清涼飲料税法施行規則
法令番号: 勅令第三十三號
公布年月日: 大正15年3月31日
法令の形式: 勅令
朕淸涼飮料稅法施行規則ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
攝政名
大正十五年三月三十一日
內閣總理大臣 若槻禮次郞
大藏大臣 濱口雄幸
勅令第三十三號
淸涼飮料稅法施行規則
第一條 淸涼飮料ヲ製造セムトスル者ハ製造場及製造スヘキ種類ヲ定メ其ノ住所及氏名又ハ名稱ヲ記載シタル免許申請書ヲ製造場所轄稅務署ニ提出スヘシ
第二條 左ノ各號ノ一ニ該當スルトキハ稅務署長ハ淸涼飮料製造ノ免許ヲ與ヘサルコトヲ得
一 著シク交通不便ナル地ニ製造場ヲ設ケムトスルトキ
二 淸涼飮料稅法第十九條ノ規定ニ依リ免許ヲ取消サレタル者其ノ他稅務署長ニ於テ免許ヲ與フルニ不適當ト認メタル者カ免許ヲ申請シタルトキ
第三條 淸涼飮料ノ製造場ハ其ノ敷地ノ連續スルト否トヲ問ハス一製造場ト認ムヘキモノヲ謂フ
第四條 淸涼飮料製造ノ免許ヲ受ケタル者ハ其ノ製造場每ニ地所建物ノ圖面、製造用器具器械ノ目錄及淸涼飮料製造方法書ヲ調製シ事業著手前所轄稅務署ニ提出スヘシ
前項ノ圖面又ハ目錄ニ記載シタル事項ニ異動ヲ生シタルトキハ其ノ都度申告スヘシ製造方法ヲ變更シ又ハ製造者ノ住所、氏名若ハ名稱ニ異動ヲ生シタルトキ亦同シ
第五條 淸涼飮料ノ製造者カ製造ニ著手セムトスルトキ、一月以上製造ヲ休止セムトスルトキ又ハ製造休止後更ニ製造ニ著手セムトスルトキハ其ノ時期ヲ定メ豫メ所轄稅務署ニ申告スヘシ其ノ申告シタル事項ヲ變更セムトスルトキ亦同シ
第六條 淸涼飮料ノ製造者ハ每年二月中ニ其ノ年三月一日ヨリ翌年二月末日迄ノ期間ニ於テ製造スル淸涼飮料ニ付第一種及第二種ニ在リテハ製造見込石數、第三種ニ在リテハ炭酸瓦斯使用見込數量ヲ所轄稅務署ニ申告スヘシ
前項ノ見込石數又ハ見込數量ニ異動ヲ生シタルトキハ其ノ都度直ニ所轄稅務署ニ申告スヘシ
第七條 淸涼飮料ノ製造者死亡又ハ隱居シタルトキハ相續人ハ其ノ旨ヲ直ニ所轄稅務署ニ申告シ製造免許ノ承繼ヲ爲スコトヲ得
前項ノ場合ヲ除クノ外淸涼飮料ノ製造業ヲ承繼セムトスル者ハ製造者ト連署シタル製造免許承繼ノ申請書ヲ所轄稅務署ニ提出シ許可ヲ受クヘシ
第八條 淸涼飮料ノ製造者製造場ヲ移轉セムトスルトキハ製造場ヲ定メテ移轉先ノ所轄稅務署ニ申請シ其ノ許可ヲ受クヘシ
第九條 淸涼飮料ノ製造者製造ヲ廢止セムトスルトキハ免許取消申請書ヲ所轄稅務署ニ提出スヘシ
第十條 淸涼飮料稅法第六條ノ規定ニ依ル申告書ハ所轄稅務署ニ之ヲ提出スヘシ
淸涼飮料ノ製造者前項ノ申告書ヲ提出セス又ハ稅務署長其ノ申告ヲ不相當ト認メタルトキハ稅務署長ハ其ノ課稅標準額ヲ決定スヘシ
第十一條 外國ニ輸出スル淸涼飮料ニ付淸涼飮料稅ノ免除ヲ受ケムトスル者ハ製造場ヨリ之ヲ移出スル都度所轄稅務署ノ承認ヲ受クヘシ
第十二條 前條ノ淸涼飮料ニ付輸出ノ證明ヲ爲サムトスルトキハ移出後六月以內ニ左ノ書類ヲ所轄稅務署ニ提出スヘシ但シ已ムコトヲ得サル事由ニ因リ第二號ノ書類ヲ提出スルコト能ハサルトキハ所轄稅務署ノ承認ヲ受ケタル場合ニ限リ第一號ノ書類ノミヲ以テ證明ヲ爲スコトヲ得
一 輸出免狀又ハ之ニ代ルヘキ書類
二 外國輸入港稅關ノ輸入免狀又ハ外國ニ陸揚シタルコトヲ證スヘキ書類
第十三條 外國輸出ノ目的ヲ以テ製造場外ニ移出シタル淸涼飮料ニシテ天災其ノ他已ムコトヲ得サル事由ニ因リ亡失シタルトキハ製造者ハ其ノ事實ヲ製造場所轄稅務署ニ申告シテ其ノ承認ヲ受クヘシ
前項ノ場合ニ於テ亡失シタル場所カ前項稅務署ノ管轄外ナルトキハ最寄稅務署ニ亡失ノ事實ヲ申告シテ其ノ承認ヲ受クヘシ此ノ場合ニ於テハ承認ヲ爲シタル稅務署ハ其ノ旨ヲ直ニ製造場所轄稅務署ニ通知スヘシ
第十四條 淸涼飮料稅法第九條第一項但書ノ規定ニ依リ政府ノ承認ヲ受ケムトスル者ハ其ノ事由ヲ具シ製造場所轄稅務署ニ申請スヘシ
前項ノ場合ニ於テ淸涼飮料カ前項稅務署ノ管轄外ニ在ルトキハ其ノ所在地所轄稅務署ニ之ヲ申請スヘシ但シ此ノ場合ニ於テハ其ノ所在地所轄稅務署ヨリ承認書ノ交付ヲ受ケ之ヲ製造場所轄稅務署ニ提出スルコトヲ要ス
前項ノ場合ニ於テ承認書ノ交付ヲ爲シタル稅務署ハ其ノ旨ヲ直ニ製造場所轄稅務署ニ通知スヘシ
製造場所轄稅務署第一項ノ申請ニ因リ承認ヲ爲シ又ハ前項ノ通知ヲ受ケタルトキハ直ニ其ノ淸涼飮料稅ヲ徵收スヘシ
第十五條 外國輸出ノ目的ヲ以テ製造場外ニ移出スル淸涼飮料ニ付テハ稅務署長ハ淸涼飮料ノ製造者ニ對シ淸涼飮料稅額ニ相當スル擔保ヲ提供セシムルコトヲ得
第十六條 淸涼飮料ノ製造者左ノ各號ノ一ニ該當スル場合ニ於テハ稅務署長ハ淸涼飮料ノ製造者ニ對シ第六條ノ期間ニ於ケル淸涼飮料製造見込石數又ハ炭酸瓦斯使用見込數量ニ對スル稅額ノ四分ノ一ニ相當スル金額ノ擔保ヲ提供セシムルコトヲ得
一 淸涼飮料稅法ヲ犯シテ處罰又ハ處分セラレタルトキ
二 淸涼飮料稅ニ付滯納處分ヲ受ケタルトキ
三 淸涼飮料稅ノ逋脫ヲ圖ルノ行爲アリト認ムルトキ
第十七條 擔保物ノ種類ハ金錢又ハ國債ニ限ル
金錢又ハ無記名國債證券ヲ擔保トシテ提供スルトキハ之ヲ供託シ其ノ供託受領證ヲ所轄稅務署ニ提出スヘシ
登錄國債ヲ擔保トシテ提供スルトキハ擔保ノ登錄ヲ受ケ其ノ登錄濟通知書ヲ所轄稅務署ニ提出スヘシ乙種國債登錄簿ニ登錄シタルモノニ在リテハ尙記名國債證券ヲ供託シ其ノ供託受領證ヲ提出スヘシ
擔保トシテ提供シタル國債ノ償却ヲ受クルニ至リタルトキハ稅務署長ハ擔保提供者ヲシテ直ニ之ニ代ルヘキ擔保ヲ提供セシムヘシ
第十八條 擔保物ヲ提供シタル者淸涼飮料稅ヲ納付スヘキ場合ニ於テ之ヲ納付セサルトキハ擔保物ヲ以テ稅金ニ充ツ
前項ノ場合ニ於テ擔保物國債ナルトキハ之ヲ公賣ニ付シ順次ニ公賣ノ費用及稅金ニ充ツ
前二項ノ場合ニ於テ不足アルトキハ之ヲ追徵シ殘金アルトキハ之ヲ還付ス
第十九條 淸涼飮料ノ製造者ハ少クトモ左ノ事項ヲ帳簿ニ記載スヘシ
一 原料ノ種類及數量、他ヨリ引取リタル原料ニ在リテハ尙引取ノ日竝其ノ引渡人ノ住所及氏名又ハ名稱
二 使用シタル原料ノ種類、數量及使用ノ日
三 製造シタル淸涼飮料ノ種類、數量及製造ノ日
四 移出シタル淸涼飮料ノ種類、數量、價額及移出ノ日竝其ノ引取人ノ住所及氏名又ハ名稱
小賣ノ場合ニ於テハ前項第四號ノ引取人ノ住所及氏名又ハ名稱ノ記載ヲ要セス
第二十條 淸涼飮料ノ販賣者ハ少クトモ左ノ事項ヲ帳簿ニ記載スヘシ
一 引取リタル淸涼飮料ノ種類、數量、價額及引取ノ日竝其ノ引渡人ノ住所及氏名又ハ名稱
二 販賣シタル淸涼飮料ノ種類、數量、價額及販賣ノ日竝其ノ買受人ノ住所及氏名又ハ名稱
小賣ノ場合ニ於テハ前項第二號ノ買受人ノ住所及氏名又ハ名稱ノ記載ヲ要セス
第二十一條 淸涼飮料ノ製造者ハ左ニ揭クル場合ニ於テ收稅官吏カ必要ト認メテ承認ヲ受クヘキコトヲ命シタルトキハ其ノ承認ヲ受クヘシ
一 製造ニ著手セムトスルトキ
二 原料ヲ淸涼飮料ノ製造以外ニ使用セムトスルトキ
三 製造場ト同一場所ニ於テ小賣販賣業ヲ兼營セムトスルトキ
四 前各號ノ外收稅官吏カ指定シタル事項ヲ爲サムトスルトキ
第二十二條 第一條、第五條、第七條乃至第九條、第十九條及第二十條ノ規定ハ販賣ノ目的ヲ以テ炭酸瓦斯ヲ製造スル者又ハ炭酸瓦斯ヲ販賣スル者ニ付之ヲ準用ス但シ同規定中免許、免許取消又ハ許可ノ申請ヲ要スル事項ニ付テハ申告書ヲ提出スルヲ以テ足ル
第二十三條 收稅官吏ハ淸涼飮料又ハ炭酸瓦斯ノ製造者又ハ販賣者ノ營業ニ關シ職務上知得タル事項ヲ他ニ漏洩スルコトヲ得ス
附 則
本令ハ大正十五年四月一日ヨリ之ヲ施行ス
淸涼飮料稅法附則第二項ノ規定ニ依リ政府ニ申告セムトスル者ハ第一條ニ準シタル申告書ニ淸涼飮料稅法施行前ヨリ引續キ淸涼飮料ヲ製造スルコトノ事實ヲ具シ第四條第一項ノ書類ヲ添ヘ所轄稅務署ニ提出スヘシ
本令施行前ヨリ引續キ販賣ノ目的ヲ以テ炭酸瓦斯ヲ製造スル者又ハ炭酸瓦斯ヲ販賣スル者ハ本令施行後一月以內ニ第一條ニ準シタル申告書ヲ所轄稅務署ニ提出スヘシ
大正十五年ニ限リ第六條ノ規定中二月中トアルハ四月中トス
朕清涼飲料税法施行規則ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
摂政名
大正十五年三月三十一日
内閣総理大臣 若槻礼次郎
大蔵大臣 浜口雄幸
勅令第三十三号
清涼飲料税法施行規則
第一条 清涼飲料ヲ製造セムトスル者ハ製造場及製造スヘキ種類ヲ定メ其ノ住所及氏名又ハ名称ヲ記載シタル免許申請書ヲ製造場所轄税務署ニ提出スヘシ
第二条 左ノ各号ノ一ニ該当スルトキハ税務署長ハ清涼飲料製造ノ免許ヲ与ヘサルコトヲ得
一 著シク交通不便ナル地ニ製造場ヲ設ケムトスルトキ
二 清涼飲料税法第十九条ノ規定ニ依リ免許ヲ取消サレタル者其ノ他税務署長ニ於テ免許ヲ与フルニ不適当ト認メタル者カ免許ヲ申請シタルトキ
第三条 清涼飲料ノ製造場ハ其ノ敷地ノ連続スルト否トヲ問ハス一製造場ト認ムヘキモノヲ謂フ
第四条 清涼飲料製造ノ免許ヲ受ケタル者ハ其ノ製造場毎ニ地所建物ノ図面、製造用器具器械ノ目録及清涼飲料製造方法書ヲ調製シ事業著手前所轄税務署ニ提出スヘシ
前項ノ図面又ハ目録ニ記載シタル事項ニ異動ヲ生シタルトキハ其ノ都度申告スヘシ製造方法ヲ変更シ又ハ製造者ノ住所、氏名若ハ名称ニ異動ヲ生シタルトキ亦同シ
第五条 清涼飲料ノ製造者カ製造ニ著手セムトスルトキ、一月以上製造ヲ休止セムトスルトキ又ハ製造休止後更ニ製造ニ著手セムトスルトキハ其ノ時期ヲ定メ予メ所轄税務署ニ申告スヘシ其ノ申告シタル事項ヲ変更セムトスルトキ亦同シ
第六条 清涼飲料ノ製造者ハ毎年二月中ニ其ノ年三月一日ヨリ翌年二月末日迄ノ期間ニ於テ製造スル清涼飲料ニ付第一種及第二種ニ在リテハ製造見込石数、第三種ニ在リテハ炭酸瓦斯使用見込数量ヲ所轄税務署ニ申告スヘシ
前項ノ見込石数又ハ見込数量ニ異動ヲ生シタルトキハ其ノ都度直ニ所轄税務署ニ申告スヘシ
第七条 清涼飲料ノ製造者死亡又ハ隠居シタルトキハ相続人ハ其ノ旨ヲ直ニ所轄税務署ニ申告シ製造免許ノ承継ヲ為スコトヲ得
前項ノ場合ヲ除クノ外清涼飲料ノ製造業ヲ承継セムトスル者ハ製造者ト連署シタル製造免許承継ノ申請書ヲ所轄税務署ニ提出シ許可ヲ受クヘシ
第八条 清涼飲料ノ製造者製造場ヲ移転セムトスルトキハ製造場ヲ定メテ移転先ノ所轄税務署ニ申請シ其ノ許可ヲ受クヘシ
第九条 清涼飲料ノ製造者製造ヲ廃止セムトスルトキハ免許取消申請書ヲ所轄税務署ニ提出スヘシ
第十条 清涼飲料税法第六条ノ規定ニ依ル申告書ハ所轄税務署ニ之ヲ提出スヘシ
清涼飲料ノ製造者前項ノ申告書ヲ提出セス又ハ税務署長其ノ申告ヲ不相当ト認メタルトキハ税務署長ハ其ノ課税標準額ヲ決定スヘシ
第十一条 外国ニ輸出スル清涼飲料ニ付清涼飲料税ノ免除ヲ受ケムトスル者ハ製造場ヨリ之ヲ移出スル都度所轄税務署ノ承認ヲ受クヘシ
第十二条 前条ノ清涼飲料ニ付輸出ノ証明ヲ為サムトスルトキハ移出後六月以内ニ左ノ書類ヲ所轄税務署ニ提出スヘシ但シ已ムコトヲ得サル事由ニ因リ第二号ノ書類ヲ提出スルコト能ハサルトキハ所轄税務署ノ承認ヲ受ケタル場合ニ限リ第一号ノ書類ノミヲ以テ証明ヲ為スコトヲ得
一 輸出免状又ハ之ニ代ルヘキ書類
二 外国輸入港税関ノ輸入免状又ハ外国ニ陸揚シタルコトヲ証スヘキ書類
第十三条 外国輸出ノ目的ヲ以テ製造場外ニ移出シタル清涼飲料ニシテ天災其ノ他已ムコトヲ得サル事由ニ因リ亡失シタルトキハ製造者ハ其ノ事実ヲ製造場所轄税務署ニ申告シテ其ノ承認ヲ受クヘシ
前項ノ場合ニ於テ亡失シタル場所カ前項税務署ノ管轄外ナルトキハ最寄税務署ニ亡失ノ事実ヲ申告シテ其ノ承認ヲ受クヘシ此ノ場合ニ於テハ承認ヲ為シタル税務署ハ其ノ旨ヲ直ニ製造場所轄税務署ニ通知スヘシ
第十四条 清涼飲料税法第九条第一項但書ノ規定ニ依リ政府ノ承認ヲ受ケムトスル者ハ其ノ事由ヲ具シ製造場所轄税務署ニ申請スヘシ
前項ノ場合ニ於テ清涼飲料カ前項税務署ノ管轄外ニ在ルトキハ其ノ所在地所轄税務署ニ之ヲ申請スヘシ但シ此ノ場合ニ於テハ其ノ所在地所轄税務署ヨリ承認書ノ交付ヲ受ケ之ヲ製造場所轄税務署ニ提出スルコトヲ要ス
前項ノ場合ニ於テ承認書ノ交付ヲ為シタル税務署ハ其ノ旨ヲ直ニ製造場所轄税務署ニ通知スヘシ
製造場所轄税務署第一項ノ申請ニ因リ承認ヲ為シ又ハ前項ノ通知ヲ受ケタルトキハ直ニ其ノ清涼飲料税ヲ徴収スヘシ
第十五条 外国輸出ノ目的ヲ以テ製造場外ニ移出スル清涼飲料ニ付テハ税務署長ハ清涼飲料ノ製造者ニ対シ清涼飲料税額ニ相当スル担保ヲ提供セシムルコトヲ得
第十六条 清涼飲料ノ製造者左ノ各号ノ一ニ該当スル場合ニ於テハ税務署長ハ清涼飲料ノ製造者ニ対シ第六条ノ期間ニ於ケル清涼飲料製造見込石数又ハ炭酸瓦斯使用見込数量ニ対スル税額ノ四分ノ一ニ相当スル金額ノ担保ヲ提供セシムルコトヲ得
一 清涼飲料税法ヲ犯シテ処罰又ハ処分セラレタルトキ
二 清涼飲料税ニ付滞納処分ヲ受ケタルトキ
三 清涼飲料税ノ逋脱ヲ図ルノ行為アリト認ムルトキ
第十七条 担保物ノ種類ハ金銭又ハ国債ニ限ル
金銭又ハ無記名国債証券ヲ担保トシテ提供スルトキハ之ヲ供託シ其ノ供託受領証ヲ所轄税務署ニ提出スヘシ
登録国債ヲ担保トシテ提供スルトキハ担保ノ登録ヲ受ケ其ノ登録済通知書ヲ所轄税務署ニ提出スヘシ乙種国債登録簿ニ登録シタルモノニ在リテハ尚記名国債証券ヲ供託シ其ノ供託受領証ヲ提出スヘシ
担保トシテ提供シタル国債ノ償却ヲ受クルニ至リタルトキハ税務署長ハ担保提供者ヲシテ直ニ之ニ代ルヘキ担保ヲ提供セシムヘシ
第十八条 担保物ヲ提供シタル者清涼飲料税ヲ納付スヘキ場合ニ於テ之ヲ納付セサルトキハ担保物ヲ以テ税金ニ充ツ
前項ノ場合ニ於テ担保物国債ナルトキハ之ヲ公売ニ付シ順次ニ公売ノ費用及税金ニ充ツ
前二項ノ場合ニ於テ不足アルトキハ之ヲ追徴シ残金アルトキハ之ヲ還付ス
第十九条 清涼飲料ノ製造者ハ少クトモ左ノ事項ヲ帳簿ニ記載スヘシ
一 原料ノ種類及数量、他ヨリ引取リタル原料ニ在リテハ尚引取ノ日並其ノ引渡人ノ住所及氏名又ハ名称
二 使用シタル原料ノ種類、数量及使用ノ日
三 製造シタル清涼飲料ノ種類、数量及製造ノ日
四 移出シタル清涼飲料ノ種類、数量、価額及移出ノ日並其ノ引取人ノ住所及氏名又ハ名称
小売ノ場合ニ於テハ前項第四号ノ引取人ノ住所及氏名又ハ名称ノ記載ヲ要セス
第二十条 清涼飲料ノ販売者ハ少クトモ左ノ事項ヲ帳簿ニ記載スヘシ
一 引取リタル清涼飲料ノ種類、数量、価額及引取ノ日並其ノ引渡人ノ住所及氏名又ハ名称
二 販売シタル清涼飲料ノ種類、数量、価額及販売ノ日並其ノ買受人ノ住所及氏名又ハ名称
小売ノ場合ニ於テハ前項第二号ノ買受人ノ住所及氏名又ハ名称ノ記載ヲ要セス
第二十一条 清涼飲料ノ製造者ハ左ニ掲クル場合ニ於テ収税官吏カ必要ト認メテ承認ヲ受クヘキコトヲ命シタルトキハ其ノ承認ヲ受クヘシ
一 製造ニ著手セムトスルトキ
二 原料ヲ清涼飲料ノ製造以外ニ使用セムトスルトキ
三 製造場ト同一場所ニ於テ小売販売業ヲ兼営セムトスルトキ
四 前各号ノ外収税官吏カ指定シタル事項ヲ為サムトスルトキ
第二十二条 第一条、第五条、第七条乃至第九条、第十九条及第二十条ノ規定ハ販売ノ目的ヲ以テ炭酸瓦斯ヲ製造スル者又ハ炭酸瓦斯ヲ販売スル者ニ付之ヲ準用ス但シ同規定中免許、免許取消又ハ許可ノ申請ヲ要スル事項ニ付テハ申告書ヲ提出スルヲ以テ足ル
第二十三条 収税官吏ハ清涼飲料又ハ炭酸瓦斯ノ製造者又ハ販売者ノ営業ニ関シ職務上知得タル事項ヲ他ニ漏洩スルコトヲ得ス
附 則
本令ハ大正十五年四月一日ヨリ之ヲ施行ス
清涼飲料税法附則第二項ノ規定ニ依リ政府ニ申告セムトスル者ハ第一条ニ準シタル申告書ニ清涼飲料税法施行前ヨリ引続キ清涼飲料ヲ製造スルコトノ事実ヲ具シ第四条第一項ノ書類ヲ添ヘ所轄税務署ニ提出スヘシ
本令施行前ヨリ引続キ販売ノ目的ヲ以テ炭酸瓦斯ヲ製造スル者又ハ炭酸瓦斯ヲ販売スル者ハ本令施行後一月以内ニ第一条ニ準シタル申告書ヲ所轄税務署ニ提出スヘシ
大正十五年ニ限リ第六条ノ規定中二月中トアルハ四月中トス