第一條 商工大臣石炭配給統制法第二條第二項ノ規定ニ依リ石炭ノ配給ニ關スル施設ノ賃貸又ハ讓渡ノ決定ヲ爲ストキハ其ノ決定ニ於テ賃貸料又ハ讓渡價格(以下對價ト稱ス)及其ノ支拂ノ時期ヲ定ムルコトヲ要ス
第二條 左ニ揭グル場合ニ於テハ對價ヲ支拂フベキ者ハ其ノ對價ヲ供託スルコトヲ要ス
一 對價ヲ受クベキ者ガ其ノ受領ヲ拒シタルトキ又ハ之ヲ受領スルコト能ハザルトキ
二 石炭配給統制法第三條ノ規定ニ依ル出訴アリタルトキ
三 讓渡ヲ受クベキ施設ニ付登記シタル擔保權ノ設定アルトキ但シ擔保權者ノ同意ヲ得タルトキハ此ノ限ニ在ラズ
前項第三號ノ場合ニ於テハ擔保權者ハ供託金ニ對シテモ其ノ權利ヲ行フコトヲ得
第三條 對價ヲ支拂フベキ者決定ニ於テ定メタル對價支拂ノ時期迄ニ對價ノ全部(定期拂ノ場合ニ在リテハ第一囘分ノ對價ノ全部)ノ支拂又ハ供託ヲ爲サザルトキハ對價ヲ受クベキ者ハ對價ヲ支拂フベキ者ニ對シ三十日ヲ下ラザル一定ノ期間內ニ其ノ支拂又ハ供託ヲ爲スベキ旨ヲ催吿スルコトヲ得
前項ノ期間內ニ支拂又ハ供託ナキトキハ決定ハ其ノ效力ヲ失フ
第四條 石炭ノ配給ニ關スル施設ノ賃貸ノ決定アリタルトキハ賃借權ハ對價ノ全部(定期拂ノ場合ニ在リテハ第一囘分ノ對價ノ全部)ノ支拂又ハ供託アリタル時發生ス
石炭ノ配給ニ關スル施設ノ讓渡ノ決定アリタルトキハ所有權ハ對價ノ全部ノ支拂又ハ供託アリタル時移轉ス
第五條 商工大臣決定ヲ爲サントスルトキハ期間ヲ指定シテ賃貸又ハ讓渡ノ當事者及當該施設ニ付登記シタル擔保權ヲ有スル者ニ意見書提出ノ機會ヲ與フベシ
決定書ノ謄本ハ之ヲ賃貸又ハ讓渡ノ當事者及當該施設ニ付登記シタル擔保權ヲ有スル者ニ交付スベシ
第八條 第三條第一項ノ期間內ニ對價ノ支拂又ハ供託ナキトキハ對價ヲ受クベキ者ハ催吿ヲ爲シタル事實ヲ證スル書面ヲ添附シ其ノ旨ノ屆書ヲ商工大臣ニ提出スベシ
第九條 決定ニ基ク當該施設ノ引渡ヲ完了シタルトキハ賃貸又ハ讓渡ノ當事者ハ連署ノ上遲滯ナク其ノ旨ノ屆書ヲ商工大臣ニ提出スベシ
第十條 石炭配給統制法第八條第二項ノ規定ニ依リ日本石炭株式會社ノ株主ト爲ルコトヲ得ル法人ハ業務ヲ執行スル役員ノ半數以上、資本ノ半額以上及議決權ノ半數以上ガ帝國臣民又ハ帝國法人ニ屬スル外國法人トス