陸軍兵器廠条例
法令番号: 勅令第百六十號
公布年月日: 明治33年4月25日
法令の形式: 勅令
朕陸軍兵器廠條例改正ノ件ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治三十三年四月二十四日
陸軍大臣 子爵 桂太郞
勅令第百六十號
陸軍兵器廠條例
第一條 陸軍兵器廠ハ兵器ノ購買、貯藏、保存、修理、支給、交換及要塞ノ備砲工事ヲ掌ル所トス
第二條 兵器廠ハ兵器本廠、兵器支廠及兵器分廠ヨリ成ル
兵器本廠ハ東京、大阪、門司及臺北ニ置キ兵器支廠ヲ統轄ス其ノ所管區域左ノ如シ
東京兵器本廠 第一、第二、第七及第八師管
大阪兵器本廠 第三、第四、第九及第十師管
門司兵器本廠 第五、第六、第十一及第十二師管
臺北兵器本廠 臺灣
第三條 師團司令部、臺灣守備混成旅團司令部竝要塞ノ所在地臺北ヲ除クニ兵器支廠ヲ置ク其ノ他樞要ナル衞戍地ニ兵器分廠ヲ置キ兵器支廠ノ管轄トス
要塞所在地兵器支廠ハ三等ニ區分ス
兵器支廠ノ等級竝兵器分廠ノ位地ハ陸軍大臣之ヲ定ム
第四條 兵器廠ニ左ノ職員ヲ置ク
兵器本廠
本廠長
廠員
軍吏
兵器支廠
支廠長
廠員
軍吏
右ニ揭クル職員ノ外兵器本支廠ニ准士官、下士及技手ヲ置キ兵器分廠ニ下士ヲ置ク但シ兵器分廠附下士ニ在リテハ所在地隊附下士ヲシテ其ノ業務ヲ兼ネシムルコトヲ得
第五條 本廠長ハ兵器監ニ隸シ兵器廠ノ事務ヲ總理ス
臺北兵器本廠長ハ戰時若ハ事變ニ際シテハ臺灣總督ノ命ヲ受クルコトアルヘシ
第六條 支廠長ハ本廠長ニ隸シ兵器支廠ノ事務ヲ管理ス
支廠長ハ所在地砲兵工廠派出所ノ事業ヲ管掌シ其ノ業務竝經理ニ關シテハ當該砲兵工廠提理ノ區處ヲ受ク
支廠長ハ師團、臺灣守備混成旅團及要塞ノ兵器ニ就テハ當該師團長、混成旅團長及要塞司令官ノ命ヲ受ク
臺北ニ在リテハ支廠長ノ職務ハ臺北兵器本廠長之ヲ兼掌ス
第七條 廠員及軍吏ハ當該本支廠長ノ命ヲ受ケ各分擔ノ事務ニ服ス
第八條 兵器分廠附下士ハ支廠長ノ統轄ニ屬スト雖トモ其ノ職務ニ就テハ尙所在地衞戍司令官ノ監督ヲ受ク
第九條 兵器廠保管ノ武器庫、彈藥庫、器具庫及材料庫ニハ衞兵ヲ置ク但シ衞兵ヲ必要トセサルトキハ本廠長ハ衞戍司令官ノ同意ヲ得テ之ヲ置カサルコトヲ得
前項ノ外武器庫、彈藥庫、器具庫及材料庫ニハ下士又ハ定番人ヲ置クコトヲ得
新ニ衞兵ヲ置クトキハ本廠長又ハ支廠長ヨリ該地衞戍司令官ニ請求スルモノトス
要塞備附ノ兵器ハ砲臺監守ヲシテ之ヲ監守セシム
附 則
第十條 當分ノ內藝豫要塞所在地ノ兵器支廠ハ大阪兵器本廠ノ管轄トス
朕陸軍兵器廠条例改正ノ件ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治三十三年四月二十四日
陸軍大臣 子爵 桂太郎
勅令第百六十号
陸軍兵器廠条例
第一条 陸軍兵器廠ハ兵器ノ購買、貯蔵、保存、修理、支給、交換及要塞ノ備砲工事ヲ掌ル所トス
第二条 兵器廠ハ兵器本廠、兵器支廠及兵器分廠ヨリ成ル
兵器本廠ハ東京、大阪、門司及台北ニ置キ兵器支廠ヲ統轄ス其ノ所管区域左ノ如シ
東京兵器本廠 第一、第二、第七及第八師管
大阪兵器本廠 第三、第四、第九及第十師管
門司兵器本廠 第五、第六、第十一及第十二師管
台北兵器本廠 台湾
第三条 師団司令部、台湾守備混成旅団司令部並要塞ノ所在地台北ヲ除クニ兵器支廠ヲ置ク其ノ他枢要ナル衛戍地ニ兵器分廠ヲ置キ兵器支廠ノ管轄トス
要塞所在地兵器支廠ハ三等ニ区分ス
兵器支廠ノ等級並兵器分廠ノ位地ハ陸軍大臣之ヲ定ム
第四条 兵器廠ニ左ノ職員ヲ置ク
兵器本廠
本廠長
廠員
軍吏
兵器支廠
支廠長
廠員
軍吏
右ニ掲クル職員ノ外兵器本支廠ニ准士官、下士及技手ヲ置キ兵器分廠ニ下士ヲ置ク但シ兵器分廠附下士ニ在リテハ所在地隊附下士ヲシテ其ノ業務ヲ兼ネシムルコトヲ得
第五条 本廠長ハ兵器監ニ隷シ兵器廠ノ事務ヲ総理ス
台北兵器本廠長ハ戦時若ハ事変ニ際シテハ台湾総督ノ命ヲ受クルコトアルヘシ
第六条 支廠長ハ本廠長ニ隷シ兵器支廠ノ事務ヲ管理ス
支廠長ハ所在地砲兵工廠派出所ノ事業ヲ管掌シ其ノ業務並経理ニ関シテハ当該砲兵工廠提理ノ区処ヲ受ク
支廠長ハ師団、台湾守備混成旅団及要塞ノ兵器ニ就テハ当該師団長、混成旅団長及要塞司令官ノ命ヲ受ク
台北ニ在リテハ支廠長ノ職務ハ台北兵器本廠長之ヲ兼掌ス
第七条 廠員及軍吏ハ当該本支廠長ノ命ヲ受ケ各分担ノ事務ニ服ス
第八条 兵器分廠附下士ハ支廠長ノ統轄ニ属スト雖トモ其ノ職務ニ就テハ尚所在地衛戍司令官ノ監督ヲ受ク
第九条 兵器廠保管ノ武器庫、弾薬庫、器具庫及材料庫ニハ衛兵ヲ置ク但シ衛兵ヲ必要トセサルトキハ本廠長ハ衛戍司令官ノ同意ヲ得テ之ヲ置カサルコトヲ得
前項ノ外武器庫、弾薬庫、器具庫及材料庫ニハ下士又ハ定番人ヲ置クコトヲ得
新ニ衛兵ヲ置クトキハ本廠長又ハ支廠長ヨリ該地衛戍司令官ニ請求スルモノトス
要塞備附ノ兵器ハ砲台監守ヲシテ之ヲ監守セシム
附 則
第十条 当分ノ内芸予要塞所在地ノ兵器支廠ハ大阪兵器本廠ノ管轄トス