發生、傳導又ハ供給ノ事業
(ニ) 貨物又ハ旅客ノ運送ノ事業
(ホ) 貨物積卸ノ事業
(ヘ) 物ノ販賣ノ事業
(ト) 金融又ハ保險ノ事業
(チ) 物ノ保管又ハ賃貸ノ事業
(リ) 媒介周旋ノ事業
(ヌ) 集金、案內又ハ廣吿ノ事業
(ル) 其ノ他勅令ヲ以テ指定スル事業
第十三條ノ二 前條ノ規定ニ拘ラズ左ノ各號ノ一ニ該當スル者ハ健康保險ノ被保險者トセズ
一 船員保險ノ被保險者(勅令ヲ以テ指定スル者ヲ除ク)
二 一年ノ報酬ガ勅令ヲ以テ定ムル額ヲ超ユル職員
三 臨時ニ使用セラルル者ニシテ勅令ヲ以テ指定スルモノ
四 前各號ニ揭グル者ノ外勅令ヲ以テ指定スル者
前條ノ規定ニ依リ健康保險ノ被保險者タルベキ者ニシテ勅令ヲ以テ定ムルモノ國民健康保險ノ被保險者タル期間ハ之ヲ健康保險ノ被保險者トセズ
第十四條 第十三條ニ規定スル事業所以外ノ事業所ノ事業主ハ主務大臣ノ認可ヲ受ケ其ノ事業所ニ使用セラルル者ヲ包括シテ健康保險ノ被保險者ト爲スコトヲ得
前項ノ認可ヲ申請スルニハ被保險者ト爲ルベキ者ノ二分ノ一以上ノ同意ヲ得ルコトヲ要ス
第十五條第一項中「事業」ヲ「事業所」ニ、同條第二項中「第十三條但書」ヲ「第十三條ノ二」ニ改ム
第十五條ノ二 健康保險ノ被保險者ヲ使用スル事業所ノ事業主ハ主務大臣ノ認可ヲ受ケ其ノ事業所ニ使用セラルル第十三條ノ二第一項第二號ニ該當スル者ヲ包括シテ健康保險ノ被保險者ト爲スコトヲ得
第十三條ノ二(第一項第二號ヲ除ク)、第十四條第二項及前條第一項ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス
第十六條中「工場又ハ事業」ヲ「事業所」ニ改ム
第十七條第一項中「第十三條及第十五條」ヲ「第十三條、第十五條及第十五條ノ二」ニ、「第十三條但書若ハ第十五條第二項」ヲ「第十三條ノ二、第十五條第二項若ハ第十五條ノ二第二項」ニ改メ同條第二項ヲ削ル
第十八條中「第十三條及第十五條」ヲ「第十三條、第十五條及第十五條ノ二」ニ、「第十三條但書若ハ第十五條第二項」ヲ「第十三條ノ二、第十五條第二項若ハ第十五條ノ二第二項」ニ、「前條第一項」ヲ「前條」ニ改ム
第十九條第一項中「第十五條」ノ下ニ「又ハ第十五條ノ二」ヲ加フ
第二十條 第十八條ノ規定ニ依リ被保險者ノ資格ヲ喪失シタル者ニシテ喪失ノ日前二月以上被保險者タリシモノハ勅令ノ定ムル所ニ依リ繼續シテ被保險者ト爲ルコトヲ得
第二十一條 前條ノ規定ニ依ル被保險者ハ同條ノ規定ニ依リ被保險者ト爲リタル日ヨリ六月ヲ經過シタルトキ其ノ他勅令ヲ以テ定ムル事由ニ該當スルニ至リタルトキハ其ノ資格ヲ喪失ス
第十八條ノ規定ハ前條ノ規定ニ依ル被保險者ガ死亡シタル場合ニ之ヲ準用ス
第二十三條 保險者ハ被保險者及被扶養者ノ疾病若ハ負傷ノ療養又ハ被保險者及被扶養者ノ健康ノ保持增進ノ爲必要ナル施設ヲ爲シ又ハ之ニ必要ナル費用ノ支出ヲ爲スコトヲ得
第二十三條ノ二第一項中「被保險者」ヲ「被保險者及被扶養者」ニ、「保險者ノ施設」ヲ「前條ノ施設」ニ改ム
第二十七條乃至第二十九條及第三十五條中「事業」ヲ「事業所」ニ改ム
第三十條中「第十四條第一項」ノ下ニ「又ハ第十五條ノ二第一項」ヲ加フ
第三十一條中「一事業」ヲ「一又ハ二以上ノ事業所」ニ改ム
第三十三條 削除
第三十七條ノ二 主務大臣ハ健康保險組合ニ對シ命令ノ定ムル所ニ依リ第二十三條ノ施設ヲ爲スコトヲ命ジ又ハ之ニ必要ナル費用ノ支出ヲ命ズルコトヲ得
第四十二條中「業務」ヲ「事業所」ニ改ム
第四十二條ノ二 健康保險組合ハ共同シテ其ノ目的ヲ達スル爲健康保險組合聯合會ヲ設立スルコトヲ得
健康保險組合聯合會ハ法人トス
健康保險組合聯合會ヲ設立セントスルトキハ規約ヲ作リ主務大臣ノ認可ヲ受クベシ
主務大臣ハ健康保險組合ニ對シ健康保險組合聯合會ニ加入スルコトヲ命ズルコトヲ得
第二十三條、第二十三條ノ二、第三十四條、第三十六條乃至第三十九條及第四十一條ノ規定ハ健康保險組合聯合會ニ之ヲ準用ス
第四十三條 被保險者ノ疾病又ハ負傷ニ關シテハ左ニ揭グル療養ノ給付ヲ爲ス
一 診察
二 藥劑又ハ治療材料ノ支給
三 處置、手術其ノ他ノ治療
四 病院又ハ診療所ヘノ收容
五 看護
六 移送
前項第四號乃至第六號ノ給付ハ保險者ガ必要アリト認ムル場合ニ於テ爲スモノニ限ル但シ命令ヲ以テ定ムル場合ハ此ノ限ニ在ラズ
第四十三條ノ二 前條第一項第一號乃至第四號ノ給付ヲ受ケントスル者ハ命令ノ定ムル所ニ依リ保險醫及保險藥劑師竝ニ保險者ノ指定スル者ノ中自己ノ選定シタル者ニ就キ之ヲ受クルモノトス此ノ場合ニ於テハ勅令ヲ以テ定ムル場合ヲ除クノ外主務大臣ノ定ムル所ニ依リ一部負擔金ヲ支拂フベシ
第四十三條ノ三 保險醫又ハ保險藥劑師ハ勅令ノ定ムル所ニ依リ醫師、齒科醫師又ハ藥劑師ニ就キ行政官廳之ヲ指定ス
醫師、齒科醫師又ハ藥劑師ハ正當ノ理由ナクシテ保險醫又ハ保險藥劑師タルコトヲ拒ムコトヲ得ズ
醫師、齒科醫師又ハ藥劑師ヲ使用スル者ハ正當ノ理由ナクシテ其ノ醫師、齒科醫師又ハ藥劑師ガ保險醫又ハ保險藥劑師タルコトヲ妨グルコトヲ得ズ
第四十三條ノ四 保險醫及保險藥劑師ガ療養ノ給付ヲ擔當スルニ關シ必要ナル事項ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第四十三條ノ五 保險醫若ハ保險藥劑師又ハ之ヲ使用スル者ガ療養ノ給付ニ關シ保險者ニ請求スベキ費用ノ額ハ勅令ノ定ムル所ニ依ル
第四十四條ノ二 療養ノ給付ハ同一ノ疾病又ハ負傷及之ニ因リ發シタル疾病ニ關シ其ノ給付ヲ始メタル日ヨリ起算シ六月ヲ經過シタルトキハ之ヲ爲サズ
主務大臣ノ指定スル疾病ニ關シテハ保險者ハ勅令ノ定ムル所ニ依リ前項ノ期間ヲ超エ繼續シテ療養ノ給付ヲ爲スモノトス
第四十五條中「一日ニ付」ノ下ニ「職員ニシテ勅令ヲ以テ定ムルモノニ在リテハ報酬日額ノ百分ノ五十ニ相當スル金額ヲ、其ノ他ノ者ニ在リテハ」ヲ加フ
第四十六條中「病院」ヲ「病院又ハ診療所」ニ改ム
第四十七條第一項及第二項ヲ左ノ如ク改ム
傷病手當金ノ支給期間ハ同一ノ疾病又ハ負傷及之ニ因リ發シタル疾病ニ關シテハ療養ノ爲勞務ニ服スルコト能ハザルニ至リタル日ヨリ起算シ六月ヲ以テ限度トス
第四十四條ノ二第二項ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス
第四十八條第一項中「前條」ヲ「第四十四條ノ二」ニ改ム
第四十九條第一項中「報酬日額ノ三十日分」ヲ「報酬月額」ニ改ム
第五十條中「二十圓」ヲ「勅令ヲ以テ定ムル額」ニ改ム
第五十一條 保險者ハ被保險者ヲ產院ニ收容スルコトヲ得
產院又ハ病院若ハ診療所ニ收容シタル被保險者ニ對シテ支給スベキ分娩費及出產手當金ハ勅令ノ定ムル所ニ依リ之ヲ減額スルコトヲ得
第五十六條第一項中「九十日」ヲ「三月」ニ改ム
第五十七條ノ二 前三條ノ規定ニ拘ラズ被保險者タリシ者船員保險ノ被保險者又ハ勅令ヲ以テ定ムル者ト爲リタルトキハ保險給付ヲ爲サズ
第五十九條ノ二 第一條第二項ノ保險給付ニ關シ其ノ種類、範圍其ノ他必要ナル事項ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第六十一條中「傷病手當金ノ全部又ハ一部ヲ支給セサル」ヲ「保險給付ノ全部又ハ一部ヲ爲サザル」ニ改ム
第六十二條第二項中「病院、病舎又ハ療養所ニ收容セラレタル者ニ對シテハ」ヲ「療養費ノ支給又ハ療養アリタルトキハ其ノ限度ニ於テ」ニ改ム
同條第四項中「補給金ヲ支給スル」ヲ「保險給付ヲ爲ス」ニ改ム
第六十三條中「之ニ支給スヘキ傷病手當金ノ一部ヲ支給セサル」ヲ「之ニ爲スベキ保險給付ノ一部ヲ爲サザル」ニ改ム
第六十九條ノ二第一項中「世帶員」ヲ「被扶養者」ニ、同條第二項中「補給金」ヲ「保險給付」ニ改ム
第六十九條ノ三 保險者ハ勅令ノ定ムル所ニ依リ本章ニ規定スル保險給付ニ併セテ保險給付トシテ其ノ他ノ給付ヲ爲スコトヲ得
第七十條 國庫ハ勅令ノ定ムル所ニ依リ健康保險事業ニ要スル費用ノ一部ヲ負擔ス
第七十二條但書中「第二十條」ノ上ニ「第十五條ノ二又ハ」ヲ加フ
第七十四條第一項中「一日ニ付報酬日額」ヲ「一月ニ付報酬月額」ニ改メ同項但書ヲ左ノ如ク改ム
但シ被保險者タル資格ヲ喪失シタル月ニ於テ被保險者タル資格ヲ取得シタル者及第十五條ノ二又ハ第二十條ノ規定ニ依ル被保險者ニ付テハ此ノ限ニ在ラズ
第七十六條中「其ノ期間」ノ上ニ「勅令ノ定ムル所ニ依リ」ヲ加フ
第八十四條ノ二 第八十一條及前條ノ規定ニ依ル訴願又ハ行政訴訟ニ關シテハ健康保險組合ハ之ヲ行政廳ト看做ス
第八十七條 當該官吏又ハ其ノ職ニ在リタル者故ナク第九條ノ二ノ規定ニ依ル診療錄ノ檢査ニ關シ知得シタル醫師若ハ齒科醫師ノ業務上ノ祕密又ハ個人ノ祕密ヲ漏洩シタルトキハ六月以下ノ懲役又ハ五百圓以下ノ罰金ニ處ス
職務上前項ノ祕密ヲ知得シタル他ノ公務員又ハ公務員タリシ者故ナク其ノ祕密ヲ漏洩シタルトキ亦前項ニ同ジ
第九條ノ二ノ規定ニ依ル當該官吏ノ檢査ヲ拒ミ、妨ゲ又ハ忌避シタル者ハ五百圓以下ノ罰金又ハ科料ニ處ス
正當ノ理由ナクシテ第九條ノ規定ニ依ル當該官吏ノ質問ニ對シ答辯ヲ爲サズ若ハ虛僞ノ答辯ヲ爲シ又ハ其ノ檢査ヲ拒ミ、妨ゲ若ハ忌避シタル者ハ三百圓以下ノ罰金ニ處ス
第九十條第一項中「健康保險組合」ノ下ニ「及健康保險組合聯合會」ヲ、「第三十七條」ノ下ニ「(第四十二條ノ二第五項ノ規定ニ依リ準用スル場合ヲ含ム)」ヲ加フ
附 則
本法施行ノ期日ハ各規定ニ付勅令ヲ以テ之ヲ定ム
職員健康保險法ハ之ヲ廢止ス
前項ノ規定施行前ノ職員健康保險ノ保險給付及保險料其ノ他ノ徵收金ニ關シテハ仍舊法ニ依ル
第二項ノ規定施行ノ際現ニ存スル職員健康保險組合ハ同規定施行ノ日ヨリ健康保險組合ト爲リ職員健康保險組合ノ權利義務ヲ承繼スルモノトス
第二項ノ規定施行ノ際現ニ職員健康保險ノ被保險者タル者ハ命令ノ定ムル所ニ依リ健康保險ノ被保險者ト爲リタルモノトス
第二項ノ規定施行ノ際現ニ職員健康保險ノ被保險者タリシ者ニシテ健康保險ノ被保險者ト爲リタルモノノ受クル健康保險ノ保險給付ニ關シテハ其ノ者ガ職員健康保險ノ被保險者タリシ期間ハ健康保險ノ被保險者タリシ期間ト看做シ其ノ者ガ職員健康保險ノ被保險者トシテ保險給付ヲ受ケタル期間ハ健康保險ノ被保險者トシテ之ニ相當スル保險給付ヲ受ケタル期間ト看做ス
第二項ノ規定施行前職員健康保險ノ被保險者ノ資格ヲ喪失シタル者ハ健康保險ノ保險給付及徵收金ニ關シテハ健康保險ノ被保險者タリシ者ト看做シ其ノ者ガ職員健康保險ノ被保險者トシテ受ケタル保險給付ハ健康保險ノ被保險者トシテ受ケタル之ニ相當スル保險給付ト看做ス
第二項ノ規定施行前職員健康保險法ニ違反シタル者ノ處罰ニ付テハ仍舊法ニ依ル
前六項ニ定ムルモノノ外第二項ノ規定施行ノ際必要ナル事項ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
勞働者年金保險法中左ノ通改正ス
第十六條及第十八條中「工場、事業場又ハ事業」ヲ「事業所」ニ改ム
第十七條第一項中第二號ヲ左ノ如ク改メ第三號及第四號ヲ削ル
二 健康保險法第十三條ノ事業所以外ノ事業所ニ使用セラルル者
第十八條中第三號ヲ左ノ如ク改ム
三 前條第一項第二號ノ事業所ト爲ルニ至リタルトキ
第二十四條第三項、第三十二條第二項及第三十七條第二項中「工場、事業場若ハ事業」ヲ「事業所」ニ改ム
朕帝国議会ノ協賛ヲ経タル健康保険法中改正法律ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十七年二月二十日
内閣総理大臣 東条英機
厚生大臣 小泉親彦
法律第三十八号
健康保険法中左ノ通改正ス
第一条第一項中「療養ノ給付又ハ傷病手当金、埋葬料、分娩費若ハ出産手当金ノ支給」ヲ「保険給付」ニ改メ同条第二項ヲ左ノ如ク改ム
保険者ハ勅令ノ定ムル所ニ依リ被保険者ニ依リ生計ヲ維持スル者(以下被扶養者ト称ス)ノ疾病、負傷又ハ分娩ニ関シ保険給付ヲ為スモノトス
第二条第一項中「事業主ヨリ」ヲ削ル
第七条第二項中「補給金ヲ支給スル」ヲ「保険給付ヲ為ス」ニ、「世帯員」ヲ「被扶養者」ニ改ム
第九条ノ二 行政官庁保険給付ニ関シ必要アリト認ムルトキハ命令ノ定ムル所ニ依リ当該官吏ヲシテ診療録其ノ他ノ帳簿書類ヲ検査セシムルコトヲ得
第十二条中「政府」ヲ「国、北海道、府県、市町村其ノ他之ニ準ズベキモノ」ニ改ム
第十三条 左ノ各号ノ一ニ該当スル事業所ニ使用セラルル者ハ健康保険ノ被保険者トス
一 工場法第一条ノ規定ニ依リ同法ノ適用ヲ受クル工場
二 鉱業法ノ適用ヲ受クル事業場又ハ工場
三 法人又ハ命令ヲ以テ定ムル団体ノ事務所ニシテ常時五人以上ノ従業員ヲ使用スルモノ
四 左ニ掲グル事業ノ事業所ニシテ常時五人以上ノ従業員ヲ使用スルモノ
(イ) 物ノ製造、加工、選別、包装、修理又ハ解体ノ事業
(ロ) 鉱物ノ採掘又ハ採取ノ事業
(ハ) 電気又ハ動力ノ発生、伝導又ハ供給ノ事業
(ニ) 貨物又ハ旅客ノ運送ノ事業
(ホ) 貨物積卸ノ事業
(ヘ) 物ノ販売ノ事業
(ト) 金融又ハ保険ノ事業
(チ) 物ノ保管又ハ賃貸ノ事業
(リ) 媒介周旋ノ事業
(ヌ) 集金、案内又ハ広告ノ事業
(ル) 其ノ他勅令ヲ以テ指定スル事業
第十三条ノ二 前条ノ規定ニ拘ラズ左ノ各号ノ一ニ該当スル者ハ健康保険ノ被保険者トセズ
一 船員保険ノ被保険者(勅令ヲ以テ指定スル者ヲ除ク)
二 一年ノ報酬ガ勅令ヲ以テ定ムル額ヲ超ユル職員
三 臨時ニ使用セラルル者ニシテ勅令ヲ以テ指定スルモノ
四 前各号ニ掲グル者ノ外勅令ヲ以テ指定スル者
前条ノ規定ニ依リ健康保険ノ被保険者タルベキ者ニシテ勅令ヲ以テ定ムルモノ国民健康保険ノ被保険者タル期間ハ之ヲ健康保険ノ被保険者トセズ
第十四条 第十三条ニ規定スル事業所以外ノ事業所ノ事業主ハ主務大臣ノ認可ヲ受ケ其ノ事業所ニ使用セラルル者ヲ包括シテ健康保険ノ被保険者ト為スコトヲ得
前項ノ認可ヲ申請スルニハ被保険者ト為ルベキ者ノ二分ノ一以上ノ同意ヲ得ルコトヲ要ス
第十五条第一項中「事業」ヲ「事業所」ニ、同条第二項中「第十三条但書」ヲ「第十三条ノ二」ニ改ム
第十五条ノ二 健康保険ノ被保険者ヲ使用スル事業所ノ事業主ハ主務大臣ノ認可ヲ受ケ其ノ事業所ニ使用セラルル第十三条ノ二第一項第二号ニ該当スル者ヲ包括シテ健康保険ノ被保険者ト為スコトヲ得
第十三条ノ二(第一項第二号ヲ除ク)、第十四条第二項及前条第一項ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス
第十六条中「工場又ハ事業」ヲ「事業所」ニ改ム
第十七条第一項中「第十三条及第十五条」ヲ「第十三条、第十五条及第十五条ノ二」ニ、「第十三条但書若ハ第十五条第二項」ヲ「第十三条ノ二、第十五条第二項若ハ第十五条ノ二第二項」ニ改メ同条第二項ヲ削ル
第十八条中「第十三条及第十五条」ヲ「第十三条、第十五条及第十五条ノ二」ニ、「第十三条但書若ハ第十五条第二項」ヲ「第十三条ノ二、第十五条第二項若ハ第十五条ノ二第二項」ニ、「前条第一項」ヲ「前条」ニ改ム
第十九条第一項中「第十五条」ノ下ニ「又ハ第十五条ノ二」ヲ加フ
第二十条 第十八条ノ規定ニ依リ被保険者ノ資格ヲ喪失シタル者ニシテ喪失ノ日前二月以上被保険者タリシモノハ勅令ノ定ムル所ニ依リ継続シテ被保険者ト為ルコトヲ得
第二十一条 前条ノ規定ニ依ル被保険者ハ同条ノ規定ニ依リ被保険者ト為リタル日ヨリ六月ヲ経過シタルトキ其ノ他勅令ヲ以テ定ムル事由ニ該当スルニ至リタルトキハ其ノ資格ヲ喪失ス
第十八条ノ規定ハ前条ノ規定ニ依ル被保険者ガ死亡シタル場合ニ之ヲ準用ス
第二十三条 保険者ハ被保険者及被扶養者ノ疾病若ハ負傷ノ療養又ハ被保険者及被扶養者ノ健康ノ保持増進ノ為必要ナル施設ヲ為シ又ハ之ニ必要ナル費用ノ支出ヲ為スコトヲ得
第二十三条ノ二第一項中「被保険者」ヲ「被保険者及被扶養者」ニ、「保険者ノ施設」ヲ「前条ノ施設」ニ改ム
第二十七条乃至第二十九条及第三十五条中「事業」ヲ「事業所」ニ改ム
第三十条中「第十四条第一項」ノ下ニ「又ハ第十五条ノ二第一項」ヲ加フ
第三十一条中「一事業」ヲ「一又ハ二以上ノ事業所」ニ改ム
第三十三条 削除
第三十七条ノ二 主務大臣ハ健康保険組合ニ対シ命令ノ定ムル所ニ依リ第二十三条ノ施設ヲ為スコトヲ命ジ又ハ之ニ必要ナル費用ノ支出ヲ命ズルコトヲ得
第四十二条中「業務」ヲ「事業所」ニ改ム
第四十二条ノ二 健康保険組合ハ共同シテ其ノ目的ヲ達スル為健康保険組合連合会ヲ設立スルコトヲ得
健康保険組合連合会ハ法人トス
健康保険組合連合会ヲ設立セントスルトキハ規約ヲ作リ主務大臣ノ認可ヲ受クベシ
主務大臣ハ健康保険組合ニ対シ健康保険組合連合会ニ加入スルコトヲ命ズルコトヲ得
第二十三条、第二十三条ノ二、第三十四条、第三十六条乃至第三十九条及第四十一条ノ規定ハ健康保険組合連合会ニ之ヲ準用ス
第四十三条 被保険者ノ疾病又ハ負傷ニ関シテハ左ニ掲グル療養ノ給付ヲ為ス
一 診察
二 薬剤又ハ治療材料ノ支給
三 処置、手術其ノ他ノ治療
四 病院又ハ診療所ヘノ収容
五 看護
六 移送
前項第四号乃至第六号ノ給付ハ保険者ガ必要アリト認ムル場合ニ於テ為スモノニ限ル但シ命令ヲ以テ定ムル場合ハ此ノ限ニ在ラズ
第四十三条ノ二 前条第一項第一号乃至第四号ノ給付ヲ受ケントスル者ハ命令ノ定ムル所ニ依リ保険医及保険薬剤師並ニ保険者ノ指定スル者ノ中自己ノ選定シタル者ニ就キ之ヲ受クルモノトス此ノ場合ニ於テハ勅令ヲ以テ定ムル場合ヲ除クノ外主務大臣ノ定ムル所ニ依リ一部負担金ヲ支払フベシ
第四十三条ノ三 保険医又ハ保険薬剤師ハ勅令ノ定ムル所ニ依リ医師、歯科医師又ハ薬剤師ニ就キ行政官庁之ヲ指定ス
医師、歯科医師又ハ薬剤師ハ正当ノ理由ナクシテ保険医又ハ保険薬剤師タルコトヲ拒ムコトヲ得ズ
医師、歯科医師又ハ薬剤師ヲ使用スル者ハ正当ノ理由ナクシテ其ノ医師、歯科医師又ハ薬剤師ガ保険医又ハ保険薬剤師タルコトヲ妨グルコトヲ得ズ
第四十三条ノ四 保険医及保険薬剤師ガ療養ノ給付ヲ担当スルニ関シ必要ナル事項ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第四十三条ノ五 保険医若ハ保険薬剤師又ハ之ヲ使用スル者ガ療養ノ給付ニ関シ保険者ニ請求スベキ費用ノ額ハ勅令ノ定ムル所ニ依ル
第四十四条ノ二 療養ノ給付ハ同一ノ疾病又ハ負傷及之ニ因リ発シタル疾病ニ関シ其ノ給付ヲ始メタル日ヨリ起算シ六月ヲ経過シタルトキハ之ヲ為サズ
主務大臣ノ指定スル疾病ニ関シテハ保険者ハ勅令ノ定ムル所ニ依リ前項ノ期間ヲ超エ継続シテ療養ノ給付ヲ為スモノトス
第四十五条中「一日ニ付」ノ下ニ「職員ニシテ勅令ヲ以テ定ムルモノニ在リテハ報酬日額ノ百分ノ五十ニ相当スル金額ヲ、其ノ他ノ者ニ在リテハ」ヲ加フ
第四十六条中「病院」ヲ「病院又ハ診療所」ニ改ム
第四十七条第一項及第二項ヲ左ノ如ク改ム
傷病手当金ノ支給期間ハ同一ノ疾病又ハ負傷及之ニ因リ発シタル疾病ニ関シテハ療養ノ為労務ニ服スルコト能ハザルニ至リタル日ヨリ起算シ六月ヲ以テ限度トス
第四十四条ノ二第二項ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス
第四十八条第一項中「前条」ヲ「第四十四条ノ二」ニ改ム
第四十九条第一項中「報酬日額ノ三十日分」ヲ「報酬月額」ニ改ム
第五十条中「二十円」ヲ「勅令ヲ以テ定ムル額」ニ改ム
第五十一条 保険者ハ被保険者ヲ産院ニ収容スルコトヲ得
産院又ハ病院若ハ診療所ニ収容シタル被保険者ニ対シテ支給スベキ分娩費及出産手当金ハ勅令ノ定ムル所ニ依リ之ヲ減額スルコトヲ得
第五十六条第一項中「九十日」ヲ「三月」ニ改ム
第五十七条ノ二 前三条ノ規定ニ拘ラズ被保険者タリシ者船員保険ノ被保険者又ハ勅令ヲ以テ定ムル者ト為リタルトキハ保険給付ヲ為サズ
第五十九条ノ二 第一条第二項ノ保険給付ニ関シ其ノ種類、範囲其ノ他必要ナル事項ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第六十一条中「傷病手当金ノ全部又ハ一部ヲ支給セサル」ヲ「保険給付ノ全部又ハ一部ヲ為サザル」ニ改ム
第六十二条第二項中「病院、病舎又ハ療養所ニ収容セラレタル者ニ対シテハ」ヲ「療養費ノ支給又ハ療養アリタルトキハ其ノ限度ニ於テ」ニ改ム
同条第四項中「補給金ヲ支給スル」ヲ「保険給付ヲ為ス」ニ改ム
第六十三条中「之ニ支給スヘキ傷病手当金ノ一部ヲ支給セサル」ヲ「之ニ為スベキ保険給付ノ一部ヲ為サザル」ニ改ム
第六十九条ノ二第一項中「世帯員」ヲ「被扶養者」ニ、同条第二項中「補給金」ヲ「保険給付」ニ改ム
第六十九条ノ三 保険者ハ勅令ノ定ムル所ニ依リ本章ニ規定スル保険給付ニ併セテ保険給付トシテ其ノ他ノ給付ヲ為スコトヲ得
第七十条 国庫ハ勅令ノ定ムル所ニ依リ健康保険事業ニ要スル費用ノ一部ヲ負担ス
第七十二条但書中「第二十条」ノ上ニ「第十五条ノ二又ハ」ヲ加フ
第七十四条第一項中「一日ニ付報酬日額」ヲ「一月ニ付報酬月額」ニ改メ同項但書ヲ左ノ如ク改ム
但シ被保険者タル資格ヲ喪失シタル月ニ於テ被保険者タル資格ヲ取得シタル者及第十五条ノ二又ハ第二十条ノ規定ニ依ル被保険者ニ付テハ此ノ限ニ在ラズ
第七十六条中「其ノ期間」ノ上ニ「勅令ノ定ムル所ニ依リ」ヲ加フ
第八十四条ノ二 第八十一条及前条ノ規定ニ依ル訴願又ハ行政訴訟ニ関シテハ健康保険組合ハ之ヲ行政庁ト看做ス
第八十七条 当該官吏又ハ其ノ職ニ在リタル者故ナク第九条ノ二ノ規定ニ依ル診療録ノ検査ニ関シ知得シタル医師若ハ歯科医師ノ業務上ノ秘密又ハ個人ノ秘密ヲ漏洩シタルトキハ六月以下ノ懲役又ハ五百円以下ノ罰金ニ処ス
職務上前項ノ秘密ヲ知得シタル他ノ公務員又ハ公務員タリシ者故ナク其ノ秘密ヲ漏洩シタルトキ亦前項ニ同ジ
第九条ノ二ノ規定ニ依ル当該官吏ノ検査ヲ拒ミ、妨ゲ又ハ忌避シタル者ハ五百円以下ノ罰金又ハ科料ニ処ス
正当ノ理由ナクシテ第九条ノ規定ニ依ル当該官吏ノ質問ニ対シ答弁ヲ為サズ若ハ虚偽ノ答弁ヲ為シ又ハ其ノ検査ヲ拒ミ、妨ゲ若ハ忌避シタル者ハ三百円以下ノ罰金ニ処ス
第九十条第一項中「健康保険組合」ノ下ニ「及健康保険組合連合会」ヲ、「第三十七条」ノ下ニ「(第四十二条ノ二第五項ノ規定ニ依リ準用スル場合ヲ含ム)」ヲ加フ
附 則
本法施行ノ期日ハ各規定ニ付勅令ヲ以テ之ヲ定ム
職員健康保険法ハ之ヲ廃止ス
前項ノ規定施行前ノ職員健康保険ノ保険給付及保険料其ノ他ノ徴収金ニ関シテハ仍旧法ニ依ル
第二項ノ規定施行ノ際現ニ存スル職員健康保険組合ハ同規定施行ノ日ヨリ健康保険組合ト為リ職員健康保険組合ノ権利義務ヲ承継スルモノトス
第二項ノ規定施行ノ際現ニ職員健康保険ノ被保険者タル者ハ命令ノ定ムル所ニ依リ健康保険ノ被保険者ト為リタルモノトス
第二項ノ規定施行ノ際現ニ職員健康保険ノ被保険者タリシ者ニシテ健康保険ノ被保険者ト為リタルモノノ受クル健康保険ノ保険給付ニ関シテハ其ノ者ガ職員健康保険ノ被保険者タリシ期間ハ健康保険ノ被保険者タリシ期間ト看做シ其ノ者ガ職員健康保険ノ被保険者トシテ保険給付ヲ受ケタル期間ハ健康保険ノ被保険者トシテ之ニ相当スル保険給付ヲ受ケタル期間ト看做ス
第二項ノ規定施行前職員健康保険ノ被保険者ノ資格ヲ喪失シタル者ハ健康保険ノ保険給付及徴収金ニ関シテハ健康保険ノ被保険者タリシ者ト看做シ其ノ者ガ職員健康保険ノ被保険者トシテ受ケタル保険給付ハ健康保険ノ被保険者トシテ受ケタル之ニ相当スル保険給付ト看做ス
第二項ノ規定施行前職員健康保険法ニ違反シタル者ノ処罰ニ付テハ仍旧法ニ依ル
前六項ニ定ムルモノノ外第二項ノ規定施行ノ際必要ナル事項ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
労働者年金保険法中左ノ通改正ス
第十六条及第十八条中「工場、事業場又ハ事業」ヲ「事業所」ニ改ム
第十七条第一項中第二号ヲ左ノ如ク改メ第三号及第四号ヲ削ル
二 健康保険法第十三条ノ事業所以外ノ事業所ニ使用セラルル者
第十八条中第三号ヲ左ノ如ク改ム
三 前条第一項第二号ノ事業所ト為ルニ至リタルトキ
第二十四条第三項、第三十二条第二項及第三十七条第二項中「工場、事業場若ハ事業」ヲ「事業所」ニ改ム