(市町村義務教育費国庫負担法ノ施行ニ関スル件)
法令番号: 勅令第三百十五號
公布年月日: 大正12年6月19日
法令の形式: 勅令
朕市町村義務敎育費國庫負擔法ノ施行ニ關スル件ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
攝政名
大正十二年六月十八日
內閣總理大臣 男爵 加藤友三郞
大藏大臣 市來乙彥
文部大臣 鎌田榮吉
勅令第三百十五號
第一條 文部大臣ハ左ノ各號ニ該當スル市ニ對シテハ市町村義務敎育費國庫負擔法第四條ノ規定ニ依リ交付金額ヲ增加スルコトヲ得
一 前前年度ニ於ケル直接國稅調定濟額ノ一戶平均額カ同年末現在ニ於ケル人口三萬以上ノ全國町村ノ同年度直接國稅調定濟額ノ一戶平均額ニ達セサルコト
二 前前年度ニ於ケル戶數割附加稅調定濟額ノ一戶平均額カ同年末現在ニ於ケル人口三萬以上ノ全國町村ノ同年戶數割附加稅調定濟額ノ一戶平均額ヲ超過スルコト
第二條 文部大臣ハ左ノ各號ニ該當スル町村ニ對シテハ市町村義務敎育費國庫負擔法第五條ノ規定ニ依リ交付金額ヲ增加スルコトヲ得
一 前前年度ニ於ケル直接國稅調定濟額ノ一戶平均額カ全國町村ノ同年度直接國稅調定濟額ノ一戶平均額ニ達セサルコト
二 前前年度ニ於ケル戶數割附加稅調定濟額ノ一戶平均額カ全國町村ノ同年度戶數割附加稅調定濟額ノ一戶平均額ヲ超過スルコト
第三條 前二條ノ規定ニ依リ增加スヘキ交付金額ハ當該市町村ノ前前年度ニ於ケル直接國稅調定濟額ノ一戶平均額及戶數割附加稅調定濟額ノ一戶平均額其ノ他財政ノ狀況ヲ參酌シ前前年度ニ於ケル小學校敎員俸給決算額ニ應シテ文部大臣之ヲ定ム
第四條 文部大臣ハ市町村ニ於ケル財政上特ニ困難ナル事情アリト認ムルトキハ前三條ニ規定スル標準ニ依ラス當該市町村ニ對スル交付金額ヲ增加スルコトヲ得
第五條 本令ニ於テ直接國稅トハ地租、所得稅(第二種ノ所得ニ對スル所得稅ヲ除ク)、營業稅、鑛業稅、砂鑛區稅、賣藥營業稅及取引所營業稅ヲ謂フ
第六條 本令ノ適用ニ付テハ家屋稅附加稅及特別稅戶別割、特別稅家屋割其ノ他之ニ準スヘキ特別稅ハ之ヲ戶數割附加稅ト看做ス
第七條 國庫支出金ハ左ノ時期ニ於テ之ヲ市町村ニ交付ス
一 市町村義務敎育費國庫負擔法第三條ノ規定ニ依リ市町村ニ交付スル金額
五月、八月、十一月及二月 各其ノ四分ノ一
二 同法第三條ノ規定ニ依リ町村ノミニ交付スル金額
十一月及二月 各其ノ二分ノ一
三 同法第四條又ハ第五條ノ規定ニ依リ市又ハ町村ニ交付スル金額
二月又ハ三月 全額
第八條 文部大臣ハ市町村義務敎育費國庫負擔法第三條乃至第五條ノ規定ニ依リ國庫支出金ヲ交付スル場合ニ於テ其ノ費途ニ關シ必要ナル事項ヲ市町村ニ命スルコトヲ得
地方長官ハ文部大臣ノ委任ニ依リ前項ノ事項ヲ市町村ニ命スルコトヲ得
附 則
本令ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
第七條第一號ニ規定スル五月ハ大正十二年度分ニ限リ之ヲ六月トス
大正七年勅令第七十五號ハ之ヲ廢止ス
朕市町村義務教育費国庫負担法ノ施行ニ関スル件ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
摂政名
大正十二年六月十八日
内閣総理大臣 男爵 加藤友三郎
大蔵大臣 市来乙彦
文部大臣 鎌田栄吉
勅令第三百十五号
第一条 文部大臣ハ左ノ各号ニ該当スル市ニ対シテハ市町村義務教育費国庫負担法第四条ノ規定ニ依リ交付金額ヲ増加スルコトヲ得
一 前前年度ニ於ケル直接国税調定済額ノ一戸平均額カ同年末現在ニ於ケル人口三万以上ノ全国町村ノ同年度直接国税調定済額ノ一戸平均額ニ達セサルコト
二 前前年度ニ於ケル戸数割附加税調定済額ノ一戸平均額カ同年末現在ニ於ケル人口三万以上ノ全国町村ノ同年戸数割附加税調定済額ノ一戸平均額ヲ超過スルコト
第二条 文部大臣ハ左ノ各号ニ該当スル町村ニ対シテハ市町村義務教育費国庫負担法第五条ノ規定ニ依リ交付金額ヲ増加スルコトヲ得
一 前前年度ニ於ケル直接国税調定済額ノ一戸平均額カ全国町村ノ同年度直接国税調定済額ノ一戸平均額ニ達セサルコト
二 前前年度ニ於ケル戸数割附加税調定済額ノ一戸平均額カ全国町村ノ同年度戸数割附加税調定済額ノ一戸平均額ヲ超過スルコト
第三条 前二条ノ規定ニ依リ増加スヘキ交付金額ハ当該市町村ノ前前年度ニ於ケル直接国税調定済額ノ一戸平均額及戸数割附加税調定済額ノ一戸平均額其ノ他財政ノ状況ヲ参酌シ前前年度ニ於ケル小学校教員俸給決算額ニ応シテ文部大臣之ヲ定ム
第四条 文部大臣ハ市町村ニ於ケル財政上特ニ困難ナル事情アリト認ムルトキハ前三条ニ規定スル標準ニ依ラス当該市町村ニ対スル交付金額ヲ増加スルコトヲ得
第五条 本令ニ於テ直接国税トハ地租、所得税(第二種ノ所得ニ対スル所得税ヲ除ク)、営業税、鉱業税、砂鉱区税、売薬営業税及取引所営業税ヲ謂フ
第六条 本令ノ適用ニ付テハ家屋税附加税及特別税戸別割、特別税家屋割其ノ他之ニ準スヘキ特別税ハ之ヲ戸数割附加税ト看做ス
第七条 国庫支出金ハ左ノ時期ニ於テ之ヲ市町村ニ交付ス
一 市町村義務教育費国庫負担法第三条ノ規定ニ依リ市町村ニ交付スル金額
五月、八月、十一月及二月 各其ノ四分ノ一
二 同法第三条ノ規定ニ依リ町村ノミニ交付スル金額
十一月及二月 各其ノ二分ノ一
三 同法第四条又ハ第五条ノ規定ニ依リ市又ハ町村ニ交付スル金額
二月又ハ三月 全額
第八条 文部大臣ハ市町村義務教育費国庫負担法第三条乃至第五条ノ規定ニ依リ国庫支出金ヲ交付スル場合ニ於テ其ノ費途ニ関シ必要ナル事項ヲ市町村ニ命スルコトヲ得
地方長官ハ文部大臣ノ委任ニ依リ前項ノ事項ヲ市町村ニ命スルコトヲ得
附 則
本令ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
第七条第一号ニ規定スル五月ハ大正十二年度分ニ限リ之ヲ六月トス
大正七年勅令第七十五号ハ之ヲ廃止ス