染料医薬品製造奨励法施行令
法令番号: 勅令第百八十三號
公布年月日: 大正4年10月14日
法令の形式: 勅令
朕染料醫藥品製造奬勵法施行令ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
大正四年十月十三日
內閣總理大臣 伯爵 大隈重信
內務大臣 法學博士 一木喜德郞
農商務大臣 河野廣中
勅令第百八十三號
染料醫藥品製造奬勵法施行令
第一條 染料醫藥品製造奬勵法第一條ノ規定ニ依リ醫藥品ヲ指定スルコト左ノ如シ
一 アセトアニリード
安息香酸
石炭酸
サリチール酸
アンチピリン
ブローム
抱水クロラール
クロロフォルム
クレゾール
フォルマリン
グリセリン
グアヤコール
苛性カリ
炭酸カリウム
クレオソート
二 アルカロイド類
三 前二號ノ醫藥品ノ化合物及誘導體
第二條 染料醫藥品製造奬勵法第八條ノ規定ニ依リ石炭乾溜副生物ヲ指定スルコト左ノ如シ
輕油及中油
粗製及精製ベンゾール
粗製及精製トルオール
粗製及精製キシロール
粗製石炭酸
粗製及精製ナフサリン
粗製及精製アンスラシン
第三條 染料醫藥品製造奬勵法第九條ノ規定ニ依リ火藥爆藥ノ原料藥品ヲ指定スルコト左ノ如シ
石炭酸
グリセリン
第四條 染料醫藥品製造奬勵法ニ於テ配當シ得ヘキ利益トハ政府ノ補助金及前營業年度繰越損益金ヲ算入セサル益金ヨリ第五條ノ規定ニ依リ準備金トシテ計算スヘキ金額ヲ控除シタル殘額ヲ謂フ
第五條 前營業年度繰越損金ヲ算入シ政府ノ補助金及前營業年度繰越益金ヲ算入セサル益金ノ二十分ノ一ニ相當スル金額ハ準備金トシテ每營業年度之ヲ計算ス
會社カ額面以上ノ價額ヲ以テ株式ヲ發行シタル場合ニ於テ其ノ額面ヲ超ユル金額ハ之ヲ準備金トシテ計算ス
前二項ノ規定ニ依リ積算スヘキ準備金ノ總額ハ資本ノ四分ノ一ニ相當スル金額ヲ限度トス
第六條 政府ノ補助金及前營業年度繰越損益金ヲ算入セサル損金ハ前條ノ規定ニ依ル準備金ニ達スル金額迄補助金額ノ算出ニ付テハ之ヲ生セサリシモノト看做ス
第七條 前營業年度繰越損益金ヲ算入セサル益金ヨリ第五條ノ規定ニ依リ準備金トシテ計算スヘキ金額ヲ控除シタル殘額カ會社ノ拂込株金額ニ對シ年百分ノ八ノ割合ヲ超ユルトキハ其ノ超過額ノ半額ハ之ヲ特別準備金トシテ計算ス
前項ノ超過額ヨリ特別準備金ヲ控除シタル殘額カ拂込株金額ニ對シ年百分ノ四ノ割合ヲ超ユルトキハ其ノ超過額ハ之ヲ特別準備金トシテ計算ス
前二項ノ規定ニ依リ積算シタル特別準備金ハ前營業年度繰越損益金ヲ算入セサル損金ヲ塡補シ及第四條ノ規定ニ依ル配當シ得ヘキ利益カ會社ノ拂込株金額ニ對シ年百分ノ八ノ割合ニ達スル迄之ヲ補充スル爲ニノミ支出シタルモノトシテ計算ス
補助金額ハ前項ノ規定ニ依リ特別準備金ヲ支出シタルモノトシテ計算シ之ヲ算出ス
第八條 補助金額ノ算出ニ付テハ財產目錄ニ記載スヘキ財產ノ價額ハ財產目錄調製ノ時ニ於ケル價額ニ依ル但シ繼續シテ營業ノ用ニ供スル財產ノ價額ニ付テハ主務大臣ノ定ムル所ニ依ル
第九條 補助金額ノ算出ニ付テハ株金ノ拂込ハ拂込ノ登記ノ日ニ於テ之ヲ爲シタルモノト看做ス
第十條 取締役、監査役、支配人其ノ他從業者ノ惡意又ハ重大ナル過失ニ因リテ生シタル利益減少其ノ他ノ損害ハ補助金額ノ算出ニ付テハ之ヲ生セサリシモノト看做ス會社ノ業務ニ直接ノ關係ナキ事由ニ因リ又ハ主務官廳ノ指示ニ從ハサルニ因リテ生シタル損害亦同シ
前項以外ノ事由ニ因リテ生シタル損害ト雖補助ニ附シタル條件ヲ以テ之ヲ損害ト看做ササルコトヲ得
前二項ノ規定ハ第五條ノ規定ニ依ル準備金ノ計算ニ付テハ之ヲ適用セス
第十一條 補助期間カ營業年度ノ中間ニ於テ開始シ又ハ終了シタルトキハ其ノ營業年度ニ付交付スヘキ補助金額ハ損益金カ拂込株金額ニ對シ其ノ營業年度ヲ通シテ同一ノ割合ニ於テ生シタルモノト看做シ之ヲ算出ス
附 則
本令ハ染料醫藥品製造奬勵法施行ノ日ヨリ之ヲ施行ス
朕染料医薬品製造奨励法施行令ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
大正四年十月十三日
内閣総理大臣 伯爵 大隈重信
内務大臣 法学博士 一木喜徳郎
農商務大臣 河野広中
勅令第百八十三号
染料医薬品製造奨励法施行令
第一条 染料医薬品製造奨励法第一条ノ規定ニ依リ医薬品ヲ指定スルコト左ノ如シ
一 アセトアニリード
安息香酸
石炭酸
サリチール酸
アンチピリン
ブローム
抱水クロラール
クロロフォルム
クレゾール
フォルマリン
グリセリン
グアヤコール
苛性カリ
炭酸カリウム
クレオソート
二 アルカロイド類
三 前二号ノ医薬品ノ化合物及誘導体
第二条 染料医薬品製造奨励法第八条ノ規定ニ依リ石炭乾溜副生物ヲ指定スルコト左ノ如シ
軽油及中油
粗製及精製ベンゾール
粗製及精製トルオール
粗製及精製キシロール
粗製石炭酸
粗製及精製ナフサリン
粗製及精製アンスラシン
第三条 染料医薬品製造奨励法第九条ノ規定ニ依リ火薬爆薬ノ原料薬品ヲ指定スルコト左ノ如シ
石炭酸
グリセリン
第四条 染料医薬品製造奨励法ニ於テ配当シ得ヘキ利益トハ政府ノ補助金及前営業年度繰越損益金ヲ算入セサル益金ヨリ第五条ノ規定ニ依リ準備金トシテ計算スヘキ金額ヲ控除シタル残額ヲ謂フ
第五条 前営業年度繰越損金ヲ算入シ政府ノ補助金及前営業年度繰越益金ヲ算入セサル益金ノ二十分ノ一ニ相当スル金額ハ準備金トシテ毎営業年度之ヲ計算ス
会社カ額面以上ノ価額ヲ以テ株式ヲ発行シタル場合ニ於テ其ノ額面ヲ超ユル金額ハ之ヲ準備金トシテ計算ス
前二項ノ規定ニ依リ積算スヘキ準備金ノ総額ハ資本ノ四分ノ一ニ相当スル金額ヲ限度トス
第六条 政府ノ補助金及前営業年度繰越損益金ヲ算入セサル損金ハ前条ノ規定ニ依ル準備金ニ達スル金額迄補助金額ノ算出ニ付テハ之ヲ生セサリシモノト看做ス
第七条 前営業年度繰越損益金ヲ算入セサル益金ヨリ第五条ノ規定ニ依リ準備金トシテ計算スヘキ金額ヲ控除シタル残額カ会社ノ払込株金額ニ対シ年百分ノ八ノ割合ヲ超ユルトキハ其ノ超過額ノ半額ハ之ヲ特別準備金トシテ計算ス
前項ノ超過額ヨリ特別準備金ヲ控除シタル残額カ払込株金額ニ対シ年百分ノ四ノ割合ヲ超ユルトキハ其ノ超過額ハ之ヲ特別準備金トシテ計算ス
前二項ノ規定ニ依リ積算シタル特別準備金ハ前営業年度繰越損益金ヲ算入セサル損金ヲ填補シ及第四条ノ規定ニ依ル配当シ得ヘキ利益カ会社ノ払込株金額ニ対シ年百分ノ八ノ割合ニ達スル迄之ヲ補充スル為ニノミ支出シタルモノトシテ計算ス
補助金額ハ前項ノ規定ニ依リ特別準備金ヲ支出シタルモノトシテ計算シ之ヲ算出ス
第八条 補助金額ノ算出ニ付テハ財産目録ニ記載スヘキ財産ノ価額ハ財産目録調製ノ時ニ於ケル価額ニ依ル但シ継続シテ営業ノ用ニ供スル財産ノ価額ニ付テハ主務大臣ノ定ムル所ニ依ル
第九条 補助金額ノ算出ニ付テハ株金ノ払込ハ払込ノ登記ノ日ニ於テ之ヲ為シタルモノト看做ス
第十条 取締役、監査役、支配人其ノ他従業者ノ悪意又ハ重大ナル過失ニ因リテ生シタル利益減少其ノ他ノ損害ハ補助金額ノ算出ニ付テハ之ヲ生セサリシモノト看做ス会社ノ業務ニ直接ノ関係ナキ事由ニ因リ又ハ主務官庁ノ指示ニ従ハサルニ因リテ生シタル損害亦同シ
前項以外ノ事由ニ因リテ生シタル損害ト雖補助ニ附シタル条件ヲ以テ之ヲ損害ト看做ササルコトヲ得
前二項ノ規定ハ第五条ノ規定ニ依ル準備金ノ計算ニ付テハ之ヲ適用セス
第十一条 補助期間カ営業年度ノ中間ニ於テ開始シ又ハ終了シタルトキハ其ノ営業年度ニ付交付スヘキ補助金額ハ損益金カ払込株金額ニ対シ其ノ営業年度ヲ通シテ同一ノ割合ニ於テ生シタルモノト看做シ之ヲ算出ス
附 則
本令ハ染料医薬品製造奨励法施行ノ日ヨリ之ヲ施行ス