我が国は三千年近い歴史を有し、各地に歴史的価値のある史跡名勝や記念物が存在している。これらは国家の精華を発揚し、国家思想や国民性を涵養する上で重要である。欧米諸国でも史跡や記念物の保存に努めているが、我が国では特殊な法制がないため十分な保護ができていない。古社寺保存法はあるものの、社寺建造物や宝物に限られており、その他の史跡、名勝、記念物は破壊や湮滅の危機にある。これらは一度失われると復元が困難であるため、国法による保護と必要な規制を設け、永続的な保存を図ることが本法案の趣旨である。
参照した発言:
第41回帝国議会 貴族院 本会議 第16号