第一條 酒類ノ製造免許ヲ受ケスシテ酒母又ハ醪ヲ製造セムトスル者及販賣ノ爲ニ麴ヲ製造セムトスル者ハ製造場ヲ定メ其ノ住所、氏名又ハ名稱ヲ記シタル免許申請書ヲ製造場所轄稅務署ニ提出スヘシ
第二條 左ノ各號ノ一ニ該當スルトキハ稅務署ハ酒母、醪又ハ麴製造ノ免許ヲ與ヘサルヘシ
一 市街地又ハ稅務署所在地ヨリ一里以上ノ距離アル場所ニ製造場ヲ設ケムトスルトキ但シ稅務署ニ於テ製造又ハ監督上特別ノ便宜アリト認ムルトキハ此ノ限ニ在ラス
二 酒母、醪及麴取締法又ハ本令ニ違反シタル者又ハ其ノ戶主、家族、同居者、雇人其ノ他從業者又ハ稅務署ニ於テ取締上免許ヲ與フルニ不適當ト認ムル者カ免許ヲ申請シタルトキ
第三條 酒母、醪又ハ麴ノ製造場ハ敷地ノ連續スルト否トヲ問ハス總テ一製造場ト認ムヘキモノヲ謂フ
第四條 所轄稅務署ニ於テ必要ト認メ酒母、醪又ハ麴製造場ノ圖面又ハ製造用容器、器具、器械ノ目錄ヲ提出スヘキコトヲ命シタルトキハ酒母、醪又ハ麴ノ製造者ハ之ヲ提出スヘシ
前項ニ依リ提出シタル容器、器具、器械ヲ修理シ又ハ前項ノ圖面目錄ニ異動ヲ生シタルトキハ其ノ都度申吿スヘシ製造者ノ住所、氏名又ハ名稱ニ異動ヲ生シタルトキ亦同シ
第五條 酒母、醪又ハ麴ノ製造者ヨリ前條第一項ノ目錄ヲ提出シ又ハ同第二項ノ申吿ヲ爲シタルトキハ所轄稅務署ハ其ノ容器、器具、器械ヲ檢定シ番號、容量其ノ他必要ナル事項ヲ標記又ハ烙記スルコトヲ得
所轄稅務署ニ於テ必要ト認メ檢定前使用スヘカラサルコトヲ命シタルトキハ製造者ハ製造用容器、器具、器械ノ使用ヲ爲スコトヲ得ス
第六條 酒母、醪又ハ麴製造者ハ每年十二月中ニ翌年製造スヘキ見込石數、製造著手ノ時期及製造方法ヲ記載シ所轄稅務署ニ申吿スヘシ新ニ免許ヲ受ケタル者ハ事業著手前ニ申吿スヘシ
酒母、醪又ハ麴ノ製造者其ノ製造ヲ休止セムトスルトキ若ハ製造休止後更ニ製造セムトスルトキ又ハ前項ニ依リ申吿シタル事項ヲ變更セムトスルトキハ其ノ都度申吿スヘシ
第七條 酒母、醪又ハ麴ノ製造業ヲ相續シタルトキハ相續人ヨリ其ノ旨所轄稅務署ニ申吿スヘシ
相續ノ場合ヲ除クノ外酒母、醪又ハ麴ノ製造業ノ引繼ヲ受ケムトスル者ハ第一條ニ依リ酒母、醪又ハ麴製造ノ免許申請書ヲ所轄稅務署ニ提出スヘシ
前項ノ免許申請書ニハ引繼ヲ爲サムトスル者ノ同意書ヲ添附スヘシ
第八條 酒母、醪又ハ麴ノ製造者其ノ製造場ヲ移轉セムトスルトキハ移轉先ノ所轄稅務署ニ申請シ其ノ許可ヲ受クヘシ
第九條 酒母、醪又ハ麴ノ製造者其ノ製造ヲ廢止シタルトキハ其ノ旨所轄稅務署ニ申吿スヘシ第七條第二項ニ依リ製造業ノ引繼ヲ爲シタルトキ亦同シ
第十條 收稅官吏ハ隨時酒母、醪又ハ麴ノ製造場若ハ麴ノ販賣場ニ臨ミ酒母、醪又ハ麴、其ノ原料、製造用容器、器具、器械、建築物若ハ帳簿書類ヲ檢査スヘシ
收稅官吏監督上必要ト認メタル場合ニ於テ製造者ヨリ前項ノ物件ニ封印以外ノ適當ナル方法ヲ施サムコトヲ申出テタルトキハ之ヲ承認スルコトヲ得
第十一條 收稅官吏カ必要ト認メテ酒母、醪、麴又ハ其ノ原料品ヲ指定シ其ノ讓渡、質入、消費又ハ使用前檢査ヲ受クヘキコトヲ命シタルトキハ酒母、醪又ハ麴ノ製造者ハ其ノ檢査ヲ受クヘシ
第十二條 酒母ヲ買入レムトスル者ハ其ノ住所、氏名又ハ名稱、酒母ノ數量、用途及買入先ヲ記シタル書面ヲ所轄稅務署ニ提出シ酒母買入認許證ノ交付ヲ請求スヘシ
第十三條 酒母製造者ハ酒母買入認許證ト引換ニ非サレハ酒母ヲ讓渡スコトヲ得ス
酒母製造者ハ前項ノ買入認許證ヲ以テ酒母ノ移出ヲ收稅官吏ニ證明スヘシ
第十五條 酒母、醪又ハ麴製造者ハ少クトモ左ノ事項ヲ帳簿ニ記載スヘシ
一 原料ノ種類、數量、他ヨリ引取リタルモノニ在リテハ引取ノ日及其ノ引取先
四 酒母ヲ麴ニ混和シタルトキハ其ノ酒母及麴ノ數量、其ノ混成數量及其ノ混和ノ日
五 使用又ハ他ニ引渡シタル酒母、醪若ハ麴ノ數量及使用又ハ引渡ノ日、引渡シタルモノノ價額及引渡先
第十六條 麴請賣者ハ少クトモ左ノ事項ヲ帳簿ニ記載スヘシ
第十七條 收稅官吏カ必要ト認メテ承認ヲ受クヘキコトヲ命シタル事項ニ付テハ酒母、醪又ハ麴ノ製造者ハ其ノ承認ヲ受クヘシ
第十八條 酒母、醪及麴取締法第十六條ノ施行ニ付テハ間接國稅犯則者處分法施行規則ノ規定ヲ準用ス