日本輸出農産物株式会社法
法令番号: 法律第百號
公布年月日: 昭和15年4月8日
法令の形式: 法律
朕帝國議會ノ協贊ヲ經タル日本輸出農產物株式會社法ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十五年四月六日
內閣總理大臣 米內光政
大藏大臣 櫻內幸雄
農林大臣 島田俊雄
商工大臣 藤原銀次郞
法律第百號
日本輸出農產物株式會社法
第一條 日本輸出農產物株式會社ハ政府ノ指定スル農產物(以下指定農產物ト稱ス)ノ集荷及配給ノ統制ヲ圖ル爲必要ナル事業ヲ營ムコトヲ目的トスル株式會社トス
第二條 日本輸出農產物株式會社ノ資本ハ一千萬圓トス但シ政府ノ認可ヲ受ケ之ヲ增加スルコトヲ得
第三條 日本輸出農產物株式會社ノ株式ハ記名式トシ政府、公共團體、帝國臣民又ハ帝國法人ニシテ社員、株主若ハ業務ヲ執行スル役員ノ半數以上、資本ノ半額以上若ハ議決權ノ過半數ガ外國人若ハ外國法人ニ屬セザルモノニ限リ之ヲ所有スルコトヲ得
第四條 政府ハ五百萬圓ヲ限リ日本輸出農產物株式會社ニ出資スベシ
政府所有ノ株式ノ株金拂込ハ其ノ他ノ株式ノ株金拂込ト之ヲ異ニスルコトヲ得
第五條 日本輸出農產物株式會社ニ非ザルモノハ日本輸出農產物株式會社又ハ之ニ類似ノ名稱ヲ以テ其ノ商號ト爲スコトヲ得ズ
第六條 日本輸出農產物株式會社ニ役員トシテ社長副社長各一人、理事三人以上及監事二人以上ヲ置ク
第七條 社長ハ日本輸出農產物株式會社ヲ代表シ其ノ業務ヲ總理ス
副社長ハ社長事故アルトキハ其ノ職務ヲ代理シ社長缺員ノトキハ其ノ業務ヲ行フ
副社長及理事ハ社長ヲ輔佐シ定款ノ定ムル所ニ依リ日本輸出農產物株式會社ノ業務ヲ分掌ス
監事ハ日本輸出農產物株式會社ノ業務ヲ監査ス
第八條 社長及副社長ハ政府之ヲ命ジ其ノ任期ヲ四年トス
理事ハ株主總會ニ於テ之ヲ選任シ政府ノ認可ヲ受クルモノトシ其ノ任期ヲ三年トス
監事ハ株主總會ニ於テ之ヲ選任シ其ノ任期ヲ二年トス
輸出農產物ヲ監督スル官廳ノ官吏タリシ者ハ其ノ職ヲ退キタル後五年間日本輸出農產物株式會社ノ役員ト爲ルコトヲ得ズ但シ主務大臣ニ於テ特ニ必要アリト認メタルトキハ此ノ限ニ在ラズ
第九條 社長、副社長及理事ハ他ノ職務又ハ商業ニ從事スルコトヲ得ズ但シ政府ノ認可ヲ受ケタルトキハ此ノ限ニ在ラズ
第十條 日本輸出農產物株式會社ハ左ノ事業ヲ營ムモノトス
一 指定農產物ノ買入及販賣
二 指定農產物ノ出荷ニ必要ナル資材ノ配給
三 指定農產物ノ加工ノ委託
四 前三號ノ事業ニ附帶スル事業
五 其ノ他本會社ノ目的達成上必要ナル事業
日本輸出農產物株式會社前項第四號又ハ第五號ノ事業ヲ營マントスルトキハ政府ノ認可ヲ受クベシ
日本輸出農產物株式會社ハ政府ノ認可ヲ受クルニ非ザレバ其ノ事業ノ全部又ハ一部ヲ廢止シ又ハ休止スルコトヲ得ズ
第十一條 日本輸出農產物株式會社ハ每營業年度ニ準備金トシテ資本ノ缺損ヲ補フ爲利益金額ノ百分ノ八以上ヲ積立ツベシ
第十二條 日本輸出農產物株式會社ハ每營業年度ニ於ケル配當シ得ベキ利益金額ガ政府以外ノ者ノ所有スル株式ノ拂込ミタル株金額ニ對シ年百分ノ四ノ割合ニ達スル迄政府ノ所有スル株式ニ對シ利益ノ配當ヲ爲スコトヲ要セズ
日本輸出農產物株式會社ノ每營業年度ニ於ケル配當シ得ベキ利益金額ガ政府以外ノ者ノ所有スル株式ノ拂込ミタル株金額ニ對シ年百分ノ四ノ割合ヲ超過スル場合ニ於テ政府以外ノ者ノ所有スル株式ニ對シ年百分ノ四ノ割合ヲ超エ利益配當ヲ爲サントスルトキハ其ノ超過スル利益金額ハ利益配當ガ總株式ニ付拂込ミタル株金額ニ對シ均一ノ割合ニ達スル迄政府以外ノ者ノ所有スル株式ノ拂込ミタル株金額及政府ノ所有スル株式ノ拂込ミタル株金額ニ對シ一ト三トノ割合ヲ以テ之ヲ配當スベシ
第十三條 政府ハ日本輸出農產物株式會社ノ業務ヲ監督ス
第十四條 日本輸出農產物株式會社社債ヲ募集セントスルトキ又ハ借入金ヲ爲サントスルトキハ政府ノ認可ヲ受クベシ
第十五條 日本輸出農產物株式會社ノ定款ノ變更、利益金ノ處分、合併及解散ノ決議ハ政府ノ認可ヲ受クルニ非ザレバ其ノ效力ヲ生ゼズ
第十六條 日本輸出農產物株式會社ハ每營業年度ノ事業計畫ヲ定メ政府ノ認可ヲ受クベシ之ヲ變更セントスルトキ亦同ジ
第十七條 政府ハ日本輸出農產物株式會社ニ對シ指定農產物ノ集荷又ハ配給ノ統制上必要ナル命令ヲ爲スコトヲ得
政府ハ日本輸出農產物株式會社ニ對シ其ノ業務及財產ノ狀況ニ關シ報吿ヲ爲サシメ、檢査ヲ爲シ其ノ他監督上必要ナル命令又ハ處分ヲ爲スコトヲ得
第十八條 政府ハ日本輸出農產物株式會社監理官ヲ置キ日本輸出農產物株式會社ノ業務ヲ監視セシム
日本輸出農產物株式會社監理官ハ何時ニテモ日本輸出農產物株式會社ノ帳簿書類、金庫其ノ他ノ物件ヲ檢査スルコトヲ得
日本輸出農產物株式會社監理官必要ト認ムルトキハ何時ニテモ日本輸出農產物株式會社ニ命ジ業務ニ關スル諸般ノ計算及狀況ヲ報吿セシムルコトヲ得
日本輸出農產物株式會社監理官ハ株主總會其ノ他諸般ノ會議ニ出席シ意見ヲ陳述スルコトヲ得
第十九條 政府日本輸出農產物株式會社ノ決議又ハ役員ノ行爲ガ法令、法令ニ基キテ爲ス處分若ハ定款ニ違反シ又ハ公益ヲ害スト認ムルトキハ其ノ決議ヲ取消シ又ハ役員ヲ解任スルコトヲ得
第二十條 政府ハ日本輸出農產物株式會社ノ集荷ノ統制上必要アリト認ムルトキハ指定農產物ノ生產(加工ヲ含ム以下同ジ)又ハ販賣ヲ爲ス者ニ對シ指定農產物ノ生產又ハ販賣ニ關シ必要ナル命令ヲ爲スコトヲ得
政府ハ前項ニ揭グル者ニ對シ其ノ業務及財產ノ狀況ニ關シ報吿ヲ爲サシメ又ハ帳簿書類其ノ他ノ物件ノ檢査ヲ爲スコトヲ得
第二十一條第十七條第一項又ハ前條第一項ノ規定ニ依ル命令ニ違反シタル者ハ五千圓以下ノ罰金ニ處ス
第二十二條 第二十條第二項ノ規定ニ依ル報吿ヲ爲サズ又ハ虛僞ノ報吿ヲ爲シタル者ハ五百圓以下ノ罰金ニ處ス
第二十條第二項ノ規定ニ依ル檢査ヲ拒ミ、妨ゲ又ハ忌避シタル者亦前項ニ同ジ
第二十三條 法人又ハ人ノ代理人、戶主、家族、同居者、雇人其ノ他ノ從業者ガ其ノ法人又ハ人ノ業務ニ關シ第二十一條又ハ前條第一項ノ違反行爲ヲ爲シタルトキハ其ノ法人又ハ人ハ自己ノ指揮ニ出デザルノ故ヲ以テ其ノ處罰ヲ免ルルコトヲ得ズ
第二十四條 第二十一條及第二十二條第一項ノ罰則ハ其ノ者ガ法人ナルトキハ理事、取締役其ノ他ノ法人ノ業務ヲ執行スル役員ニ、未成年者又ハ禁治產者ナルトキハ其ノ法定代理人ニ之ヲ適用ス但シ營業ニ關シ成年者ト同一ノ能力ヲ有スル未成年者ニ付テハ此ノ限ニ在ラズ
第二十五條 日本輸出農產物株式會社左ノ各號ノ一ニ該當スルトキハ社長又ハ社長ノ職務ヲ行ヒ若ハ代理スル副社長ヲ五千圓以下ノ過料ニ處ス副社長又ハ理事ノ分掌業務ニ係ルトキハ副社長又ハ理事ヲ過料ニ處スルコト亦同ジ
一 本法ニ依リ認可ヲ受クベキ場合ニ於テ其ノ認可ヲ受ケザルトキ
二 第十條ノ規定ニ依ラズシテ業務ヲ營ミタルトキ
三 第十七條第二項ノ規定ニ依ル命令又ハ處分ニ違反シタルトキ
第二十六條 日本輸出農產物株式會社ノ社長、副社長又ハ理事第九條ノ規定ニ違反シタルトキハ千圓以下ノ過料ニ處ス
第二十七條 第五條ノ規定ニ違反シタル者ハ千圓以下ノ過料ニ處ス
附 則
第二十八條 本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第二十九條 政府ハ設立委員ヲ命ジ日本輸出農產物株式會社ノ設立ニ關スル事務ヲ處理セシム
第三十條 設立委員ハ定款ヲ作成シ政府ノ認可ヲ受クベシ
第三十一條 前條ノ認可アリタルトキハ設立委員ハ株式總數ヨリ政府ニ割當ツベキ株式ヲ控除シタル殘餘ノ株式ニ付株主ヲ募集スベシ
第三十二條 株式申込證ニハ定款認可ノ年月日竝ニ商法第百七十五條第二項第二號及第四號乃至第七號ニ規定スル事項ヲ記載スベシ
第三十三條 設立委員株主ノ募集ヲ終リタルトキハ株式申込證ヲ政府ニ提出シ其ノ檢査ヲ受クベシ
第三十四條 設立委員ハ前條ノ檢査ヲ受ケタル後遲滯ナク各株ニ付第一囘ノ拂込ヲ爲サシムベシ
前項ノ拂込アリタルトキハ設立委員ハ遲滯ナク創立總會ヲ招集スベシ
第三十五條 創立總會ニ於テハ第八條ノ規定ニ準ジ理事及監事ノ選任ヲ行フベシ
第三十六條 創立總會終結シタルトキハ設立委員ハ其ノ事務ヲ日本輸出農產物株式會社社長ニ引渡スベシ
第三十七條 商法第百六十七條、第百八十一條及第百八十五條ノ規定ハ日本輸出農產物株式會社ノ設立ニハ之ヲ適用セズ
第三十八條 本法施行ノ際現ニ日本輸出農產物株式會社又ハ之ニ類似ノ名稱ヲ以テ商號ト爲ス會社ハ本法施行後六月以內ニ其ノ商號ヲ變更スルコトヲ要ス
第五條ノ規定ハ前項ノ期間內之ヲ前項ニ揭グル者ニ適用セズ
朕帝国議会ノ協賛ヲ経タル日本輸出農産物株式会社法ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十五年四月六日
内閣総理大臣 米内光政
大蔵大臣 桜内幸雄
農林大臣 島田俊雄
商工大臣 藤原銀次郎
法律第百号
日本輸出農産物株式会社法
第一条 日本輸出農産物株式会社ハ政府ノ指定スル農産物(以下指定農産物ト称ス)ノ集荷及配給ノ統制ヲ図ル為必要ナル事業ヲ営ムコトヲ目的トスル株式会社トス
第二条 日本輸出農産物株式会社ノ資本ハ一千万円トス但シ政府ノ認可ヲ受ケ之ヲ増加スルコトヲ得
第三条 日本輸出農産物株式会社ノ株式ハ記名式トシ政府、公共団体、帝国臣民又ハ帝国法人ニシテ社員、株主若ハ業務ヲ執行スル役員ノ半数以上、資本ノ半額以上若ハ議決権ノ過半数ガ外国人若ハ外国法人ニ属セザルモノニ限リ之ヲ所有スルコトヲ得
第四条 政府ハ五百万円ヲ限リ日本輸出農産物株式会社ニ出資スベシ
政府所有ノ株式ノ株金払込ハ其ノ他ノ株式ノ株金払込ト之ヲ異ニスルコトヲ得
第五条 日本輸出農産物株式会社ニ非ザルモノハ日本輸出農産物株式会社又ハ之ニ類似ノ名称ヲ以テ其ノ商号ト為スコトヲ得ズ
第六条 日本輸出農産物株式会社ニ役員トシテ社長副社長各一人、理事三人以上及監事二人以上ヲ置ク
第七条 社長ハ日本輸出農産物株式会社ヲ代表シ其ノ業務ヲ総理ス
副社長ハ社長事故アルトキハ其ノ職務ヲ代理シ社長欠員ノトキハ其ノ業務ヲ行フ
副社長及理事ハ社長ヲ輔佐シ定款ノ定ムル所ニ依リ日本輸出農産物株式会社ノ業務ヲ分掌ス
監事ハ日本輸出農産物株式会社ノ業務ヲ監査ス
第八条 社長及副社長ハ政府之ヲ命ジ其ノ任期ヲ四年トス
理事ハ株主総会ニ於テ之ヲ選任シ政府ノ認可ヲ受クルモノトシ其ノ任期ヲ三年トス
監事ハ株主総会ニ於テ之ヲ選任シ其ノ任期ヲ二年トス
輸出農産物ヲ監督スル官庁ノ官吏タリシ者ハ其ノ職ヲ退キタル後五年間日本輸出農産物株式会社ノ役員ト為ルコトヲ得ズ但シ主務大臣ニ於テ特ニ必要アリト認メタルトキハ此ノ限ニ在ラズ
第九条 社長、副社長及理事ハ他ノ職務又ハ商業ニ従事スルコトヲ得ズ但シ政府ノ認可ヲ受ケタルトキハ此ノ限ニ在ラズ
第十条 日本輸出農産物株式会社ハ左ノ事業ヲ営ムモノトス
一 指定農産物ノ買入及販売
二 指定農産物ノ出荷ニ必要ナル資材ノ配給
三 指定農産物ノ加工ノ委託
四 前三号ノ事業ニ附帯スル事業
五 其ノ他本会社ノ目的達成上必要ナル事業
日本輸出農産物株式会社前項第四号又ハ第五号ノ事業ヲ営マントスルトキハ政府ノ認可ヲ受クベシ
日本輸出農産物株式会社ハ政府ノ認可ヲ受クルニ非ザレバ其ノ事業ノ全部又ハ一部ヲ廃止シ又ハ休止スルコトヲ得ズ
第十一条 日本輸出農産物株式会社ハ毎営業年度ニ準備金トシテ資本ノ欠損ヲ補フ為利益金額ノ百分ノ八以上ヲ積立ツベシ
第十二条 日本輸出農産物株式会社ハ毎営業年度ニ於ケル配当シ得ベキ利益金額ガ政府以外ノ者ノ所有スル株式ノ払込ミタル株金額ニ対シ年百分ノ四ノ割合ニ達スル迄政府ノ所有スル株式ニ対シ利益ノ配当ヲ為スコトヲ要セズ
日本輸出農産物株式会社ノ毎営業年度ニ於ケル配当シ得ベキ利益金額ガ政府以外ノ者ノ所有スル株式ノ払込ミタル株金額ニ対シ年百分ノ四ノ割合ヲ超過スル場合ニ於テ政府以外ノ者ノ所有スル株式ニ対シ年百分ノ四ノ割合ヲ超エ利益配当ヲ為サントスルトキハ其ノ超過スル利益金額ハ利益配当ガ総株式ニ付払込ミタル株金額ニ対シ均一ノ割合ニ達スル迄政府以外ノ者ノ所有スル株式ノ払込ミタル株金額及政府ノ所有スル株式ノ払込ミタル株金額ニ対シ一ト三トノ割合ヲ以テ之ヲ配当スベシ
第十三条 政府ハ日本輸出農産物株式会社ノ業務ヲ監督ス
第十四条 日本輸出農産物株式会社社債ヲ募集セントスルトキ又ハ借入金ヲ為サントスルトキハ政府ノ認可ヲ受クベシ
第十五条 日本輸出農産物株式会社ノ定款ノ変更、利益金ノ処分、合併及解散ノ決議ハ政府ノ認可ヲ受クルニ非ザレバ其ノ効力ヲ生ゼズ
第十六条 日本輸出農産物株式会社ハ毎営業年度ノ事業計画ヲ定メ政府ノ認可ヲ受クベシ之ヲ変更セントスルトキ亦同ジ
第十七条 政府ハ日本輸出農産物株式会社ニ対シ指定農産物ノ集荷又ハ配給ノ統制上必要ナル命令ヲ為スコトヲ得
政府ハ日本輸出農産物株式会社ニ対シ其ノ業務及財産ノ状況ニ関シ報告ヲ為サシメ、検査ヲ為シ其ノ他監督上必要ナル命令又ハ処分ヲ為スコトヲ得
第十八条 政府ハ日本輸出農産物株式会社監理官ヲ置キ日本輸出農産物株式会社ノ業務ヲ監視セシム
日本輸出農産物株式会社監理官ハ何時ニテモ日本輸出農産物株式会社ノ帳簿書類、金庫其ノ他ノ物件ヲ検査スルコトヲ得
日本輸出農産物株式会社監理官必要ト認ムルトキハ何時ニテモ日本輸出農産物株式会社ニ命ジ業務ニ関スル諸般ノ計算及状況ヲ報告セシムルコトヲ得
日本輸出農産物株式会社監理官ハ株主総会其ノ他諸般ノ会議ニ出席シ意見ヲ陳述スルコトヲ得
第十九条 政府日本輸出農産物株式会社ノ決議又ハ役員ノ行為ガ法令、法令ニ基キテ為ス処分若ハ定款ニ違反シ又ハ公益ヲ害スト認ムルトキハ其ノ決議ヲ取消シ又ハ役員ヲ解任スルコトヲ得
第二十条 政府ハ日本輸出農産物株式会社ノ集荷ノ統制上必要アリト認ムルトキハ指定農産物ノ生産(加工ヲ含ム以下同ジ)又ハ販売ヲ為ス者ニ対シ指定農産物ノ生産又ハ販売ニ関シ必要ナル命令ヲ為スコトヲ得
政府ハ前項ニ掲グル者ニ対シ其ノ業務及財産ノ状況ニ関シ報告ヲ為サシメ又ハ帳簿書類其ノ他ノ物件ノ検査ヲ為スコトヲ得
第二十一条第十七条第一項又ハ前条第一項ノ規定ニ依ル命令ニ違反シタル者ハ五千円以下ノ罰金ニ処ス
第二十二条 第二十条第二項ノ規定ニ依ル報告ヲ為サズ又ハ虚偽ノ報告ヲ為シタル者ハ五百円以下ノ罰金ニ処ス
第二十条第二項ノ規定ニ依ル検査ヲ拒ミ、妨ゲ又ハ忌避シタル者亦前項ニ同ジ
第二十三条 法人又ハ人ノ代理人、戸主、家族、同居者、雇人其ノ他ノ従業者ガ其ノ法人又ハ人ノ業務ニ関シ第二十一条又ハ前条第一項ノ違反行為ヲ為シタルトキハ其ノ法人又ハ人ハ自己ノ指揮ニ出デザルノ故ヲ以テ其ノ処罰ヲ免ルルコトヲ得ズ
第二十四条 第二十一条及第二十二条第一項ノ罰則ハ其ノ者ガ法人ナルトキハ理事、取締役其ノ他ノ法人ノ業務ヲ執行スル役員ニ、未成年者又ハ禁治産者ナルトキハ其ノ法定代理人ニ之ヲ適用ス但シ営業ニ関シ成年者ト同一ノ能力ヲ有スル未成年者ニ付テハ此ノ限ニ在ラズ
第二十五条 日本輸出農産物株式会社左ノ各号ノ一ニ該当スルトキハ社長又ハ社長ノ職務ヲ行ヒ若ハ代理スル副社長ヲ五千円以下ノ過料ニ処ス副社長又ハ理事ノ分掌業務ニ係ルトキハ副社長又ハ理事ヲ過料ニ処スルコト亦同ジ
一 本法ニ依リ認可ヲ受クベキ場合ニ於テ其ノ認可ヲ受ケザルトキ
二 第十条ノ規定ニ依ラズシテ業務ヲ営ミタルトキ
三 第十七条第二項ノ規定ニ依ル命令又ハ処分ニ違反シタルトキ
第二十六条 日本輸出農産物株式会社ノ社長、副社長又ハ理事第九条ノ規定ニ違反シタルトキハ千円以下ノ過料ニ処ス
第二十七条 第五条ノ規定ニ違反シタル者ハ千円以下ノ過料ニ処ス
附 則
第二十八条 本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第二十九条 政府ハ設立委員ヲ命ジ日本輸出農産物株式会社ノ設立ニ関スル事務ヲ処理セシム
第三十条 設立委員ハ定款ヲ作成シ政府ノ認可ヲ受クベシ
第三十一条 前条ノ認可アリタルトキハ設立委員ハ株式総数ヨリ政府ニ割当ツベキ株式ヲ控除シタル残余ノ株式ニ付株主ヲ募集スベシ
第三十二条 株式申込証ニハ定款認可ノ年月日並ニ商法第百七十五条第二項第二号及第四号乃至第七号ニ規定スル事項ヲ記載スベシ
第三十三条 設立委員株主ノ募集ヲ終リタルトキハ株式申込証ヲ政府ニ提出シ其ノ検査ヲ受クベシ
第三十四条 設立委員ハ前条ノ検査ヲ受ケタル後遅滞ナク各株ニ付第一回ノ払込ヲ為サシムベシ
前項ノ払込アリタルトキハ設立委員ハ遅滞ナク創立総会ヲ招集スベシ
第三十五条 創立総会ニ於テハ第八条ノ規定ニ準ジ理事及監事ノ選任ヲ行フベシ
第三十六条 創立総会終結シタルトキハ設立委員ハ其ノ事務ヲ日本輸出農産物株式会社社長ニ引渡スベシ
第三十七条 商法第百六十七条、第百八十一条及第百八十五条ノ規定ハ日本輸出農産物株式会社ノ設立ニハ之ヲ適用セズ
第三十八条 本法施行ノ際現ニ日本輸出農産物株式会社又ハ之ニ類似ノ名称ヲ以テ商号ト為ス会社ハ本法施行後六月以内ニ其ノ商号ヲ変更スルコトヲ要ス
第五条ノ規定ハ前項ノ期間内之ヲ前項ニ掲グル者ニ適用セズ