第一條 國家總動員法(昭和十三年勅令第三百十七號ニ於テ依ル場合ヲ含ム以下同ジ)第六條ノ規定ニ基ク船員ノ使用、雇入及解雇ニ關スル命令ハ本令ノ定ムル所ニ依ル
第二條 遞信大臣必要アリト認ムルトキハ船舶所有者ニ對シ命令ノ定ムル船舶ノ乘組員數ニ付必要ナル命令ヲ爲スコトヲ得
第三條 遞信大臣必要アリト認ムルトキハ船舶所有者又ハ其ノ組合其ノ他之ニ準ズルモノニ對シ豫備員タル船員ノ保有ニ關シ必要ナル命令ヲ爲スコトヲ得
第四條 遞信大臣必要アリト認ムルトキハ命令ノ定ムル所ニ依リ船舶所有者又ハ其ノ組合其ノ他之ニ準ズルモノニ對シ其ノ雇傭スル船員ヲ期間ヲ限リテ他ノ船舶所有者ヲシテ使用セシムベキコトヲ命ズルコトヲ得
前項ノ命令ニ依リ船員ヲ使用セシムル場合ニ於テハ之ニ伴フ費用ノ負擔其ノ他必要ナル事項ニ關シ當事者タル船舶所有者又ハ其ノ組合其ノ他之ニ準ズルモノニ於テ協議スベシ協議調ハズ又ハ協議ヲ爲スコト能ハザルトキハ遞信大臣ノ裁定スル所ニ依ルベシ
第一項ノ船員ニ對スル給與ハ當該船員ヲ使用スル船舶所有者從前ノ給與ヲ斟酌シテ之ヲ支給スルモノトス
第五條 何人ト雖モ船舶所有者又ハ其ノ組合其ノ他之ニ準ズルモノニ雇傭セラルル船員ニシテ遞信大臣ノ指定スルモノニ對シ船員以外ノ者トシテ雇傭セラルルコトヲ勸誘シ又ハ他人ヲシテ勸誘セシムルコトヲ得ズ
第六條 遞信局長必要アリト認ムルトキハ前條ノ規定ニ違反シ船員ヲ雇傭シタル者ニ對シ其ノ者ノ解雇ヲ命ズルコトヲ得
第七條 遞信大臣船員ノ移動ヲ防止スル爲必要アリト認ムルトキハ船舶所有者ニ對シ船員ノ雇入又ハ解雇ノ制限ニ關シ必要ナル命令ヲ爲スコトヲ得
第八條 遞信大臣ノ指定スル船員養成施設ニ於テ本令施行後其ノ課程ヲ修了スル者ヲ雇傭契約ニ基キ使用セントスル者ハ命令ノ定ムル所ニ依リ其ノ使用員數ニ付遞信大臣ノ認可ヲ受クベシ
第九條 本令又ハ本令ニ基キテ發スル命令ニ依ル認可ノ申請ニ付不正又ハ虛僞ノ事實アリト認ムルトキハ認可ヲ取消スコトヲ得
第十條 遞信大臣必要アリト認ムルトキハ國家總動員法第三十一條ノ規定ニ依リ船員ノ使用、雇入及解雇ニ關シ報吿ヲ徵シ又ハ當該官吏ヲシテ船舶、事務所其ノ他ノ場所ニ臨檢シ業務ノ狀況若ハ帳簿書類其ノ他ノ物件ヲ檢査セシムルコトヲ得
前項ノ規定ニ依リ當該官吏ヲシテ臨檢檢査セシムル場合ニ於テハ其ノ身分ヲ示ス證票ヲ携帶セシムベシ
第十二條 本令及本令ニ基キテ發スル命令中船舶所有者ニ關スル規定ハ船舶共有ノ場合ニ在リテ船舶管理人ヲ置キタルトキハ船舶管理人ニ、船舶貸借ノ場合ニ在リテハ船舶借入人ニ之ヲ適用ス
第十三條 遞信大臣ハ本令ニ定ムル職權ノ一部ヲ遞信局長ニ委任スルコトヲ得
第十四條 本令中遞信大臣トアルハ朝鮮、臺灣、樺太又ハ南洋群島ニ在リテハ各朝鮮總督、臺灣總督、樺太廳長官又ハ南洋廳長官トシ遞信局長トアルハ朝鮮又ハ臺灣ニ在リテハ各朝鮮總督府遞信局長又ハ臺灣總督府交通局總長トシ道府縣トアルハ朝鮮、臺灣又ハ南洋群島ニ在リテハ各道、州若ハ廳又ハ南洋群島地方費トス