海軍技術本部令
法令番号: 勅令第百六十二號
公布年月日: 大正4年9月22日
法令の形式: 勅令
朕海軍技術本部令ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
大正四年九月二十一日
內閣總理大臣 伯爵 大隈重信
海軍大臣 加藤友三郞
勅令第百六十二號
海軍技術本部令
第一條 海軍技術本部ハ之ヲ東京ニ置キ艦船、兵器ニ關スル計畫、審査及其ノ工事ノ技術上ノ監督ヲ掌リ且艦船、兵器ニ關スル硏究調査ヲ爲シ之カ改良進步ヲ圖ル所トス
第二條 海軍技術本部ニ第一部、第二部、第三部、第四部及第五部ヲ置ク
第三條 第一部ニ於テハ左ノ事項ヲ管掌ス
一 砲熕兵器、甲鐵及其ノ材料ニ關スルコト
二 砲熕工場及製鋼工場ノ設備ノ計畫及審査ニ關スルコト
三 造砲製鋼ニ從事スル造兵官以下ノ敎育ニ關スルコト
第四條 第二部ニ於テハ左ノ事項ヲ管掌ス
一 水雷兵器、航空機、水路計器及其ノ材料ニ關スルコト
二 水雷工場、航空機工場及水路計器工場ノ設備ノ計畫及審査ニ關スルコト
三 水雷兵器、航空機及水路計器ノ製造ニ從事スル造兵官以下ノ敎育ニ關スルコト
第五條 第三部ニ於テハ左ノ事項ヲ管掌ス
一 電氣兵器及其ノ材料ニ關スルコト
二 電氣工場ノ設備ノ計畫及審査ニ關スルコト
三 電氣兵器ノ製造ニ從事スル造兵官以下ノ敎育ニ關スルコト
第六條 第四部ニ於テハ左ノ事項ヲ管掌ス
一 艦船ノ船體及其ノ材料ニ關スルコト
二 造船工場ノ設備ノ計畫及審査ニ關スルコト
三 造船ニ從事スル造船官以下ノ敎育ニ關スルコト
第七條 第五部ニ於テハ左ノ事項ヲ管掌ス
一 艦船ノ機關及其ノ材料ニ關スルコト
二 造機工場ノ設備ノ計畫及審査ニ關スルコト
三 造機ニ從事スル造船官以下ノ敎育ニ關スルコト
第八條 海軍技術本部ニ左ノ職員ヲ置ク
本部長
副官
第一部長
第二部長
第三部長
第四部長
第五部長
部員
前項職員ノ外海軍技術本部ニ書記及技手ヲ置ク
第九條 本部長ハ海軍大臣ニ隸シ部務ヲ統理ス
第十條 本部長ハ部下職員缺員中又ハ事故アリテ其ノ職務ヲ執ルコト能ハサルトキハ他ノ職員ヲシテ其ノ職務ヲ代理セシムルコトヲ得
第十一條 本部長缺員中又ハ事故アリテ其ノ職務ヲ執ルコト能ハサルトキハ部下首席職員其ノ職務ヲ代理ス但シ特ニ代理者ヲ置ク場合ハ此ノ限ニ在ラス
第十二條 副官ハ本部長ノ命ヲ承ケ庶務ヲ掌ル
第十三條 部長ハ本部長ノ命ヲ承ケ其ノ主務ヲ掌ル
第十四條 部員ハ上官ノ命ヲ承ケ服務ス
第十五條 書記及技手ハ上官ノ命ヲ承ケ事務ニ從フ
第十六條 海軍技術本部ニ技術會議ヲ置キ重要ナル事項ヲ硏究調査セシム
第十七條 技術會議ニ議長及議員ヲ置ク
議長ハ本部長ヲ以テ之ニ充ツ會議ノ長ト爲リ議事ヲ整理ス
部長及部員ハ之ヲ議員トス
議員ハ前項ノ外他ニ本職アル者ヲ以テ之ニ充ツ
第十八條 技術會議ハ本部長必要ニ臨ミ議事ニ關係アル議員ヲ集メテ之ヲ開ク
第十九條 海軍省軍務局長及海軍艦政部長ハ其ノ關係ノ事項ニ付隨時技術會議ニ出席シテ意見ヲ述フルコトヲ得
第二十條 海軍技術本部ニ必要ニ應シ出仕トシテ將校同相當官及技師ヲ置クコトヲ得
出仕ハ上官ノ命ヲ承ケ服務ス
附 則
本令ハ大正四年十月一日ヨリ之ヲ施行ス
朕海軍技術本部令ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
大正四年九月二十一日
内閣総理大臣 伯爵 大隈重信
海軍大臣 加藤友三郎
勅令第百六十二号
海軍技術本部令
第一条 海軍技術本部ハ之ヲ東京ニ置キ艦船、兵器ニ関スル計画、審査及其ノ工事ノ技術上ノ監督ヲ掌リ且艦船、兵器ニ関スル研究調査ヲ為シ之カ改良進歩ヲ図ル所トス
第二条 海軍技術本部ニ第一部、第二部、第三部、第四部及第五部ヲ置ク
第三条 第一部ニ於テハ左ノ事項ヲ管掌ス
一 砲熕兵器、甲鉄及其ノ材料ニ関スルコト
二 砲熕工場及製鋼工場ノ設備ノ計画及審査ニ関スルコト
三 造砲製鋼ニ従事スル造兵官以下ノ教育ニ関スルコト
第四条 第二部ニ於テハ左ノ事項ヲ管掌ス
一 水雷兵器、航空機、水路計器及其ノ材料ニ関スルコト
二 水雷工場、航空機工場及水路計器工場ノ設備ノ計画及審査ニ関スルコト
三 水雷兵器、航空機及水路計器ノ製造ニ従事スル造兵官以下ノ教育ニ関スルコト
第五条 第三部ニ於テハ左ノ事項ヲ管掌ス
一 電気兵器及其ノ材料ニ関スルコト
二 電気工場ノ設備ノ計画及審査ニ関スルコト
三 電気兵器ノ製造ニ従事スル造兵官以下ノ教育ニ関スルコト
第六条 第四部ニ於テハ左ノ事項ヲ管掌ス
一 艦船ノ船体及其ノ材料ニ関スルコト
二 造船工場ノ設備ノ計画及審査ニ関スルコト
三 造船ニ従事スル造船官以下ノ教育ニ関スルコト
第七条 第五部ニ於テハ左ノ事項ヲ管掌ス
一 艦船ノ機関及其ノ材料ニ関スルコト
二 造機工場ノ設備ノ計画及審査ニ関スルコト
三 造機ニ従事スル造船官以下ノ教育ニ関スルコト
第八条 海軍技術本部ニ左ノ職員ヲ置ク
本部長
副官
第一部長
第二部長
第三部長
第四部長
第五部長
部員
前項職員ノ外海軍技術本部ニ書記及技手ヲ置ク
第九条 本部長ハ海軍大臣ニ隷シ部務ヲ統理ス
第十条 本部長ハ部下職員欠員中又ハ事故アリテ其ノ職務ヲ執ルコト能ハサルトキハ他ノ職員ヲシテ其ノ職務ヲ代理セシムルコトヲ得
第十一条 本部長欠員中又ハ事故アリテ其ノ職務ヲ執ルコト能ハサルトキハ部下首席職員其ノ職務ヲ代理ス但シ特ニ代理者ヲ置ク場合ハ此ノ限ニ在ラス
第十二条 副官ハ本部長ノ命ヲ承ケ庶務ヲ掌ル
第十三条 部長ハ本部長ノ命ヲ承ケ其ノ主務ヲ掌ル
第十四条 部員ハ上官ノ命ヲ承ケ服務ス
第十五条 書記及技手ハ上官ノ命ヲ承ケ事務ニ従フ
第十六条 海軍技術本部ニ技術会議ヲ置キ重要ナル事項ヲ研究調査セシム
第十七条 技術会議ニ議長及議員ヲ置ク
議長ハ本部長ヲ以テ之ニ充ツ会議ノ長ト為リ議事ヲ整理ス
部長及部員ハ之ヲ議員トス
議員ハ前項ノ外他ニ本職アル者ヲ以テ之ニ充ツ
第十八条 技術会議ハ本部長必要ニ臨ミ議事ニ関係アル議員ヲ集メテ之ヲ開ク
第十九条 海軍省軍務局長及海軍艦政部長ハ其ノ関係ノ事項ニ付随時技術会議ニ出席シテ意見ヲ述フルコトヲ得
第二十条 海軍技術本部ニ必要ニ応シ出仕トシテ将校同相当官及技師ヲ置クコトヲ得
出仕ハ上官ノ命ヲ承ケ服務ス
附 則
本令ハ大正四年十月一日ヨリ之ヲ施行ス