臨時農地等管理令
法令番号: 勅令第百十四號
公布年月日: 昭和16年2月1日
法令の形式: 勅令
朕臨時農地等管理令ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十六年一月三十一日
內閣總理大臣 公爵 近衞文麿
拓務大臣 秋田淸
大藏大臣 河田烈
農林大臣 石黑忠篤
勅令第百十四號
臨時農地等管理令
第一條 國家總動員法(昭和十三年勅令第三百十七號ニ於テ依ル場合ヲ含ム以下同ジ)第十三條第一項及第三項ノ規定ニ依ル食糧農產物等ノ生產ヲ確保スル爲ニ爲ス農地又ハ耕作ノ目的ニ供スルコトヲ得ル土地ノ管理ニ付テハ本令ノ定ムル所ニ依ル
第二條 本令ニ於テ農地トハ耕作ノ目的ニ供セラルル土地ヲ謂フ
第三條 農地ノ所有者、賃借人、永小作人其ノ他權原ニ基キ農地ヲ耕作スルコトヲ得ル者(以下權利者ト稱ス)其ノ農地ヲ耕作以外ノ目的ニ供セントスルトキハ農林大臣ノ定ムル所ニ依リ地方長官(農林大臣特ニ定メタルトキハ農林大臣)ノ許可ヲ受クベシ
前項ノ許可ニハ條件ヲ附スルコトヲ得
第四條 前條ノ規定ハ左ノ各號ノ一ニ該當スル場合ニハ之ヲ適用セズ
一 國又ハ道府縣ガ權利者タル場合
二 主務大臣又ハ地方長官ノ命令、免許、許可、認可其ノ他ノ處分ニシテ農林大臣ノ定ムルモノニ依リテ爲ス工事又ハ施設ノ爲ニ農地ヲ使用スル場合
三 土地收用法其ノ他ノ法令ニ依リ農地又ハ之ニ關スル權利ヲ收用又ハ使用シタル場合ニ於テ當該收用又ハ使用ニ係ル農地ヲ其ノ目的ニ供スル場合
四 第五條ノ規定ニ依ル許可ニ係ル農地ヲ其ノ目的ニ供スル場合
五 前各號ノ外農林大臣ノ定ムル場合
第五條 農地ヲ耕作以外ノ目的ニ供スル爲其ノ所有權、賃借權、地上權其ノ他ノ權利ヲ取得セントスル者ハ農林大臣ノ定ムル所ニ依リ地方長官(農林大臣特ニ定メタルトキハ農林大臣)ノ許可ヲ受クベシ
前項ノ許可ニハ條件ヲ附スルコトヲ得
第六條 前條ノ規定ハ左ノ各號ノ一ニ該當スル場合ニハ之ヲ適用セズ
一 國又ハ道府縣ガ農地ノ所有權、賃借權、地上權其ノ他ノ權利ヲ取得セントスル場合
二 主務大臣又ハ地方長官ノ命令、免許、許可、認可其ノ他ノ處分ニシテ農林大臣ノ定ムルモノニ依リテ爲ス工事又ハ施設ノ爲ニ農地ノ所有權、賃借權、地上權其ノ他ノ權利ヲ取得セントスル場合
三 土地收用法其ノ他ノ法令ニ依リ農地又ハ之ニ關スル權利ヲ收用又ハ使用セントスル場合
四 前各號ノ外農林大臣ノ定ムル場合
第七條 左ノ各號ノ一ニ該當スル場合ニ於テ農地ノ面積五千坪ヲ超ユルトキハ農林大臣ノ定ムル所ニ依リ主務大臣ニ在リテハ農林大臣ト協議シ、其ノ他ニ在リテハ其ノ事項ノ主務大臣ヲ經由シ農林大臣ノ承認ヲ受クベシ但シ軍機保護上支障アル事項ニ付テハ此ノ限ニ在ラズ
一 行政廳國ガ權利者タル農地ヲ耕作以外ノ目的ニ供セントスル場合
二 行政廳國ノ事業又ハ施設ニ關シ農地ヲ耕作以外ノ目的ニ供スル爲農地ノ所有權、賃借權、地上權其ノ他ノ權利ヲ取得セントスル場合
三 行政官廳土地收用法其ノ他ノ法令ニ依リ農地ヲ耕作以外ノ目的ニ供スル爲農地又ハ之ニ關スル權利ノ收用又ハ使用ニ付事業ノ認定ヲ爲シ又ハ許可ヲ爲サントスル場合
四 主務大臣又ハ地方長官第四條第二號又ハ第六條第二號ニ規定スル命令、免許、許可、認可其ノ他ノ處分ヲ爲サントスル場合
左ノ各號ノ一ニ該當スル場合ニ於テ農地ノ面積五千坪ヲ超ユルトキハ北海道廳長官又ハ府縣知事ハ農林大臣ノ定ムル事項ニ付農林大臣ノ承認ヲ受クベシ
一 道府縣ガ權利者タル農地ヲ道府縣ガ耕作以外ノ目的ニ供セントスル場合
二 道府縣其ノ事業又ハ施設ニ關シ農地ヲ耕作以外ノ目的ニ供スル爲農地ノ所有權、賃借權、地上權其ノ他ノ權利ヲ取得セントスル場合
前二項ノ規定ニ依ル協議又ハ承認ハ農林大臣ノ定ムル場合ニハ之ヲ要セズ
第八條 地方長官必要アリト認ムルトキハ道府縣農地委員會又ハ市町村農地委員會ヲシテ農地ノ權利者ニ對シ其ノ農地ノ耕作ニ關シ勸吿セシムルコトヲ得
地方長官必要アリト認ムルトキハ農地ノ權利者ニ對シ其ノ農地ヲ地方長官ノ適當ト認ムル者ヲシテ耕作セシムル爲賃貸其ノ他必要ナル措置ヲ命ズルコトヲ得
前項ノ命令アリタル場合ニ於テハ農地ノ權利者ハ賃貸料其ノ他ノ事項ニ關シ前項ノ者ト協議スベシ協議調ハズ又ハ協議ヲ爲スコト能ハザルトキハ地方長官ノ裁定スル所ニ依ルベシ
第九條 前條ノ規定ハ耕作ノ目的ニ供スルコトヲ得ル土地ニシテ命令ヲ以テ定ムルモノニ付之ヲ準用ス
第十條 農林大臣又ハ地方長官必要アリト認ムルトキハ農地ノ權利者ニ對シ一般的ニ農作物ノ種類、地域其ノ他ノ事項ヲ指定シテ作付ヲ制限又ハ禁止スルコトヲ得
地方長官必要アリト認ムルトキハ農林大臣ノ定ムル所ニ依リ特定ノ農地ノ權利者ニ對シ農作物ノ種類其ノ他ノ事項ヲ指定シテ作付ヲ命ズルコトヲ得
第十一條 農林大臣又ハ地方長官ハ第三條若ハ第五條ノ規定ニ依ル許可ニ關スル處分又ハ第八條第二項(第九條ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)ノ規定ニ依ル命令ニシテ事案ノ重要ナルモノニ付テハ道府縣農地委員會ノ意見ヲ聽キ之ヲ爲スコトヲ要ス
前條ノ規定ニ依ル命令ニシテ事案ノ重要ナルモノニ付テハ農林大臣ニ在リテハ農林計畫委員會、地方長官ニ在リテハ道府縣農會其ノ他地方長官ノ適當ト認ムルモノノ意見ヲ聽キ之ヲ爲スコトヲ要ス
第十二條 何等ノ名義ヲ以テスルヲ問ハズ第三條又ハ第五條ノ制限ヲ免ルル行爲ヲ爲スコトヲ得ズ
第十三條 國家總動員法第二十七條ノ規定ニ基キ補償スベキ損失ハ第十條第二項ノ規定ニ依ル處分ニ因ル通常生ズベキ損失トス
損失ノ補償ヲ請求セントスル者ハ農林大臣ノ定ムル所ニ依リ之ヲ請求スベシ
第十四條 行政官廳必要アリト認ムルトキハ國家總動員法第三十一條ノ規定ニ基キ農地若ハ耕作ノ目的ニ供スルコトヲ得ル土地ニ關シ報吿ヲ徵シ又ハ當該官吏ヲシテ農地若ハ耕作ノ目的ニ供スルコトヲ得ル土地其ノ他必要ナル場所ニ臨檢シ其ノ狀況若ハ帳簿書類其ノ他ノ物件ヲ檢査セシムルコトヲ得
前項ノ規定ニ依リ當該官吏ヲシテ臨檢檢査セシムル場合ニ於テハ其ノ身分ヲ示ス證票ヲ携帶セシムベシ
第十五條 第八條乃至第十條ノ規定又ハ之ニ基ク命令ニ依リ爲シタル手續其ノ他ノ行爲ハ農地又ハ耕作ノ目的ニ供スルコトヲ得ル土地ノ權利者ノ承繼人ニ對シテモ其ノ效力ヲ有ス
第十六條 第七條第一項及第二項中五千坪トアルハ臺灣ニ在リテハ一甲トス
第八條第一項中道府縣農地委員會又ハ市町村農地委員會トアルハ朝鮮ニ在リテハ府尹又ハ邑面長、臺灣ニ在リテハ市長又ハ街庄長、樺太ニ在リテハ支廳長又ハ市町村長、南洋群島ニ在リテハ支廳長トス
第十一條ノ規定ハ朝鮮、臺灣、樺太及南洋群島ニハ之ヲ適用セズ
本令中主務大臣トアルハ朝鮮總督、臺灣總督、樺太廳長官又ハ南洋廳長官ノ所管事項ニ關シテハ朝鮮ニ在リテハ朝鮮總督、臺灣ニ在リテハ臺灣總督、樺太ニ在リテハ樺太廳長官、南洋群島ニ在リテハ南洋廳長官トス
本令中農林大臣トアルハ朝鮮ニ在リテハ朝鮮總督、臺灣ニ在リテハ臺灣總督、樺太ニ在リテハ樺太廳長官、南洋群島ニ在リテハ南洋廳長官トシ地方長官トアリ又ハ北海道廳長官又ハ府縣知事トアルハ朝鮮ニ在リテハ道知事、臺灣ニ在リテハ州知事又ハ廳長、樺太ニ在リテハ樺太廳長官、南洋群島ニ在リテハ南洋廳長官トシ道府縣トアルハ朝鮮ニ在リテハ道、臺灣ニ在リテハ州又ハ廳、南洋群島ニ在リテハ南洋群島地方費トス
附 則
本令ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス但シ朝鮮、臺灣、樺太及南洋群島ニ在リテハ昭和十六年二月二十日ヨリ之ヲ施行ス
朕臨時農地等管理令ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十六年一月三十一日
内閣総理大臣 公爵 近衛文麿
拓務大臣 秋田清
大蔵大臣 河田烈
農林大臣 石黒忠篤
勅令第百十四号
臨時農地等管理令
第一条 国家総動員法(昭和十三年勅令第三百十七号ニ於テ依ル場合ヲ含ム以下同ジ)第十三条第一項及第三項ノ規定ニ依ル食糧農産物等ノ生産ヲ確保スル為ニ為ス農地又ハ耕作ノ目的ニ供スルコトヲ得ル土地ノ管理ニ付テハ本令ノ定ムル所ニ依ル
第二条 本令ニ於テ農地トハ耕作ノ目的ニ供セラルル土地ヲ謂フ
第三条 農地ノ所有者、賃借人、永小作人其ノ他権原ニ基キ農地ヲ耕作スルコトヲ得ル者(以下権利者ト称ス)其ノ農地ヲ耕作以外ノ目的ニ供セントスルトキハ農林大臣ノ定ムル所ニ依リ地方長官(農林大臣特ニ定メタルトキハ農林大臣)ノ許可ヲ受クベシ
前項ノ許可ニハ条件ヲ附スルコトヲ得
第四条 前条ノ規定ハ左ノ各号ノ一ニ該当スル場合ニハ之ヲ適用セズ
一 国又ハ道府県ガ権利者タル場合
二 主務大臣又ハ地方長官ノ命令、免許、許可、認可其ノ他ノ処分ニシテ農林大臣ノ定ムルモノニ依リテ為ス工事又ハ施設ノ為ニ農地ヲ使用スル場合
三 土地収用法其ノ他ノ法令ニ依リ農地又ハ之ニ関スル権利ヲ収用又ハ使用シタル場合ニ於テ当該収用又ハ使用ニ係ル農地ヲ其ノ目的ニ供スル場合
四 第五条ノ規定ニ依ル許可ニ係ル農地ヲ其ノ目的ニ供スル場合
五 前各号ノ外農林大臣ノ定ムル場合
第五条 農地ヲ耕作以外ノ目的ニ供スル為其ノ所有権、賃借権、地上権其ノ他ノ権利ヲ取得セントスル者ハ農林大臣ノ定ムル所ニ依リ地方長官(農林大臣特ニ定メタルトキハ農林大臣)ノ許可ヲ受クベシ
前項ノ許可ニハ条件ヲ附スルコトヲ得
第六条 前条ノ規定ハ左ノ各号ノ一ニ該当スル場合ニハ之ヲ適用セズ
一 国又ハ道府県ガ農地ノ所有権、賃借権、地上権其ノ他ノ権利ヲ取得セントスル場合
二 主務大臣又ハ地方長官ノ命令、免許、許可、認可其ノ他ノ処分ニシテ農林大臣ノ定ムルモノニ依リテ為ス工事又ハ施設ノ為ニ農地ノ所有権、賃借権、地上権其ノ他ノ権利ヲ取得セントスル場合
三 土地収用法其ノ他ノ法令ニ依リ農地又ハ之ニ関スル権利ヲ収用又ハ使用セントスル場合
四 前各号ノ外農林大臣ノ定ムル場合
第七条 左ノ各号ノ一ニ該当スル場合ニ於テ農地ノ面積五千坪ヲ超ユルトキハ農林大臣ノ定ムル所ニ依リ主務大臣ニ在リテハ農林大臣ト協議シ、其ノ他ニ在リテハ其ノ事項ノ主務大臣ヲ経由シ農林大臣ノ承認ヲ受クベシ但シ軍機保護上支障アル事項ニ付テハ此ノ限ニ在ラズ
一 行政庁国ガ権利者タル農地ヲ耕作以外ノ目的ニ供セントスル場合
二 行政庁国ノ事業又ハ施設ニ関シ農地ヲ耕作以外ノ目的ニ供スル為農地ノ所有権、賃借権、地上権其ノ他ノ権利ヲ取得セントスル場合
三 行政官庁土地収用法其ノ他ノ法令ニ依リ農地ヲ耕作以外ノ目的ニ供スル為農地又ハ之ニ関スル権利ノ収用又ハ使用ニ付事業ノ認定ヲ為シ又ハ許可ヲ為サントスル場合
四 主務大臣又ハ地方長官第四条第二号又ハ第六条第二号ニ規定スル命令、免許、許可、認可其ノ他ノ処分ヲ為サントスル場合
左ノ各号ノ一ニ該当スル場合ニ於テ農地ノ面積五千坪ヲ超ユルトキハ北海道庁長官又ハ府県知事ハ農林大臣ノ定ムル事項ニ付農林大臣ノ承認ヲ受クベシ
一 道府県ガ権利者タル農地ヲ道府県ガ耕作以外ノ目的ニ供セントスル場合
二 道府県其ノ事業又ハ施設ニ関シ農地ヲ耕作以外ノ目的ニ供スル為農地ノ所有権、賃借権、地上権其ノ他ノ権利ヲ取得セントスル場合
前二項ノ規定ニ依ル協議又ハ承認ハ農林大臣ノ定ムル場合ニハ之ヲ要セズ
第八条 地方長官必要アリト認ムルトキハ道府県農地委員会又ハ市町村農地委員会ヲシテ農地ノ権利者ニ対シ其ノ農地ノ耕作ニ関シ勧告セシムルコトヲ得
地方長官必要アリト認ムルトキハ農地ノ権利者ニ対シ其ノ農地ヲ地方長官ノ適当ト認ムル者ヲシテ耕作セシムル為賃貸其ノ他必要ナル措置ヲ命ズルコトヲ得
前項ノ命令アリタル場合ニ於テハ農地ノ権利者ハ賃貸料其ノ他ノ事項ニ関シ前項ノ者ト協議スベシ協議調ハズ又ハ協議ヲ為スコト能ハザルトキハ地方長官ノ裁定スル所ニ依ルベシ
第九条 前条ノ規定ハ耕作ノ目的ニ供スルコトヲ得ル土地ニシテ命令ヲ以テ定ムルモノニ付之ヲ準用ス
第十条 農林大臣又ハ地方長官必要アリト認ムルトキハ農地ノ権利者ニ対シ一般的ニ農作物ノ種類、地域其ノ他ノ事項ヲ指定シテ作付ヲ制限又ハ禁止スルコトヲ得
地方長官必要アリト認ムルトキハ農林大臣ノ定ムル所ニ依リ特定ノ農地ノ権利者ニ対シ農作物ノ種類其ノ他ノ事項ヲ指定シテ作付ヲ命ズルコトヲ得
第十一条 農林大臣又ハ地方長官ハ第三条若ハ第五条ノ規定ニ依ル許可ニ関スル処分又ハ第八条第二項(第九条ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)ノ規定ニ依ル命令ニシテ事案ノ重要ナルモノニ付テハ道府県農地委員会ノ意見ヲ聴キ之ヲ為スコトヲ要ス
前条ノ規定ニ依ル命令ニシテ事案ノ重要ナルモノニ付テハ農林大臣ニ在リテハ農林計画委員会、地方長官ニ在リテハ道府県農会其ノ他地方長官ノ適当ト認ムルモノノ意見ヲ聴キ之ヲ為スコトヲ要ス
第十二条 何等ノ名義ヲ以テスルヲ問ハズ第三条又ハ第五条ノ制限ヲ免ルル行為ヲ為スコトヲ得ズ
第十三条 国家総動員法第二十七条ノ規定ニ基キ補償スベキ損失ハ第十条第二項ノ規定ニ依ル処分ニ因ル通常生ズベキ損失トス
損失ノ補償ヲ請求セントスル者ハ農林大臣ノ定ムル所ニ依リ之ヲ請求スベシ
第十四条 行政官庁必要アリト認ムルトキハ国家総動員法第三十一条ノ規定ニ基キ農地若ハ耕作ノ目的ニ供スルコトヲ得ル土地ニ関シ報告ヲ徴シ又ハ当該官吏ヲシテ農地若ハ耕作ノ目的ニ供スルコトヲ得ル土地其ノ他必要ナル場所ニ臨検シ其ノ状況若ハ帳簿書類其ノ他ノ物件ヲ検査セシムルコトヲ得
前項ノ規定ニ依リ当該官吏ヲシテ臨検検査セシムル場合ニ於テハ其ノ身分ヲ示ス証票ヲ携帯セシムベシ
第十五条 第八条乃至第十条ノ規定又ハ之ニ基ク命令ニ依リ為シタル手続其ノ他ノ行為ハ農地又ハ耕作ノ目的ニ供スルコトヲ得ル土地ノ権利者ノ承継人ニ対シテモ其ノ効力ヲ有ス
第十六条 第七条第一項及第二項中五千坪トアルハ台湾ニ在リテハ一甲トス
第八条第一項中道府県農地委員会又ハ市町村農地委員会トアルハ朝鮮ニ在リテハ府尹又ハ邑面長、台湾ニ在リテハ市長又ハ街庄長、樺太ニ在リテハ支庁長又ハ市町村長、南洋群島ニ在リテハ支庁長トス
第十一条ノ規定ハ朝鮮、台湾、樺太及南洋群島ニハ之ヲ適用セズ
本令中主務大臣トアルハ朝鮮総督、台湾総督、樺太庁長官又ハ南洋庁長官ノ所管事項ニ関シテハ朝鮮ニ在リテハ朝鮮総督、台湾ニ在リテハ台湾総督、樺太ニ在リテハ樺太庁長官、南洋群島ニ在リテハ南洋庁長官トス
本令中農林大臣トアルハ朝鮮ニ在リテハ朝鮮総督、台湾ニ在リテハ台湾総督、樺太ニ在リテハ樺太庁長官、南洋群島ニ在リテハ南洋庁長官トシ地方長官トアリ又ハ北海道庁長官又ハ府県知事トアルハ朝鮮ニ在リテハ道知事、台湾ニ在リテハ州知事又ハ庁長、樺太ニ在リテハ樺太庁長官、南洋群島ニ在リテハ南洋庁長官トシ道府県トアルハ朝鮮ニ在リテハ道、台湾ニ在リテハ州又ハ庁、南洋群島ニ在リテハ南洋群島地方費トス
附 則
本令ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス但シ朝鮮、台湾、樺太及南洋群島ニ在リテハ昭和十六年二月二十日ヨリ之ヲ施行ス