(台湾ニ在勤スル官吏ノ恩給及遺族扶助料ニ関スル法律)
法令番号: 法律第七十五號
公布年月日: 明治33年3月31日
法令の形式: 法律
朕帝國議會ノ協贊ヲ經タル臺灣ニ在勤スル官吏ノ恩給及遺族扶助料ニ關スル法律ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治三十三年三月三十日
內閣總理大臣 侯爵 山縣有朋
大藏大臣 伯爵 松方正義
內務大臣 侯爵 西鄕從道
陸軍大臣 子爵 桂太郞
文部大臣 伯爵 樺山資紀
外務大臣 子爵 靑木周藏
遞信大臣 子爵 芳川顯正
海軍大臣 山本權兵衞
司法大臣 淸浦奎吾
農商務大臣 曾禰荒助
法律第七十五號
第一條 臺灣ニ在勤スル文官判任以上ノ者ニシテ三箇年以上引續キ在職シタル者ニハ官吏恩給法竝官吏遺族扶助法ノ在官年數計算ニ於テ其ノ在職一箇月ニ對シ半箇月ヲ加算ス但シ從軍年ノ加算アル場合ハ此ノ限ニ在ラス
前項ニ依リ加算シタル年月數ハ軍人恩給法ニ於テ文官服務中ノ日數中ニ算入ス
第一項ノ加算ハ臺灣ニ到著シタル日ニ始マル
第二條 臺灣ニ在勤スル文官判任以上ノ者ニシテ三箇年以上引續キ在職シタル者臺灣ニ於テ風土病又ハ流行病ニ罹リ官吏恩給法第三條第二號ニ準スヘキ者ニハ恩給及增加恩給ヲ給ス
前項ノ疾病ニ罹リ之カ爲退官シタル後重症ニ趨キタルトキハ官吏恩給法第六條ノ規定ニ準シ相當ノ恩給ヲ給ス
第三條 臺灣ニ在勤スル文官判任以上ノ者臺灣ニ於テ風土病又ハ流行病ニ罹リ在官中死去シタルトキ又ハ之カ爲退官シタル後其ノ疾病ノ爲死去シタルトキハ左ノ區別ニ從ヒ官吏遺族扶助法ノ規定ニ依リ其ノ遺族ニ扶助料ヲ給ス
一 第一條ノ在職三箇年未滿ナルトキハ十五箇年在官シタル者ト同視シ其ノ受クヘキ恩給年額ノ三分ノ一
二 第一條ノ在職三箇年以上ナルトキハ其ノ受クヘキ恩給年額ノ三分ノ二
第四條 前二條ノ風土病及流行病ノ種類ハ勅令ヲ以テ之ヲ指定ス
第五條 本法ノ規定ハ本法施行ノ際現ニ臺灣ニ在勤スル者ニ關シテハ本法施行前ヨリノ在職年月數ニモ之ヲ適用ス
附 則
本法ハ明治三十三年四月一日ヨリ之ヲ施行ス
朕帝国議会ノ協賛ヲ経タル台湾ニ在勤スル官吏ノ恩給及遺族扶助料ニ関スル法律ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治三十三年三月三十日
内閣総理大臣 侯爵 山県有朋
大蔵大臣 伯爵 松方正義
内務大臣 侯爵 西郷従道
陸軍大臣 子爵 桂太郎
文部大臣 伯爵 樺山資紀
外務大臣 子爵 青木周蔵
逓信大臣 子爵 芳川顕正
海軍大臣 山本権兵衛
司法大臣 清浦奎吾
農商務大臣 曽祢荒助
法律第七十五号
第一条 台湾ニ在勤スル文官判任以上ノ者ニシテ三箇年以上引続キ在職シタル者ニハ官吏恩給法並官吏遺族扶助法ノ在官年数計算ニ於テ其ノ在職一箇月ニ対シ半箇月ヲ加算ス但シ従軍年ノ加算アル場合ハ此ノ限ニ在ラス
前項ニ依リ加算シタル年月数ハ軍人恩給法ニ於テ文官服務中ノ日数中ニ算入ス
第一項ノ加算ハ台湾ニ到著シタル日ニ始マル
第二条 台湾ニ在勤スル文官判任以上ノ者ニシテ三箇年以上引続キ在職シタル者台湾ニ於テ風土病又ハ流行病ニ罹リ官吏恩給法第三条第二号ニ準スヘキ者ニハ恩給及増加恩給ヲ給ス
前項ノ疾病ニ罹リ之カ為退官シタル後重症ニ趨キタルトキハ官吏恩給法第六条ノ規定ニ準シ相当ノ恩給ヲ給ス
第三条 台湾ニ在勤スル文官判任以上ノ者台湾ニ於テ風土病又ハ流行病ニ罹リ在官中死去シタルトキ又ハ之カ為退官シタル後其ノ疾病ノ為死去シタルトキハ左ノ区別ニ従ヒ官吏遺族扶助法ノ規定ニ依リ其ノ遺族ニ扶助料ヲ給ス
一 第一条ノ在職三箇年未満ナルトキハ十五箇年在官シタル者ト同視シ其ノ受クヘキ恩給年額ノ三分ノ一
二 第一条ノ在職三箇年以上ナルトキハ其ノ受クヘキ恩給年額ノ三分ノ二
第四条 前二条ノ風土病及流行病ノ種類ハ勅令ヲ以テ之ヲ指定ス
第五条 本法ノ規定ハ本法施行ノ際現ニ台湾ニ在勤スル者ニ関シテハ本法施行前ヨリノ在職年月数ニモ之ヲ適用ス
附 則
本法ハ明治三十三年四月一日ヨリ之ヲ施行ス