台湾は内地と気候・風土が異なるため、内地在勤の官吏・軍人と同一の恩給法で扱うことは権衡を失する。そのため明治33年に特別法が制定され、台湾在勤の文官には3年以上、軍人には6ヶ月以上の在職者に対し、在職1ヶ月につき半月の加算を行うこととなった。一方、樺太在勤者には加算規定がなく、同じ内国でありながら台湾在勤者との間に不権衡が生じている。そこで、第一条の「台湾」の下に「又は樺太」を加えることで権衡を図るため、本改正案を提出した。ただし第二条以下については、樺太は台湾と異なり寒気が強いのみで風土病等の懸念がないため、加えないこととした。
参照した発言:
第22回帝国議会 衆議院 明治三十三年法律第七十五号中改正法律案、明治三十三年法律第七十六号中改正法律案委員会 第1号