第一條 本法ノ適用ヲ受クル重要輸出品ノ種類ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第二條 重要輸出品ハ命令ノ定ムル所ニ依リ主務大臣ノ認可ヲ受ケ檢査ヲ行フ者(檢査機關)ノ檢査ニ合格シタルモノニ非ザレバ販賣ノ目的ヲ以テ之ヲ輸出スルコトヲ得ズ但シ特別ノ事情ニ依リ主務大臣ノ許可ヲ受ケタル場合ハ此ノ限ニ在ラズ
第三條 販賣ノ目的ヲ以テ重要輸出品ノ輸出ヲ爲サントスル者ハ命令ノ定ムル所ニ依リ其ノ重要輸出品ガ前條ノ規定ニ從ヒテ輸出セラルルモノナルコトニ付行政官廳ノ檢閱ヲ受クベシ
第四條 檢査機關其ノ檢査ノ全部又ハ一部ヲ休止シ又ハ廢止セントスルトキハ命令ノ定ムル所ニ依リ主務大臣ノ認可ヲ受クベシ
主務大臣必要ト認ムルトキハ檢査員ノ選任又ハ解任ヲ爲スコトヲ得
檢査機關ハ檢査員ノ服務ニ關スル規程ヲ定メ主務大臣ノ認可ヲ受クベシ之ヲ變更セントスルトキ亦同ジ
第六條 主務大臣ハ檢査機關ニ對シ檢査施行上必要ナル施設ヲ命ジ、檢査ノ狀況ニ關シ檢査ヲ爲シ又ハ報吿ヲ爲サシメ其ノ他監督上必要ナル命令ヲ發シ又ハ處分ヲ爲スコトヲ得
第七條 檢査機關本法若ハ本法ニ基キテ發スル命令又ハ之ニ基キテ爲ス處分ニ違反シタルトキハ主務大臣ハ其ノ檢査ノ全部若ハ一部ノ停止ヲ命ジ又ハ第二條ノ認可ヲ取消スコトヲ得
第八條 主務大臣重要輸出品ノ輸出ニ關シ取締上必要アリト認ムルトキハ當該官吏ヲシテ保稅地域內ニ於テ又ハ店舖、倉庫、工場其ノ他ノ場所ニ臨檢シ物品、帳簿其ノ他ノ物件ヲ檢査セシムルコトヲ得
前項ノ場合ニ於テ當該官吏第二條又ハ第三條ノ規定ニ違反シテ重要輸出品ノ輸出ヲ爲シ又ハ輸出ヲ爲サントシタル者アリト認ムルトキハ被疑者若ハ參考人ヲ尋問シ又ハ犯罪ノ事實ヲ證明スベキ物件ヲ搜索シ若ハ之ガ差押ヲ爲スコトヲ得
臨檢、尋問、搜索及差押ニ關シテハ間接國稅犯則者處分法ヲ準用ス
第九條 重要輸出品ノ檢査ニ關シ第二條ノ命令ノ規定ニ依リ之ニ附シタル檢査機關ノ印章、記號又ハ證票ハ正當ノ理由ナクシテ之ヲ抹消シ、除却シ又ハ隱蔽スルコトヲ得ズ
前項ノ印章、記號又ハ證票ヲ抹消シ、除却シ又ハ隱蔽シタル重要輸出品ハ之ヲ輸出スルコトヲ得ズ
第十條 前條ノ記號若ハ證票ヲ不正ニ使用シタル者、行使ノ目的ヲ以テ記號若ハ證票ヲ僞造シ若ハ變造シタル者又ハ僞造若ハ變造ノ記號若ハ證票ヲ使用シタル者ハ三年以下ノ懲役又ハ千圓以下ノ罰金ニ處ス
第十一條 檢査機關ノ役員又ハ檢査員其ノ職務ニ關シ賄賂ヲ收受シ又ハ之ヲ要求若ハ約束シタルトキハ二年以下ノ懲役ニ處ス因テ不正ノ行爲ヲ爲シ又ハ相當ノ行爲ヲ爲サザルトキハ五年以下ノ懲役ニ處ス
前項ノ場合ニ於テ收受シタル賄賂ハ之ヲ沒收ス若シ其ノ全部又ハ一部ヲ沒收スルコト能ハザルトキハ其ノ價額ヲ追徵ス
第十二條 前條第一項ニ揭ゲタル者ニ對シ賄賂ヲ交付、提供又ハ約束シタル者ハ二年以下ノ懲役又ハ五百圓以下ノ罰金ニ處ス
前項ノ罪ヲ犯シタル者自首シタルトキハ其ノ刑ヲ減輕又ハ免除スルコトヲ得
第十三條 第二條、第三條又ハ第九條第二項ノ規定ニ違反シテ重要輸出品ノ輸出ヲ爲シ又ハ輸出ヲ爲サントシタル者ハ千圓以下ノ罰金ニ處ス
前項ノ場合ニ於テハ犯人ノ所有シ又ハ所持スル重要輸出品ヲ沒收スルコトヲ得若シ其ノ全部又ハ一部ヲ沒收スルコト能ハザルトキハ其ノ價額ヲ追徵スルコトヲ得
第十四條 左ノ各號ノ一ニ該當スル者ハ五百圓以下ノ罰金ニ處ス
一 正當ノ理由ナクシテ第八條ノ規定ニ依ル當該官吏ノ臨檢、檢査、搜索若ハ差押ヲ拒ミ、妨ゲ若ハ忌避シ又ハ其ノ尋問ニ對シ答辯ヲ爲サズ若ハ虛僞ノ陳述ヲ爲シタル者
第十五條 重要輸出品ニ關スル業ヲ爲ス者ハ其ノ代理人、戶主、家族、同居者、雇人其ノ他ノ從業者ガ其ノ業務ニ關シ第十三條第一項ノ罪ヲ犯シタルトキハ自己ノ指揮ニ出デザルノ故ヲ以テ其ノ處罰ヲ免ルルコトヲ得ズ
第十六條 本法又ハ本法ニ基キテ發スル命令ニ依リ適用スベキ罰則ハ其ノ者ガ法人ナルトキハ理事、取締役其ノ他ノ法人ノ業務ヲ執行スル役員ニ、未成年者又ハ禁治產者ナルトキハ其ノ法定代理人ニ之ヲ適用ス但シ營業ニ關シ成年者ト同一ノ能力ヲ有スル未成年者ニ付テハ此ノ限ニ在ラズ
第十七條 左ノ場合ニ於テハ檢査機關ノ役員ヲ十圓以上五百圓以下ノ過料ニ處ス
一 本法ニ依リ主務大臣ノ認可ヲ受クベキ事項ヲ認可ヲ受ケズシテ爲シタルトキ
二 本法ニ依ル主務大臣ノ命令又ハ處分ニ從ハザルトキ
非訟事件手續法第二百六條乃至第二百八條ノ規定ハ前項ノ過料ニ之ヲ準用ス
第十八條 輸出ノ目的ヲ以テ爲ス重要輸出品ノ移出ニ付テハ勅令ノ定ムル所ニ依リ本法ノ全部又ハ一部ヲ準用スルコトヲ得