帝国鉄道庁職員特別任用令
法令番号: 勅令第二十九號
公布年月日: 明治40年3月12日
法令の形式: 勅令
朕樞密顧問ノ諮詢ヲ經テ帝國鐵道廳職員特別任用令ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治四十年三月十一日
內閣總理大臣　侯爵　西園寺公望
遞信大臣　山縣伊三郞
勅令第二十九號
帝國鐵道廳職員特別任用令
第一條　帝國鐵道廳主事及主事補ハ滿三年以上鐵道ニ關スル職務ニ從事シ主事ニ在リテハ現ニ判任官三級俸以上、主事補ニ在リテハ現ニ判任官五級俸以上ノ俸給ヲ受クル者ヨリ文官高等試驗委員ノ銓衡ヲ經テ之ヲ任用スルコトヲ得
買收シタル鐵道ニ於ケル事務員ノ在職年數ハ前項ノ在職年數ニ之ヲ通算ス
第二條　帝國鐵道廳書記ハ遞信大臣ノ定ムル試驗規則ニ依リ之ヲ任用スルコトヲ得
附　則
第三條　帝國鐵道廳官制施行ノ際ニ限リ帝國鐵道廳總裁ハ滿十年以上副總裁ハ滿八年以上鐵道ニ關スル高等事務ニ從事シタル者ヨリ之ヲ任用スルコトヲ得
第四條　帝國鐵道廳官制施行ノ日ヨリ五年間ニ限リ帝國鐵道廳理事ハ滿五年以上鐵道ニ關スル高等事務ニ從事シ現ニ帝國鐵道廳參事ノ職ニ在ル者ヨリ文官高等試驗委員ノ銓衡ヲ經テ之ヲ任用スルコトヲ得但シ帝國鐵道廳官制施行後買收セラレタル鐵道ノ事務ニ從事シタル者ニ付テハ其ノ買收ノ日ヨリ五年間トス
第五條　帝國鐵道廳理事、參事、主事、主事補及書記ハ帝國鐵道廳官制施行ノ日ヨリ一年間ニ限リ第六條乃至第九條ノ規定ニ依リ之ヲ任用スルコトヲ得但シ帝國鐵道廳官制施行後買收セラレタル鐵道ノ事務ニ從事シタル者ヲ任用スル場合ニ於テハ其ノ買收ノ日ヨリ一年間トス
第六條　帝國鐵道廳理事ハ滿五年以上高等事務員トシテ鐵道ノ事務ニ從事シ買收セラレタル鐵道ニ於テ買收ノ際現ニ高等事務員タリシ者ヨリ文官高等試驗委員ノ銓衡ヲ經テ之ヲ任用スルコトヲ得
第七條　帝國鐵道廳參事ハ滿二年以上鐵道ニ關スル高等事務ニ從事シ帝國鐵道廳官制施行ノ際鐵道事務官、鐵道事務官補若ハ臨時鐵道國有準備局事務官ノ職ニ在ル者又ハ滿二年以上高等事務員トシテ鐵道事務ニ從事シ買收セラレタル鐵道ニ於テ買收ノ際現ニ高等事務員タリシ者ヨリ文官高等試驗委員ノ銓衡ヲ經テ之ヲ任用スルコトヲ得
第八條　帝國鐵道廳主事及主事補ハ帝國鐵道廳官制施行ノ際鐵道事務官若ハ鐵道事務官補ノ職ニ在ル者、臨時鐵道國有準備局事務官ノ職ニ在ル者、買收セラレタル鐵道ニ於テ買收ノ際現ニ高等事務員タリシ者又ハ滿三年以上鐵道ノ事務ニ從事スル者ヨリ文官高等試驗委員ノ銓衡ヲ經テ之ヲ任用スルコトヲ得
第九條　帝國鐵道廳書記ハ現ニ鐵道ニ關スル判任官ノ職ニ在ル者又ハ買收セラレタル鐵道ニ於テ買收ノ際現ニ鐵道ノ事務員タリシ者又ハ滿二年以上鐵道ノ事務ニ從事スル者ヨリ文官普通試驗委員ノ銓衡ヲ經テ之ヲ任用スルコトヲ得
第十條　買收セラレタル會社ノ淸算事務ニ從事スル者ハ鐵道ノ事務ニ從事スル者ト看做シ前四條ノ規定ニ準シ淸算結了ノ日ヨリ一年間ニ限リ帝國鐵道廳職員ニ任用スルコトヲ得
朕枢密顧問ノ諮詢ヲ経テ帝国鉄道庁職員特別任用令ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治四十年三月十一日
内閣総理大臣　侯爵　西園寺公望
逓信大臣　山県伊三郎
勅令第二十九号
帝国鉄道庁職員特別任用令
第一条　帝国鉄道庁主事及主事補ハ満三年以上鉄道ニ関スル職務ニ従事シ主事ニ在リテハ現ニ判任官三級俸以上、主事補ニ在リテハ現ニ判任官五級俸以上ノ俸給ヲ受クル者ヨリ文官高等試験委員ノ銓衡ヲ経テ之ヲ任用スルコトヲ得
買収シタル鉄道ニ於ケル事務員ノ在職年数ハ前項ノ在職年数ニ之ヲ通算ス
第二条　帝国鉄道庁書記ハ逓信大臣ノ定ムル試験規則ニ依リ之ヲ任用スルコトヲ得
附　則
第三条　帝国鉄道庁官制施行ノ際ニ限リ帝国鉄道庁総裁ハ満十年以上副総裁ハ満八年以上鉄道ニ関スル高等事務ニ従事シタル者ヨリ之ヲ任用スルコトヲ得
第四条　帝国鉄道庁官制施行ノ日ヨリ五年間ニ限リ帝国鉄道庁理事ハ満五年以上鉄道ニ関スル高等事務ニ従事シ現ニ帝国鉄道庁参事ノ職ニ在ル者ヨリ文官高等試験委員ノ銓衡ヲ経テ之ヲ任用スルコトヲ得但シ帝国鉄道庁官制施行後買収セラレタル鉄道ノ事務ニ従事シタル者ニ付テハ其ノ買収ノ日ヨリ五年間トス
第五条　帝国鉄道庁理事、参事、主事、主事補及書記ハ帝国鉄道庁官制施行ノ日ヨリ一年間ニ限リ第六条乃至第九条ノ規定ニ依リ之ヲ任用スルコトヲ得但シ帝国鉄道庁官制施行後買収セラレタル鉄道ノ事務ニ従事シタル者ヲ任用スル場合ニ於テハ其ノ買収ノ日ヨリ一年間トス
第六条　帝国鉄道庁理事ハ満五年以上高等事務員トシテ鉄道ノ事務ニ従事シ買収セラレタル鉄道ニ於テ買収ノ際現ニ高等事務員タリシ者ヨリ文官高等試験委員ノ銓衡ヲ経テ之ヲ任用スルコトヲ得
第七条　帝国鉄道庁参事ハ満二年以上鉄道ニ関スル高等事務ニ従事シ帝国鉄道庁官制施行ノ際鉄道事務官、鉄道事務官補若ハ臨時鉄道国有準備局事務官ノ職ニ在ル者又ハ満二年以上高等事務員トシテ鉄道事務ニ従事シ買収セラレタル鉄道ニ於テ買収ノ際現ニ高等事務員タリシ者ヨリ文官高等試験委員ノ銓衡ヲ経テ之ヲ任用スルコトヲ得
第八条　帝国鉄道庁主事及主事補ハ帝国鉄道庁官制施行ノ際鉄道事務官若ハ鉄道事務官補ノ職ニ在ル者、臨時鉄道国有準備局事務官ノ職ニ在ル者、買収セラレタル鉄道ニ於テ買収ノ際現ニ高等事務員タリシ者又ハ満三年以上鉄道ノ事務ニ従事スル者ヨリ文官高等試験委員ノ銓衡ヲ経テ之ヲ任用スルコトヲ得
第九条　帝国鉄道庁書記ハ現ニ鉄道ニ関スル判任官ノ職ニ在ル者又ハ買収セラレタル鉄道ニ於テ買収ノ際現ニ鉄道ノ事務員タリシ者又ハ満二年以上鉄道ノ事務ニ従事スル者ヨリ文官普通試験委員ノ銓衡ヲ経テ之ヲ任用スルコトヲ得
第十条　買収セラレタル会社ノ清算事務ニ従事スル者ハ鉄道ノ事務ニ従事スル者ト看做シ前四条ノ規定ニ準シ清算結了ノ日ヨリ一年間ニ限リ帝国鉄道庁職員ニ任用スルコトヲ得