海運組合法施行令
法令番号: 勅令第八百四十五號
公布年月日: 昭和14年12月20日
法令の形式: 勅令
朕海運組合法施行令ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十四年十二月十九日
內閣總理大臣 阿部信行
遞信大臣 永井柳太郞
司法大臣 宮城長五郞
勅令第八百四十五號
海運組合法施行令
第一條 海運組合法第一條第一項ノ船舶ニハ左ニ揭グル船舶ヲ包含セズ
一 專ラ湖川ヲ航行スル船舶
二 總噸數五噸未滿ノ船舶及專ラ又ハ主トシテ櫓櫂ヲ以テ運轉スル舟但シ物ノ運送ニ使用スル艀船及其ノ曳船ヲ除ク
第二條 海運組合ハ遞信大臣ノ定ムル海運業ノ種類ニ從ヒ遞信大臣ノ定ムル地區每ニ之ヲ設立スベキモノトシ同一種類ノ海運業ニ從事シ同一地區內ニ其ノ海運業ノ據點ヲ有スル者ヲ以テ各組合ノ組合員タルベキ者トス
遞信大臣特ニ必要アリト認ムルトキハ前項ノ規定ニ依リ定ムル海運業ノ種類及地區ニ拘ラズ特定ノ海運業者ニ特定ノ海運組合ノ組合員タルベキ資格ヲ有セシムルコトヲ得
第三條 本令ニ依リ登記スベキ事項ハ別段ノ規定アル場合ヲ除クノ外其ノ事實ノ生ジタル後主タル事務所ノ所在地ニ於テハ二週間、從タル事務所ノ所在地ニ於テハ三週間以內ニ之ヲ登記スルコトヲ要ス
本令ニ依リ登記スベキ事項ニシテ遞信大臣ノ認可ヲ要スルモノハ其ノ認可書ノ到達シタル時ヨリ登記ノ期間ヲ起算ス
第四條 海運組合成立シタルトキハ各事務所ノ所在地ニ於テ設立ノ登記ヲ爲スコトヲ要ス
設立ノ登記ニハ左ノ事項ヲ揭グルコトヲ要ス
一 目的
二 名稱
三 組合員タル資格
四 事務所
五 成立ノ年月日
六 理事及監事ノ氏名及住所
七 存立ノ期間又ハ解散ノ事由ヲ定メタルトキハ其ノ期間又ハ事由
前項ニ揭グル事項中ニ變更ヲ生ジタルトキハ變更ノ登記ヲ爲スコトヲ要ス
第五條 海運組合ノ成立後從タル事務所ヲ設ケタルトキハ主タル事務所ノ所在地ニ於テハ從タル事務所ヲ設ケタルコトヲ登記シ其ノ從タル事務所ノ所在地ニ於テハ前條第二項ニ揭グル事項ヲ登記シ他ノ從タル事務所ノ所在地ニ於テハ其ノ從タル事務所ヲ設ケタルコトヲ登記スルコトヲ要ス
主タル事務所又ハ從タル事務所ノ所在地ヲ管轄スル登記所ノ管轄區域內ニ於テ新ニ從タル事務所ヲ設ケタルトキハ其ノ從タル事務所ヲ設ケタルコトヲ登記スルヲ以テ足ル
第六條 海運組合ガ主タル事務所ヲ移轉シタルトキハ舊所在地ニ於テハ二週間以內ニ移轉ノ登記ヲ爲シ新所在地ニ於テハ三週間以內ニ第四條第二項ニ揭グル事項ヲ登記シ從タル事務所ヲ移轉シタルトキハ舊所在地ニ於テハ三週間以內ニ移轉ノ登記ヲ爲シ新所在地ニ於テハ四週間以內ニ第四條第二項ニ揭グル事項ヲ登記スルコトヲ要ス
同一ノ登記所ノ管轄區域內ニ於テ主タル事務所又ハ從タル事務所ヲ移轉シタルトキハ其ノ移轉ノ登記ヲ爲スヲ以テ足ル
第七條 海運組合ノ淸算結了シタルトキハ各事務所ノ所在地ニ於テ淸算結了ノ登記ヲ爲スコトヲ要ス
第八條 海運組合及海運組合聯合會ノ登記ニ付テハ其ノ事務所所在地ノ區裁判所ヲ以テ管轄登記所トス
各登記所ニ海運組合登記簿及海運組合聯合會登記簿ヲ備フ
第九條 海運組合ノ設立ノ登記ハ理事及監事ノ全員ノ申請ニ因リテ之ヲ爲ス
前項ノ登記ノ申請書ニハ第三項ニ規定スル場合ヲ除クノ外定款、創立總會ノ決議錄及申請人ノ資格ヲ證スル書面ヲ添附スルコトヲ要ス
海運組合法第十條第二項ノ規定ニ依ル遞信大臣ノ處分ニ因リ組合ノ設立アリタル場合ニ於テハ第一項ノ登記ノ申請書ニハ定款、定款ガ遞信大臣ノ處分ニ因リ作成セラレタルコトヲ證スル書面及申請人ノ資格ヲ證スル書面ヲ添附スルコトヲ要ス
第十條 海運組合ノ事務所ノ新設又ハ事務所ノ移轉其ノ他登記事項ノ變更ノ登記ハ理事又ハ淸算人ノ申請ニ因リテ之ヲ爲ス
前項ノ登記ノ申請書ニハ事務所ノ新設又ハ登記事項ノ變更ヲ證スル書面及申請人中ニ理事ノ職務ヲ行フ監事又ハ假理事アル場合ニ於テハ其ノ資格ヲ證スル書面ヲ添附スルコトヲ要ス
第十一條 海運組合ガ海運組合法第二十五條第一號又ハ第二號ノ事由ニ因リテ解散シタルトキハ解散ノ登記ハ淸算人ノ申請ニ因リテ之ヲ爲ス
前項ノ登記ノ申請書ニハ解散ノ事由ヲ證スル書面及理事ガ淸算人タラザル場合ニ於テハ申請人ノ資格ヲ證スル書面ヲ添附スルコトヲ要ス
海運組合ガ海運組合法第二十五條第四號ノ事由ニ因リテ解散シタルトキハ解散ノ登記ハ遞信大臣ノ囑託ニ因リテ之ヲ爲ス
第十二條 海運組合ノ淸算結了ノ登記ハ淸算人ノ申請ニ因リテ之ヲ爲ス
第十三條 登記シタル事項ハ裁判所ニ於テ遲滯ナク之ヲ公吿スルコトヲ要ス
第十四條 海運組合聯合會ハ第二條第一項ノ規定ニ依リ遞信大臣ノ定ムル海運業ノ種類別ニ之ヲ設立スベキモノトシ其ノ種類ヲ同ジクスル海運組合又ハ海運組合聯合會ヲ以テ各海運組合聯合會ノ會員タルベキ者トス
遞信大臣特ニ必要アリト認ムルトキハ前項ノ規定ニ拘ラズ特定ノ海運組合又ハ海運組合聯合會ニ特定ノ海運組合聯合會ノ會員タルベキ資格ヲ有セシムルコトヲ得
第十五條 第四條乃至第七條、第九條乃至第十二條ノ規定ハ海運組合聯合會ニ付之ヲ準用ス
第十六條 民法第四十三條、第四十四條、第五十條、第五十一條第一項、第六十七條、第七十三條及第七十六條乃至第八十三條竝ニ非訟事件手續法第三十五條第二項、第三十六條乃至第三十七條ノ二及第百二十五條第一項(第百四十一條及第百七十七條ヲ準用スル部分ヲ除ク)ハ海運組合及海運組合聯合會ニ付適用アルモノトシ民法第七十四條及第七十五條竝ニ非訟事件手續法第百五十條ノ二ノ規定ハ海運組合及海運組合聯合會ニ付之ヲ準用ス
第十七條 海運組合又ハ海運組合聯合會ノ理事又ハ監事本令ニ定ムル登記ヲ爲スコトヲ怠リタルトキハ五百圓以下ノ過料ニ處ス
第十八條 左ノ場合ニ於テハ海運組合又ハ海運組合聯合會ノ淸算人ヲ五百圓以下ノ過料ニ處ス
一 本令ニ定ムル登記ヲ爲スコトヲ怠リタルトキ
二 官廳又ハ總會ニ對シ不實ノ申述ヲ爲シ又ハ事實ヲ隱蔽シタルトキ
三 裁判所又ハ其ノ選任シタル者ノ爲ス檢査ヲ拒ミタルトキ
四 本令ニ違反シ破產宣吿ノ請求ヲ爲スコトヲ怠リタルトキ
五 本令ニ定ムル公吿ヲ爲スコトヲ怠リ又ハ不正ノ公吿ヲ爲シタルトキ
附 則
本令ハ海運組合法施行ノ日ヨリ之ヲ施行ス
朕海運組合法施行令ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十四年十二月十九日
内閣総理大臣 阿部信行
逓信大臣 永井柳太郎
司法大臣 宮城長五郎
勅令第八百四十五号
海運組合法施行令
第一条 海運組合法第一条第一項ノ船舶ニハ左ニ掲グル船舶ヲ包含セズ
一 専ラ湖川ヲ航行スル船舶
二 総噸数五噸未満ノ船舶及専ラ又ハ主トシテ櫓櫂ヲ以テ運転スル舟但シ物ノ運送ニ使用スル艀船及其ノ曳船ヲ除ク
第二条 海運組合ハ逓信大臣ノ定ムル海運業ノ種類ニ従ヒ逓信大臣ノ定ムル地区毎ニ之ヲ設立スベキモノトシ同一種類ノ海運業ニ従事シ同一地区内ニ其ノ海運業ノ拠点ヲ有スル者ヲ以テ各組合ノ組合員タルベキ者トス
逓信大臣特ニ必要アリト認ムルトキハ前項ノ規定ニ依リ定ムル海運業ノ種類及地区ニ拘ラズ特定ノ海運業者ニ特定ノ海運組合ノ組合員タルベキ資格ヲ有セシムルコトヲ得
第三条 本令ニ依リ登記スベキ事項ハ別段ノ規定アル場合ヲ除クノ外其ノ事実ノ生ジタル後主タル事務所ノ所在地ニ於テハ二週間、従タル事務所ノ所在地ニ於テハ三週間以内ニ之ヲ登記スルコトヲ要ス
本令ニ依リ登記スベキ事項ニシテ逓信大臣ノ認可ヲ要スルモノハ其ノ認可書ノ到達シタル時ヨリ登記ノ期間ヲ起算ス
第四条 海運組合成立シタルトキハ各事務所ノ所在地ニ於テ設立ノ登記ヲ為スコトヲ要ス
設立ノ登記ニハ左ノ事項ヲ掲グルコトヲ要ス
一 目的
二 名称
三 組合員タル資格
四 事務所
五 成立ノ年月日
六 理事及監事ノ氏名及住所
七 存立ノ期間又ハ解散ノ事由ヲ定メタルトキハ其ノ期間又ハ事由
前項ニ掲グル事項中ニ変更ヲ生ジタルトキハ変更ノ登記ヲ為スコトヲ要ス
第五条 海運組合ノ成立後従タル事務所ヲ設ケタルトキハ主タル事務所ノ所在地ニ於テハ従タル事務所ヲ設ケタルコトヲ登記シ其ノ従タル事務所ノ所在地ニ於テハ前条第二項ニ掲グル事項ヲ登記シ他ノ従タル事務所ノ所在地ニ於テハ其ノ従タル事務所ヲ設ケタルコトヲ登記スルコトヲ要ス
主タル事務所又ハ従タル事務所ノ所在地ヲ管轄スル登記所ノ管轄区域内ニ於テ新ニ従タル事務所ヲ設ケタルトキハ其ノ従タル事務所ヲ設ケタルコトヲ登記スルヲ以テ足ル
第六条 海運組合ガ主タル事務所ヲ移転シタルトキハ旧所在地ニ於テハ二週間以内ニ移転ノ登記ヲ為シ新所在地ニ於テハ三週間以内ニ第四条第二項ニ掲グル事項ヲ登記シ従タル事務所ヲ移転シタルトキハ旧所在地ニ於テハ三週間以内ニ移転ノ登記ヲ為シ新所在地ニ於テハ四週間以内ニ第四条第二項ニ掲グル事項ヲ登記スルコトヲ要ス
同一ノ登記所ノ管轄区域内ニ於テ主タル事務所又ハ従タル事務所ヲ移転シタルトキハ其ノ移転ノ登記ヲ為スヲ以テ足ル
第七条 海運組合ノ清算結了シタルトキハ各事務所ノ所在地ニ於テ清算結了ノ登記ヲ為スコトヲ要ス
第八条 海運組合及海運組合連合会ノ登記ニ付テハ其ノ事務所所在地ノ区裁判所ヲ以テ管轄登記所トス
各登記所ニ海運組合登記簿及海運組合連合会登記簿ヲ備フ
第九条 海運組合ノ設立ノ登記ハ理事及監事ノ全員ノ申請ニ因リテ之ヲ為ス
前項ノ登記ノ申請書ニハ第三項ニ規定スル場合ヲ除クノ外定款、創立総会ノ決議録及申請人ノ資格ヲ証スル書面ヲ添附スルコトヲ要ス
海運組合法第十条第二項ノ規定ニ依ル逓信大臣ノ処分ニ因リ組合ノ設立アリタル場合ニ於テハ第一項ノ登記ノ申請書ニハ定款、定款ガ逓信大臣ノ処分ニ因リ作成セラレタルコトヲ証スル書面及申請人ノ資格ヲ証スル書面ヲ添附スルコトヲ要ス
第十条 海運組合ノ事務所ノ新設又ハ事務所ノ移転其ノ他登記事項ノ変更ノ登記ハ理事又ハ清算人ノ申請ニ因リテ之ヲ為ス
前項ノ登記ノ申請書ニハ事務所ノ新設又ハ登記事項ノ変更ヲ証スル書面及申請人中ニ理事ノ職務ヲ行フ監事又ハ仮理事アル場合ニ於テハ其ノ資格ヲ証スル書面ヲ添附スルコトヲ要ス
第十一条 海運組合ガ海運組合法第二十五条第一号又ハ第二号ノ事由ニ因リテ解散シタルトキハ解散ノ登記ハ清算人ノ申請ニ因リテ之ヲ為ス
前項ノ登記ノ申請書ニハ解散ノ事由ヲ証スル書面及理事ガ清算人タラザル場合ニ於テハ申請人ノ資格ヲ証スル書面ヲ添附スルコトヲ要ス
海運組合ガ海運組合法第二十五条第四号ノ事由ニ因リテ解散シタルトキハ解散ノ登記ハ逓信大臣ノ嘱託ニ因リテ之ヲ為ス
第十二条 海運組合ノ清算結了ノ登記ハ清算人ノ申請ニ因リテ之ヲ為ス
第十三条 登記シタル事項ハ裁判所ニ於テ遅滞ナク之ヲ公告スルコトヲ要ス
第十四条 海運組合連合会ハ第二条第一項ノ規定ニ依リ逓信大臣ノ定ムル海運業ノ種類別ニ之ヲ設立スベキモノトシ其ノ種類ヲ同ジクスル海運組合又ハ海運組合連合会ヲ以テ各海運組合連合会ノ会員タルベキ者トス
逓信大臣特ニ必要アリト認ムルトキハ前項ノ規定ニ拘ラズ特定ノ海運組合又ハ海運組合連合会ニ特定ノ海運組合連合会ノ会員タルベキ資格ヲ有セシムルコトヲ得
第十五条 第四条乃至第七条、第九条乃至第十二条ノ規定ハ海運組合連合会ニ付之ヲ準用ス
第十六条 民法第四十三条、第四十四条、第五十条、第五十一条第一項、第六十七条、第七十三条及第七十六条乃至第八十三条並ニ非訟事件手続法第三十五条第二項、第三十六条乃至第三十七条ノ二及第百二十五条第一項(第百四十一条及第百七十七条ヲ準用スル部分ヲ除ク)ハ海運組合及海運組合連合会ニ付適用アルモノトシ民法第七十四条及第七十五条並ニ非訟事件手続法第百五十条ノ二ノ規定ハ海運組合及海運組合連合会ニ付之ヲ準用ス
第十七条 海運組合又ハ海運組合連合会ノ理事又ハ監事本令ニ定ムル登記ヲ為スコトヲ怠リタルトキハ五百円以下ノ過料ニ処ス
第十八条 左ノ場合ニ於テハ海運組合又ハ海運組合連合会ノ清算人ヲ五百円以下ノ過料ニ処ス
一 本令ニ定ムル登記ヲ為スコトヲ怠リタルトキ
二 官庁又ハ総会ニ対シ不実ノ申述ヲ為シ又ハ事実ヲ隠蔽シタルトキ
三 裁判所又ハ其ノ選任シタル者ノ為ス検査ヲ拒ミタルトキ
四 本令ニ違反シ破産宣告ノ請求ヲ為スコトヲ怠リタルトキ
五 本令ニ定ムル公告ヲ為スコトヲ怠リ又ハ不正ノ公告ヲ為シタルトキ
附 則
本令ハ海運組合法施行ノ日ヨリ之ヲ施行ス