第一條 一ノ場所ニ於テ一年三萬五千佛噸以上ノ製銑能力又ハ製鋼能力ヲ有スル設備ヲ以テ營ム製鐵事業ハ土地收用法第二條ノ土地ヲ收用又ハ使用スルコトヲ得ル事業トシ同法ヲ適用ス
前項ノ規定ニ依リ他人ノ土地ヲ收用又ハ使用シ得ヘキ製鐵事業ノ範圍ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第二條 一ノ場所ニ於テ一年五千二百五十佛噸以上ノ製銑能力又ハ製鋼能力ヲ有スル設備ヲ以テ製鐵事業ヲ營ム者ニハ命令ノ定ムル所ニ依リ開業ノ年及其ノ翌年ヨリ十年間其ノ場所ニ於ケル事業ニ付營業稅及業務ヨリ生スル所得ニ對スル所得稅ヲ免除ス
前項ノ規定ニ依リ營業稅及所得稅ノ免除ヲ受クヘキ製鐵事業ノ範圍ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第三條 一ノ場所ニ於テ一年五千二百五十佛噸以上ノ製銑能力又ハ製鋼能力ヲ增加スル設備ヲ爲シタルトキハ能力增加ノ年及其ノ翌年ヨリ十年間其ノ增加シタル能力ニ付前條ノ規定ヲ準用ス
第四條 前二條ノ規定ニ於テ五千二百五十佛噸トアルハ低燐銑鐵製造事業ニ付テハ二千五百佛噸トス
第五條 農商務大臣ノ認可ヲ受ケタル計畫ニ基キ命令ノ定ムル期間內ニ製鐵能力ノ設備又ハ其ノ能力增加ノ設備ヲ完成スルトキハ其ノ完成ノ年ヲ以テ第二條ノ開業ノ年又ハ第三條ノ能力增加ノ年ト看做ス
前項ノ規定ニ依ル設備完成前其ノ設備ニ依リ事業ヲ營ム場合ニ於テモ其ノ能力ニ付營業稅及所得稅ヲ免除ス但シ前項ノ期間內ニ設備ヲ完成セサルトキハ此ノ限ニ在ラス
第六條 製鐵ノ事業ヲ繼續スル者又ハ其ノ事業ヲ繼續スルモノト認ムヘキ事實アル者ハ前事業者カ本法ニ依ル營業稅及所得稅免除期間內ニ在ルトキハ其ノ期間ヲ繼承ス
第七條 北海道、府縣及市町村其ノ他之ニ準スヘキモノハ本法ニ依リ營業稅及所得稅ヲ免除セラレタル製鐵事業者ニ對シ其ノ免除セラレタル部分ニ相當スル資本金額、從業者、營業用ノ工作物若ハ物件、使用動力又ハ收入ヲ標準トシテ課稅スルコトヲ得ス但シ市町村其ノ他之ニ準スヘキモノニシテ特別ノ事情ニ基キ主務大臣ノ認可ヲ受ケタル場合ハ此ノ限ニ在ラス