災害地地租免除法
法令番号: 法律第一號
公布年月日: 大正3年2月20日
法令の形式: 法律
朕帝國議會ノ協贊ヲ經タル災害地地租免除法ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
大正三年二月十九日
內閣總理大臣 伯爵 山本權兵衞
大藏大臣 男爵 高橋是淸
法律第一號
災害地地租免除法
第一條 北海道又ハ府縣ノ全部又ハ一部ニ亙ル災害又ハ天候不順ニ因リ收穫皆無ニ歸シタル田畑ノ地租ハ納稅義務者ノ申請ニ因リ其ノ年分ニ限リ之ヲ免除ス
前項ノ申請ハ被害現狀ノ存スル間ニ於テ其ノ事實ヲ證明シテ之ヲ爲スコトヲ要ス
第二條 地目變換若ハ開墾成功ノ屆出アリタル土地又ハ耕地整理工事完了シ地價ノ配當ノ申出アリタル土地ニシテ土地臺帳ニ登錄セラレサルモノニ付テハ其ノ成功地目カ田畑ナルトキハ現地租ニ付前條ノ規定ヲ準用ス但シ耕地整理ノ場合ニ於テ免除スヘキ地租ノ金額ハ配賦スヘキ地價ニ依リ算出シタルモノトス
第三條 被害ノ調査中ハ其ノ年分地租ノ徵收ヲ猶豫スルコトヲ得
第四條 第一條又ハ第二條ノ規定ニ依リ免除シタル地租ハ法律上總テノ納稅資格中ヨリ之ヲ控除セス
附 則
第五條 本法ハ大正三年四月一日ヨリ之ヲ施行ス
第六條 明治三十四年法律第二十七號及明治三十六年法律第三號ハ之ヲ廢止ス
第七條 本法ハ本法施行前一年內ニ北海道又ハ府縣ノ全部又ハ一部ニ亙ル災害又ハ天候不順ニ因リ收穫皆無ニ歸シタル田畑又ハ第二條ニ該當スル土地ノ地租ニ之ヲ適用ス但シ明治三十四年法律第二十七號又ハ明治三十六年法律第三號ニ依リ地租ノ免除又ハ年賦延納ヲ出願シ不許可ト爲リタルモノニ付テハ此ノ限ニ在ラス
前項ノ規定ニ依リ免租ノ處分ヲ受ケムトスル者ハ大正三年五月三十一日限リ被害ノ事實ヲ證明シテ之ヲ申請スルコトヲ要ス但シ明治三十四年法律第二十七號又ハ明治三十六年法律第三號ニ依ル地租ノ免除又ハ年賦延納ノ出願ハ本法ニ依ル地租ノ免除ノ申請ト看做ス
第八條 明治三十六年法律第三號ニ依リ許可シタル延納年賦金ニシテ未タ徵收セサルモノハ之ヲ免除ス
朕帝国議会ノ協賛ヲ経タル災害地地租免除法ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
大正三年二月十九日
内閣総理大臣 伯爵 山本権兵衛
大蔵大臣 男爵 高橋是清
法律第一号
災害地地租免除法
第一条 北海道又ハ府県ノ全部又ハ一部ニ亘ル災害又ハ天候不順ニ因リ収穫皆無ニ帰シタル田畑ノ地租ハ納税義務者ノ申請ニ因リ其ノ年分ニ限リ之ヲ免除ス
前項ノ申請ハ被害現状ノ存スル間ニ於テ其ノ事実ヲ証明シテ之ヲ為スコトヲ要ス
第二条 地目変換若ハ開墾成功ノ届出アリタル土地又ハ耕地整理工事完了シ地価ノ配当ノ申出アリタル土地ニシテ土地台帳ニ登録セラレサルモノニ付テハ其ノ成功地目カ田畑ナルトキハ現地租ニ付前条ノ規定ヲ準用ス但シ耕地整理ノ場合ニ於テ免除スヘキ地租ノ金額ハ配賦スヘキ地価ニ依リ算出シタルモノトス
第三条 被害ノ調査中ハ其ノ年分地租ノ徴収ヲ猶予スルコトヲ得
第四条 第一条又ハ第二条ノ規定ニ依リ免除シタル地租ハ法律上総テノ納税資格中ヨリ之ヲ控除セス
附 則
第五条 本法ハ大正三年四月一日ヨリ之ヲ施行ス
第六条 明治三十四年法律第二十七号及明治三十六年法律第三号ハ之ヲ廃止ス
第七条 本法ハ本法施行前一年内ニ北海道又ハ府県ノ全部又ハ一部ニ亘ル災害又ハ天候不順ニ因リ収穫皆無ニ帰シタル田畑又ハ第二条ニ該当スル土地ノ地租ニ之ヲ適用ス但シ明治三十四年法律第二十七号又ハ明治三十六年法律第三号ニ依リ地租ノ免除又ハ年賦延納ヲ出願シ不許可ト為リタルモノニ付テハ此ノ限ニ在ラス
前項ノ規定ニ依リ免租ノ処分ヲ受ケムトスル者ハ大正三年五月三十一日限リ被害ノ事実ヲ証明シテ之ヲ申請スルコトヲ要ス但シ明治三十四年法律第二十七号又ハ明治三十六年法律第三号ニ依ル地租ノ免除又ハ年賦延納ノ出願ハ本法ニ依ル地租ノ免除ノ申請ト看做ス
第八条 明治三十六年法律第三号ニ依リ許可シタル延納年賦金ニシテ未タ徴収セサルモノハ之ヲ免除ス