第一條 本法ニ於テ下水道ト稱スルハ土地ノ淸潔ヲ保持スル爲汚水雨水疏通ノ目的ヲ以テ布設スル排水管其ノ他ノ排水線路及其ノ附屬裝置ヲ謂フ
第二條 市ニ於テ下水道ヲ築造セムトスルトキハ其ノ設計工費ノ收支豫算及起工竝竣工ノ期限ヲ定メ內務大臣ノ認可ヲ受クヘシ但シ命令ヲ以テ定ムル種類ノ改築又ハ增築工事ニ關シテハ此ノ限ニ在ラス
第三條 下水道ヲ設ケタル地ニ於テハ命令ノ定ムル所ニ依リ市又ハ土地ノ所有者使用者若ハ占有者ハ汚水雨水ヲ下水道ニ疏通スル爲必要ナル施設ヲ爲シ及之ヲ管理スルノ義務ヲ負フ
市ニ於テ前項ノ施設ヲ爲シ及之ヲ管理スル場合ニ於テハ市條例ノ定ムル所ニ依リ其ノ費用ヲ土地ノ所有者使用者又ハ占有者ヨリ徵收スルコトヲ得
第四條 前條ノ場合ニ於テ甲地ノ汚水雨水ヲ疏通スル爲必要アルトキハ乙地ニ汚水雨水ヲ通過セシメ又ハ乙地ノ汚水雨水ヲ通過セシムル爲設ケタル工作物ヲ使用スルコトヲ得但シ乙地ノ爲ニ損害最少キ場所及方法ヲ選ムヘシ
前項ニ依リ他人ノ工作物ヲ使用スル者ハ其ノ利益ヲ受クル割合ニ應シテ工作物ノ施設及管理ノ費用ヲ負擔スヘシ
第五條 下水道ヲ築造シ若ハ之ヲ管理シ又ハ第三條ノ施設ヲ爲シ若ハ之ヲ管理スル爲必要アルトキハ他人ノ土地ヲ使用スルコトヲ得但シ之カ爲他人ノ受ケタル損害ニ對シ償金ヲ拂フコトヲ要ス
第六條 當該吏員ハ下水道又ハ第三條ノ施設ノ實況ヲ監視スル爲其ノ事由ヲ吿知シテ私人ノ土地ニ立入ルコトヲ得
第七條 下水道ノ用地ニ必要ナル國有ノ土地ハ之ヲ市ニ讓與シ又ハ無償ニテ使用セシムルコトヲ得
第八條 本法又ハ本法ニ基キテ發スル命令ニ依リ私人ニ於テ履行スヘキ事項ヲ履行セス又ハ之ヲ履行スルモ充分ナラスト認ムルトキハ當該吏員ニ於テ之ヲ施行シ其ノ費用ハ市ニ於テ之ヲ支辨スヘシ
前項ノ處分ハ豫メ履行期間ヲ指定シテ戒吿スルニ非サレハ之ヲ爲スコトヲ得ス但シ必要ノ時限內ニ履行シ得スト認ムルトキハ此ノ限ニ在ラス
第九條 前條ノ處分ヲ爲シタルトキハ市ハ市稅ノ例ニ依リ其ノ費用ヲ義務者ヨリ徵收スルコトヲ得
第十條 市ハ勅令ノ定ムル所ニ依リ町村ノ委託ヲ受ケ町村ノ全部又ハ一部ノ爲ニ其ノ下水道ヲ築造スルコトヲ得
第十一條 內務大臣ハ必要ト認ムルトキハ下水道ノ築造ヲ市ニ命スルコトヲ得