第一條 國有財產法ハ第十三條及第二十四條ノ規定ヲ除クノ外之ヲ樺太ニ施行ス
第二條 樺太廳ニ屬スル國有財產ニ關スル事務ハ樺太廳長官ヲシテ之ヲ管理セシム
第三條 各省大臣公用財產ノ用途ヲ廢止セントスルトキハ豫メ之ヲ樺太廳長官及大藏大臣ニ通知シ特ニ樺太廳長官ト協定シタルモノヲ除クノ外用途廢止後遲滯ナク之ヲ樺太廳長官ニ引繼グベシ但シ其ノ用途廢止ト同時ニ國有財產タルノ性質ヲ失フモノ及大學資金ニ關スルモノニ付テハ此ノ限ニ在ラズ
樺太廳長官前項ノ規定ニ依リ引繼ヲ受ケタルトキハ遲滯ナク之ヲ大藏大臣ニ通知スベシ
第四條 前條ノ規定ニ依リ引繼ヲ受ケタル財產又ハ之ト交換シタル財產ハ國有財產整理資金ノ爲樺太廳長官ヲシテ之ヲ管理セシム但シ樺太廳長官大藏大臣ト協定シタルモノニ付テハ此ノ限ニ在ラズ
第五條 樺太廳長官各省大臣ノ管理ニ屬スル國有財產ノ管理換ヲ受ケントスルトキハ所管大臣及大藏大臣ニ協議スベシ
各省大臣樺太廳長官ノ管理スル國有財產ノ管理換ヲ受ケントスルトキハ樺太廳長官及大藏大臣ニ協議スベシ
第六條 樺太廳長官國有財產整理資金ノ爲管理スル雜種財產ヲ公用財產若ハ營林財產ト爲サントスルトキ又ハ讓與、交換若ハ無償ニテ貸付セントスルトキハ大藏大臣ニ協議スベシ
第七條 雜種財產ハ營利ヲ目的トセザル公共ノ利益ト爲ルベキ事業ニ供スル爲必要アルトキハ國有財產法第五條ノ規定ニ拘ラズ之ヲ當該事業者ニ讓與スルコトヲ得
第八條 國有財產法第二十一條乃至第二十三條及國有財產法施行令第二十三條乃至第二十七條ノ規定ハ公共用財產タル國有水面ノ埋立又ハ干拓ヲ爲サントスル者アル場合ニ付之ヲ準用ス
第九條 國有財產ニ付境界ノ分明ナラザルモノアル場合ニ於テ當該官廳必要ト認メタルトキ又ハ隣接地所有者ノ申請アリタルトキハ當該官廳ハ其ノ境界査定ヲ樺太廳支廳長ニ委囑スルコトヲ得
前項ニ規定スル委囑アリタルトキハ樺太廳支廳長ハ其ノ境界査定ヲ施行スベシ此ノ場合ニ於テハ國有財產法施行令第十五條乃至第十八條中當該官廳トアルハ境界査定ヲ施行スベキ樺太廳支廳長トス
第十條 樺太廳長官ハ其ノ管理スル國有財產ニ付每會計年度間ニ於ケル國有財產增減報吿書ヲ調製シ翌年度七月三十一日迄ニ之ヲ拓務大臣ニ送付スベシ
樺太廳長官ハ其ノ管理スル國有財產ニ付每五年三月三十一日現在ニ於ケル國有財產現在額報吿書ヲ調製シ其ノ年八月三十一日迄ニ之ヲ拓務大臣ニ送付スベシ
第十一條 國有財產法施行令第三十八條ニ規定スル事項ハ樺太廳長官ノ管理スル國有財產ニ付テハ樺太廳長官大藏大臣ニ協議シテ之ヲ定ム
第十二條 國有財產法施行令第二條、第四條及第五條ノ規定ハ樺太ニ於ケル國有財產ニ付之ヲ適用セズ
國有財產法施行令第三條、第八條但書及第三十八條ノ規定ハ樺太廳長官ノ管理スル國有財產ニ付之ヲ適用セズ
第十三條 樺太廳長官ノ管理スル國有財產ニ付テハ國有財產法施行令第一條中所管大臣又ハ第三十五條中各省大臣トアルハ樺太廳長官、同令第十九條中官報トアルハ樺太廳公報、同令第三十條中所管ノ各省又ハ各省トアルハ樺太廳トス