馬匹去勢法
法令番号: 法律第二十二號
公布年月日: 明治34年4月4日
法令の形式: 法律
朕帝國議會ノ協贊ヲ經タル馬匹去勢法ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治三十四年四月二日
內閣總理大臣 侯爵 伊藤博文
陸軍大臣 男爵 兒玉源太郞
農商務大臣 林有造
法律第二十二號
馬匹去勢法
第一條 牡馬ニハ去勢ヲ行フ但シ種牡馬ハ此ノ限ニ在ラス
第二條 牡馬ニシテ種牡馬タルヘキ資質アリト認メタルモノニハ頭數ヲ限リ去勢ノ施行ヲ猶豫ス
疾病又ハ發育不全ニ因リ去勢ヲ行フニ堪ヘスト認メタルモノ若ハ學術硏究ノ爲行政官廳ノ許可ヲ得タルモノニハ去勢ノ施行ヲ猶豫スルコトヲ得
第三條 牡馬ノ去勢年齡ハ明ケ三歲トス
去勢ハ春期又ハ夏期ニ於テ之ヲ行フ
第四條 左ノ各號ノ一ニ該當スル牡馬ニハ去勢年齡ニ拘ハラス去勢ヲ施行ス但シ明ケ十五歲以上ノモノハ此ノ限ニ在ラス
一 去勢ノ施行ヲ猶豫シ其ノ他已ヲ得スシテ去勢ヲ施行スルコトヲ得サリシ牡馬ニシテ其ノ事由消滅シタルモノ
二 去勢年齡ヲ經過シタル牡馬ニシテ本法施行後本法ヲ施行セサル島嶼ヨリ牽キ入レ又ハ外國ヨリ輸入シタルモノ
三 本法施行ノ際去勢年齡ヲ經過シタルモノヲ除クノ外種牡馬ニシテ檢査合格ノ證明ノ效力ヲ失ヒタルモノ
第五條 牡馬ニシテ去勢施行ノ爲斃死シ又ハ從來ノ用途ヲ變更若ハ廢止スルノ已ムヲ得サルニ至リタルトキハ償金ヲ與フヘシ
第六條 去勢施行ノ費用ニ關スル規定竝前條償金ノ査定ニ關スル規定ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第七條 牡馬ノ去勢ノ施行ヲ拒ミタル者ハ百圓以下ノ罰金ニ處ス
附 則
第八條 本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第九條 本法ハ種牡馬檢査法ヲ施行セサル島嶼ニハ之ヲ施行セス
朕帝国議会ノ協賛ヲ経タル馬匹去勢法ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治三十四年四月二日
内閣総理大臣 侯爵 伊藤博文
陸軍大臣 男爵 児玉源太郎
農商務大臣 林有造
法律第二十二号
馬匹去勢法
第一条 牡馬ニハ去勢ヲ行フ但シ種牡馬ハ此ノ限ニ在ラス
第二条 牡馬ニシテ種牡馬タルヘキ資質アリト認メタルモノニハ頭数ヲ限リ去勢ノ施行ヲ猶予ス
疾病又ハ発育不全ニ因リ去勢ヲ行フニ堪ヘスト認メタルモノ若ハ学術研究ノ為行政官庁ノ許可ヲ得タルモノニハ去勢ノ施行ヲ猶予スルコトヲ得
第三条 牡馬ノ去勢年齢ハ明ケ三歳トス
去勢ハ春期又ハ夏期ニ於テ之ヲ行フ
第四条 左ノ各号ノ一ニ該当スル牡馬ニハ去勢年齢ニ拘ハラス去勢ヲ施行ス但シ明ケ十五歳以上ノモノハ此ノ限ニ在ラス
一 去勢ノ施行ヲ猶予シ其ノ他已ヲ得スシテ去勢ヲ施行スルコトヲ得サリシ牡馬ニシテ其ノ事由消滅シタルモノ
二 去勢年齢ヲ経過シタル牡馬ニシテ本法施行後本法ヲ施行セサル島嶼ヨリ牽キ入レ又ハ外国ヨリ輸入シタルモノ
三 本法施行ノ際去勢年齢ヲ経過シタルモノヲ除クノ外種牡馬ニシテ検査合格ノ証明ノ効力ヲ失ヒタルモノ
第五条 牡馬ニシテ去勢施行ノ為斃死シ又ハ従来ノ用途ヲ変更若ハ廃止スルノ已ムヲ得サルニ至リタルトキハ償金ヲ与フヘシ
第六条 去勢施行ノ費用ニ関スル規定並前条償金ノ査定ニ関スル規定ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第七条 牡馬ノ去勢ノ施行ヲ拒ミタル者ハ百円以下ノ罰金ニ処ス
附 則
第八条 本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第九条 本法ハ種牡馬検査法ヲ施行セサル島嶼ニハ之ヲ施行セス