陸軍予備士官学校令
法令番号: 勅令第百三十九號
公布年月日: 昭和13年3月26日
法令の形式: 勅令
朕陸軍豫備士官學校令ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十三年三月二十五日
內閣總理大臣 公爵 近衞文麿
陸軍大臣 杉山元
勅令第百三十九號
陸軍豫備士官學校令
第一條 陸軍豫備士官學校ハ豫備役將校ト爲スベキ生徒ヲ敎育スル所トス
第二條 生徒ハ甲種幹部候補生ヲ以テ之ニ充テ通常每年一囘入校セシメ其ノ修學期間ハ槪ネ十一月トス
第三條 生徒ノ敎育綱領ハ敎育總監之ヲ定ム
第四條 生徒ノ敎育ノ實施ハ敎則ニ依ル其ノ敎則ハ前條ノ敎育綱領ニ基キ敎育總監ノ認可ヲ受ケ校長之ヲ定ム
第五條 陸軍豫備士官學校ニ生徒隊ヲ置ク
第六條 陸軍豫備士官學校ニ左ノ職員ヲ置ク
校長
副官
學校附
生徒隊長
生徒隊副官
生徒隊中隊長
生徒隊機關銃隊長
生徒隊步兵砲隊長
生徒隊附
准士官、下士官及判任文官
第七條 校長ハ敎育總監ニ隸シ校務ヲ總理ス
第八條 副官ハ校長ノ命ヲ承ケ庶務ヲ掌ル
第九條 學校附ハ校長ノ命ヲ承ケ各擔任ノ業務ヲ掌ル但シ敎育ノ擔任ニ關シテハ生徒隊長ノ區處ヲ受ク
第十條 生徒隊長ハ生徒隊ヲ統ベ校長ノ命ヲ承ケ敎育ヲ掌理ス
第十一條 生徒隊副官ハ生徒隊長ノ命ヲ承ケ生徒隊ノ庶務ヲ掌ル
第十二條 生徒隊中隊長、生徒隊機關銃隊長及生徒隊步兵砲隊長ハ生徒隊長ノ命ヲ承ケ敎育ヲ擔任ス
第十三條 生徒隊附ハ上官ノ命ヲ承ケ各擔任ノ業務ヲ掌ル
第十四條 准士官、下士官及判任文官ハ上官ノ命ヲ承ケ技術又ハ事務ニ從事ス
第十五條 生徒ハ校內ニ居住セシメ其ノ修學ニ要スル兵器、圖書、器具及消耗品等ハ之ヲ貸付シ又ハ支給スルコトヲ得
第十六條 生徒ノ願屆其ノ他業務ニ關スル諸件ハ校長ノ管理ニ屬ス
第十七條 生徒ハ情願ヲ以テ退校スルコトヲ得ズ
第十八條 生徒左ノ各號ノ一ニ該當スルトキハ之ヲ退校セシム
一 軍紀ヲ紊リ又ハ屢法則ヲ犯ス者
二 品行不正ニシテ改悛ノ目途ナキ者
三 學術ノ成績不良ニシテ卒業ノ目途ナキ者
四 傷痍疾病ニ因リ修業ニ堪ヘザル者
五 前各號ノ外豫備役將校タルニ適セズト認ムル者
第十九條 生徒中前條ノ規定ニ該當スル者アルトキハ校長其ノ事由ヲ具シ敎育總監ノ認可ヲ受ケ之ヲ退校セシム
退校セシメラレタル生徒ハ之ヲ歸隊セシム
第二十條 校長ハ生徒卒業ノ期ニ至リタルトキハ生徒ノ考科列序ヲ定メ敎育總監ノ認可ヲ受ケ卒業者ニ卒業證書ヲ付與シ之ヲ歸隊セシム
前項ノ場合ニ於テ敎育總監ハ生徒ノ考科列序ヲ陸軍大臣ニ移シ校長ハ生徒ノ考科列序ヲ本人ノ所管長官ヲ經テ所屬部隊長ニ送付スルモノトス
第二十一條 校長ハ校務上便宜ノ時期ニ於テ武官タル職員ニ隊附勤務ヲ爲サシムルコトヲ得
第二十二條 校長ハ生徒ノ敎育上必要アルトキハ航空兵團司令官、師團長又ハ陸軍航空本部長ニ禀議シ又ハ協議シ其ノ軍隊又ハ學校ヲ使用スルコトヲ得
附 則
本令ハ昭和十三年四月十日ヨリ之ヲ施行ス
昭和十三年入校ノ生徒ノ修學期間ハ槪ネ七月トス
朕陸軍予備士官学校令ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十三年三月二十五日
内閣総理大臣 公爵 近衛文麿
陸軍大臣 杉山元
勅令第百三十九号
陸軍予備士官学校令
第一条 陸軍予備士官学校ハ予備役将校ト為スベキ生徒ヲ教育スル所トス
第二条 生徒ハ甲種幹部候補生ヲ以テ之ニ充テ通常毎年一回入校セシメ其ノ修学期間ハ概ネ十一月トス
第三条 生徒ノ教育綱領ハ教育総監之ヲ定ム
第四条 生徒ノ教育ノ実施ハ教則ニ依ル其ノ教則ハ前条ノ教育綱領ニ基キ教育総監ノ認可ヲ受ケ校長之ヲ定ム
第五条 陸軍予備士官学校ニ生徒隊ヲ置ク
第六条 陸軍予備士官学校ニ左ノ職員ヲ置ク
校長
副官
学校附
生徒隊長
生徒隊副官
生徒隊中隊長
生徒隊機関銃隊長
生徒隊歩兵砲隊長
生徒隊附
准士官、下士官及判任文官
第七条 校長ハ教育総監ニ隷シ校務ヲ総理ス
第八条 副官ハ校長ノ命ヲ承ケ庶務ヲ掌ル
第九条 学校附ハ校長ノ命ヲ承ケ各担任ノ業務ヲ掌ル但シ教育ノ担任ニ関シテハ生徒隊長ノ区処ヲ受ク
第十条 生徒隊長ハ生徒隊ヲ統ベ校長ノ命ヲ承ケ教育ヲ掌理ス
第十一条 生徒隊副官ハ生徒隊長ノ命ヲ承ケ生徒隊ノ庶務ヲ掌ル
第十二条 生徒隊中隊長、生徒隊機関銃隊長及生徒隊歩兵砲隊長ハ生徒隊長ノ命ヲ承ケ教育ヲ担任ス
第十三条 生徒隊附ハ上官ノ命ヲ承ケ各担任ノ業務ヲ掌ル
第十四条 准士官、下士官及判任文官ハ上官ノ命ヲ承ケ技術又ハ事務ニ従事ス
第十五条 生徒ハ校内ニ居住セシメ其ノ修学ニ要スル兵器、図書、器具及消耗品等ハ之ヲ貸付シ又ハ支給スルコトヲ得
第十六条 生徒ノ願届其ノ他業務ニ関スル諸件ハ校長ノ管理ニ属ス
第十七条 生徒ハ情願ヲ以テ退校スルコトヲ得ズ
第十八条 生徒左ノ各号ノ一ニ該当スルトキハ之ヲ退校セシム
一 軍紀ヲ紊リ又ハ屡法則ヲ犯ス者
二 品行不正ニシテ改悛ノ目途ナキ者
三 学術ノ成績不良ニシテ卒業ノ目途ナキ者
四 傷痍疾病ニ因リ修業ニ堪ヘザル者
五 前各号ノ外予備役将校タルニ適セズト認ムル者
第十九条 生徒中前条ノ規定ニ該当スル者アルトキハ校長其ノ事由ヲ具シ教育総監ノ認可ヲ受ケ之ヲ退校セシム
退校セシメラレタル生徒ハ之ヲ帰隊セシム
第二十条 校長ハ生徒卒業ノ期ニ至リタルトキハ生徒ノ考科列序ヲ定メ教育総監ノ認可ヲ受ケ卒業者ニ卒業証書ヲ付与シ之ヲ帰隊セシム
前項ノ場合ニ於テ教育総監ハ生徒ノ考科列序ヲ陸軍大臣ニ移シ校長ハ生徒ノ考科列序ヲ本人ノ所管長官ヲ経テ所属部隊長ニ送付スルモノトス
第二十一条 校長ハ校務上便宜ノ時期ニ於テ武官タル職員ニ隊附勤務ヲ為サシムルコトヲ得
第二十二条 校長ハ生徒ノ教育上必要アルトキハ航空兵団司令官、師団長又ハ陸軍航空本部長ニ禀議シ又ハ協議シ其ノ軍隊又ハ学校ヲ使用スルコトヲ得
附 則
本令ハ昭和十三年四月十日ヨリ之ヲ施行ス
昭和十三年入校ノ生徒ノ修学期間ハ概ネ七月トス