(所得税法中改正法律)
法令番号: 法律第四十三號
公布年月日: 昭和13年3月31日
法令の形式: 法律
朕帝國議會ノ協贊ヲ經タル所得稅法中改正法律ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十三年三月三十日
內閣總理大臣 公爵 近衞文麿
大藏大臣 賀屋興宣
法律第四十三號
所得稅法中左ノ通改正ス
第二條ニ左ノ一號ヲ加フ
四 本法施行地ニ於テ一時恩給又ハ之ニ類スル退職給與ノ支拂ヲ受クルトキ
第三條第二種ニ左ノ一號ヲ加フ
丙 本法施行地ニ於テ支拂ヲ受クル一時恩給又ハ之ニ類スル退職給與
第十三條ニ左ノ但書ヲ加フ
但シ一時恩給又ハ之ニ類スル退職給與ハ其ノ支拂ヲ受クヘキ金額ヨリ五千圓ヲ控除シタル金額ニ依ル
第十四條第一項第一號ノ次ニ左ノ一號ヲ加フ
一ノ二 第二種ノ所得ニ屬セサル一時恩給及之ニ類スル退職給與ハ前年中ノ收入金額ヨリ支拂者ヲ異ニスル每ニ五千圓ヲ控除シタル金額
同條第一項第五號中「年金」ノ下ニ「(郵便年金ヲ除ク)」ヲ、「恩給」ノ下ニ「(一時恩給ヲ除ク)」ヲ加ヘ「、退隱料」ヲ削ル
第十六條第四項ヲ左ノ如ク改ム
同一人ノ所得ニ付前三項ノ規定ニ依ル控除ヲ爲ス場合ニ於テハ先ツ第十四條第一項第一號ノ二及第二號ノ所得以外ノ所得ニ付之ヲ爲シ不足アルトキハ順次同項第二號及第一號ノ二ノ所得ニ及フ
第十八條第五號ヲ左ノ如ク改ム
五 第十四條第一項第六號ノ所得中營利ノ事業ニ屬セサル一時ノ所得
第二十二條第一項ニ左ノ一號ヲ加フ
丙 所得金額ヲ左ノ各級ニ區分シ遞次ニ各稅率ヲ適用ス
二萬圓以下ノ金額 百分ノ五
二萬圓ヲ超ユル金額 百分ノ十
十萬圓ヲ超ユル金額 百分ノ二十
五十萬圓ヲ超ユル金額 百分ノ三十
第二十三條第一項但書ヲ左ノ如ク改ム
但シ第十四條第一項第一號ノ二及第二號ノ所得ハ其ノ他ノ所得ト之ヲ區分シ同項第一號ノ二ノ所得ニ付テハ支拂者ヲ異ニスル金額每ニ前條第一項丙ノ稅率ヲ適用シテ算出シタル金額ヲ以テ其ノ稅額トシ第十四條第一項第二號ノ所得ニ付テハ其ノ所得ヲ五分シタル金額ニ對シ本項ノ稅率ヲ適用シテ算出シタル金額ヲ五倍シタルモノヲ以テ其ノ稅額トス
同條第二項中「前項ノ場合ニ於テ」ノ下ニ「第十四條第一項第一號ノ二ノ所得ヲ除クノ外」ヲ加フ
第二十六條第二項中「翌年ニ於ケル」ヲ「翌年ヨリ三年間ハ仍」ニ改ム
第三十條第一項中「市制第六條」ノ下ニ「又ハ第八十二條第三項」ヲ加フ
第五十四條ノ二 調査委員ハ自己ノ所屬スル所得調査委員會ノ調査ニ依リ決定セラレタル課稅標準額ニ對スル審査ノ請求、訴願又ハ行政訴訟ニ付納稅義務者ノ代理ヲ爲シ若ハ其ノ相談ニ應スルヲ以テ業ト爲シ又ハ報酬ヲ得テ此等ノ事務ヲ行フコトヲ得ス
第五十六條第一項中「退隱料」ヲ削ル
第七十四條ノ二 第五十四條ノ二ノ規定ニ違反シタル者ハ五百圓以下ノ罰金ニ處ス
第七十七條但書中「前條」ヲ「第七十四條ノ二及前條」ニ改ム
第八十四條ヲ削ル
附 則
本法ハ昭和十三年四月一日ヨリ之ヲ施行ス
本法施行前ニ終了シタル法人ノ各事業年度分ノ所得及本法施行前ニ於ケル解散又ハ合併ニ因ル淸算所得ニ付テハ本法ヲ適用セズ
一時恩給又ハ之ニ類スル退職給與ニシテ本法施行前ノ退職ニ因ルモノニハ本法ヲ適用セズ
第三種ノ所得ニ付テハ昭和十三年分所得稅ヨリ本法ヲ適用ス但シ第二十六條ノ改正規定ハ昭和十二年分以前ノ所得稅ニ付テモ之ヲ適用ス
小笠原島及伊豆七島ニ於ケル昭和十三年分ノ第三種所得稅ニ付テハ所得金額ノ申吿期限及第十六條又ハ第十六條ノ三ノ規定ニ依ル控除ノ申請期限ヲ昭和十三年四月十五日限トス
營業收益稅法第十三條第二項、資本利子稅法第八條第二項及臨時利得稅法第十七條第二項中「翌年ニ於ケル」ヲ「翌年ヨリ三年間ハ仍」ニ改ム
朕帝国議会ノ協賛ヲ経タル所得税法中改正法律ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十三年三月三十日
内閣総理大臣 公爵 近衛文麿
大蔵大臣 賀屋興宣
法律第四十三号
所得税法中左ノ通改正ス
第二条ニ左ノ一号ヲ加フ
四 本法施行地ニ於テ一時恩給又ハ之ニ類スル退職給与ノ支払ヲ受クルトキ
第三条第二種ニ左ノ一号ヲ加フ
丙 本法施行地ニ於テ支払ヲ受クル一時恩給又ハ之ニ類スル退職給与
第十三条ニ左ノ但書ヲ加フ
但シ一時恩給又ハ之ニ類スル退職給与ハ其ノ支払ヲ受クヘキ金額ヨリ五千円ヲ控除シタル金額ニ依ル
第十四条第一項第一号ノ次ニ左ノ一号ヲ加フ
一ノ二 第二種ノ所得ニ属セサル一時恩給及之ニ類スル退職給与ハ前年中ノ収入金額ヨリ支払者ヲ異ニスル毎ニ五千円ヲ控除シタル金額
同条第一項第五号中「年金」ノ下ニ「(郵便年金ヲ除ク)」ヲ、「恩給」ノ下ニ「(一時恩給ヲ除ク)」ヲ加ヘ「、退隠料」ヲ削ル
第十六条第四項ヲ左ノ如ク改ム
同一人ノ所得ニ付前三項ノ規定ニ依ル控除ヲ為ス場合ニ於テハ先ツ第十四条第一項第一号ノ二及第二号ノ所得以外ノ所得ニ付之ヲ為シ不足アルトキハ順次同項第二号及第一号ノ二ノ所得ニ及フ
第十八条第五号ヲ左ノ如ク改ム
五 第十四条第一項第六号ノ所得中営利ノ事業ニ属セサル一時ノ所得
第二十二条第一項ニ左ノ一号ヲ加フ
丙 所得金額ヲ左ノ各級ニ区分シ逓次ニ各税率ヲ適用ス
二万円以下ノ金額 百分ノ五
二万円ヲ超ユル金額 百分ノ十
十万円ヲ超ユル金額 百分ノ二十
五十万円ヲ超ユル金額 百分ノ三十
第二十三条第一項但書ヲ左ノ如ク改ム
但シ第十四条第一項第一号ノ二及第二号ノ所得ハ其ノ他ノ所得ト之ヲ区分シ同項第一号ノ二ノ所得ニ付テハ支払者ヲ異ニスル金額毎ニ前条第一項丙ノ税率ヲ適用シテ算出シタル金額ヲ以テ其ノ税額トシ第十四条第一項第二号ノ所得ニ付テハ其ノ所得ヲ五分シタル金額ニ対シ本項ノ税率ヲ適用シテ算出シタル金額ヲ五倍シタルモノヲ以テ其ノ税額トス
同条第二項中「前項ノ場合ニ於テ」ノ下ニ「第十四条第一項第一号ノ二ノ所得ヲ除クノ外」ヲ加フ
第二十六条第二項中「翌年ニ於ケル」ヲ「翌年ヨリ三年間ハ仍」ニ改ム
第三十条第一項中「市制第六条」ノ下ニ「又ハ第八十二条第三項」ヲ加フ
第五十四条ノ二 調査委員ハ自己ノ所属スル所得調査委員会ノ調査ニ依リ決定セラレタル課税標準額ニ対スル審査ノ請求、訴願又ハ行政訴訟ニ付納税義務者ノ代理ヲ為シ若ハ其ノ相談ニ応スルヲ以テ業ト為シ又ハ報酬ヲ得テ此等ノ事務ヲ行フコトヲ得ス
第五十六条第一項中「退隠料」ヲ削ル
第七十四条ノ二 第五十四条ノ二ノ規定ニ違反シタル者ハ五百円以下ノ罰金ニ処ス
第七十七条但書中「前条」ヲ「第七十四条ノ二及前条」ニ改ム
第八十四条ヲ削ル
附 則
本法ハ昭和十三年四月一日ヨリ之ヲ施行ス
本法施行前ニ終了シタル法人ノ各事業年度分ノ所得及本法施行前ニ於ケル解散又ハ合併ニ因ル清算所得ニ付テハ本法ヲ適用セズ
一時恩給又ハ之ニ類スル退職給与ニシテ本法施行前ノ退職ニ因ルモノニハ本法ヲ適用セズ
第三種ノ所得ニ付テハ昭和十三年分所得税ヨリ本法ヲ適用ス但シ第二十六条ノ改正規定ハ昭和十二年分以前ノ所得税ニ付テモ之ヲ適用ス
小笠原島及伊豆七島ニ於ケル昭和十三年分ノ第三種所得税ニ付テハ所得金額ノ申告期限及第十六条又ハ第十六条ノ三ノ規定ニ依ル控除ノ申請期限ヲ昭和十三年四月十五日限トス
営業収益税法第十三条第二項、資本利子税法第八条第二項及臨時利得税法第十七条第二項中「翌年ニ於ケル」ヲ「翌年ヨリ三年間ハ仍」ニ改ム