商品券取締法
法令番号: 法律第二十八號
公布年月日: 昭和7年9月7日
法令の形式: 法律
朕帝國議會ノ協贊ヲ經タル商品券取締法ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和七年九月六日
內閣總理大臣 子爵 齋藤實
大藏大臣 高橋是淸
商工大臣 男爵 中島久萬吉
法律第二十八號
商品券取締法
第一條 商品券ヲ發行スル者ハ命令ノ定ムル所ニ依リ每年二囘ノ一定日現在ニ於ケル商品券發行額ノ二分ノ一以上ノ金額ニ相當スル國債ヲ供託スベシ但シ商品券發行額ガ命令ノ定ムル額ヲ超エザルトキハ此ノ限ニ在ラズ
前項ノ商品券發行額ハ商品券ノ引換未濟ノ金額ニ依ル
第二條 商品券ノ所有者ハ商品券ノ引換未濟ノ金額ヲ限度トシテ前條ノ供託物ニ付他ノ債權者ニ先チ辨濟ヲ受クルノ權利ヲ有ス
前項ノ權利ノ實行ニ關シ必要ナル事項ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第三條 前二條ノ商品券ハ券面ニ金額ヲ表示シタルモノニ限ル
第四條 主務大臣ハ商品券ノ發行ニ關シ取締上必要ナル命令ヲ發スルコトヲ得
第五條 主務大臣必要アリト認ムルトキハ商品券ノ發行者ニ對シ報吿ヲ命ジ又ハ當該官吏ヲシテ帳簿其ノ他ノ物件ノ檢査ヲ爲サシムルコトヲ得
第六條 商品券ノ發行者第一條ノ規定ニ違反シタルトキハ千圓以下ノ罰金ニ處ス
第七條 左ノ各號ノ一ニ該當スル者ハ三百圓以下ノ罰金ニ處ス
一 第四條ノ規定ニ依ル命令ニ違反シタル者
二 正當ノ理由ナクシテ第五條ノ規定ニ依リ命ゼラレタル報吿ヲ爲サズ若ハ虛僞ノ報吿ヲ爲シ又ハ同條ノ規定ニ依ル檢査ヲ拒ミ、妨ゲ若ハ忌避シタル者
第八條 商品券ノ發行者ハ其ノ代理人、戶主、家族、同居者、雇人其ノ他ノ從業者ガ其ノ營業ニ關シ本法又ハ本法ニ基キテ發スル命令ニ違反シタルトキハ自己ノ指揮ニ出デザルノ故ヲ以テ其ノ處罰ヲ免ルルコトヲ得ズ
第九條 本法ニ依リ商品券ノ發行者ニ適用スベキ罰則ハ其ノ者ガ法人ナルトキハ理事、取締役其ノ他ノ法人ノ業務ヲ執行スル役員ニ、未成年者又ハ禁治產者ナルトキハ其ノ法定代理人ニ之ヲ適用ス但シ營業ニ關シ成年者ト同一ノ能力ヲ有スル未成年者ニ付テハ此ノ限ニ在ラズ
附 則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
本法施行ノ際現ニ商品券ヲ發行スル者ハ本法施行ノ日現在ニ於ケル商品券發行額ニ依リ第一條ノ供託ヲ爲スベシ此ノ場合ニ於ケル供託ハ命令ノ定ムル所ニ依リ分割シテ之ヲ爲スコトヲ得
朕帝国議会ノ協賛ヲ経タル商品券取締法ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和七年九月六日
内閣総理大臣 子爵 斎藤実
大蔵大臣 高橋是清
商工大臣 男爵 中島久万吉
法律第二十八号
商品券取締法
第一条 商品券ヲ発行スル者ハ命令ノ定ムル所ニ依リ毎年二回ノ一定日現在ニ於ケル商品券発行額ノ二分ノ一以上ノ金額ニ相当スル国債ヲ供託スベシ但シ商品券発行額ガ命令ノ定ムル額ヲ超エザルトキハ此ノ限ニ在ラズ
前項ノ商品券発行額ハ商品券ノ引換未済ノ金額ニ依ル
第二条 商品券ノ所有者ハ商品券ノ引換未済ノ金額ヲ限度トシテ前条ノ供託物ニ付他ノ債権者ニ先チ弁済ヲ受クルノ権利ヲ有ス
前項ノ権利ノ実行ニ関シ必要ナル事項ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第三条 前二条ノ商品券ハ券面ニ金額ヲ表示シタルモノニ限ル
第四条 主務大臣ハ商品券ノ発行ニ関シ取締上必要ナル命令ヲ発スルコトヲ得
第五条 主務大臣必要アリト認ムルトキハ商品券ノ発行者ニ対シ報告ヲ命ジ又ハ当該官吏ヲシテ帳簿其ノ他ノ物件ノ検査ヲ為サシムルコトヲ得
第六条 商品券ノ発行者第一条ノ規定ニ違反シタルトキハ千円以下ノ罰金ニ処ス
第七条 左ノ各号ノ一ニ該当スル者ハ三百円以下ノ罰金ニ処ス
一 第四条ノ規定ニ依ル命令ニ違反シタル者
二 正当ノ理由ナクシテ第五条ノ規定ニ依リ命ゼラレタル報告ヲ為サズ若ハ虚偽ノ報告ヲ為シ又ハ同条ノ規定ニ依ル検査ヲ拒ミ、妨ゲ若ハ忌避シタル者
第八条 商品券ノ発行者ハ其ノ代理人、戸主、家族、同居者、雇人其ノ他ノ従業者ガ其ノ営業ニ関シ本法又ハ本法ニ基キテ発スル命令ニ違反シタルトキハ自己ノ指揮ニ出デザルノ故ヲ以テ其ノ処罰ヲ免ルルコトヲ得ズ
第九条 本法ニ依リ商品券ノ発行者ニ適用スベキ罰則ハ其ノ者ガ法人ナルトキハ理事、取締役其ノ他ノ法人ノ業務ヲ執行スル役員ニ、未成年者又ハ禁治産者ナルトキハ其ノ法定代理人ニ之ヲ適用ス但シ営業ニ関シ成年者ト同一ノ能力ヲ有スル未成年者ニ付テハ此ノ限ニ在ラズ
附 則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
本法施行ノ際現ニ商品券ヲ発行スル者ハ本法施行ノ日現在ニ於ケル商品券発行額ニ依リ第一条ノ供託ヲ為スベシ此ノ場合ニ於ケル供託ハ命令ノ定ムル所ニ依リ分割シテ之ヲ為スコトヲ得