(砂糖消費税法中改正法律)
法令番号: 法律第三十七號
公布年月日: 昭和15年3月29日
法令の形式: 法律
朕帝國議會ノ協贊ヲ經タル砂糖消費稅法中改正法律ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十五年三月二十九日
內閣總理大臣 米內光政
大藏大臣 櫻內幸雄
法律第三十七號
砂糖消費稅法中左ノ通改正ス
第一條 砂糖、糖蜜及糖水ニハ本法ニ依リ消費稅ヲ課ス
第二條 削除
第三條 消費稅ノ稅率左ノ如シ
一 砂糖
第一種 分蜜セサル砂糖
甲 樽入黑糖及樽入白下糖但シ黑糖及白下糖以外ノ砂糖ニ加工シテ製造シタルモノ竝ニ全部又ハ一部ノ新式機械ニ依リ製造シタルモノヲ除ク 百斤ニ付 三圓五十錢
乙 其ノ他ノモノ 百斤ニ付 五圓八十錢
第二種 其ノ他ノ砂糖但シ氷砂糖、角砂糖、棒砂糖其ノ他類似ノモノヲ除ク
甲 蔗糖ノ重量全重量ノ百分ノ八十六ヲ超エサルモノ 百斤ニ付 六圓三十錢
乙 其ノ他ノモノ 百斤ニ付 十圓
第三種 氷砂糖、角砂糖、棒砂糖其ノ他類似ノモノ 百斤ニ付 十二圓五十錢 消費稅ヲ課セラレタル第二種乙ノ砂糖ヲ以テ製造シタルモノニ在リテハ氷砂糖ハ百斤ニ付一圓五十錢其ノ他ノモノハ百斤ニ付二圓五十錢
二 糖蜜
第一種 氷砂糖ヲ製造スルトキニ生スル糖蜜 百斤ニ付 六圓五十錢
第二種 其ノ他ノ糖蜜 百斤ニ付 三圓五十錢
三 糖水 百斤ニ付 八圓四十錢
第四條第一項但書中「政府ニ於テ相當ト認ムル擔保」ヲ「命令ノ定ムル所ニ依リ消費稅額ニ相當スル擔保」ニ、「六箇月以內」ヲ「三月以內」ニ改メ同條第三項ヲ削ル
第五條第二項中「其ノ消費稅」ヲ「命令ノ定ムル所ニ依リ消費稅額」ニ、同條第三項中「引取後六箇月以內ニ外國ニ輸出セラレタルコトノ證明ナキモノハ內地消費ニ供セラレタルモノト看做シ」ヲ「引取後六月以內ニ外國ニ輸出セラレタルコトノ證明ナキモノニ付テハ」ニ改メ同條第四項中「及第三項」ヲ削ル
第五條ノ二 前條第一項ノ砂糖、糖蜜又ハ糖水ハ之ヲ本法施行地ニ於テ消費シ又ハ本法施行地ニ於テ消費スル目的ヲ以テ讓渡スコトヲ得ス但シ政府ノ承認ヲ受ケタルトキハ此ノ限ニ在ラス
前項ノ承認ヲ受ケタル砂糖、糖蜜又ハ糖水ニ付テハ直ニ其ノ消費稅ヲ徵收ス
第六條中「前條、第十一條ノ一」ヲ「第五條、第十一條」ニ改ム
第七條第一項中「第十一條ノ一」ヲ「第十一條」ニ改ム
第九條ニ左ノ一項ヲ加フ
前項ニ規定スル者ハ命令ノ定ムル所ニ依リ製造又ハ販賣ニ關スル事項ヲ政府ニ申吿スヘシ
第十條中「物品ノ製造者」ノ下ニ「ニ對シ質問ヲ爲シ又ハ其」ヲ加フ
第十一條 政府ノ承認ヲ受ケ製造場又ハ保稅地域ヨリ引取ラルル砂糖、糖蜜又ハ糖水ニシテ左ノ各號ノ一ニ該當スルモノニ付テハ命令ノ定ムル所ニ依リ消費稅ヲ免除ス
一 砂糖、糖蜜又ハ糖水ノ製造ノ用ニ供スルモノ
二 アルコールノ製造ノ用ニ供スルモノ
三 煉乳又ハ外國ニ輸出スル菓子、糖果其ノ他命令ヲ以テ定ムル物品ノ製造ノ用ニ供スル砂糖
前項ノ砂糖、糖蜜又ハ糖水ヲ引取ルトキハ命令ノ定ムル所ニ依リ消費稅額ニ相當スル擔保ヲ提供セシムルコトヲ得
第一項ノ砂糖、糖蜜又ハ糖水ニシテ引取後六月以內ニ其ノ用途ニ供セラレタルコトノ證明ナキモノニ付テハ直ニ其ノ消費稅ヲ徵收ス但シ天災其ノ他已ムコトヲ得サル事由ニ因リ亡失シタルモノニシテ政府ノ承認ヲ受ケタルモノニ付テハ此ノ限ニ在ラス
第一項第三號ノ規定ノ適用ヲ受ケテ引取リタル砂糖ヲ使用シテ菓子、糖果其ノ他命令ヲ以テ定ムル物品ヲ製造シタル者カ之ヲ政府ノ指定シタル期間內ニ外國ニ輸出シタルコトヲ證明セサル場合ニ於テハ製造者ヨリ直ニ其ノ消費稅ヲ徵收ス前項但書ノ規定ハ此ノ場合ニ付之ヲ準用ス
第四條第二項ノ規定ハ第二項ノ擔保ニ付之ヲ準用ス
第十一條ノ一ヲ削ル
第十一條ノ三 左ノ各號ノ一ニ該當スル場合ニ於テハ之ヲ砂糖、糖蜜又ハ糖水ヲ製造スルモノト看做ス
一 砂糖ニ加工シテ其ノ種別ヲ上昇スルトキ
二 砂糖、糖蜜又ハ糖水ニ砂糖、糖蜜、糖水及水以外ノ物品ヲ混和シテ其ノ數量ヲ增加スルトキ
第十二條 命令ノ定ムル所ニ依リ政府ノ承認ヲ受ケ消費稅ヲ課セラレタル砂糖、糖蜜又ハ糖水ヲ原料トシテ製造シタル砂糖(第三種ノ砂糖ヲ除ク)、糖蜜又ハ糖水ニ付テハ之ヲ製造場ヨリ引取ルモ消費稅ノ徵收ヲ爲サス
第十二條ノ二 消費稅ヲ課セラレタル砂糖ヲ原料トシテ煉乳ヲ製造シタル者又ハ消費稅ヲ課セラレタル砂糖ヲ原料トシテ製造シタル菓子、糖果其ノ他命令ヲ以テ定ムル物品ヲ外國ニ輸出シタル者ニハ命令ノ定ムル所ニ依リ其ノ原料トシテ使用シタル砂糖ニ付課セラレタル消費稅額ニ相當スル金額以下ノ交付金ヲ交付スルコトヲ得
第十二條ノ三 第九條及第十條ノ規定ハ第十一條第一項第三號ノ規定ノ適用ヲ受ケテ引取リタル砂糖ヲ原料トスル煉乳又ハ菓子、糖果其ノ他命令ヲ以テ定ムル物品ノ製造者及前條ノ規定ニ依リ消費稅額ニ相當スル金額ノ交付ヲ受クル煉乳ノ製造者ニ付之ヲ準用ス
第十三條 左ノ各號ノ一ニ該當スル者ハ消費稅五倍ニ相當スル罰金ニ處シ直ニ其ノ消費稅ヲ徵收ス但シ罰金額カ二十圓ニ滿タサルトキハ之ヲ二十圓トス
一 政府ニ申吿セスシテ砂糖、糖蜜又ハ糖水ヲ製造シタル者
二 第五條ノ二第一項ノ規定ニ違反シテ砂糖、糖蜜又ハ糖水ヲ消費シ又ハ消費ノ目的ヲ以テ讓渡シタル者
三 第六條又ハ第七條第一項ノ規定ニ違反シテ砂糖、糖蜜又ハ糖水ヲ引取リ又ハ引渡シ若ハ移出シタル者
四 前各號ノ外詐僞其ノ他不正ノ行爲ニ依リ消費稅ヲ逋脫シ又ハ逋脫セムトシタル者
第十三條ノ二ヲ削ル
第十四條 詐僞其ノ他不正ノ行爲ニ依リ第十二條ノ二ノ交付金ノ交付ヲ受ケ又ハ受ケムトシタル者ハ其ノ金額ノ五倍ニ相當スル罰金ニ處ス但シ罰金額カ二十圓ニ滿タサルトキハ之ヲ二十圓トス
第十五條 左ノ各號ノ一ニ該當スル者ハ百圓以下ノ罰金又ハ科料ニ處ス
一 第八條ノ二ノ規定ニ違反シテ販賣業又ハ製造業ヲ兼營シタル者
二 第九條第一項(第十二條ノ三ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)ノ規定ニ依ル帳簿ノ記載ヲ怠リ若ハ詐リ又ハ帳簿ヲ隱匿シタル者
三 第九條第二項(第十二條ノ三ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)ノ規定ニ依ル申吿ヲ怠リ又ハ詐リタル者
四 第十條(第十二條ノ三ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)ノ規定ニ依ル收稅官吏ノ質問ニ對シ答辯ヲ爲サス若ハ虛僞ノ陳述ヲ爲シ又ハ其ノ職務ノ執行ヲ拒ミ、妨ケ若ハ忌避シタル者
第十六條 第十三條又ハ第十四條ノ罪ヲ犯シタル者ニハ刑法第三十八條第三項但書、第三十九條第二項、第四十條、第四十一條、第四十八條第二項、第六十三條及第六十六條ノ規定ヲ適用セス
第十七條中「又ハ第八條ノ二但書ノ場合ニ於ケル物品ノ製造者」ヲ「、第八條ノ二但書ノ場合ニ於ケル物品ノ製造者、第十一條第一項第三號ノ規定ノ適用ヲ受ケテ引取リタル砂糖ヲ原料トスル煉乳若ハ菓子、糖果其ノ他命令ヲ以テ定ムル物品ノ製造者又ハ第十二條ノ二ノ規定ニ依リ交付金ノ交付ヲ受クル者」ニ、「製造者又ハ販賣者」ヲ「製造者、販賣者又ハ交付金ノ交付ヲ受クル者」ニ改ム
第十七條ノ二 本法ニ於テ保稅地域トハ關稅法ニ定ムル保稅地域ヲ謂フ
第十七條ノ三 關稅定率法第七條第十七號ノ規定ハ第十一條第一項第三號ノ規定ノ適用ヲ受ケテ引取リタル砂糖ヲ原料トシテ製造シ又ハ第十二條ノ二ノ規定ニ依リ交付金ヲ交付セラレタル菓子、糖果其ノ他命令ヲ以テ定ムル物品ニ對シテハ之ヲ適用セス
附 則
第一條 本法ハ昭和十五年四月一日ヨリ之ヲ施行ス但シ第十二條ノ二ノ規定ハ昭和十五年四月三十日以前ノ輸出ニ係ル菓子、糖果其ノ他命令ヲ以テ定ムル物品ニ付テハ之ヲ適用セズ
本法施行前消費稅ヲ課シ又ハ課スベカリシ砂糖、糖蜜又ハ糖水ニ付テハ仍從前ノ例ニ依ル
第二條 煉乳原料砂糖戾稅法及輸出菓子糖果原料砂糖戾稅法ハ之ヲ廢止ス
昭和十五年三月三十一日以前ニ煉乳製造ノ原料ニ使用シタル砂糖又ハ昭和十五年四月三十日以前ノ輸出ニ係ル菓子及糖果ニ付テハ仍舊法ニ依ル
第三條 本法施行ノ際製造場又ハ保稅地域以外ノ場所ニ於テ同一人ガ各種類ヲ通ジ合計一萬斤以上ノ砂糖、糖蜜又ハ糖水ヲ所持スル場合ニ於テハ其ノ者ニ於テ本法施行ノ日ニ之ヲ製造場ヨリ引取リタルモノト看做シ砂糖消費稅ヲ課ス此ノ場合ニ於テハ第三條ノ改正稅率ニ依リ算出シタル金額ト支那事變特別稅法第九條ニ規定スル稅率ニ依リ算出シタル金額トノ差額ヲ以テ其ノ稅額トシ命令ノ定ムル所ニ依リ之ヲ徵收ス
前項ノ砂糖、糖蜜又ハ糖水ノ所持者ハ其ノ所持スル砂糖、糖蜜又ハ糖水ノ種別、數量及貯藏ノ場所ヲ本法施行後一月以內ニ政府ニ申吿スベシ
朕帝国議会ノ協賛ヲ経タル砂糖消費税法中改正法律ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十五年三月二十九日
内閣総理大臣 米内光政
大蔵大臣 桜内幸雄
法律第三十七号
砂糖消費税法中左ノ通改正ス
第一条 砂糖、糖蜜及糖水ニハ本法ニ依リ消費税ヲ課ス
第二条 削除
第三条 消費税ノ税率左ノ如シ
一 砂糖
第一種 分蜜セサル砂糖
甲 樽入黒糖及樽入白下糖但シ黒糖及白下糖以外ノ砂糖ニ加工シテ製造シタルモノ並ニ全部又ハ一部ノ新式機械ニ依リ製造シタルモノヲ除ク 百斤ニ付 三円五十銭
乙 其ノ他ノモノ 百斤ニ付 五円八十銭
第二種 其ノ他ノ砂糖但シ氷砂糖、角砂糖、棒砂糖其ノ他類似ノモノヲ除ク
甲 蔗糖ノ重量全重量ノ百分ノ八十六ヲ超エサルモノ 百斤ニ付 六円三十銭
乙 其ノ他ノモノ 百斤ニ付 十円
第三種 氷砂糖、角砂糖、棒砂糖其ノ他類似ノモノ 百斤ニ付 十二円五十銭 消費税ヲ課セラレタル第二種乙ノ砂糖ヲ以テ製造シタルモノニ在リテハ氷砂糖ハ百斤ニ付一円五十銭其ノ他ノモノハ百斤ニ付二円五十銭
二 糖蜜
第一種 氷砂糖ヲ製造スルトキニ生スル糖蜜 百斤ニ付 六円五十銭
第二種 其ノ他ノ糖蜜 百斤ニ付 三円五十銭
三 糖水 百斤ニ付 八円四十銭
第四条第一項但書中「政府ニ於テ相当ト認ムル担保」ヲ「命令ノ定ムル所ニ依リ消費税額ニ相当スル担保」ニ、「六箇月以内」ヲ「三月以内」ニ改メ同条第三項ヲ削ル
第五条第二項中「其ノ消費税」ヲ「命令ノ定ムル所ニ依リ消費税額」ニ、同条第三項中「引取後六箇月以内ニ外国ニ輸出セラレタルコトノ証明ナキモノハ内地消費ニ供セラレタルモノト看做シ」ヲ「引取後六月以内ニ外国ニ輸出セラレタルコトノ証明ナキモノニ付テハ」ニ改メ同条第四項中「及第三項」ヲ削ル
第五条ノ二 前条第一項ノ砂糖、糖蜜又ハ糖水ハ之ヲ本法施行地ニ於テ消費シ又ハ本法施行地ニ於テ消費スル目的ヲ以テ譲渡スコトヲ得ス但シ政府ノ承認ヲ受ケタルトキハ此ノ限ニ在ラス
前項ノ承認ヲ受ケタル砂糖、糖蜜又ハ糖水ニ付テハ直ニ其ノ消費税ヲ徴収ス
第六条中「前条、第十一条ノ一」ヲ「第五条、第十一条」ニ改ム
第七条第一項中「第十一条ノ一」ヲ「第十一条」ニ改ム
第九条ニ左ノ一項ヲ加フ
前項ニ規定スル者ハ命令ノ定ムル所ニ依リ製造又ハ販売ニ関スル事項ヲ政府ニ申告スヘシ
第十条中「物品ノ製造者」ノ下ニ「ニ対シ質問ヲ為シ又ハ其」ヲ加フ
第十一条 政府ノ承認ヲ受ケ製造場又ハ保税地域ヨリ引取ラルル砂糖、糖蜜又ハ糖水ニシテ左ノ各号ノ一ニ該当スルモノニ付テハ命令ノ定ムル所ニ依リ消費税ヲ免除ス
一 砂糖、糖蜜又ハ糖水ノ製造ノ用ニ供スルモノ
二 アルコールノ製造ノ用ニ供スルモノ
三 煉乳又ハ外国ニ輸出スル菓子、糖果其ノ他命令ヲ以テ定ムル物品ノ製造ノ用ニ供スル砂糖
前項ノ砂糖、糖蜜又ハ糖水ヲ引取ルトキハ命令ノ定ムル所ニ依リ消費税額ニ相当スル担保ヲ提供セシムルコトヲ得
第一項ノ砂糖、糖蜜又ハ糖水ニシテ引取後六月以内ニ其ノ用途ニ供セラレタルコトノ証明ナキモノニ付テハ直ニ其ノ消費税ヲ徴収ス但シ天災其ノ他已ムコトヲ得サル事由ニ因リ亡失シタルモノニシテ政府ノ承認ヲ受ケタルモノニ付テハ此ノ限ニ在ラス
第一項第三号ノ規定ノ適用ヲ受ケテ引取リタル砂糖ヲ使用シテ菓子、糖果其ノ他命令ヲ以テ定ムル物品ヲ製造シタル者カ之ヲ政府ノ指定シタル期間内ニ外国ニ輸出シタルコトヲ証明セサル場合ニ於テハ製造者ヨリ直ニ其ノ消費税ヲ徴収ス前項但書ノ規定ハ此ノ場合ニ付之ヲ準用ス
第四条第二項ノ規定ハ第二項ノ担保ニ付之ヲ準用ス
第十一条ノ一ヲ削ル
第十一条ノ三 左ノ各号ノ一ニ該当スル場合ニ於テハ之ヲ砂糖、糖蜜又ハ糖水ヲ製造スルモノト看做ス
一 砂糖ニ加工シテ其ノ種別ヲ上昇スルトキ
二 砂糖、糖蜜又ハ糖水ニ砂糖、糖蜜、糖水及水以外ノ物品ヲ混和シテ其ノ数量ヲ増加スルトキ
第十二条 命令ノ定ムル所ニ依リ政府ノ承認ヲ受ケ消費税ヲ課セラレタル砂糖、糖蜜又ハ糖水ヲ原料トシテ製造シタル砂糖(第三種ノ砂糖ヲ除ク)、糖蜜又ハ糖水ニ付テハ之ヲ製造場ヨリ引取ルモ消費税ノ徴収ヲ為サス
第十二条ノ二 消費税ヲ課セラレタル砂糖ヲ原料トシテ煉乳ヲ製造シタル者又ハ消費税ヲ課セラレタル砂糖ヲ原料トシテ製造シタル菓子、糖果其ノ他命令ヲ以テ定ムル物品ヲ外国ニ輸出シタル者ニハ命令ノ定ムル所ニ依リ其ノ原料トシテ使用シタル砂糖ニ付課セラレタル消費税額ニ相当スル金額以下ノ交付金ヲ交付スルコトヲ得
第十二条ノ三 第九条及第十条ノ規定ハ第十一条第一項第三号ノ規定ノ適用ヲ受ケテ引取リタル砂糖ヲ原料トスル煉乳又ハ菓子、糖果其ノ他命令ヲ以テ定ムル物品ノ製造者及前条ノ規定ニ依リ消費税額ニ相当スル金額ノ交付ヲ受クル煉乳ノ製造者ニ付之ヲ準用ス
第十三条 左ノ各号ノ一ニ該当スル者ハ消費税五倍ニ相当スル罰金ニ処シ直ニ其ノ消費税ヲ徴収ス但シ罰金額カ二十円ニ満タサルトキハ之ヲ二十円トス
一 政府ニ申告セスシテ砂糖、糖蜜又ハ糖水ヲ製造シタル者
二 第五条ノ二第一項ノ規定ニ違反シテ砂糖、糖蜜又ハ糖水ヲ消費シ又ハ消費ノ目的ヲ以テ譲渡シタル者
三 第六条又ハ第七条第一項ノ規定ニ違反シテ砂糖、糖蜜又ハ糖水ヲ引取リ又ハ引渡シ若ハ移出シタル者
四 前各号ノ外詐偽其ノ他不正ノ行為ニ依リ消費税ヲ逋脱シ又ハ逋脱セムトシタル者
第十三条ノ二ヲ削ル
第十四条 詐偽其ノ他不正ノ行為ニ依リ第十二条ノ二ノ交付金ノ交付ヲ受ケ又ハ受ケムトシタル者ハ其ノ金額ノ五倍ニ相当スル罰金ニ処ス但シ罰金額カ二十円ニ満タサルトキハ之ヲ二十円トス
第十五条 左ノ各号ノ一ニ該当スル者ハ百円以下ノ罰金又ハ科料ニ処ス
一 第八条ノ二ノ規定ニ違反シテ販売業又ハ製造業ヲ兼営シタル者
二 第九条第一項(第十二条ノ三ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)ノ規定ニ依ル帳簿ノ記載ヲ怠リ若ハ詐リ又ハ帳簿ヲ隠匿シタル者
三 第九条第二項(第十二条ノ三ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)ノ規定ニ依ル申告ヲ怠リ又ハ詐リタル者
四 第十条(第十二条ノ三ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)ノ規定ニ依ル収税官吏ノ質問ニ対シ答弁ヲ為サス若ハ虚偽ノ陳述ヲ為シ又ハ其ノ職務ノ執行ヲ拒ミ、妨ケ若ハ忌避シタル者
第十六条 第十三条又ハ第十四条ノ罪ヲ犯シタル者ニハ刑法第三十八条第三項但書、第三十九条第二項、第四十条、第四十一条、第四十八条第二項、第六十三条及第六十六条ノ規定ヲ適用セス
第十七条中「又ハ第八条ノ二但書ノ場合ニ於ケル物品ノ製造者」ヲ「、第八条ノ二但書ノ場合ニ於ケル物品ノ製造者、第十一条第一項第三号ノ規定ノ適用ヲ受ケテ引取リタル砂糖ヲ原料トスル煉乳若ハ菓子、糖果其ノ他命令ヲ以テ定ムル物品ノ製造者又ハ第十二条ノ二ノ規定ニ依リ交付金ノ交付ヲ受クル者」ニ、「製造者又ハ販売者」ヲ「製造者、販売者又ハ交付金ノ交付ヲ受クル者」ニ改ム
第十七条ノ二 本法ニ於テ保税地域トハ関税法ニ定ムル保税地域ヲ謂フ
第十七条ノ三 関税定率法第七条第十七号ノ規定ハ第十一条第一項第三号ノ規定ノ適用ヲ受ケテ引取リタル砂糖ヲ原料トシテ製造シ又ハ第十二条ノ二ノ規定ニ依リ交付金ヲ交付セラレタル菓子、糖果其ノ他命令ヲ以テ定ムル物品ニ対シテハ之ヲ適用セス
附 則
第一条 本法ハ昭和十五年四月一日ヨリ之ヲ施行ス但シ第十二条ノ二ノ規定ハ昭和十五年四月三十日以前ノ輸出ニ係ル菓子、糖果其ノ他命令ヲ以テ定ムル物品ニ付テハ之ヲ適用セズ
本法施行前消費税ヲ課シ又ハ課スベカリシ砂糖、糖蜜又ハ糖水ニ付テハ仍従前ノ例ニ依ル
第二条 煉乳原料砂糖戻税法及輸出菓子糖果原料砂糖戻税法ハ之ヲ廃止ス
昭和十五年三月三十一日以前ニ煉乳製造ノ原料ニ使用シタル砂糖又ハ昭和十五年四月三十日以前ノ輸出ニ係ル菓子及糖果ニ付テハ仍旧法ニ依ル
第三条 本法施行ノ際製造場又ハ保税地域以外ノ場所ニ於テ同一人ガ各種類ヲ通ジ合計一万斤以上ノ砂糖、糖蜜又ハ糖水ヲ所持スル場合ニ於テハ其ノ者ニ於テ本法施行ノ日ニ之ヲ製造場ヨリ引取リタルモノト看做シ砂糖消費税ヲ課ス此ノ場合ニ於テハ第三条ノ改正税率ニ依リ算出シタル金額ト支那事変特別税法第九条ニ規定スル税率ニ依リ算出シタル金額トノ差額ヲ以テ其ノ税額トシ命令ノ定ムル所ニ依リ之ヲ徴収ス
前項ノ砂糖、糖蜜又ハ糖水ノ所持者ハ其ノ所持スル砂糖、糖蜜又ハ糖水ノ種別、数量及貯蔵ノ場所ヲ本法施行後一月以内ニ政府ニ申告スベシ