船舶運航技能者養成令
法令番号: 勅令第七百八十號
公布年月日: 昭和14年11月21日
法令の形式: 勅令
朕船舶運航技能者養成令ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十四年十一月二十日
內閣總理大臣 阿部信行
遞信大臣 永井柳太郞
大藏大臣 靑木一男
拓務大臣 金光庸夫
勅令第七百八十號
船舶運航技能者養成令
第一條 國家總動員法第二十二條ノ規定ニ基ク船舶ノ運航ニ從事スベキ技能者ノ養成ハ學校技能者養成令ニ依ルモノヲ除クノ外本令ノ定ムル所ニ依ル
第二條 遞信大臣ハ船舶運航技能者養成施設ノ管理者又ハ船舶所有者若ハ船舶運航業者ニ對シ技能ノ種類及養成セラルベキ者ノ員數ヲ定メ技能者ノ養成ヲ命ズルコトヲ得
遞信大臣ハ前項ノ規定ニ依ル命令ヲ受ケタル者ニ對シ養成ノ爲必要ナル施設ヲ命ズルコトヲ得
第三條 前條ノ規定ニ依リ養成セラルベキ者ハ命令ノ定ムル資格ヲ具フル者ナルコトヲ要ス
養成期間及養成方法ハ技能ノ種類及養成セラルベキ者ノ履歷ニ應ジ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第四條 第二條第一項ノ規定ニ依リ技能者ノ養成ヲ命ゼラレタル者ハ養成計畫ヲ定メ遞信局長ノ認可ヲ受クベシ其ノ計畫ヲ變更セントスルトキ亦同ジ
遞信局長必要アリト認ムルトキハ養成計畫ノ變更ヲ命ズルコトヲ得
第五條 第二條第一項ノ規定ニ依リ技能者ノ養成ヲ命ゼラレタル船舶所有者又ハ船舶運航業者ハ養成セラルベキ者ヲシテ授業料其ノ他養成ノ爲必要ナル費用ヲ負擔セシムルコトヲ得ズ但シ命令ノ定ムル所ニ依リ遞信局長ノ許可ヲ受ケタル場合ハ此ノ限ニ在ラズ
第六條 遞信局長ハ船舶運航技能者養成施設ノ管理者ニ對シ左ニ揭グル事項ニ關シ必要ナル變更ヲ命ズルコトヲ得
一 講習ノ科目及時間
二 養成スベキ技能ノ種類及養成セラルベキ者ノ員數
三 養成セラルベキ者ノ資格
四 養成期間
五 其ノ他養成ニ關シ必要ナル事項
第七條 遞信局長ハ國家總動員法第三十一條ノ規定ニ基キ船舶運航技能者養成施設ノ管理者又ハ船舶所有者若ハ船舶運航業者ヨリ技能者ノ養成ニ關シ必要ナル報吿ヲ徵スルコトヲ得
第八條 遞信局長ハ國家總動員法第三十一條ノ規定ニ基キ當該官吏ヲシテ船舶運航技能者養成施設ニ又ハ第二條第一項ノ規定ニ依リ技能者ノ養成ヲ命ゼラレタル船舶所有者若ハ船舶運航業者ノ事務所其ノ他ノ場所ニ臨檢セシメ技能者ノ養成ノ狀況又ハ之ニ關スル帳簿書類其ノ他ノ物件ヲ檢査セシムルコトヲ得此ノ場合ニ於テハ當該官吏ヲシテ其ノ身分ヲ示ス證票ヲ携帶セシムベシ
第九條 遞信大臣ハ其ノ定ムル所ニ依リ本令ニ依ル命令ヲ受ケタル者ニ對シ豫算ノ範圍內ニ於テ補助金ヲ交付ス
遞信大臣ハ本令ニ依ル技能者養成ニ因リ損失ヲ生ジタル場合ニ於テハ通常生ズベキ損失ヲ補償ス
損失ノ補償ヲ請求セントスル者ハ養成期間ノ終了後之ヲ請求スベシ但シ遞信大臣ノ定ムル所ニ依リ別段ノ時期ニ之ヲ請求スルコトヲ得
第十條 本令ハ農林大臣ヨリ漁船運航技能者養成ノ爲補助金其ノ他ノ交付金ヲ受クル公共團體其ノ他ノ營利ヲ目的トセザル法人ニ對シ專ラ漁船ニ乘組ムベキ船舶運航技能者ノ養成ヲ命ズルコトニ關シテハ之ヲ適用セズ
第十一條 遞信大臣ガ漁業者タル漁船所有者ニ對シ第二條ノ命令ヲ爲サントスル場合及前條ノ公共團體其ノ他ノ法人ニ對シ前條ニ揭グル以外ノ船舶運航技能者ノ養成又ハ養成施設ニ關シ第二條ノ命令ヲ爲サントスル場合ニハ豫メ農林大臣ニ議スベシ
第十二條 本令中遞信大臣トアルハ朝鮮ニ在リテハ朝鮮總督、臺灣ニ在リテハ臺灣總督、樺太ニ在リテハ樺太廳長官、南洋群島ニ在リテハ南洋廳長官トシ遞信局長トアルハ朝鮮ニ在リテハ朝鮮總督府遞信局長、臺灣ニ在リテハ臺灣總督府交通局總長、樺太ニ在リテハ樺太廳長官、南洋群島ニ在リテハ南洋廳長官トス
附 則
本令ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
朕船舶運航技能者養成令ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十四年十一月二十日
内閣総理大臣 阿部信行
逓信大臣 永井柳太郎
大蔵大臣 青木一男
拓務大臣 金光庸夫
勅令第七百八十号
船舶運航技能者養成令
第一条 国家総動員法第二十二条ノ規定ニ基ク船舶ノ運航ニ従事スベキ技能者ノ養成ハ学校技能者養成令ニ依ルモノヲ除クノ外本令ノ定ムル所ニ依ル
第二条 逓信大臣ハ船舶運航技能者養成施設ノ管理者又ハ船舶所有者若ハ船舶運航業者ニ対シ技能ノ種類及養成セラルベキ者ノ員数ヲ定メ技能者ノ養成ヲ命ズルコトヲ得
逓信大臣ハ前項ノ規定ニ依ル命令ヲ受ケタル者ニ対シ養成ノ為必要ナル施設ヲ命ズルコトヲ得
第三条 前条ノ規定ニ依リ養成セラルベキ者ハ命令ノ定ムル資格ヲ具フル者ナルコトヲ要ス
養成期間及養成方法ハ技能ノ種類及養成セラルベキ者ノ履歴ニ応ジ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第四条 第二条第一項ノ規定ニ依リ技能者ノ養成ヲ命ゼラレタル者ハ養成計画ヲ定メ逓信局長ノ認可ヲ受クベシ其ノ計画ヲ変更セントスルトキ亦同ジ
逓信局長必要アリト認ムルトキハ養成計画ノ変更ヲ命ズルコトヲ得
第五条 第二条第一項ノ規定ニ依リ技能者ノ養成ヲ命ゼラレタル船舶所有者又ハ船舶運航業者ハ養成セラルベキ者ヲシテ授業料其ノ他養成ノ為必要ナル費用ヲ負担セシムルコトヲ得ズ但シ命令ノ定ムル所ニ依リ逓信局長ノ許可ヲ受ケタル場合ハ此ノ限ニ在ラズ
第六条 逓信局長ハ船舶運航技能者養成施設ノ管理者ニ対シ左ニ掲グル事項ニ関シ必要ナル変更ヲ命ズルコトヲ得
一 講習ノ科目及時間
二 養成スベキ技能ノ種類及養成セラルベキ者ノ員数
三 養成セラルベキ者ノ資格
四 養成期間
五 其ノ他養成ニ関シ必要ナル事項
第七条 逓信局長ハ国家総動員法第三十一条ノ規定ニ基キ船舶運航技能者養成施設ノ管理者又ハ船舶所有者若ハ船舶運航業者ヨリ技能者ノ養成ニ関シ必要ナル報告ヲ徴スルコトヲ得
第八条 逓信局長ハ国家総動員法第三十一条ノ規定ニ基キ当該官吏ヲシテ船舶運航技能者養成施設ニ又ハ第二条第一項ノ規定ニ依リ技能者ノ養成ヲ命ゼラレタル船舶所有者若ハ船舶運航業者ノ事務所其ノ他ノ場所ニ臨検セシメ技能者ノ養成ノ状況又ハ之ニ関スル帳簿書類其ノ他ノ物件ヲ検査セシムルコトヲ得此ノ場合ニ於テハ当該官吏ヲシテ其ノ身分ヲ示ス証票ヲ携帯セシムベシ
第九条 逓信大臣ハ其ノ定ムル所ニ依リ本令ニ依ル命令ヲ受ケタル者ニ対シ予算ノ範囲内ニ於テ補助金ヲ交付ス
逓信大臣ハ本令ニ依ル技能者養成ニ因リ損失ヲ生ジタル場合ニ於テハ通常生ズベキ損失ヲ補償ス
損失ノ補償ヲ請求セントスル者ハ養成期間ノ終了後之ヲ請求スベシ但シ逓信大臣ノ定ムル所ニ依リ別段ノ時期ニ之ヲ請求スルコトヲ得
第十条 本令ハ農林大臣ヨリ漁船運航技能者養成ノ為補助金其ノ他ノ交付金ヲ受クル公共団体其ノ他ノ営利ヲ目的トセザル法人ニ対シ専ラ漁船ニ乗組ムベキ船舶運航技能者ノ養成ヲ命ズルコトニ関シテハ之ヲ適用セズ
第十一条 逓信大臣ガ漁業者タル漁船所有者ニ対シ第二条ノ命令ヲ為サントスル場合及前条ノ公共団体其ノ他ノ法人ニ対シ前条ニ掲グル以外ノ船舶運航技能者ノ養成又ハ養成施設ニ関シ第二条ノ命令ヲ為サントスル場合ニハ予メ農林大臣ニ議スベシ
第十二条 本令中逓信大臣トアルハ朝鮮ニ在リテハ朝鮮総督、台湾ニ在リテハ台湾総督、樺太ニ在リテハ樺太庁長官、南洋群島ニ在リテハ南洋庁長官トシ逓信局長トアルハ朝鮮ニ在リテハ朝鮮総督府逓信局長、台湾ニ在リテハ台湾総督府交通局総長、樺太ニ在リテハ樺太庁長官、南洋群島ニ在リテハ南洋庁長官トス
附 則
本令ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス