帝国鉄道会計規則
法令番号: 勅令第三十八號
公布年月日: 大正11年3月27日
法令の形式: 勅令
朕帝國鐵道會計規則改正ノ件ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
攝政名
大正十一年三月二十五日
內閣總理大臣兼大藏大臣 子爵 高橋是淸
鐵道大臣 元田肇
勅令第三十八號
帝國鐵道會計規則
第一章 會計年度所屬區分
第一條 歲入ノ年度所屬ハ左ノ區分ニ依ル
一 旅客賃金ノ類ハ乘車券發行ノ日、貨物賃金ノ類ハ貨物ノ託送ヲ受ケタル日ノ屬スル年度
二 使用料、貸付料、保管料、電燈電力料、電信手數料、揭示料、各驛出店料、停車場割合金、直通列車割合金、預金利子ノ類ハ其ノ收入ノ原因タル事實ノ存シタル期間ノ屬スル年度但シ其ノ期間ノ兩年度ニ亙ルモノニ在リテハ之ヲ收入スヘキ日ノ屬スル年度
三 特約追徵運賃ノ類ハ特約計算期間滿了ノ日ノ屬スル年度
四 立替金ノ收入ハ其ノ立替ヲ爲シタル日ノ屬スル年度
五 賣拂代價、修理費ノ類ハ其ノ物件ノ引渡ヲ爲シタル日ノ屬スル年度但シ納期ノ數年度ニ分ルルモノハ收入スヘキ日ノ屬スル年度
六 前各號以外ノ收入ハ納入ノ告知ヲ爲シタル日ノ屬スル年度
第二條 歲出ノ年度所屬ハ左ノ區分ニ依ル
一 利子、償還金ノ類ハ支拂期日ノ屬スル年度
二 俸給、給料、旅費、手當、共濟組合給與金ノ類ハ其ノ支給ノ原因タル事實ノ存シタル時ノ屬スル年度
三 特約割戾金ノ類ハ特約計算期間滿了ノ日ノ屬スル年度
四 連帶運輸收入、貨物引換代金、過誤納ノ拂戾金ノ類ハ其ノ收入ノ屬スル年度
五 使用料、保管料、電燈電力料、廣告料、定期刊行物代價ノ類ハ其ノ支拂ノ原因タル事實ノ存シタル期間ノ屬スル年度
六 物件ノ購入費、工事請負代金、運送料、修理費ノ類ハ其ノ物件ノ引渡ヲ受ケタル日ノ屬スル年度但シ部分拂ニ屬スルモノハ檢定ヲ了リタル日ノ屬スル年度
七 前各號ニ該當セサル費用ニシテ繰替拂ヲ爲シタルモノハ其ノ繰替拂ヲ爲シタル日ノ屬スル年度、其ノ他ノモノハ小切手ヲ振出シタル日ノ屬スル年度
第二章 豫算
第三條 本會計ニ於ケル歲入歲出豫算ハ之ヲ資本、用品及收益ノ三勘定ニ分チ各勘定中ニ於テ之ヲ款項ニ區分スヘシ
第四條 所管大臣ハ每年度歲入歲出ノ豫定計算書ヲ調製シ前年度九月三十日迄ニ之ヲ大藏大臣ニ送付スヘシ
前項ノ豫定計算書ニハ前前年度ニ於ケル貸借對照表、損益計算表竝資本增減表及固定財產價格增減表ヲ添附スヘシ
第五條 歲入歲出ノ豫定計算書ハ科目ヲ分チ歲入ノ性質及歲出ノ用途ヲ明示スヘシ
第六條 豫備費ヲ支出シタルトキハ所管大臣其ノ計算書ヲ添附シ之ヲ大藏大臣ニ通知スヘシ
大藏大臣前項ノ通知ヲ受ケタルトキハ之ヲ會計檢査院ニ通知スヘシ
第七條 會計規則第二十四條ノ規定ハ前條ノ場合ニ之ヲ準用ス
第三章 收入支出
第八條 本會計ニ於ケル各勘定ノ歲入金、歲出金及歲入歲出外現金ハ交互振替及繰替受拂ヲ爲スコトヲ得
第九條 本會計ニ於テハ資本勘定及用品勘定ニ屬スル現金ノ持越高、當該年度ノ收入濟歲入額及帝國鐵道會計法第十二條ノ規定ニ依ル借入金ヲ以テ支拂元受高トシ歲出ヲ支出スルハ此ノ支拂元受高ヲ超過スルコトヲ得ス
第十條 所管大臣ハ繰替拂ヲ爲サシムル爲前條ノ支拂元受高ヲ超過セサル範圍內ニ於テ之カ資金ヲ出納官吏ニ交付スヘキ旨日本銀行ニ請求スルコトヲ得
前項ノ規定ニ依リ交付ヲ受ケタル金額ハ當該年度內ニ於テ之カ戾入ヲ爲スヘシ
第十一條 會計規則第六章第一節ノ規定ハ帝國鐵道會計法第十一條第二項ノ規定ニ依ル豫算殘額ノ繰越ニ關シ之ヲ準用ス
第十二條 每年度所屬歲入金歲出金ノ出納ヲ爲スハ翌年度四月三十日限トス但シ左ニ揭クル場合ニ於テハ翌年度五月三十一日迄之カ出納ヲ爲スコトヲ得
一 出納官吏ノ領收シタル歲入金ヲ日本銀行ニ拂込ムトキ
二 繰替拂ヲ爲シタル金額ニ對シ小切手ヲ振出ストキ
三 鐵道益金若ハ用品勘定過剩金ヲ資本勘定ニ繰入ルルトキ又ハ用品資金補足金ヲ用品勘定ニ繰入ルルトキ
第十三條 用品勘定所屬ノ歲入ニシテ每年度內ニ收入ヲ爲スヘキ權利ヲ得テ每年度出納ノ完結迄ニ收入濟ト爲ラサルモノハ收入未濟トシテ遞次翌年度ニ繰越シ現ニ收入ヲ爲シタル年度ノ歲入ニ組入ルヘシ
第十四條 用品勘定所屬歲出ニシテ每年度內ニ支拂ヲ爲スヘキ義務ヲ生シ每年度出納ノ完結迄ニ支出濟ト爲ラサルモノハ支出未濟トシテ遞次翌年度ニ繰越シ現ニ支出ヲ爲シタル年度ノ歲出ニ組入ルヘシ
第十五條 資本勘定及收益勘定所屬ノ歲入歲出ニシテ每年度出納ノ完結迄ニ收入濟又ハ支出濟ト爲ラサルモノハ現ニ其ノ收入又ハ支出ヲ爲シタル年度ノ歲入又ハ歲出トス
第四章 計算
第十六條 本會計ノ資本ヲ分チテ特有資本及借入資本ノ二種トス
本會計ノ負擔ニ屬スル國債額ニ相當スル金額ヲ借入資本トシ其ノ他ノモノヲ特有資本トス
第十七條 資本勘定ニ於ケル資金ノ收入、收益勘定ニ於テ補充工事ノ爲支出シタル金額及讓渡又ハ寄附ヲ受ケタル財產ノ見積價格ハ翌年度五月三十一日ニ於テ前條ノ區別ニ從ヒ之ヲ特有資本又ハ借入資本ニ編入スヘシ
前項ノ規定ニ依リ借入資本ニ編入スヘキ額ハ債務額ニ依ル此ノ場合ニ於テ實收額ト債務額トニ差額アルトキハ其ノ差增額ハ之ヲ特有資本ニ加ヘ差減額ハ之ヲ同資本ヨリ減スヘシ
用品勘定ノ受拂上生シタル過剩額ハ之ヲ特有資本ニ加ヘ其ノ不足額ハ之ヲ特有資本ヨリ減スヘシ
第十八條 左ニ揭クルモノヲ以テ固定財產ノ價格トス
一 鐵道ノ建設、改良及補充工事ノ爲支出シタル金額
二 鐵道又ハ軌道ノ買收又ハ補償ノ爲支出シタル金額
三 讓渡又ハ寄附ヲ受ケタル財產ノ見積價格
第十九條 固定財產ニシテ讓渡又ハ滅失シタルモノアルトキハ其ノ價格ヲ削除シ之ヲ特有資本ヨリ減スヘシ
第二十條 貯藏物品ハ購入費、新製品改造品又ハ修理品ハ材料價格及工作費ヲ以テ其ノ原價トス
前項ノ規定ニ依リ難キ場合ニ於テハ見積價格ヲ以テ原價ト爲スコトヲ得
第二十一條 前條ノ原價ニ對シ所管大臣ノ定ムル所ニ依リ取扱諸費及損減步合ヲ割掛ケタルモノヲ以テ物品ノ賣價トス但シ所管大臣ノ定ムル所ニ依リ貯藏物品ヲ使用シタル事業ノ經費ニ對シ每年一囘又ハ數囘其ノ取扱諸費及損減步合ヲ割掛ケ貯藏物品ノ原價ヲ以テ其ノ賣價ト爲スコトヲ得
第二十二條 貯藏物品毀損變質其ノ他ノ事由ニ因リ價格ヲ減損シタルトキハ其ノ價格ヲ改定スヘシ
貯藏物品不用ニ歸シタルトキハ其ノ價格ヲ削除シテ之ヲ不用物品ニ組入ルヘシ
第二十三條 本會計ニ屬スル貸借對照表及損益計算表ノ種目ハ所管大臣大藏大臣ト協議シテ之ヲ定ム
第五章 決算
第二十四條 所管大臣ハ每年度歲入歲出決定計算書ヲ調製シ翌年度七月三十一日迄ニ之ヲ大藏大臣ニ送付スヘシ
第六章 帳簿
第二十五條 鐵道省ハ日記簿、原簿及補助簿ヲ備ヘ資本勘定、用品勘定及收益勘定ニ關スル一切ノ計算ヲ登記スヘシ
第二十六條 支出官ハ支出簿ノ外支拂元受高差引簿ヲ備ヘ支拂元受高、支出濟額及殘額ヲ登記スヘシ
第二十七條 鐵道省ハ歲出簿ノ外支拂元受高差引簿ヲ備ヘ支拂元受高、支出濟額及殘額ヲ登記スヘシ但シ支出官一人ナル場合ニ於テハ支拂元受高差引簿ヲ省略スルコトヲ得
第七章 雜則
第二十八條 本令ニ規定セサルモノハ會計規則ノ定ムル所ニ依ル
附 則
本令ハ大正十一年四月一日ヨリ之ヲ施行ス
朕帝国鉄道会計規則改正ノ件ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
摂政名
大正十一年三月二十五日
内閣総理大臣兼大蔵大臣 子爵 高橋是清
鉄道大臣 元田肇
勅令第三十八号
帝国鉄道会計規則
第一章 会計年度所属区分
第一条 歳入ノ年度所属ハ左ノ区分ニ依ル
一 旅客賃金ノ類ハ乗車券発行ノ日、貨物賃金ノ類ハ貨物ノ託送ヲ受ケタル日ノ属スル年度
二 使用料、貸付料、保管料、電灯電力料、電信手数料、掲示料、各駅出店料、停車場割合金、直通列車割合金、預金利子ノ類ハ其ノ収入ノ原因タル事実ノ存シタル期間ノ属スル年度但シ其ノ期間ノ両年度ニ亘ルモノニ在リテハ之ヲ収入スヘキ日ノ属スル年度
三 特約追徴運賃ノ類ハ特約計算期間満了ノ日ノ属スル年度
四 立替金ノ収入ハ其ノ立替ヲ為シタル日ノ属スル年度
五 売払代価、修理費ノ類ハ其ノ物件ノ引渡ヲ為シタル日ノ属スル年度但シ納期ノ数年度ニ分ルルモノハ収入スヘキ日ノ属スル年度
六 前各号以外ノ収入ハ納入ノ告知ヲ為シタル日ノ属スル年度
第二条 歳出ノ年度所属ハ左ノ区分ニ依ル
一 利子、償還金ノ類ハ支払期日ノ属スル年度
二 俸給、給料、旅費、手当、共済組合給与金ノ類ハ其ノ支給ノ原因タル事実ノ存シタル時ノ属スル年度
三 特約割戻金ノ類ハ特約計算期間満了ノ日ノ属スル年度
四 連帯運輸収入、貨物引換代金、過誤納ノ払戻金ノ類ハ其ノ収入ノ属スル年度
五 使用料、保管料、電灯電力料、広告料、定期刊行物代価ノ類ハ其ノ支払ノ原因タル事実ノ存シタル期間ノ属スル年度
六 物件ノ購入費、工事請負代金、運送料、修理費ノ類ハ其ノ物件ノ引渡ヲ受ケタル日ノ属スル年度但シ部分払ニ属スルモノハ検定ヲ了リタル日ノ属スル年度
七 前各号ニ該当セサル費用ニシテ繰替払ヲ為シタルモノハ其ノ繰替払ヲ為シタル日ノ属スル年度、其ノ他ノモノハ小切手ヲ振出シタル日ノ属スル年度
第二章 予算
第三条 本会計ニ於ケル歳入歳出予算ハ之ヲ資本、用品及収益ノ三勘定ニ分チ各勘定中ニ於テ之ヲ款項ニ区分スヘシ
第四条 所管大臣ハ毎年度歳入歳出ノ予定計算書ヲ調製シ前年度九月三十日迄ニ之ヲ大蔵大臣ニ送付スヘシ
前項ノ予定計算書ニハ前前年度ニ於ケル貸借対照表、損益計算表並資本増減表及固定財産価格増減表ヲ添附スヘシ
第五条 歳入歳出ノ予定計算書ハ科目ヲ分チ歳入ノ性質及歳出ノ用途ヲ明示スヘシ
第六条 予備費ヲ支出シタルトキハ所管大臣其ノ計算書ヲ添附シ之ヲ大蔵大臣ニ通知スヘシ
大蔵大臣前項ノ通知ヲ受ケタルトキハ之ヲ会計検査院ニ通知スヘシ
第七条 会計規則第二十四条ノ規定ハ前条ノ場合ニ之ヲ準用ス
第三章 収入支出
第八条 本会計ニ於ケル各勘定ノ歳入金、歳出金及歳入歳出外現金ハ交互振替及繰替受払ヲ為スコトヲ得
第九条 本会計ニ於テハ資本勘定及用品勘定ニ属スル現金ノ持越高、当該年度ノ収入済歳入額及帝国鉄道会計法第十二条ノ規定ニ依ル借入金ヲ以テ支払元受高トシ歳出ヲ支出スルハ此ノ支払元受高ヲ超過スルコトヲ得ス
第十条 所管大臣ハ繰替払ヲ為サシムル為前条ノ支払元受高ヲ超過セサル範囲内ニ於テ之カ資金ヲ出納官吏ニ交付スヘキ旨日本銀行ニ請求スルコトヲ得
前項ノ規定ニ依リ交付ヲ受ケタル金額ハ当該年度内ニ於テ之カ戻入ヲ為スヘシ
第十一条 会計規則第六章第一節ノ規定ハ帝国鉄道会計法第十一条第二項ノ規定ニ依ル予算残額ノ繰越ニ関シ之ヲ準用ス
第十二条 毎年度所属歳入金歳出金ノ出納ヲ為スハ翌年度四月三十日限トス但シ左ニ掲クル場合ニ於テハ翌年度五月三十一日迄之カ出納ヲ為スコトヲ得
一 出納官吏ノ領収シタル歳入金ヲ日本銀行ニ払込ムトキ
二 繰替払ヲ為シタル金額ニ対シ小切手ヲ振出ストキ
三 鉄道益金若ハ用品勘定過剰金ヲ資本勘定ニ繰入ルルトキ又ハ用品資金補足金ヲ用品勘定ニ繰入ルルトキ
第十三条 用品勘定所属ノ歳入ニシテ毎年度内ニ収入ヲ為スヘキ権利ヲ得テ毎年度出納ノ完結迄ニ収入済ト為ラサルモノハ収入未済トシテ逓次翌年度ニ繰越シ現ニ収入ヲ為シタル年度ノ歳入ニ組入ルヘシ
第十四条 用品勘定所属歳出ニシテ毎年度内ニ支払ヲ為スヘキ義務ヲ生シ毎年度出納ノ完結迄ニ支出済ト為ラサルモノハ支出未済トシテ逓次翌年度ニ繰越シ現ニ支出ヲ為シタル年度ノ歳出ニ組入ルヘシ
第十五条 資本勘定及収益勘定所属ノ歳入歳出ニシテ毎年度出納ノ完結迄ニ収入済又ハ支出済ト為ラサルモノハ現ニ其ノ収入又ハ支出ヲ為シタル年度ノ歳入又ハ歳出トス
第四章 計算
第十六条 本会計ノ資本ヲ分チテ特有資本及借入資本ノ二種トス
本会計ノ負担ニ属スル国債額ニ相当スル金額ヲ借入資本トシ其ノ他ノモノヲ特有資本トス
第十七条 資本勘定ニ於ケル資金ノ収入、収益勘定ニ於テ補充工事ノ為支出シタル金額及譲渡又ハ寄附ヲ受ケタル財産ノ見積価格ハ翌年度五月三十一日ニ於テ前条ノ区別ニ従ヒ之ヲ特有資本又ハ借入資本ニ編入スヘシ
前項ノ規定ニ依リ借入資本ニ編入スヘキ額ハ債務額ニ依ル此ノ場合ニ於テ実収額ト債務額トニ差額アルトキハ其ノ差増額ハ之ヲ特有資本ニ加ヘ差減額ハ之ヲ同資本ヨリ減スヘシ
用品勘定ノ受払上生シタル過剰額ハ之ヲ特有資本ニ加ヘ其ノ不足額ハ之ヲ特有資本ヨリ減スヘシ
第十八条 左ニ掲クルモノヲ以テ固定財産ノ価格トス
一 鉄道ノ建設、改良及補充工事ノ為支出シタル金額
二 鉄道又ハ軌道ノ買収又ハ補償ノ為支出シタル金額
三 譲渡又ハ寄附ヲ受ケタル財産ノ見積価格
第十九条 固定財産ニシテ譲渡又ハ滅失シタルモノアルトキハ其ノ価格ヲ削除シ之ヲ特有資本ヨリ減スヘシ
第二十条 貯蔵物品ハ購入費、新製品改造品又ハ修理品ハ材料価格及工作費ヲ以テ其ノ原価トス
前項ノ規定ニ依リ難キ場合ニ於テハ見積価格ヲ以テ原価ト為スコトヲ得
第二十一条 前条ノ原価ニ対シ所管大臣ノ定ムル所ニ依リ取扱諸費及損減歩合ヲ割掛ケタルモノヲ以テ物品ノ売価トス但シ所管大臣ノ定ムル所ニ依リ貯蔵物品ヲ使用シタル事業ノ経費ニ対シ毎年一回又ハ数回其ノ取扱諸費及損減歩合ヲ割掛ケ貯蔵物品ノ原価ヲ以テ其ノ売価ト為スコトヲ得
第二十二条 貯蔵物品毀損変質其ノ他ノ事由ニ因リ価格ヲ減損シタルトキハ其ノ価格ヲ改定スヘシ
貯蔵物品不用ニ帰シタルトキハ其ノ価格ヲ削除シテ之ヲ不用物品ニ組入ルヘシ
第二十三条 本会計ニ属スル貸借対照表及損益計算表ノ種目ハ所管大臣大蔵大臣ト協議シテ之ヲ定ム
第五章 決算
第二十四条 所管大臣ハ毎年度歳入歳出決定計算書ヲ調製シ翌年度七月三十一日迄ニ之ヲ大蔵大臣ニ送付スヘシ
第六章 帳簿
第二十五条 鉄道省ハ日記簿、原簿及補助簿ヲ備ヘ資本勘定、用品勘定及収益勘定ニ関スル一切ノ計算ヲ登記スヘシ
第二十六条 支出官ハ支出簿ノ外支払元受高差引簿ヲ備ヘ支払元受高、支出済額及残額ヲ登記スヘシ
第二十七条 鉄道省ハ歳出簿ノ外支払元受高差引簿ヲ備ヘ支払元受高、支出済額及残額ヲ登記スヘシ但シ支出官一人ナル場合ニ於テハ支払元受高差引簿ヲ省略スルコトヲ得
第七章 雑則
第二十八条 本令ニ規定セサルモノハ会計規則ノ定ムル所ニ依ル
附 則
本令ハ大正十一年四月一日ヨリ之ヲ施行ス